詩と写真のコラボレーション (2009 Octorber)
☆ あのおばさん こはいと言へり 意外にも モナ・リザの目は 笑ってをらず        (岩国市 木村 桂子)
 
 ☆ まぼろしの 月下の河に 沐浴す        (川口市 青柳 悠)
 ☆ まぼろしの 月下の河に 沐浴す        (川口市 青柳 悠)
☆ 木犀の 匂いおりおり 押し寄する 洗濯物を 干す五階まで        (静岡市 篠原 三郎)
 
 
☆ 小さくとも はやへうたんで ありにけり        (福岡市 松尾 康乃)
☆ 孤独死の 大原麗子に 手向けたき 花は真白き コスモスの花        (さいたま市 内田 宏)
 
 ☆ 女郎花 山頂は風 寄るところ        (熊本市 永野 由美子)
 ☆ 女郎花 山頂は風 寄るところ        (熊本市 永野 由美子)
☆ どんぐりを ぷちぷち踏みて ゆく径は くりもくるみも 待っている径        (福島市 美原 凍子)
 
 
☆ 水音の 静かに愁思 乗せてをり        (大阪市 山田 天)
☆ 老木の 五臓六腑を 聴診する 樹木医の槌音 ひびく街路に        (福岡市 倉ノ前 松)
 
 ☆ 政治とは 金を集めて 使うこと        (大月市 和田 国基)
 ☆ 政治とは 金を集めて 使うこと        (大月市 和田 国基)
☆ コスモスの 室内楽に 目覚めけり        (堺市 北脇 洋子)
 
 
☆ 還暦の祝 蓮の実 飛びにけり        (長崎市 馬場 典子)
☆ 片腕を なくしたカマキリ おもむろに 稲穂の先に イナゴを狙う        (安中市 入沢 正夫)
 
 ☆ オリンピック 出かけた方が 安上がり        (半田市 小栗 大造)
 ☆ オリンピック 出かけた方が 安上がり        (半田市 小栗 大造)
☆ 話したき 事は溢れる 泉にて 吾子は続ける ええとねあのね       (鶴岡市 大戸 奈緒子)
 
 
☆ 母の名も カタカナ二文字 萩の花        (茅ヶ崎市 松沢 ノブ)
☆ グルコサミン・ヒアルロン酸・コラーゲン こんなカタカナ いつか覚えて        (福岡市 宮原 ますみ)
 
 ☆ 天高し われら地球てふ 水の中        (柏市 木村 みかん)
 ☆ 天高し われら地球てふ 水の中        (柏市 木村 みかん)
☆ コスモスが ふたつみつ咲き 川越は まつりが近く なりました母よ        (川越市 小野 長辰)
 
 
☆ 蟷螂は 不思議の国の 近衛兵        (札幌市 岩瀬 公宏)
☆ 二人とも 吾から生まれ 控えめな上の子 前へ出たがる下の子        (鹿嶋市 榎本 麻央)
 
 ☆ 栗はじけ 笑ふ声来る 風の町        (松阪市 奥  俊)
 ☆ 栗はじけ 笑ふ声来る 風の町        (松阪市 奥  俊)
☆ 賓頭盧(ビンズル)の 鼻と頬との 境なく 数多の願ひ 叶へられしか        (大垣市 上野 幸子)
 
 
☆ 窮屈と 退屈は嫌 猫じゃらし        (さぬき市 砂井 斗志男)
☆ 海の色 ジーンズの色 空の色 錠剤の色 私の気分        (留萌市 江畠 詩織)
 
 ☆ 花火待つ 山下画伯めく人も        (伊万里市 萩原 豊彦)
 ☆ 花火待つ 山下画伯めく人も        (伊万里市 萩原 豊彦)
☆ 樹液吸う 甲虫・蝶・蜂 ひしめいた 幹老い渇き 静まり返る        (交野市 遠藤 昭)
 
 
☆ 空蝉や 百に足らざる 年思ふ        (川崎市 小林 梁)
☆ ほっとするもの ふるさとに 今もなお 角の肉屋の コロッケの味        (館林市 安部 芳夫)
 
 ☆ 風の日は 風と遊ぶや 秋桜        (京都市 岸田 健)
 ☆ 風の日は 風と遊ぶや 秋桜        (京都市 岸田 健)
☆ 五十四年 少数派に票 入れて来て 此度やうやく 意趣を晴らしつ        (鹿児島県 押 勇次)
