詩と写真のコラボレーション (2006 Octorber)
☆ 小数点以下二十二桁を 「清浄」と名付けし人の 心を思う (松山市 吉岡 健児)
☆ すすき原 大きな露頭 秘めてゐし (東京都 井原 三郎)
☆ 東京に セレブが待つか 箱詰の黒紅色の ダリア千本 (山形県 高橋 まさじ)
☆ 人見れば 痴漢と教え 赤とんぼ (大和市 杉浦 正章)
☆ 長男のセンター試験 近づきて ネットで買いし 神棚届く (札幌市 仲野 龍己)
☆ 台風の 来そうな 風の匂いして (徳島市 浅利 清香)
☆ 飛行機雲 一すぢ許し 鰯雲 (沼津市 佐藤 友哉)
☆ 風の波来て 秋草の波となる (岡山県 伴 明子)
☆ かがやきて湖 白鳥を待っており (札幌市 白幡 千草)
☆ 大花野 雑草といふものの なし (和泉市 臼井 恭郎)
☆ ジーンズとシャツの間に 見ゆるもの 背中か尻か 見分けがつかず (大牟田市 皆島 徹)
☆ 考ふることより 覚めて 鰯雲 (東村山市 三谷 光彦)
☆ 一と夜さに どっと花あげ 曼珠沙華 (南国市 岩城 鹿水)
☆ 紅さして 誰が胸めざす 赤とんぼ (川崎市 谷口 陽子)
☆ いわし雲 さば雲 すじ雲 うろこ雲 湧いて流れて消えて 地に秋 (大阪市 瀧本 忠功)
☆ ヘッドホン 耳を隠して 音隠さず (詠み人知らず)
☆ 沢に拾う 栃の実 胡桃 おしなべて丸し 地球の 申し子なれば (山形県 清野 弘也)
☆ 秋風の 聞きとれる人 とれぬ人 (新潟市 長谷川 瑳海)
☆ ラファエロの 聖母の顔に慈愛あり 拡大すれば 罅のありけり (熊谷市 内野 修)
ずっと by るな☆
ずっといっしょにいてね
ずっとそばにいて
ずっと好きでいようね
これからもずっとずっと・・・
ずっと君が好きだよ
☆ よめな菊 群がり咲ける野辺 越えて来る 秋風よ 逢う人はなし (徳島県 一宮 正治)
(ノコンギク)
☆ 花揺れて 子猫遊ぶや 夏の風 (八代市 児玉 幸子)
☆ 「そちらには もう慣れましたか」 あなたまで メールが届きそうな 空です (大津市 纓坂 佳子)
「白い秋桜」 by ひとりしずか
青い空
まっすぐ見上げていたい
いたずらな風も
おしゃべりな虫たちも
いまは誰もいないから
あなたへの想いをこめて
ただひとつの言葉を胸に・・・
☆ 本当は空を飛びたい 鳥なのに 羽が綺麗などと 飼わるる (古河市 高橋 こう)
☆ 朝の野に 放たれしごと 秋の蝶 (札幌市 前田 豊作)
☆ 台風を 呼び込む形 両翼を広げて 土佐は海と向き合う (坂戸市 山崎 波浪)
☆ 秋になれば 風の中にも 詩のあり (倉敷市 乗金 健郎)
☆ 花の名を 花は知らざり ふふふと おいらん草は 風にさゆらぐ (夕張市 美原 凍子)
☆ 逆立ちの おはぐろ 風に揺さぶられ (大津市 福田 由美)
☆ 水引草、えのころ草を ペアグラスに活けて 小さき秋は来にけり (いわき市 藁谷 公子)