詩と写真のコラボレーション (2004 December)






☆ 旗印良き方へのみ 身を寄する 世となりにけり 人も国家も       (アメリカ 吉富 憲治)

               







 ☆ ふりむくも ふりむかざるも 十二月       (東京都 田治 柴)









 ☆ 白鳥来て 結界めける 瓢湖かな     (沢田 勉)







☆ 冬眠をする カプセルがあったなら 雪に百日 泣くこともなし     (横手市 弾正 光之介)











☆ ひとりの時       by mellow

ひとりだけの私の部屋
漂う空気が少しふるえて

小さく激しく
CDでショパンの音色を聴いている

いつしか向かうピアノに
ショパンの楽譜を重ねて

指が・・

「幻想即興曲 嬰ハ短調 作品66」
を奏ではじめた










☆ 子の歌う こぎつねこんこん 聞きながら けんちんを煮る 厨に夕陽      (松戸市 花嶋 八重子)

                     







☆ さんづけで 話すことばの やわらかさ おかゆさん・おあげさん お人のように     (尼崎市 山岡 幸子)









☆ 女生徒の 毒語はびこる 師走かな   (静岡市 伊藤 和義)









☆ 詩を書いてみた。(笑)       by ミルク

ずっと好きなのに・・・
あなたには新しい好きな人が出来た。
毎日その人の話ばかりで
ずっと切なかった・・・
それでもお話できるのがうれしくて
無理してたんだ・・・

いつか、この気持ちに気がついてくれますように・・・
いつもそう思ってた・・・

でも、もう自分の気持ちにうそはつけない・・・
嫌なことは嫌っていう。
辛いときは泣く。

でも、そんな私を嫌わないでほしい・・・








☆ 柿すだれ 乾きを祈る時過ぎて 村いっぱいの大き落日       (飯田市 熊谷 勝子)








☆ 退屈を 編み込んでゆく 毛糸かな    (芦屋市 大井 典子)








☆ 幼子の目に映る空 新しき言葉となりて 「そら」 とつぶやく     (箕面市 遠藤 玲奈)













☆ せつないな・・・      by mizel       →HP


人通りの多い街角で
なかよさそうなカップルが
お互いの顔を眺めながら
歩いてる

また
手を繋いで歩きたいな

ちょっと胸が痛かったり・・・












☆ ななかまど はぜの木 山柿 色づいて ガマズミの実も それぞれの赤      (高松市 山田 千津子)









☆ 何せむか 何かせねばと 十二月     (熊本市 永野 由美子)








☆ 凛として女史 匂いたつ新札使えば 今日は一葉忌なり       (青梅市 津田 洋行)













<愛について>       by suiren77


愛とは 愛すること

愛とは 分かちあうこと

愛とは 傷付けあうこと

愛とは ふたり一緒にいること











☆ 子の口は やさしく噴火するように 異邦人との結婚をいう    (つくば市 橋本 美知子)









 ☆ 冬の日や 仁王の胸の 木目縞     (道官 佳郎)








☆ 熊手にて掃きしがごとく 青空を鯖雲の浮き 整然と並ぶ     (東京都 丸木 一麿)











☆ よそ行きのコートを着たら

ほんのりあなたの香りがした。

ドキドキして、嬉しくなって、
コートを頭から被ってあなたの香りに包まれる。

あの日

あたしの髪に触れたあなたの指、
あたしの指に触れたあなたの指、
あたしの胸に触れたあなたの指、
その感触を思い出す。

               by 京










☆ 生徒らは 呑んで吐き出す 鵜飼の鵜 咀嚼してこそ 身につくものを     (千葉市 愛川 弘文)









 ☆ 柚一木 山椒一木 尼一人     (高野 素十)








☆ おこし屋に おこしを購えば ようおこし またおこし と言い 店主は真顔    (箕面市 岩井スミ子)












☆ ゆっくり       by ひまわり      →HP


のんびりね

ゆっくりね

貴方と私

1歩ずつ近づこう

ちょっとずつ

ゆっくりね









☆ この年の仕上げのごとく 安達太良は くれない多き 紅葉でよそう     (郡山市 阿部 壮作)








☆ 勝ち誇る如くに 柿のたわわかな      (さいたま市 木本 光春)








☆ ガリヴァが 如何にならむと 案じつつ チビは寝入りぬ 仔熊をだきて    (中島 敦)










☆ android        by めぐ      →HP

私の体温
あなたにあげる

冷たい心
温めてあげる

心の襞まで
盗み取ってもいいわ

全てなくなったとしても
抜け殻になったとしても

あなたが笑えるなら
それでいい

私はただの機械に戻るだけ








☆ キリギリスの触角のような 眉を持つ娘ら 集うコンビニの夜      (松山市 吉岡 健児)








☆ 写生子に 紅葉の風の配らるる    (大阪市 塙 告春)