詩と写真のコラボレーション (2008 June)









 ☆ 家中に薔薇 ボトルにも グラスにも        (笠間市 小貫 麻緒)










☆ 百円の 虫メガネもて 童らが 金魚銀魚の稚魚 見まもれり       (鹿児島県 市来 久仁子)
















☆ 悲歌     (飛騨の里  クララ)

あなたに採られ
味つけられて
煮詰められ
美味しくなって
食べられて

幸せな さんしょうの実 ?













☆ 人生は 曲がりくねりが 激しくて 私は常に 置いてかれてる       (オランダ 吉田 麻子)










 ☆ 走り梅雨 志功菩薩の 眼差        (千葉市 笹沼 郁夫)










☆ 優しいは 優柔不断と 同義語で 別れはいつも 女が決める      (箕面市 遠藤 玲奈)



















☆ しあはせや 一年分の 梅漬くる        (福岡県 徳永 スキ子)


















☆ 青い空 どこまでつづく さわやかに 日本の友も 同じ空の下       (オランダ 小林 亜美)










 ☆ 葉隠れに 葉隠れ勝ちに 沙羅の花        (松山市 吉武 宗史)










☆ 見しことは さだかならねど 良き夢のなごりか 今朝のこころ明るし       (大阪市 末永 純三)



















☆ 薔薇の園 彩押し寄せて 香も寄する       (大阪市 友井 正明)

(旧古川邸園 → )
















☆ いちりん草ひらきて にりん草ひらく ひとの世少し はなれてひらく       (夕張市 美原 凍子)










 ☆ 待つことを忘れ 噴水 落つるかな       (茨木市 瀬戸 順治)










☆ 牛さんが好きと 長女の嫁ぎたる 帯広平野 ジェット機の下       (十和田市 久米 新吉)



















☆ けぶる紅 けぶらぬ真白 薔薇の雨       (松原市 加藤 あや)

(新雪 → )
















☆ 秩父嶺の 雪解け水を 野の川の 堰(セキ)に鎮めて 起し田に引く       (さいたま市 泉 明)


(羽村堰 東京都 ここから玉川上水が始まる)







 ☆ 紛れなく 茄子の苗なり 茄子の色       (大津市 日下部 良子)










☆ 我が川に 漁の巧みな 川鵜いて 頂に立つ 従くは鷺・鴨       (町田市 冨山 俊朗)



















☆ 紅薔薇に 看取り疲れを 解いて来し       (三原市 成末 知歌子)


















☆ たんぽぽも ぺんぺん草も 知らぬ子と バーチャルでない 春の野に出る       (群馬県 小倉 太郎)










 ☆ 祖母がせし 母がせし この蓬餅       (東京都 大和 勲)








☆ 藤の花 少し離れて 桐の花 山の夫婦は 茶摘みに忙し       (静岡県 篠原 三郎)


(桐の花)
















☆ 鮎好きの つひに七輪 買ひにけり       (横浜市 三澤 久美)


















☆ 村の名も 今は失せたる 故郷の 背骨のような 四国三郎      (徳島県 一宮 正治)


(吉野川)







 ☆ 初夏や コサギに二三 飾羽       (堺市 吉田 敦子)










☆ 水族館の 巨大水槽に 人入りて 餌撒けば寄る マンタも魚も       (八千代市 新妻 幹男)


(八景島シーパラダイス)
















☆ 雨近きこと 薔薇の香 濃く放つ       (伊賀市 西澤 与志子)



(ロイヤルハイネス → )














☆ 一本の 音叉になりたる 木のありて 森は交響曲を 奏でる       (茨木市 瀬川 幸子)


(谷川岳・一の倉沢付近)







 ☆ 花冷の 中にも花の 咲き増ゆる       (西予市 武知 洋子)










☆ マスカラも ロングピアスも 週末の ごほうびにして ママ三年目       (高槻市 有田 里絵)


(神代植物公園)