詩と写真のコラボレーション (2003/Jan.)






2003年 明けまして おめでとう ございます







『 無力 』    by いちご   →Cafesta HP

広大な自然の前で
果てしない宇宙の中で
私の力なんって
無力なもので

それはあなたの
心を動かすことと同じ

自分の無力さを知る瞬間











◆ 高麗錦 紐解き放けて 寝るがへに
        何(ア)どせろとかに あやに愛(カナ)しき
 (万葉集)


 昨日、本屋に行くと新刊コーナーに五木氏の『 Silent Love 』という(薄い)本が山積みになっていた。
 ページをぱらぱらめくって立ち読みしたら、ポリネシアンセ○クスを主題にした小説だった。

 僕はすぐに五木寛之氏の『みみずくの夜メール』(朝○新聞、昨年暮れ12/30)の切抜きを思い出した。

 ◆ 『前回、この欄で【ポリネシアン・セ○クス】という奇妙な言葉についてちょっとだけ触れた。 文章に添えられた村上画伯の絵が、またなんともいえず面白かった。(中略)
 マリノフスキーという文化人類学者が第1次世界大戦前後に、西太平洋上の島々、メラネシア の島民の生活の丹念な実態調査をおこなう。その結果「未開人の性生活」という名著が生まれたが、 しかし、なんといっても愉快なのは「性行為」のくだりだろう。

 マリノフスキーはいう。 「彼らは白人、ヨーロッパ人の性交体位をさげすみ、笑いものにしている」。
白人たちはまず、あまりにもせっかちに事を運びすぎるし、真の情熱がない。動きが粗野で荒々しく、 優美さに欠ける。要するに滑稽で、人間的でないセ○クスというわけだ。男女が単調な上下動を 繰り返すのも不自然である。彼ら島民にとっては、水平になめらかに動くのが重要であるという。 (中略)

 メラネシアもポリネシアも共通しているのは白人先進国の性のグローバルスタンダード と真っ向から対立したやりかたであることだ。
 ファストフードと対するスローフードの主張と いったものがそこにはある。しかも彼らは性を快楽としてだけではなく、それを通じて先祖の記憶 と合一する行為ととらえているらしい。挿○と射○を目的とはせず、接触による魂と気のシンクロを 目指すセ○クスなのだ。(後略)』

 ◆ インターネットで世界が狭く一様になってきたのも事実だが、まだまだ多様性は残っている。 (あえて言えば、多様性を残すことが自然界として大切だろう)
食べ物についてみても、例えばドリアンを好むか、北欧の魚醤、アジアの香菜、日本の糠づけなど 現地の人は美味しい、いい香りだというのに他国の人はなんでそんなものをと思う物は数限りなくある。  風俗・風習についても同じこと。こちらの礼儀があちらでは無礼ということも多い。
 自分の知識がすべて、自分は正しいとせっかちに思い込むのは止めた方がいいのかも知れない(自戒)。











The strawberry season   by 静香   →Cafesta HP

今年もまたいちごの季節がやってきたと
あの店が教えているよ
期間限定のstrawberry menu

一番のおすすめはいちごのparfait
真赤な大きないちごとice cream
ちょっと可愛くwhipped cream
パフェグラスいっぱいに赤と白のrendez-vous
テラスのような白い小さなtearoom
カップル達で賑わうsweet season













『晴天。午前裁縫ニ従事す。
午後より習字ならびに書見をす。
今日より小説一日一回ツツ 書くことをつとめとす。
一回書さる日は黒点を付せんと定む。
但し我が心計成りけり』


(樋口一葉日記より)


















☆ 空飛ぶ鳥のように    by  まりりん♪    →Cafesta HP

 思うがままに空を飛べたら
 空気の澄んだ山に飛んでいこう
 新緑や木々たちのささやきに
 そっと耳を傾けよう

 思うがままに空を飛べたら
 夕陽が輝く海に飛んでいこう
 静まり返った海岸で波の音だけに
 そっと耳を傾けよう

 思うがままに空を飛べたら
 愛するあなたのもとへ飛んでいこう
 疲れ果てた羽を休めあなたの言葉に
 そっと耳を傾けよう










** 声 **     by  ☆ひΜぇ☆(Μ)88%    →Cafesta HP




    私の愛はあなたにしか届かず
     あなたにしか見えない
    私の歌はあなたにしか届かず
     あなたにしか聞こえない

   あなたの声は私の片一方の耳から
     滲み込むように優しく
   多分私の髪の毛を優しく撫でて
     口元を、少しだけ歪めて、
         笑う

     君の言葉を待っていた
       愛する君の
     その言葉を待っていた、
         と。








  恋は尊く あさましく 無残なるもの  (樋口一葉日記より)
(能【班女】)
「班女」は昔の中国皇帝(漢の武帝)の妃。帝の寵愛を失った彼女は、秋になると捨てられる夏の扇にわが身を例えた詩を作ったという。
「能・班女」は吉田少将と遊女・花子の悲恋物語。写真は花子が下賀茂神社で少将との再会を祈って舞をする場面。  











『 裏表 』    by カスミ    →Cafesta HP

素直な君の仕草に
  裏などないはずなのに

真っ直ぐな君の言葉に
  裏などないはずなのに

それを疑ってしまう僕は
  自分の裏を隠したままで






春過ぎて 夏来るらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山  (持統天皇)





海に向かい 夫婦のごとく 並びをり  (にこにこ)
(三浦発電研究所)





  野水仙 こんなところに 波しぶき   (三重県 山本十代保)
(↑城ヶ島の八重咲き水仙)




家猫の 名を呼び歩く夫の声  木枯らし吹けば彼方に徹る (布宮みつこ)





合格の 春待ちわびる 絵馬と梅  (にこにこ)
(八王子 子安神社)







りな☆ の日記より       →Cafesta HP



りなは、雨がすごくすきです!
だから、自分でも分からなかったけど
雨の中、歩く事がありました

冬はさすがに無理ですけど
でも、すごく哀しかった時
上を向いたら、雨が涙を 流してくれました

それぐらい辛い時
そんな自分が、いじらしかったです

雨はやさしいんですね

家にいても窓から、雨が降ってるのを
見ると、不思議に心が落ち着く時が あります

あの雨の旋律が、心を浄化してくれるんですね




















◆ 世の中に 人の来るこそ うるさけれ
 とはいうものの お前ではなし (蜀山人)



◆ 世の中に 人の来るこそ うれしけれ
 とはいうものの お前ではなし (内田百閨j



◆ Cafestaに 人の来るこそ うるさけれ
 とはいうものの お前ではなし (にこにこ)
















(S.ダリ 曲がった時計)





『一生に二度とは帰って来ない いのちの一秒だ。 おれはその一秒がいとしい。 ただ逃がしてやりたくない』    (啄木日記)





 【らんか=爛 柯】

 囲碁の別名。また、囲碁にふけって時間のたつのを忘れること。
転じて、遊びに夢中になり 時の経つのを忘れること。
(故事)晋の王質というきこりが、森で童子に会い、童子たちが碁を打つのを見ていて時を忘れ、 気が付くとそばに置いた斧の柄が腐っていた。帰ってみると見知った人がだれ一人いなかったという。 (出典:述異記)(爛:腐る。ただれる。 柯:斧の柄)

 知らぬ間に見知った人がいないという程時間が経つという話は、浦島太郎と似ているし、 一炊の夢とか壺中の夢という中国によくあるパターンですね。
今のSFだと、時間速度の違う異次元空間に迷い込んだと書くでしょうか。

 蘭柯(らんか)=囲碁、という言い換えは平安時代に日本にも伝わったそうです。
囲碁が趣味の人には親しい言葉かもしれませんが、一般の人には聞きなれない言葉。
僕は数年前の天声人語で読んで知っていましたが、街の看板に何気なく書いてあるのを見て 感激しました。














☆ コーヒーブレイク     まりりん♪    →Cafesta HP

 目覚めたときの一杯のコーヒー
 カーテン越しの優しいひかり
 寝ぼけ眼のわたしを包んでくれる

 あわただしい毎日にひと時の時間
 今日だけはのんびり過ごそうと
 香りを楽しむわたしがいる

 コーヒーを点てる音と香りが
 今日一日の始まりで活力となり
 素敵なことがあるように祈るわたし











「一人旅」      by カスミ    →Cafesta HP


転んだ僕に 差し出してくれた君の暖かい手を
  僕は握り返すことができなかった

君に背を向け立ち上がる僕に
    かけてくれた君の優しい言葉を
  僕は返事もせずに聞き流した

ふと振り返った僕に
    向けられた君の悲しげな眼差しを

  僕はずっと忘れることなく 今も一人で歩いている


(八王子 片倉城址公園 →)











☆ Time up     by いちご    →Cafesta HP


やっとあなたが分かってきたのに
やっとそばに居れるようになったのに

あなたにはどこを探してもあえない
ずっとずっと願っても
どんなにどんなに探しても

時間ばかりが私の横を通り過ぎる





 ←『 ダナエ 』(黄金の雨 by マビウス)

 マビュースはネーデルランドの画家で、本名をヤン・ゴッサールトという。
 1503年、30才でアントワープの画家組合に加入を許されるほどその技量には優れたものがあった。  ローマで、レオナルド・ダ・ビンチの作品に強い感銘を受け、以後盛期イタリア・ルネッサンスの影響を受けた画家となる。

 「ダナエ」はギリシャ神話の、アルゴス王の娘で、彼女の息子は国王を殺すであろうとの予言を恐れ、王はダナエを銅の塔に幽閉する。
 しかし、彼女に恋をするゼウスは、黄金の雨に姿を変えてダナエに近づき、ペルセウスが生まれた。
このペルセウスは予言通り王を殺すことになる。













☆ 『祇園』    (作者未詳)

かにかくに 祇園は恋し
    枕の下に水の流るる

「おかえり」の 言葉は何時も
ここに在るのに...
時に吹く風に 雪が舞う

キャンドルの下で二人きりのクリスマス・・・
幸せだったあの頃・・・

今はもう居ないあの人・・

一人キャンドルに火を灯を灯す私・・・
二つ並んだワイングラスが寂しそう・・・

(CG制作 by にこにこ)







☆ 『フタリ』     by さかなのくち    →HP

彼は私の瞳を隠し
両腕を奪う

やわらかな椅子に座らせ
私の口へ甘い果肉を含ませる

甘くやわらかな果肉
あたたかな部屋
やさしい感触の椅子

彼は私の心臓に耳をあてる

彼の感触
私の心臓の音

あるのは ただ それだけ










◆ 雪の松 折れ口みれば 尚寒し  (杉風)    日の出るまへの 赤き冬空    (孤屋)










☆ 純白の心       まりりん♪     →Cafesta HP

 新しい年新しい日新しい時間を
 今踏みしめている
 今日から始まる新しい人生に
 想いをよせて

   毎日が素敵な日々でありますように
 素敵な出会いがありますように
 感謝できる日々でありますように

 笑顔と優しい心で接するように
 あなたが喜んでくださるように
 しあわせを振りまいて

 今日から始まる新しい時間に
 そっと想いをよせるわたし











★ 「犬」   by 春   →HP

ワンワンって鳴く。
そーするとみんな鳴く。

何を話しているのかな?
目はくりくりでこっちを向いて
しっぽを振ってるの!

おねだり?
一緒に遊んで欲しいの?
ワンワンって鳴く。

君の言ってること
解かるようになりたい









◆ 酒のめば いとど寝られぬ 夜の雪  (松尾芭蕉)







☆ 「キラキラ」      by 愛音    →Cafesta HP

あの水平線の向うには
どんな未来が待っているの?

キラキラ輝く砂浜が
キラキラ眩しい魚たちが
今の僕らに話かける

きっと未来は見つかっていない
でもきっと見つける

キラキラ遠い・・・
僕らのユメ



(←愛音さんが左の写真に詩を創ってくれました)














☆シャボン玉・・・      by ファンタジー    →Cafesta HP   →HP

夢を詰め込んだシャボン玉・・・
空から一杯降って来たら、貴方なら如何する?

何もしないで、じっと見ている・・・
それとも追いかけて、捕まえる♪・・・

何時までも夢を忘れない、乙女のように・・・
キャンドルの灯りに夢を託して・・・













旧交を 温めつ回る 初打ちに  無情の雪ぞ 忽然と降る

(相模湖CC 1/3)






待ち人の いまもきたらば いかがせん    踏ままく惜しき 庭の雪かな    (和泉式部)







正月は 冥土の旅の 一里塚  めでたくもあり めでたくもなし      (一休和尚)
  (八王子・元横山町連)







  (明治神宮の夫婦神木・楠)

新たしき 年のはじめの 初春の
 今日ふる雪の  いや重け吉事

     (大伴家持  万葉集巻20-4516)