詩と写真のコラボレーション (2008 Decenber)









☆ 五位サギは 己が孤独を 愛(カナ)しむか カモメの群れに 背を向けて立つ       (萩市 斉藤 定) )










 ☆ 青春の 東京タワー 天高し       (横浜市 秋吉 芙佐子)










☆ じわじわと あたたまり来て 冷めがたし 「愛」は土鍋と 湯豆腐を炊く       (鳥取県 中村 麗子)



















☆ 焼芋を 食べてみたかろ 郷隼人       (広島市 安永 達生)


















☆ 自転車で どこかへ行こう タイヤには 秋の空気を かぁんと詰めて       (東京都 中村 敬子










 ☆ 毛糸あむ 愛の賛歌を ききながら       (東久留米市 立沢 文江)










☆ 知らん者(モン)は 知っとる者の 半分も知らん 童(ワッパ)のころの 戯れ言ぞ真       (厚木市 細川 悦人)



















☆ 郷土紙に くるんでありぬ 泥の葱       (久慈市 和城 弘志)


















☆ 満月を 曇らすほどの 気概なく 給付金こばむ 給与でもなし       (福島市 澤 正宏)










 ☆ 冬の海 宇宙の色を 映しけり       (焼津市 曽根 康夫)










☆ 幸せな 人を見た日は 幸せになって 帰ろう 子の指ぬくし       (高槻市 有田 里絵)



















☆ 浦安の 青べか失せし 都鳥       (千葉市 中山 清)


















☆ 哀しいと 書いてしまえば 哀しみは ひとつ遠のく 時間のように       (柏原市 芦田 恵美子)










 ☆ 悠久の 妻と俳句と 熱燗と        (奈良県 小林 博明)










☆ いつよりか 「いつもの場所」と 呼んでいる ポストの脇で 君を待ってる       (奈良市 杉田 菜穂)



















☆ 川雑魚の だんだん旨く なる寒さ       (姫路市 西村 正子)


















☆ 一転二転三転四転五転六転七転八倒        (半田市 依田 良雄)










 ☆ 炬燵舟より フランス語 中国語       (大川市 中原 南大喜)










☆ 立ち上がる 牛の鼻面 撫でながら 一声掛ける 夜の見回り       (前橋市 兵藤 宇亮)



















☆ 芸術の 秋に魔笛の 響きあり        (飯塚市 釋 蜩蜆)


















☆「変革」と 「変化」と「チェンジ」 少しずつ イメージ違うが まずは慶賀を    (東京都 夏目 たかし)










 ☆ 起きてすぐ 紅葉山とは 豪勢な       (群馬県 酒井 せつ子)










☆ 定位置を 保つといへど 冷蔵庫の 中にてどこか 不安な卵       (大分市 長尾 素明)



















☆ 蹲踞の 隣が似合う 石蕗の花       (玉手 のり子)


















☆ 「理由(ワケ)あり」と 書かれて 安き傷りんご 買う私も 理由ありなれど     (佐倉市 船岡 みさ)










 ☆ 里神楽 神々もまた 踊好き       (横浜市 猪狩 鳳保)










☆ 五本指の 靴下履けば 薬指の 特に喜ぶ 秋の朝なり       (古河市 高橋 こう)
























☆ 銀杏を 地雷のやうに 避けてゆく       (多摩市 吉野 佳一)


















☆ 江戸の世の 子の刻限に 止まりたるままの 時計が 博物館に       (多摩市 手塚 主馬)










 ☆ よく見えぬ 目にもせはしき かいつぶり   (名古屋市 青島 ゆみを)










 ☆ 摘出を 薦めし医者は わからない 我の裸身の うつくしきこと       (尼崎市 南 はるか)