詩と写真のコラボレーション (2010 March)
☆ エッシャーの 「滝」 を眺めて ゐるように 日曜が過ぎ 月曜が来る        (松山市 吉岡 健児)
 
 ☆ 石段の 滑りやすさよ 落椿        (福知山市 松山 ひとし)
  ☆ 石段の 滑りやすさよ 落椿        (福知山市 松山 ひとし)
☆ 光ふるふるふる 春のはなはこべ ははを呼ぶ子と 子を呼ぶははと        (福島市 美原 凍子)
 
 
☆ 大学の 研究室に 紙雛        (大阪市 森田 幸夫)
☆ 自らを 肯ふ心地す 森に入り 節分草など 見つけしときに        (東京都 江川 森歩)
 
 ☆ 乙女らの 豹の眼や カーリング        (館林市 藤田 耀子)
  ☆ 乙女らの 豹の眼や カーリング        (館林市 藤田 耀子)
☆ 「しんぶんをとりにでたら はるのにおいがした」 合格果たした 娘が言えり        (西宮市 田中 洋子)
 
 
☆ 春光や 森羅万象 動き初む        (浜田市 田中 由紀子)
☆ 靴裏に 付いてた泥を ぽっこりと ひとつ落として 春の道ゆく        (鎌ヶ谷市 正治 伸子)
 
 ☆ 冬木の芽 さがす習ひの 独居かな        (東久留米市 藤川 玄人)
  ☆ 冬木の芽 さがす習ひの 独居かな        (東久留米市 藤川 玄人)
☆ 「おたくが水野さんですか?」 と問う母に 「ハイ、そうです」 と答える私        (さいたま市 水野 喜美子)
 
 
☆ 言霊を 堅く抱きゐる 冬芽かな        (横浜市 渡辺 萩風)
☆ 一応は 倖せといふ 嫁ぎし子 その一応が 母は気になる        (筑紫野市 岩石 敏子)
 
 ☆ 福寿草 黄の花咲いて 起点とす        (熊谷市 時田 幻椏)
  ☆ 福寿草 黄の花咲いて 起点とす        (熊谷市 時田 幻椏)
☆ オリンピック 三位と四位の この違ひ なべてどこかで 線は引かれる        (福岡市 宮原 ますみ)
 
 
☆ 開墾の 村の新道 辛夷咲く        (大阪市 山田 天)
☆ 満作は 優しき色に 咲きいでて 廃屋一棟 雪に潰える        (上越市 宮沢 君代)
 
 ☆ 梅白し 画布また白し 女学生        (和歌山市 美奈美 輝彦)
  ☆ 梅白し 画布また白し 女学生        (和歌山市 美奈美 輝彦)
☆ おじいちゃん なにやっているの 今はなあ お前の墓に 花挿しておる        (栃木市 大塚 信治)
 
 
☆ 船音に 春あけぼのの 目覚めかな        (芦屋市 田中 節夫)
☆ ひとつ得て ふたつ失い ふたつ得て みっつ失う そんなこのごろ        (福島市 美原 凍子)
 
 ☆ 吐く息の 届きさうなる 冬の星        (東京都 丹羽 ひろ子)
  ☆ 吐く息の 届きさうなる 冬の星        (東京都 丹羽 ひろ子)
☆ 手をふると 君はうなずき 立ち止まる 駅の通路の 小さな時間        (茅ヶ崎市 臼井 奈津美)
 
 
☆ 薺咲き 町の素顔の 残りをり        (茨木市 堀 恭子)
☆ ふるさとの 潮の香も添え 送り来る みかん ぽんかん ざぼん でこぽん        (柏市 宮本 次雄)
 
 ☆ 一水に 春の瀬音の 生れ初む         (西宮市 吉田 邦男)
  ☆ 一水に 春の瀬音の 生れ初む         (西宮市 吉田 邦男)
☆ 未来なんて ちょっとしたはずみで どんどん変わるから        (どらえもん)
 
 
☆ ひとりより ふたりの方が 水温む        (大阪市 大塚 俊雄)
☆ 歯科院に 大口あけて モーツアルト 聴きつつ虫歯 削られており        (沼津市 森田 小夜子)
 
 ☆ 「針の穴」 一投  2勝目つかむ        (カーリング女子)
  ☆ 「針の穴」 一投  2勝目つかむ        (カーリング女子)
☆ 冬の風 厳しき海辺の どんど焼き 風の形に 炎燃えたつ         (横浜市 鶴川 博)
