お茶の時間 (2013 July )
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【2002年】 12
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☆ そおろりと うらしま草は 糸を垂る 風の凪ぎたる 草生の上に (秋田市 斎藤 康子)
☆ あぢさゐに 顔埋めたる 童女かな (奈良市 帷子 黎子)
☆ ジャカランダ 散りつぐ道の むらさきの 水無月あはき 巴里の空かな (フランス 松浦 のぶこ)
☆ 気のつけば 本格的な 夏であり (横浜市 込宮 正一)
☆ 次郎長も 片目の 森の石松も 仰ぎし大富士 世界遺産に (大阪府 金 忠亀)
☆ 蓮咲いて 水のあること 忘れたる (熊本市 永野 由美子)
☆ ゆるキャラが 復興費着て 踊ってる エ〜じゃないか エじゃないかと (西海市 前田 一揆)
☆ 浴衣着て 風に吹かれて みたくなる (東京都 藤森 荘吉)
☆ 遺言を 残して散った 紫陽花は 「優しい雨が恋しかったの」 (大牟田市 井上 一雄)
☆ 重たしや 安値で書ひし 大西瓜 (志摩市 田島 もり)
☆ 思い出の ひとつひとつが 青臭い 青臭いから 思い出になる (館林市 阿部 芳夫)
☆ ソリストは 普通のマダム 音滴る (秩父市 浅賀 信太郎)
☆ ここまでが 人生なのか これからが 人生なのか 睡魔の来つつ (名古屋市 和田 紀元)
☆ 留守となり 久しき庭に 百合の花 (芦屋市 田中 節夫)
☆ 手のひらの ほうが触れれば 後戻り できなくなるのは わかっていたけど (名古屋市 杉 大輔)
☆ 花水木 何で二階に 来たんだっけ (我孫子市 藤崎 幸恵)
☆ サイコロに 西瓜を切って 売っている スーパーのなか 夏はきにけり (摂津市 内山 豊子)
☆ 紫の 風より入る 菖蒲苑 (柏原市 早川 水鳥)
☆ 唐黍を 麦わらもやし 焼く母の 諸肌ぬぎの 遠き夏の日 (埼玉県 小林 光)
☆ 紫の 絞り重たき 花菖蒲 (大阪市 行者 婉)
☆ 奈良公園の 鹿にペコリと おじぎされ いっしょに頭を 下げるわたし (名古屋市 中村 桃子)
☆ 埋めること 出来ぬ虚空や 蓮浮葉 (熊谷市 時田 幻椏)
☆ 種が継ぎ スミレ苧環 花ざかり 放置のままの 除染待つ庭 (福島市 澤 正宏)
☆ 悲鳴あげ 指舐め妻の 薔薇手入れ (相模原市 石田 わたる)
☆ 大阪は にぎやかな街 夕日さえ 明るく沈む 「ほな、さいなら」と (富山市 松田 梨子)
☆ 茎立ちの つひに一花 咲かせたる (岡山市 三好 泥子)
☆ マイ包丁 ついに手に入れ 修行中 のれんの色も もう決めちゃった (富山市 松田 わこ)
☆ 引けば草 掘れば薬草 園日和 (佐賀県有田町 松尾 鉄仙)
☆ 中腹に ゴルフ場あり 上流は 蛍無数で 下流は絶えて (香取市 中野 弘)
☆ 紫陽花や 無住寺に在る 僧の墓 (静岡市 西川 裕通)
☆ 待たせたい 私と 待ちたくない 君と 睡蓮の花 眺めていたり (加賀市 敷田 八千代)