お茶の時間 (2011 September)
☆ はるかなる 空より秋と なりにけり (横浜市 山本 幸子)
☆ 手の中に 月のかけらが あるみたい 夜店で買った レモンの氷 (富山市 松田 わこ)
☆ コスモスを ひたすら磨く 風のくせ (秩父市 長谷川 昭子)
☆ ホームにて 母の最初の 友だちは オセロが強い 九十二歳 (東京都 小椋 洋子)
☆ 白樺の 幹を撫でつつ 避暑地去る (鹿児島市 青野 優子)
☆ 渓流の イワタバコ咲く 岩肌に そっと手をかけ よじ登る夏 (大阪市 首藤 育子)
☆ 東京は 清流をほめ 鮎をほめ (高知県いの 高橋 美鶴)
☆ 三月の 地しんでたおれた 金次郎 くつろいで本を 読んでるみたい (笠間市 篠原 周)
☆ 峰雲に 白き陰翳 ありにけり (新潟市 伊藤 隆)
☆ ヒマワリは かなしき花と なりにけり 汚染の土地に あまた咲きいて (福島市 美原 凍子)
☆ 釣り糸の ふくらむ風に 涼みけり (神戸市 高橋 寛)
☆ 庭のすみ 羽黒とんぼが 住みついて 牡丹にとまる しじま涼しき (土佐 石田 洋光)
☆ 早起きの 雲の峰より 朝日浴ぶ (前橋市 荻原 葉月)
☆ 水族館 走馬灯めく 魚ばかり (横浜市 橋本 青草)
☆ どこからか 絵を画きにきて 夏ゴッホ (久喜市 三餘 正孝)
☆ のりくらだけ なまえをおぼえて あるいたよ よつばしおがま ピンクのこまくさ (京都市 小松 奏)
☆ とんぼうの 肩に止まりて 山近し (姫路市 田中 明美)
◆ 10日ー13日、旅行のため休刊します。
☆ 提げ戻る 距離を心に 西瓜買ふ (泉大津市 多田羅 初美)
☆ 「がんばろう日本」は いよよ祭りめき 消えがちになる 事の真実 (土浦市 栗田 幸一)
☆ 眼前の 闇を崩して 揚花火 (市原市 鈴木 南子)
☆ パイロットが サンドウィッチを 食べながら 擦れ擦れに飛ぶ グランドキャニオン (さくら市 大場 公史)
☆ 取り敢へず ひと巡りして 夜店の子 (高松市 白根 純子)
☆ 好きだって 言ってくれたのは 三ッ編みか 三ッ編み結った 私のことか (池田市 平井 朝子)
☆ 踊りぬく 幼な一人に 拍手わく (坂出市 緒方 こずえ)
☆ な なことり つ まみぐいした や っぱりね! す ばらしいぼくの み ニトマトちゃん (笠間市 篠原 周)
☆ 遠き日の ラムネの泡の 青さかな (羽曳野市 松井 肇)
☆ な んきょくの つ めたい風で や すみたい す ずしいだろうな み んなで行きたい (笠間市 篠原 空)