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【2012年】
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☆ 散る木の葉 水の流転の はじまりぬ （玉野市 勝村 博）
☆ 虫の音に またもあなたを 想います あなたは秋に 敏感だった （川西市 村井 房子）
☆ 実石榴に 詰まる真っ赤な 昭和かな （金沢市 今村 征一）☆ つゆ草の 群れに出会いて 歩を止めぬ あれでいいのだ きのうのことは （神戸市 高寺 美穂子）
☆ 雪の富士 乙女峠を 越えにけり （流山市 渡部 和秋）
☆ 落葉にも カツラ、トチ、 ナラ数あれど われは好んで トウカエデ踏む （八王子市 坂本 ひろ子）
☆ 桔梗咲く 汚れちまった この地球 （甲府市 中村 彰）☆ 地井さんが 立ち寄るあの世の 居酒屋で 鯖味噌つつく 大滝の 親父さん （東村山市 さいとう すみこ）
☆ 蓮の実の 飛んで肝胆 相照らす （志布志市 冨山 達次）
☆ 少しずつ 里山 赤や黄となりて 本州西端 ゆっくりと秋 （山口市 山本 まさみ）
☆ ちちろ虫 今日はコンビニ 三回目 （東京都 矢野 美与子）☆ 人生って 多分そんなに 甘くない けれど夕日は こんなにきれい （飯塚市 甲斐 みどり）
☆ やれうれし 探し当てたよ 喫煙所 （東京都 にこにこ）
☆ 全身の 七割占める 顔をもつ 梟の目は 顔の八割 （いわき市 馬目 弘平）
☆ 雨晴れて 木犀の香を 濃きものに （敦賀市 村中 聖火）☆ 運動会 百メートル走 がんばった 三着だけど 気分はボルト （京都市 室 文子）
☆ 風捕ふ 先頭常に ねこじゃらし （前橋市 荻原 葉月）
☆ ただならぬ ものとぞ思ふ 淡路沖 潜水艦浮く この夕つかた （伊勢市 金森 徳男）
☆ 野紺菊 昼の色とし 濃かりけり （北見市 藤瀬 正美）☆ できるだけ あなたの側で 過ごしたい あなたがあなたで いられるように （佐倉市 山田 明子）
☆ 美食家の 鳥寄る木の実 わが窓に （東京都 田治 紫）
☆ 狼の しっぽの草の 漢字よし 和名もよかり この狼尾草（ﾁｶﾗｼﾊﾞ） （東金市 山本寒苦）
☆ 政局に 夏痩せの国 ありにけり （兵庫県猪名川市 小林 恕水）☆ 透き通る 空の高さに 秋風が 私をさらって いくように吹く （岡山市 酒井 那菜）
☆ 人もまた 絶滅危惧種 露葎 （川崎市 半澤 博子）
☆ 行政は 「うまく共存せよ」といい 猿はかぼちゃを 残してくれず （福岡県 住野 澄子）
☆ 遠吠えが すすきとなりて 流れけり （東大阪市 宗本 智之）☆ ふわふわの 羽に包まれ 目を閉じる ああママの巣の ヒナでよかった （富山市 松田 わこ）
