お茶の時間 (2017 September )
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My俳句手帖(復刻版)
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☆ 生きる者みな遺族なり曼珠沙華 (尼崎市 ひじり 純子)
☆ 遠近を大小に見せ闇沖に漁火灯る頃となりたり (舞鶴市 吉富 憲治)
☆ 濃竜胆一茎挿して色足れり (尼崎市 田中 節夫)
☆ 観覧車遠くに見えて初秋なり塩辛とんぼがとんでいた朝 (摂津市 内山 豊子)
☆ 大文字の先まで炎ゆきわたる (尼崎市 橋本 絹子)
☆ 偽薬と知っていて服けというようなミサイル避難説明の人 (水戸市 中原 千絵子)
☆ 展示会迫る硯を洗ひけり (枚方市 石橋 玲子)
☆ ダビンチの描きたるその人体図ユーロ硬貨の裏で輝く (直方市 石井 真久良)
☆ 渾身のバックホームや雲の峰 (町田市 川井 一浪)
☆ 地方車につづく踊り子鳴子手に南風(まぜ)を操るよさこい祭り (名古屋市 中村 桃子)
☆ 揚花火終焉の美を教へけり (岡崎市 米津 勇美)
☆ いくつもの手書きの夢を乗せながら紙飛行機が大空を行く (館林市 阿部 芳夫)
☆ 山童栗も胡桃も熟れにけり (尾張旭市 古賀 勇理央)
☆ よみがえった三連水車が村人よがんばろうなと音たてはじむ (嘉麻市 野見山 弘子)
☆ 鉄砲百合四つ開けば四方向く (下関市 内田 恒生)
☆ 鯉が窪深き湿原に一匹のハッチョウトンボ二センチの赤 (備前市 山形 芳子)
☆ 白粉の花咲く頃の帰心かな (神戸市 玉手 のり子)
☆ 剥製となっても大きな口開けて戦わされるハブとマングース (和泉市 黒田 美紀)
☆ ハモニカと銀河の音と響き合う (横浜市 岩佐 正己)
☆ 三枚の布団に家族五人寝て真夏の夜のマチスのダンス (東京都 黒河内 葉子)
☆ シャガールの恋人達や天の川 (大分県日出町 松鷹 久子)
☆ 前にしか進めぬトンボのブローチを心臓辺りにつけて生きてく (神奈川県 九螺 ささら)
☆ 夾竹桃原爆の死は続きをり (浜松市 北河 覚)
☆ 白山の登り口には釣舟草咲いて登山の人の微笑み (明石市 小田 慶喜)
☆ 風といふ大敵来たる竿灯祭 (多摩市 吉野 佳一)
☆ インスタ映えするかどうかで新メニュー決める店舗に行列できる (松阪市 こやま はつみ)
☆ 空蝉のしがみつきたるこの世かな (福岡市 松尾 康乃)
☆ スイカには種の星座が詰まってる真っ二つに開かれる天球儀 (神奈川県 九螺 ささら)
☆ 冷酒と冷酒の違ひ談論す (横浜市 犬山 達四郎)
☆ むらさきの蛍ぶくろをふるふると揺らしてきたる夏至の夕風 (幸手市 森 暁香)