詩と写真のコラボレーション (2010 July)









☆ 始まりに 理由なけれど 終わりには 理由がありて 君を失う        (京都市 敷田 八千代)










  ☆ 夏草の ホームベースの 遠く見え        (流山市 荒井 久雄)










☆ 木道を すれ違う時 熊鈴の 音静かなり 綿菅の揺るる        (日立市 加藤 宙)



















☆ 百合一輪 活けて立居に 香の動く        (西宮市 吉田 邦男)



















☆ 午前四時 隣の部屋も 前の部屋も 起きているらし 喚声あがる        (箕面市 遠藤 玲奈)










  ☆ 桃太郎 生れし国の 桃大き         (堺市 奥村 英忠)










☆ 石油好きで メタボのやうな アメリカを 皮肉るやうに 油漂ふ        (函館市 武田 悟)



















☆ みどり児の 大地に立てる 夏来る        (岡山市 田辺 文枝)



















☆ 葦陰に コサギ一羽が 立ちていて 風のさわげば 白き杭となる        (広島市 和田 紀元)










  ☆ 煩悩の 足止めて見し 濃紫陽花        (蒲郡市 牧原 祐三)










☆ ぬんるりと 原油を浴びし ペリカンの 項垂れおり メキシコ湾に        (アメリカ 西岡 徳江)



















☆ 干草は 明治の匂ひ 北海道         (松戸市 大谷 昌弘)



















☆ たたまれて はじまるものは やわらかい 傘とタオルと あさがおの花         (高槻市 有田 里絵)










  ☆ 朝取りの 叩けば響く 西瓜かな        (茨木市 阿曽 美智子)










☆ 運動会 バッチリ決まった 組体操 夏のラムネの はじける感じ        (志木市 佐久間 大輔)



















☆ まぎれなき 花栗の香の くりかへし        (佐世保市 月原明 三郎)



















☆ 両の手で 鍵盤を 押さえるように 独占したい あなたの心        (神戸市 野中 智永子)










◆ 7/8〜14の間、中国・九寨溝・黄龍の旅 に出かけます。
コラボレーションは、この間お休みします。







☆ まっすぐに 伸びた麦の穂 「麦の穂のように 伸びろ」と スケッチさせる        (広島県 底押 悦子)










  ☆ 花菖蒲 はつしと命 見せにけり        (福津市 松崎 佐)










☆ 五月晴れ 早朝ひびく 友の声 「おはよう」「おはよう」 さあ部活だよ        (鈴鹿市 中野 文菜)























☆ 大滝の 飛沫大岩 越えてくる         (熊谷市 内野 修)



















☆ 馬牛沼の 水面を渡る 風やさし 草叢ふかく 雉子の鳴く声         (福島市 美原 凍子)










  ☆ 噴水の すだれの中の 雀たち         (東京都 三谷 いちろ)










☆ はつ夏を こうして抱かれて いたいだけ ずっと年上の このたぶの木に        (新潟市 太田 千鶴子)