お茶の時間 (2011 May)
☆ 放射能 レベルも何も わからずに 不安つのりて 日々のすぎゆく (愛媛県東温 相原 民)
☆ 仮の世と 言わせぬほどの 山桜 (長岡市 内山 秀隆)
☆ 俺も牛も 死ねというのか 原発の 警戒区域の 酪農家哭く (白河市 舟部 勲)
☆ 花鋏 いつもこの音 牡丹剪る (奈良市 田村 英一)
☆ 被災地へ 全賞金を 贈るという 石川遼に 心惹かるる (香川県丸亀 国土 秋弘)
☆ なつかしや 叺(カマス)に詰めし 夏蜜柑 (山口市 村田 朝子)
☆ 「フクシマ」の 半径二十キロの 赤い円 半分は海 半分は陸 (埼玉県 小林 淳子)
☆ 植うるとは 大地にいのち 託すこと (新潟市 伊藤 敏)
☆ 春の花 さくらタンポポ きれいだな はちとちょうちょが 巣からとんで来る (高知県佐川小4 植田 竜正)
◆ 徳島県鳴門市撫養町に落ち付きました。コラボレーションを再開します(5/23)。
当地の新聞に、『四国歌壇』 というのを見つけ、これも使わせて頂きます。
■ 思うところあって四国(鳴門市)へ転居します。
現地に落ち着くまで、しばらく休刊します。
☆ きっと来る 宝永級が 江戸の生れの 祖母の語りし 安政の地震 (須崎市 森 美沢)
☆ 花咲けど 人の戻らぬ 山河かな (川崎市 山根 繁義)
☆ 奮発して 買いたる紅い ブラウスを マネキンの着る 半額セール (千葉市 吉井 清乃)
あの子 かなわんねん
うちのくつ かくしやるし
ノートは のぞきやるし
わるさばっかし しやんねん
そやけど
ほかの子ォには せえへんねん
うち 知ってんねん
そうやねん
うちのこと かまいたいねん
うち 知ってんねん
(大阪府 詩人 島田 陽子)
☆ こんなにも 人間たちを よろこばせ そのこと知らず 白もくれん咲く (垂水市 岩元 秀人)
☆ 誰が統ぶや この荒涼の 春の惨 (日立市 加藤 宙)
☆ いつかより 体操揃い 味噌汁の 香る日もあり 避難所の朝 (塩釜市 鈴木 久雄)
☆ 避難所が 子らの学校 チューリップ (茨木市 瀬戸 順治)
☆ 災害時 与党も野党も ないだろう この国民に 選ばれたのだ (枚方市 鍵山 奈美江)
☆ まだ動く 気配や辛夷 咲き満ちて (東京都 望月 清彦)
☆ わが家では 停電訓練 五回目だ ろうそくともして カレーを食べる (横浜市 高橋 理沙子)
☆ 悲しみに 寄り添ふさくら 咲きにけり (東京都 青木 千禾子)
☆ 乳搾るナカレ、 耕すナカレ、種蒔くナカレ、 ふくしまの春かなし (福島市 美原 凍子)
☆ 今日よりも あかるき明日 チューリップ (浜松市 越川 都)
☆ 地震の中で 赤ちゃん産んだ お母さん 温かいシチュー 届けてあげたい (富山市 松田 わこ)