お茶の時間 (2016 Octorber )
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My俳句手帖(復刻版)
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☆ ”ねじ式”は今もなんだか解らぬが捨ててしまえば僕でなくなる (松本市 牧野内 英詩)
☆ 空に色奪はれさうに紫苑咲く (伊賀市 西澤 与志子)
☆ 老妻はラジオ体操老生は気功まがいで朝が始まる (立川市 植原 仁)
☆ 秋涼し囁きかはす京ことば (川西市 日塔 脩)
☆ 半袖のセーラー服はもう今日でおしまいさよなら中3の夏 (富山市 松田 わこ)
☆ しだれ萩花から花へ雨しずく (熊本県菊陽町 井芹 眞一郎)
☆ 中空をシオカラ・ムギワラむつみ飛ぶ夫婦別姓みたいなトンボ (下野市 若島 安子)
☆ いちじくを割ればエロスの花咲けり (東京都 渡辺 礼司)
☆ 山高帽はかぶられず常に伏せられてけふも誰かの夢を孵化してる (神奈川県 九螺 ささら)
☆ 刈りてゆくほどに晩稲の穂のたわわ (島原市 中川 萩坊主)
☆ 高校の見学会で初めての食堂初めてのカツカレー (富山市 松田 わこ)
☆ 善人と察して停る赤蜻蛉 (さいたま市 町田 蚕子)
☆ ものごとにこうして慣れてゆくのかとミサイル発射またかと思う (船橋市 山崎 三千子)
☆ もう喜雨に非ず豪雨となりにけり (旭川市 大塚 信)
☆ 富岡の賑わいよそ目にたんたんと糸つむぎおり碓氷製糸は (安中市 鬼形 輝雄)
☆ 天高く鎌倉大仏立たせたし (東京都 吉田 かずや)
☆ 語尾にみなサウルスつけてはねまわる四歳をの子はジュラ紀に住めり (杵築市 長野 なをみ)
☆ 熊蜂の花粉重たき芙蓉かな (埼玉県長瀞町 坂上 ふみを)
☆ 「ごんぎつね」教えし生徒らも父母となり意のままならぬ子育て嘆く (舞鶴市 吉富 憲治)
☆ 赤とんぼ神話の里の主役かな (さいたま市 佐藤 勇次郎)
☆ ゆったりと読書の秋を楽しめず本屋の正面に来年の手帖 (東京都 上田 結香)
☆ セザンヌの筆のタッチのラ・フランス (堺市 奥村 英忠)
☆ 先生にひまな時間がいま必要なのか苦沙弥ほどとはいわざるも (さいたま市 桜井 英雄)
☆ 星を見るつもりの岬虫浄土 (神戸市 玉手 のり子)
☆ 熊蝉の静まりたるを区切りとし若きら汗のリュックを背負う (八尾市 吉谷 往久)
☆ おくすりのやうにいなごを食ふ子かな (川越市 渡邊 清明)
☆ 普通免許を取れたので明日から車を運転しなくて済むの (名古屋市 茶田 さわ香)
☆ 水引の花伸び右往左往かな (横浜市 小川 龍雄)
☆ 万歳と笑いたいのを我まんして拍手の中で受け取るトロフィー (芦屋市 室 文子)
☆ 銀翼も巨船も鰯雲の下 (神戸市 西村 みどり)
☆ 夏空をうつす四万十川の瀬に黙の釣人ふぐりを浸す (さいたま市 田中 ひさし)