☆ 新玉の 地酒の赤城山 愛す （伊勢崎市 飯島 てる子）
☆ 電子辞書で 発見したる うさぎ座を 南の空に 探すきさらぎ （茨木市 瀬川 幸子）
☆ 佳信のごと 梅一輪に 日差しけり （浜田市 田中 由紀子）☆ 売り出しの のぼりはためく 冬の街 百円ショップに 爪切りを買う （群馬県 眞庭 義夫）
☆ こんこんと 雪しんしんと 音の無く （長野市 小池 星児）
☆ 十年を 五年に更へて 日記買ふ ともども喜寿を 迎えたるけふ （鹿児島県 押 勇次）
☆ 屈み見し 寒牡丹の 香を拾ふ （市原市 鈴木 南子）☆ おねがいが まだきまらない はつもうで 考えながら ちょびちょびすすむ （笠間市 高野 真気）
☆ 蝋梅や 一輪に 呼び止められて （大阪市 友井 正明）
☆ 二十代は 酔ふために 呑んだ酒 今七十代 寝つかれず 一口ふくむ酒 （竹原市 岡元 稔元）
☆ 青年の 記憶の如く 雪積もる （三郷市 岡崎 正宏）☆ 家中の 水道の水を 入念に 抜きて年末 任地を離れる （稚内市 藤林 正則）
☆ 中天の 月へとんどの 火の粉かな （柏原市 早川 水鳥）
☆ 母ちゃんが きんしゅく財政を 宣言す 松かざりはだから 私の手作り （横浜市 高橋 理沙子）
☆ 流氷は 海の不思議を 運びけり （いわき市 佐藤 和子）☆ 新しい ブーツで行った コンサート きちんと足を そろえて聞いた （富山市 松田 わこ）
☆ 初場所の 初日懸賞 鷲掴み （西海市 前田 一草）
☆ ふくささばき 教えてもらった 開いたり たたんだりして マジックみたい （笠間市 篠原 空）
☆ 寒稽古 終え小次郎の 通りけり （上野原市 天野 昭正）☆ 立ち往生の 車の人に トイレ貸し おむすび差し出す 琴浦町民 （鳥取県 中村 麗子）
☆ 侘助を 一輪描きて 悼みけり （茅ヶ崎市 川村 敏夫）
☆ てかてかと とにかく赤い 獅子頭 算盤のような 口が上下す （富士吉田市 田辺 義樹）
☆ 初夢で お会ひしました とは言へず （松原市 加藤 あや）☆ このまんま どこへもいかず なにもせず まるまっていたい きみといっしょに （中津市 もりた はつみ）
☆ 赤き橋 青き橋ある 淑気かな （東京都 吉田 柳哲）
☆ 観客に 中高年多く 蹴球の 大学選手権 校歌懐かし （横浜市 安達 三津子）
☆ 鶴よ克て 濁世にひそむ ウイルスに （東京都 吉田 邦幸）☆ 夢だよと 夢の醒むるを 恐れつつ 夢の最中に 焦りてゐたり （海老名市 川上 益男）
