お茶の時間 (2012 December )
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【2002年】 12
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☆ 新しいコートを 着た日 元気よく 今年最初の あられが降った (富山市 松田 わこ)
☆ 冬ざれや 文庫本おく 無人駅 (和歌山県印南町 得能 友衛)
☆ 今もなお 軍港の町 ヨコスカの 金曜日に食む 海軍カレー (横浜市 道蔦 静枝)
☆ 冬の日や 世相を憂ふ 鐘の音 (刈谷市 石川 春子)
☆ みどりごは 擂りしリンゴを 食みながら リンゴの息して 眠りにつきぬ (下関市 大見 光昭)
☆ 冬紅葉 鬼女棲むあたり 紅の濃く (横浜市 児玉 修)
☆ 国つ神の 収穫祭ぞ 穂は神に 飯は仏に ひとは酒呑む (下関市 大見 光昭)
☆ 丹念に 柿磨かれて 売れ残る (東京都多摩市 近藤 晃)
☆ 君ですか 風のようなる 指当てて だれをだあれと のばして言うのは ((垂水市 岩元 秀人)
☆ 冬といふ 一本の木を 愛しけり (三郷市 岡崎 正宏)
☆ 君がいない 午後はコーヒーも インスタント それでいいんだ ほんとは私 (東京都 上田 結香)
☆ 海峡の 橋に足かけ 時雨虹 (北海道足寄町 信清 愛子)
☆ 空一面 浮かんだ雲は カプチーノ 崩さぬように 深呼吸する (八王子市 青木 凪)
◆ ゴルフ旅行のため、2日間 休みます。
☆ 大根の 中に女体の かくれけり (豊中市 三木 由紀子)
☆ 「森光子本当にご飯食べてたね」 母が幕間に ささやきかけぬ (東京都 菅谷 敏子)
☆ 木枯の 残して行きし 庭掃除 (芦屋市 田中 節夫)
☆ ようやくに 火星地質学 始まりぬ 風成砂丘の 美しき配列 (名古屋市 諏訪 兼位)
☆ 易易と 渡る吊り橋 紅葉谷 (富山市 広川 良子)
☆ 磨巌仏を よぎりし雲の 影淡く 冬に入りゆく 岩屋観音 (福島市 美原 凍子)
☆ 木の天辺まで 登りたる 蔦紅葉 (大阪市 友井 生明)
☆ 自作なる ステンドグラスの ランプ点け 湖北時雨の 暗き日癒す (長浜市 奥田 孝子)
☆ 駅名に 副題つきて 冬あたたか (東村山市 高橋 喜和)
☆ あの公園 初めてふたりで 会った場所 ぎこちなかった ブランコの距離 (横浜市 田村 有紀)
☆ 栗を焼く はじけて中味 半分に (京都市 北浜 義規)
☆ 大すきな 友だちだけど 時々は チクンとむねが いたむことある (京都市 室 文子)
☆ 手応への 無き人生に 秋深し (松阪市 仲 文近)
☆ 嘴の魚を 瀬に放ちては またくわふ 鷺は儀式を 楽しむように (八尾市 吉谷 往久)
☆ 吹く風の 重たくなりたる 吊し柿 (米子市 中村 襄介)
☆ 二日間 かかって書いた 手紙には 子猫の切って ていねいに貼る ((富山市 松田 梨子)