詩と写真のコラボレーション (2010 December)









☆ 円空仏の 笑いあう声 聞こえきて 祠のぞけば 冬のカマキリ        (蓮田市 斎藤 哲哉)










  ☆ 結局は 故郷の名の 林檎買う        (東京都 中村 康孝)










☆ サンタさん 私の窓に 迷ったら 「キラキラ星」に 耳をすませて        (富山市 松田 わこ)



















☆ 心まで 暖かそうな 冬帽子        (大分市 佐藤 富士男)



















☆ 気がついた メリーゴーランド 降りるとき ゆれていた馬 やさしい瞳        (富山市 松田 わこ)










  ☆ 果つるまで 日干し陰干し 唐辛子        (藤井寺市 田村 民男)










☆ こわごわと 柿の実啄ばむ 目白の目 上目使いに 横目使いに        (城陽市 山仲 勉)



















☆ 紅葉で 神が染めたる 天地かな         (岸和田市 小林 凛)



















☆ きみ在らば 喜ぶだろう 泣くだろう 廃家となりしに 小菊が満ちぬ        (広島市 和田 紀元)










  ☆ 日陰なる 力まとひて 実万両        (東京都 岩崎 玲子)










☆ 晩秋の 空はわずかに 黄をおびて 譜面にながれる 金管楽器        (千葉市 藤本 昭一)



















☆ 果てし無く 広がる空や 冬の晴        (盛岡市 浅利 清香)



















☆ 小谷村 ブナの林に 鎌池と 鉈池とあり 黄葉映して        (熊谷市 内野 修)










  ☆ あなた達も 齢を取るのよ 銀杏散る        (東京都 村田 登美子)










☆ 百ほどの 気球浮かべる 中空を V字隊列 雁翔けりゆく        (明石市 竹中 紀久子)



















☆ 山茶花に 静かなる日の とどまれる        (横浜市 橋本 青草)



















☆ 猿が食い 猪が荒らして 残したる 虫食い栗を 食うはせつなし        (四万十市 島村 宣暢)










  ☆ 日を返す ものより秋の 色となる        (鹿児島市 青野 迦葉)










☆ 霜降の 無人駅舎に 待ち合わせ モネの「積みわら」 友と観にゆく        (福岡県 小倉 由子)



















☆ 煉瓦塀 一面蔦の アラベスク        (福岡県鞍手町 松野 賢珠)



















☆ 秋桜や こぼれるような 華やぎの 真ん中に置きたい 君はいない        (中津市 久保 将大)










  ☆ 蘇へる 実朝銀杏 薄黄葉        (川崎市 飯塚 茂生)










☆ カレンダー もうあと二枚に なっちゃった サンタの家のも もうあと二枚        (富山市 松田 わこ)



















☆ 秋高し 風船天の ふところへ        (多摩市 田中 久幸)



















☆ 朝日歌壇 掲載ページ 破り持ち バスに飛び乗る 月曜の朝        (横浜市 新井 邦子)










  ☆ 青空を 離れ楓の 散紅葉        (米子市 中村 襄介)










☆ 利尻富士 望む草地に 銃声の 響く蝦夷鹿猟 解禁の朝        (稚内市 藤林 正則)



















☆ 相逢うて 馬関の河豚の 別れかな        (新居浜市 村尾 和彦)



















☆ 一滴の 涙のごとき 形して 西域匂う 正倉院五弦琵琶        (横浜市 竹中 庸之助)










  ☆ 白樺の 木肌を洗ふ 初時雨        (大阪市 友井 正明)










☆ PTAの ママとろう下で すれちがう 私のママじゃない ママみたい        (富山市 松田 梨子)