詩と写真のコラボレーション (2007 January)
☆ 「このままじゃ あんたニートになるしかない」 母の辞書に 「冗談」 は無い (現代学生百人一首 高1 大日方 駿介)
☆ 聖夜劇 魔法使ひを 熱演す (高松市 白根 純子)
☆ 押し合える観客 頭上にじんべい鮫 脱糞二度なし 泳ぎ去りたり (舞鶴市 吉富 憲治)
(旭川動物園・水族館にて)
☆ 地球儀を清め 新春迎へけり (飯塚市 千代田 景石)
☆ 全盛期を 共にはたらきし機関車よ 想いいっぱい溜めて 老いゆく (秋田市 佐藤 信一)
(小金井公園にて)
☆ 元朝の 札幌の空 かもめ飛ぶ (札幌市 白幡 千草)
☆ 静けさや 考へ出したら 湖氷る (市原市 斉藤 圭子)
(氷結した山中湖)
☆ この世 よきものの一つに 冬木の芽 (熊本市 山澄 陽子)
☆ 好きだった その気持ちだけで 十分と 我に思わす 六月の青空 (現代学生百人一首 高2 佐々木 愛)
(松姫の像)
☆ 双六の 一回休み また休み (稲畑 汀子)
☆ 街中を流れる川に アオサギが棲みて 魚捕る 捕れるまで立つ (熊本市 徳丸 征子)
☆ 冬川の 岩の凹凸 美しく (長崎市 濱口 星火)
☆ 缶コーヒー詰め込まれてる 自販機の ほんとにほしいもの とは何か (高槻市 永田 聖子)
☆ やがて火にかかる お札を納めけり (千葉市 佐藤 豊子)
☆ つんつんと 芽が出揃った水仙に 驚く顔の 子どもに出会う (浜松市 桑原 元義)
☆ 自らを奮い立たせて 日記買う (岡山県 中村 杏子)
☆ 小春日の やわき木漏れ日 山門の金剛力士の 面くすぐる (八千代市 川浜 久子)
☆ 死ぬるとき こんな顔かよ 福笑 (長岡市 内山 秀隆)
☆ 口コミで来たのか 群れに新顔の鴨も 交わりて 賑わう水面 (アメリカ 中條 喜美子)
☆ 富士も佳し 紅葉見頃と 聞けばなほ (三島市 久保田 豊水)
☆ 垣根越し 今年も一枝交換す 「千両」渡し 「万両」貰う (藤田 恭)
☆ 元旦や 花鳥風月 三六五 (東京都 杉江 英夫)
☆ 夜明け前 すべての指で 求め来る この小さくて やわらかい人 (高槻市 有田 里絵)
☆ 走り根は 落葉溜まりでありにけり (島原市 三好 立夏)
☆ 物置の長持の中 ふと見れば 終戦告げしラジオ 仕舞わる (長野市 関川 喜八郎)
☆ たらたらと したたる玉の 初日かな (長谷川 櫂)
☆ あつ、朝の光のふふふふと 流れ込み 正月の卓に 家族が揃う (佐佐木 幸綱)
☆ がつがつと 漁るや 白鳥初飛来 (仙台市 村上 かつこ)
☆ 軒下の 杉玉青き酒蔵に 灘の新酒の 出来を味わう (西宮市 谷口 澄)
☆ 離れ見て 近づいて見て 冬桜 (藤沢市 小田島 美紀子)
☆ 恋をして 何でも歌にできそうな そんな気持ちを 歌にしてみる (新城市 山口 明紀)