詩と写真のコラボレーション (2005 August)
☆ 野球帽かぶりて 水やり続けたる子の 朝顔の次々ひらく (生駒市 鳥山 有里子)
☆ 柿若葉 壁一面の宗教画 (岡山市 大本 武千代)
☆ ひるがおの ひらきてしぼみゆく あわい胸に かすかな水音のあり (夕張市 美原 凍子)
☆ 姫沼も 句碑も 視界に 喜雨激し (浜田市 田中 静龍)
(利尻島 姫沼 →)
☆ かんぞうと きすげに寄りて ひきかえし 蝶はむくげの花にはいれる (川越市 小野 良辰)
☆ 六月の森には 白き花多き (松山市 田村 令子)
(↑ ヤマハハコ 八千穂高原自然園にて)
☆ 故里は がらんと広し 無人駅無時間のなか 女生徒二人 (岡山市 奥西 健次郎)
☆ 初蝉の 声ひるがへり ひるがへり (北九州市 山近 由季夫)
◆ 21−23日、軽井沢リゾートグルフのため休刊します。
☆ さようなら わたしの過去 すがすがと ピアスの穴に 夏の風吹く (今治市 池内 カナエ)
☆ 滝の音 間近に 蕗の広葉かな (喜多方市 手塚 柿村)
☆ どうしたら いいのだろうと いうような 鳥取砂丘の われの足あと (東京都 松井 多絵子)
☆ のーもあの 広島が来る 夾竹桃 (福島県 大田 元一)
☆ 魂のふるえて 日々の瑞々し 君に逢う日の 雨は銀色 (伊勢崎市 小林 智美)
☆ 樹齢 ほぼ一千年の 木下闇 (横浜市 大谷 誠一郎)
☆ 弁慶が 手玉に取りし 大石を 撫でて人行く 力得るがに (相生市 後藤 政基)
☆ 野の句碑を 芯まで濡らし 夕立去る (坂出市 溝渕 和幸)
☆ 蓮おおう 湖縁の細き 水脈を好みて 鯉・亀・鴨ら 群れ棲む (名古屋市 諏訪 兼位)
☆ 大花火 音を怖がる子と 家居 (厚木市 伊東 法子)
☆ 小さくとも 柿は柿の実 大いなる顎に守られ つるりと青し (静岡市 井口 敏子)
☆ 「反橋(そりばし)の 小さく見ゆる 芙蓉かな」 夏目漱石
☆ 「朝顔が芽を出しました」 君からのメールは いつも返事に困る (東京都 保持 壮太郎)
☆ 大方は 肥満となりて 神輿かな (船橋市 会田 恥芽)
☆ 境内の きざはし昇り 汗ばみて 君と紫陽花の はなかげに寄る (調布市 水上 香葉)
☆ 花火のごと 我に近づく 五十歳 (今治市 宮本 豊香)
☆ 滑稽な顔も 日増しに成長し 揚羽の幼虫 橘に棲む (横浜市 松村 千津子)
☆ 果つるまで 男と女でいたきものよ 空気のように なりたくはなし (沼津市 杉山 百合子)
☆ 桑の実を はじめて食ふも 懐かしき (名古屋市 山田 邦博)
☆ 愛媛県 小鯛が左眼パッと開け 買って買ってと 私を追うなり (久喜市 和泉 純子)
<