詩と写真のコラボレーション (2004 July)
☆ 後より押され落ちつぐ滝の水 (檜 紀代)
☆ 『どす黒い何かがボクを苛つかす』 相談室の椅子の少年 (水谷 文子)

☆ Other side by みんと
→HP
側にいることが
当たり前すぎて
であった頃のあの気持ち
遠く 遠く 空の彼方
どんなに叫んでも
どんなにもがいても
あの頃へはもう・・・
戻れない
◆ シャッターを押す寸前に 蝶発てり 今日の不運はこれに極まる (横須賀市 丹羽 利一)
☆ 土地の人 ただ大滝と呼びにけり (鶴ヶ島市 渡辺 隆)
☆ マヌカンのポーズは どれも頼りなく 二十一世紀の首の細さよ (塩釜市 佐藤 幸一)

☆ どうしてこんなに愛しいの by 白雪
→HP
抱きしめられるたびに
あなたに堕ちてく
優しい瞳で見つめられれば
もう言葉は何もいらないわ
言葉よりキスが欲しい
甘い甘いキスをちょうだい
やっと辿り着けた
一番暖かいこの場所へ
☆ 灰色の都市の砂漠の オアシスにならむと 今朝も珈琲煎る (郡山市 阿部 壮作)
◆ 道連れの妻の健脚 雲の峰 (名古屋市 富山 貴政)
☆ 可愛がりすぎたせいかと 不登校をかなしむ祖母の 電話切れず (水谷 文子)

☆ アホらし・・ by キャンディ
→HP
こんなに
一生懸命 考えてたのに
あなたは春を探しに行ってたんだ
怒りと
悲しさで
切なくなった・・
☆ 噴水にあふるる水が よろこびに見ゆる日あり 吾子しゃべり初む (佐倉市 船岡 みさ)
◆ 薔薇の香に 余生染まってをりにけり (坂出市 溝渕 和幸)
☆ 移りきしこの地に われもあじさいも 活着なして 新しき夏 (佐賀市 右近 喜美子)

☆ 指きり by ひまわり
→HP
ねえ?約束しよう
必ず…。
指切りしよう?
「約束げんまん…」
ハリセンボンは、飲まないね
◆ 幼なくて電池の切れし 少女の詩 「命」 は生きて 人を生かしむ (東京都 羽場 百合子)
☆ 城跡のクローバーに来て サッカー部 (福岡市 坂本 祥子)
◆ 会うために 繋がるために 今日もまた インターネットの舟に乗りにゆく (四日市市 桂山 光)

☆ コイブミ by めぐ
→HP
久しぶりにしたためる文字
あなたを想い
あなたを描き
あなたへの恋心を確かめる時間
どんな文字を綴りましょうか
受け取ったあなたの顔を想像する
フレームの奧の優しい瞳
囁くような甘い声
胸の想いまで届けるような温かい手のひら
余計なことまで想像してしまいそう
一文字 一文字に想いを込めて
あなたに届けましょう
ふわふわと春風に舞いそうな
恋心を詰めこんで・・・
◆ 大人には見えない 電子空間に 子らは浮遊し 内に籠れり (藤沢市 水口 伸生)
☆ 梅漬けて 暗きところへ 納めけり (津市 武内 歌子)
◆ ダ・ヴィンチの翼が 誠に羽ばたけば 地球はきっと狭き檻かも (安中市 入沢 正夫)

☆ 香水 by mizel
二人で選んだ香水を
風呂上りにつけてみる
ほのかに香る
そのなかに
あなたの面影探してる
同じ香りに
包まれてることを
信じて
目をつぶれば
陽炎のような
あなたの姿
触れようと
手を伸ばせば
消えてしまう
ほんのすこしだけ
せつない心
逢いたい・・・
☆ 不穏なる女心をつゆ見せで 紫陽花の毬 ふくらんでゆく (竹内 由枝)
◆ 蟻もまた 小さき影を 持っており (立川市 日置 正樹)
◆ うわばみといわれし 友の墓石へ 呑めよ呑めよと 酒掛けてやる (横手市 弾正光之介)
(↑ 28番大日寺にて)

☆ 目の前にある by 白雪
→HP
その扉を開けよう
そこにあるのは
君だけの希望
他にはなにもない
恐れないで
ゆっくり扉を開けよう
今より、きっと今より
輝いてる君の笑顔
出会えると信じてる
信じてるよ
☆ をとめらの 脚の長さよ 夏来る (松山市 藤原 守幸)
☆ 遠山に雨雲垂れて 額の花 (生駒市 山村 修)
☆ 好きという まっすぐ伸びてゆく言葉 取り戻すまで 緑を歩く (四日市市 桂山 光代)

☆ 大人。 by みんと
→HP
“大人になりたい”
小さかった頃 ココロからそう願った
大人になった今、汚い現実を思い知った
“子どもに戻りたい”
でも…その現実は返ることはできないし
あの頃に戻ることもできない
この世に生まれたものは
年と共に大きくなり やがて消えていく
誰にも止めることの出来ない現実
だから たった一つのお願い
あの頃の純粋な気持ちだけ
ボクのココロに残して…