詩と写真のコラボレーション (2010 February)
☆ 紅梅の 蕾は少し 酔うてをり (相模原市 児島 英)
☆ 会いたいひとに 会えない淋しさより 会いたいひとの いないさびしさ (福島市 美原 凍子)
☆ 冬の陽の 今日あたためし 人や街 (秦野市 熊坂 淑)
☆ アメリカが 戦争しない 日は来るか 太平洋は 今日も紺碧 (日立市 山野 いぶき)
☆ 古来より 無罪と無実 合致せず (川崎市 今井 伯佳)
☆ 職人の 指の先より ふっくらと 甘い香りの 紅梅ひらく (広島県 今井 洋子)
☆ 風花や 亡き人の舞ふ 能舞台 (北九州市 武田 晴行)
☆ 「結婚は どちらでもいい、七割」 の 朝刊広げ 足の爪切る (東京都 二村 吉光)
☆ 一村の 消えたる跡や 野水仙 (福津市 松崎 佐)
☆ 「良いお年を」 と声かけられたる 自販機を 相手に男は コーヒー飲む (沼津市 森田 小夜子)
☆ 手袋に 五指の個性を 納めたる (札幌市 岩本 京子)
☆ 流行の インフルエンザ 対策は 彼とつないだ 手も洗わなきゃ (高3 小川 舞子)
☆ 地震に耐へ 生まれし絆や 寒牡丹 (大阪市 吉川 弘美)
☆ 指先を キーボードの上 滑らせる わたしの手から 何かが零れる (八王子市 川嵜 和香葉)
☆ 凧ひとつ 揚がらぬ空の あをさかな (佐久市 平林 リエ子)
☆ 君の呉れし ライターにまだ 火の鳥を 一羽飼ひをり 西日に点す (東京都 保坂 満)
☆ 煤払 鎌倉五山 一せいに (横浜市 橋本 青草)
☆ 方代さんの 恋を知ってる 南天の 朱艶やかに 年あらたまる (川越市 橋本 峯)
☆ 初場所や 捌く行司は 日本人 (前橋市 鈴木 実)
☆ ブカブカの 制服を着て はや二年 思い出つまり ちょうどよくなる (高2 関根 拓馬)
☆ 去れば同情 残れば非難 (北海道 藤原康男)
☆ 名刹の 鐘打ちだしぬ 日本の テレビの騒ぎ 静まるらしく (うきは市 今村 武志)
☆ 買初は つい切らしたる 花鰹 (名古屋市 山田 邦博)
☆ メリットが あるかないかを 考えて するものだったかしら 結婚 (大津市 纓坂 佳子)
☆ 渺然と 命の春や 隅田川 (東京都 山下 鉄也)
☆ 冬寒の 往診がえり 自販機の しるこを買ひて ひとり飲みをり (志布志市 小村 豊一郎)
☆ どんどやの 幸ある灰が 舞ひ降りる (人吉市 小丸 節子)
☆ 転換期に 龍馬は必ず 読まれるが 龍馬なかなか 世に現れず (香川県 薮内 眞由美)
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