お茶の時間 (2014 September )
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My俳句手帖(復刻版)
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☆ 毬栗を踏んで山里深きかな (富士宮市 渡邉 春生)
☆ 盆がすみ片付け終えし台所しきりに聞こゆ鹿撃ちのおと (兵庫県 高垣 裕子)
☆ 月やさす岩のなかまで龍安寺 (東京都 井原 三郎)
☆ 両手上げ太平洋を抱え込むおもてなし好き高知県は (四万十市 吉尾 之利)
☆ 世間とは巨大な影だ積乱雲 (三郷市 岡崎 正宏)
☆ コスモスを揺さぶる風と虫の音を 聴きたくなってイヤホン外す (熱海市 山口 智恵子)
☆ 山門に佇ち涼風を見渡せる (浜田市 田中 静龍)
☆ 伊予国は犬が駆けゆく形にて 顔は備後へ尾は豊後向く (西条市 村上 敏之)
☆ 鶏頭の燃えたる茎の太さかな (印西市 五十嵐 栄子)
☆ 宿題が憲法前文暗誦であった あの夏砂に書きき (大和郡山市 四方 護)
☆ 雲の峰八千屯の水と化す (大阪市 灘本 ただのり)
☆ 目を閉じて溶けきるまでの薄荷飴 夏の終わりを弔う儀式 (神奈川県 九螺 ささら)
☆ 襖絵の風を取り込み盂蘭盆会 (東京都 をがは まなぶ)
☆ トリコロールくるくる回る理髪店 看板ネコのいない猛暑日 (名古屋市 中村 桃子)
☆ 深海魚浮いて見ているスーパームーン (福岡市 松重 成一)
☆ 始まった一人で行く長い旅 新幹線で福岡まで行く (横浜市 敷田 千尋)
☆ 図書館に 誰かの寝息 夏深し (神戸市 玉手 のり子)
(写真は国会図書館)
☆ 鵜には鵜の 魚には魚の 蜻蛉には蜻蛉の時間 不忍池 (東京都 山本 海絵子)
☆ 朝顔の 今朝咲く 花の高さかな (伊丹市 保理江 順子)
☆ 夏の夕 会いたくなるのは君ではなく 君をあそこで待っていた我 (和泉市 星田 美紀)
☆ 磨きたる窓より 秋の立ちにけり (金沢市 今村 征一)
☆ 八月に背中押されて ペディキュアを私のために塗る珊瑚色 (草津市 山添 聖子)
☆ 山寺に 芭蕉の蝉と 出会ひけり (枚方市 山岡 冬岳)
☆ 菩提樹もへくそかずらも実を結び 秋立つものか山風匂ふ (伊那市 小林 勝幸)
☆ 大文字を 焚く人は 熱からん (越谷市 伊藤 とし昭)
☆ 控えめなセミの声たまにししおどし 耳がダンボになる詩仙堂 (富山市 松田 わこ)
☆ 水底の 青の如くに かなかなかな (三郷市 岡崎 正宏)
☆ 「みんなで」じゃなくて 「ふたりで」見たいと言えずに 想い浴衣としまう (京都市 古川 やす子)
☆ 颱風の 道なき道を 通りけり (福岡市 松尾 康乃)
☆ 「恐い事件あったね」「どの?」と 言うような 恐い世の中に なってしまった (東京都 上田 結香)