詩と写真のコラボレーション (2004 November)






☆ 朴の葉の またもばさりと 落つる音に目覚めて 霜の深さを思う     (山形県 清野 弘也)












☆ 久しぶりの      by キャンディ      →HP

あなたの言葉

変わらないね

優しくて 楽しくて

あなたの言葉のマジック

ずっととけないで・・










☆ 動物にはみじかき寿命 樹林にはながき命を 神の賜いぬ        (福島県 東海 正史)









☆ 木の実落つ 森の匂ひに入りけり    (埼玉県 新井 あい子)








☆ これ以上 薄くは刷けぬ 秋の雲    (札幌市 岩元 京子)












☆ 消失     by  ☆ ΥUЯΕΑ ☆(Μ)


アナタがそばにいてくれるなら
見えない道も進んでいける

だから

ねぇ

私が消えてしまう瞬間まで
お願いだからそこにいて

ほら
私は此処にいるよ











☆ 射殺されし 熊の胃の中 柿ばかりと語る 獣医師 憂いに満ちており    (水戸市 松下 亨)








☆ 稲雀なりしが けふは柿雀      (阿部 元気)







☆ 葉の落ちし柿は 宇宙となりにけり 実のそれぞれを 惑星として    (村上市 嶋田 恵一)











真冬の帰り道
繋いだ手と手

若かったあの頃
目に見えるものだけが
すべてだった日々
欲しいのは輝いてる明日

夢と希望だけの未来
失ったのは無邪気さ
もう帰れないあの頃
もう戻らない夢たち


by 白雪    →HP










☆ 頭をさげて 「あってはならぬ」 など いまや慣用の語句 いいて終わりぬ     (八王子市 相原 法則)









☆ 天高し 銀座の空は 狭くとも   (別府市 是永 素江)







☆ 金木犀香る 日曜の公園に 胡弓弾く人 ラッパ吹く人      (名古屋市 平野 のり子)











☆ 風 ☆      by ひまわり      →HP

少し冷たく吹く風

少し秋の気配

まだまだ冬には早いから

ほんの少しで

急ぎすぎないで

ほんの少しが良いね



(→ 筑波学園都市 にて)







☆ 都会には 高層ビルが犇いて ビルの狭間で 息する地球        (春日井市 鈴木 美津子)


(↑ 汐留・新橋のビル群)







☆ 秋色に 染まれぬ私 夏恋し     (山形県 加藤 絵理子)







☆ ひよどりが 食べ残したる柿の実を 目白が 肩を寄せて食べおり    (西予市 大和田 澄男)













☆ 人の心の 秋の初風 

 告げがほの 軒端の荻も うらめし


                 (閑吟集)




(恋人の心にそろそろ飽きが生じてきたらしい。

そのことを告げるような様子の、

軒端の荻の怨めしさよ)










☆ とびっきり離れて 最後をゆく雲に われを重ねて 声援をする     (相模原市 岩元 秀人)









☆ 見頃とは 薄紅葉にもありしかな   (横浜市 竹田 登代子)
(↑ 奥日光・湯西川温泉にて)







☆ 決意して 離婚の印押す 人生を俯いたまま 終わりたくない    (佐世保市 近藤 福代)


(↑ イチイの実)









◆ ゆめゆめ      by めぐ       →HP


ゆめ をえがく
ゆめ をみる
ふたつのゆめを ならべたら
ゆめゆめ

ゆめゆめ えがいてはならない
ゆめゆめ みることはできない
ふたつのゆめを ならべたら
ゆめゆめ

ひていに なってしまうの
どうして?








☆ 栃の実のぱらぱら 樫の実のころん 栗の実すとん 秋の音せり      (青梅市 津田 洋行)









☆ 注連となる藁を 大事に 伊勢の秋    (三重県 中山 いつき)
(↑ 10月、伊勢市内にて。 この街では注連縄を一年中飾るのだろうか?)






☆ 柳の陰にお待ちあれ 人問はばなう 楊枝木伐るとおしあれ   (閑吟集)

(やなぎの陰で待っていておくれ。人に何かたずねられたら、楊枝にする木を伐っているのとお言い。)











☆ 終幕     by ねこ


ある瞬間に ふいに分かる事がある

長い間燻り続けていたものが
完全に消えてしまう瞬間
痛みはあるが
それでも何故か 消し去る事に

ためらいはない

零れ落ちる涙は
自己への憐れみ
今日までの日々への決別
君からの離脱

I Say Good bye…









☆ 一瞬の言葉は怖し 消しゴムで擦れば 傷が深くなるのみ       (神戸市 西田 貞二)









☆ 図鑑より 抜け出でし如 天狗茸   (今治市 横田 青天子)







☆ 体重に余分は持たず かもめどり 空飛ぶものは 潔くして     (村上 章子)











☆  約束      by レイナ

  ねぇ あの約束 おぼえてる?
あの小さな約束を
停電した冬の夜に
私たち キスをして別れたね

ねぇ この花が咲いたら
戻ってくると言ったよね
私は毎日 水をあげ この日が来るのを待ってたわ
けれど あなたは来ないじゃない
花はもう咲いたのに

ねぇ あの約束 忘れちゃったの?
あの密かな約束を
暗い部屋の中で交わした
たった一つの約束を

ねぇ この花はもう咲いたのに
あなたは戻ってこないじゃない
私は今日も水をあげ あなたが来るのを待ってるわ
一体あなたは いつ戻ってくるの
この花が咲いたのは もう3度目よ