お茶の時間 (2014 August )
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My俳句手帖(復刻版)
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☆ さわやかな 風をこの身に まき起こす 自販機で買う ふるさとの水 (館林市 阿部 芳夫)
☆ あの人も 汗ふく顔は 写楽かな (狭山市 清野 綾子)
☆ さかあがり できないわが子が ひそひそと「でもね、トックリバチの巣みつけた」 (仙台市 小室 寿子)
☆ 天の川 宇宙の渚 ありにけり (福島県伊達市 佐藤 茂)
☆ 白い塁 こげ茶色の土 総立ちで 歌うスタンド 六回の裏 (富山市 松田 梨子)
☆ 蹴り出せし 下駄の音より 踊りそむ (坂出市 緒方 こずえ)
☆ シシウドの 花の白さよ 熊も出る 昆布乾しおる 知床番屋 (北広島市 軽部 進)
☆ しぶきざんぶりと 白熊の水遊び (高松市 島田 章平)
☆ 手術より 乳房に生れし 片笑窪 かかへてわれに ほほゑみのあり (八王子市 坂本 ひろ子)
☆ 一面に ひまはり笑う 地平かな (ドイツ ハルツォーク洋子)
☆ 「友達に戻ろうか」とは 世界一むずかしいことを さらりと言うね (東京都 上田 結花)
☆ 町衆の さらに湧き立つ 後祭 (枚方市 石橋 玲子)
☆ ふるさとは 雛にてあれど 湿地には 世界最小の ハッチョウトンボいる (西条市 亀井 克礼)
☆ 崩れないやうに 崩して かき氷 (伊勢原市 伊東 法子)
☆ 体操に 来た人達が 眺めては ちょっと触れてく ふうせん葛 (浜松市 桑原 元義)
☆ 白紫陽花 妻となるため 旅支度 (札幌市 小林 かん奈)
☆ ゲレンデに 中学生が 百合植えぬ 七十五万株の 花咲く (小山市 泉 洋一郎)
☆ 藍浴衣 同級生に 出くわしぬ (東村山市 高橋 喜和)
☆ 梔子が香れば 私十五歳 白い色した 初夏の恋 (船橋市 川上 美栄子)
☆ 蜂の子に 六角の部屋 ひとつづつ (大阪市 田淵 勲彦)
☆ 台風が 明日は来るのに 青葉木莵 ホッホ、ホッホと 上機嫌なり (館山市 中原 千絵子)
☆ いちじくを 乳房のごとく つまみけり (三豊市 磯崎 啓三)
☆ 土曜日は 衣装合わせで 盛り上がる コンサート近づく コーラス部 (富山市 松田 梨子)
☆ 闘ひを 強ひられてゐる 兜虫 (大分県日出町 松鷹 久子)
☆ 時計草の 咲く兆しあり 蟻たちの 蕾を巡る 足速まりて (水戸市 塙 由夫)
☆ 形代の 水に透けゆく 薄さかな (高山市 大下 雅子)
☆ 私には 名前があるわと つぶやきて アルバイトという 名札をつける (廿日市市 上谷 美智代)
☆ 空蝉や われに脱ぎたき 衣あり (東京都 岸田 季生)
☆ 中三で 坊主頭にした 君の許可を 得てから なでなでをする (つくば市 久保田 和佳子)
☆ 驚いてより 尺獲の 速さかな (八代市 山下 しげ人)
☆ わからへん なんぼ聞いても わからへん 平和のために いくさに行くと (枚方市 石川 智子)