お茶の時間 (2013 August )
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【2002年】 12
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☆ マウンドに 伝令でれば じんとくる 吾は背番号 13の母 (川崎市 大平 真理子)
☆ 完敗の 高校球児 夏終わる (静岡市 安藤 勝志)
☆ 製麺所 うどんの列や 麦の秋 すすれる音に 讃岐かがやく (三豊市 磯崎 啓三)
☆ 凌霄花 天地狭しと 踊りけり (茅ヶ崎市 清水 呑舟)
☆ 白き肌 憧れ求めし 化粧品 白樺のごと 白くはならず (千葉市 笹倉 童心)
☆ 炎天へ 怒りの一票 入れに行く (長野市 徳嵩 芳夫)
☆ 枝にあたり 幹にぶつかり とんでいく 結構セミって 不器用なんだ (名古屋市 中村 桃子)
☆ 夏旺ん 応援団の フラダンス (那須塩原市 谷口 畔水)
☆ どうしても はなれたくない 友達に 転校告げずに 別れた放課後 (西宮市 室 文子)
☆ 何もかも 忘れて登る 夏の山 (山形市 松浦 敬次郎)
☆ 溶け落ちし 燃料棒は 如何ならん 朝顔の花 紺深く咲く (福島市 青木 崇郎)
☆ これからの 命とくぐる 茅の輪かな (浜田市 大島 一二三)
☆ じいちゃんが 山ほどくれた プチトマト ペダルこぐたび レシピが浮かぶ (富山市 松田 わこ)
☆ 熊蝉が 啼くのか 吾が泣くのか (長崎市 横山 隆)
☆ この人の 子をなしたいと 思うとき 密かに暴れ 始める母性 (加賀市 敷田 八千代)
☆ 風鈴が ときをり 話しかけてくる (藤岡市 飯塚 柚花)
☆ 六十年ぶりの 古里 裏山に羚羊出てて 過疎は深刻 (東京都 井ノ川 澄夫)
☆ この風が 好きとて団扇 手離さず (平戸市 辻 美彌子)
☆ わが腕に 父の時計が 時刻み 時は止まらず 遅滞なく継ぐ (浜松市 松井 恵)
☆ 向日葵を 見上ぐるわれの 背縮み (奈良市 帷子 黎子)
☆ 四畳半の 仮設に暮し 足るを知る 半夏生の今日 米寿迎えたり (いわき市 佐藤 美二)
☆ ハーレーの 音撒き散らし 避暑地過ぐ (栃木県壬生市 あらゐ ひとし)
☆ ラフからの ショットの後の 草いきれ ああ昔懐かし 故郷の匂い (東京都 南本 禎亮)
☆ 近道を 訊けば蝮が 出るといふ (富津市 三枝 かずを)
☆ 六月の 花嫁 カシワアジサイは ブーケを持って 静かにうつむく (草津市 草添 聖子)
☆ 桃一つ あつといふ間に 種一つ (横浜市 犬山 達四郎)
☆ 見渡せば 地平線まで 花が咲く 北海道は 風も大きい (山形市 柏屋 敏秋)
☆ 外に出て ベビーは最初に 脚立を見 (静岡県 増田 謙一郎)
☆ 無人駅の 七夕飾り 揺らしつつ 電車は薄暮の 霧裂きて来る (磐田市 伊藤 正則)
☆ 代用の 茄子が 絶滅せぬことを (三重県 山本 武夫)
☆ 私たち テストとテストに はさまれて いるけど自由 わた雲のように (富山市 松田 梨子)