お茶の時間 (2014 May )
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【2002年】 12
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☆ 次の世に 花と生まれて きた時は 呼ばれてみたし 一人静と (茨木市 瀬戸 順治)
☆ 幼来て ピンクいと云ふ 桃の花 (川崎市 井出 真知子)
☆ 深く吸ひ たんぽぽ吹けば ふうはりと 戻ってきたり われは孫なし (所沢市 中津川 勒坐)
☆ 全句集 春よ春よと めくるかな (東京都 矢野 美与子)
☆ 思ひ出し 笑ひの如く 風車風 行き過ぎてより 廻り初む (東かがわ市 桑島 正樹)
☆ 日向にも 日陰にも咲き シャガの花 (八王子市 中尾 公一)
☆ こんな時 ばあちゃんが いてくれたなら 思い出せない 野の華の名まえ (名古屋市 中村 桃子)
☆ 図書館を 出て藤の道 帰りけり (愛西市 小川 弘)
☆ 白つつじ ふふふふうふ 溢れ出で 見知らぬまちを 訪ねたくなる (さいたま市 箱石 敏子)
☆ 天井に 躍る潮影 観潮船 (川崎市 草川 喜正)
☆ 道の辺の 傾きおわす 野仏に 斜めになりて 手を合わせたり (宇都宮市 合田 アヤ子)
☆ 七曜の ジグザグ気温 ヒヤシンス (埼玉県 小鹿原 君江)
☆ クレーン車の 運転席に 弁当を 食ひつつをとこ 桜見てをり (市原市 井原 茂明)
☆ 藤棚に 祝辞の練習 してをりぬ (下田市 森本 幸平)
☆ 「誕生日おめでとう」って 伝えたいことも 恋する気持ちのひとつ (堺市 一條 智美)
☆ 法律は 蝶と言うより 熊ん蜂 (松戸市 大谷 昌弘)
☆ 新しく なってしまった 校舎から 僕らの知らない 風の匂いが (横浜市 水野 真由美)
☆ 父の名を 呼ばれ振り向く 花の寺 (三次市 佐藤 昌樹)
☆ もそもそと 春休みから 抜け出して ピリリと子らは 制服を着る (富山市 松田 由紀子)
☆ 甘茶仏 この頃変な 天を指す (取手市 御厨 宏幸)
☆ 梨子ちゃんは 梨子さんとなり 梨湖さんと 朝日歌壇に 並びてをりぬ (東京都 足立 猛)
☆ 大桜 わが重心の 崩れけり (長崎市 中村 昭夫)
☆ やんばるの 清きながれに 鯉幟 連ねてこの地区 基地にはあらず (沖縄県 和田 静子)
☆ 子が父と なりし早さよ 葱坊主 (尼崎市 ほりもとちか)
☆ 老木の 根方の荒き 樹皮割りて こんな所より さくら花咲く (日野市 手塚 兼夫)
☆ やはらかに 束ね花桃 出荷せり (川崎市 堀尾 一夫)
☆ 風吹けば うなずき合いて 楽しげに たんぽぽたちは 女子会のよう (東京都 河内 ふみ子)
☆ 笑ふがごとく ぜんまいの 盛られけり (横浜市 坂 守)
☆ やっと手にした あこがれの 電子辞書 運命の人に 出会えた気分 (名古屋市 中村 桃子)
☆ 落椿 一樹のものと 思はれず (大阪市 真城 蘭郷)
☆ 卒業が 近づいてきて 心にも ピンクの花びら 二枚三枚 (富山市 松田 わこ)