お茶の時間 (2011 April)
☆ 人間の 覚悟問はるる 春の地震 (横浜市 小林 千秋)
☆ 過疎採るか 原発採るか この地にも 決断迫る 時勢のありき (新潟市 伊藤 敏)
☆ 地震のなか 明日に向ひて 卒業す (習志野市 本城 宏基)
☆ こんなにも 悲しく響く 東北弁 聞きたることなし 巨大地震は (名古屋市 山田 静)
☆ 今は好まず ぶらんこの 揺れさへも (神奈川県葉山町 なかじま さやか)
☆ 瓦落ち 堀倒れたる 者同士 こころゆるして 給水を待つ (ひたちなか市 篠原 克彦)
☆ 壊滅の 国とも知らず 地虫出づ (田川市 山田 千恵女)
☆ 古きほど 汚れたるほど 誇れるを 政治家は着る 新品ナッパ服 (宗像市 巻 桔梗)
☆ 春暁や つくづく電気 なきことの (青森市 山口 彰)
☆ 津波退きし がれきの山に 雪つもる これが東北と いうがごとくに (東京都 久保田 仁)
☆ 無情の雪 被災の地だけは 止みたまへ (山形市 渡部 澪)
☆ 薄氷を 踏みいる如き 幸せと 思い知らさる 原発の事故 (佐野市 広瀬 恭子)
☆ アネモネや もはや退屈 人気歌手 (東京都 矢野 美与子)
☆ 絶対を 想定外が 覆す 科学の粋の 原発に事故 (西海市 前田 一葵)
☆ 下請けを 最前線に 出す作業 (千葉市 小野崎 帆平)
☆ 被災地を 視ては夫婦で 涙ぐむ 温き部屋にて 熱き物食べ (飯田市 草田 礼子)
◆ 旅行のため、数日間 休刊します。
☆ 陸地へと あまたの船を 押しあげし 津波の上を 海鳥惑う (高槻市 奥本 健一)
☆ 少量なら ただちに害なし 酒たばこ (栃木県 関口 勝雄)
☆ 車ごと 地震で埋もる 夫婦らを 僧は語りき 雪消の山間 (東根市 庄司 天明)
☆ 『社長』 計画入院中です。 −−東京電力
(かたえくぼ:所沢 傍目八目)
☆ 襲いくる 津波の中に 町一つ 悲鳴聞こえず 呑まれてゆけり (鳥取市 山本 憲二郎)
☆ どさくさで 都知事が決まる ような気が (千葉県 安延 晴彦)
☆ 3・11 「千年に一度」の 地異の来て もうそれ以前に 戻れはしない (松戸市 猪野 富子)
☆ 原子炉を 宥める術は 原始的 (吹田市 小山 安松)
☆ 怖れゐし 原発事故の 起こりたり あれほど安全と 言ひてゐたるに (敦賀市 上田 善朗)
☆ キミに問う その作業服 何のため (ニューヨーク 飯山 さとし)
☆ SFにあらず 津波の映像を 揺るる茶の間に 立ちつくし見る (島田市 小田部 雄次)