お茶の時間 (2016 March )       トップへ              My俳句手帖(復刻版)

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                           【2002年】  12  11  10









☆ いっせいに三椏咲ける森の中王者のごとく羚羊のゆく       (静岡市 篠原 三郎)










  ☆ おひなさまにっこりがおでうんをよび       (川崎市 井澤 碧)










☆ デモ隊を癒す音色と喜ばるわがサンシンの夜空に響き       (大和高田市 森本 忠紀)
















☆ 山風の形いろいろ軒氷柱       (長野市 懸 展子)
















☆ 能登線の廃駅ごとの桜木の莟ふくらむきらめく風に       (石川県 瀧上 裕幸)










  ☆ 春子今振り返る大きさに       (鹿児島市 青野 迦葉)










☆ 若さんに嫁を取ろうと酒を飲み寺総代が顔のぞき言う       (三原市 岡田 独甫)
















☆ われになき絵本の時代チューリップ       (東京都 大澤 都志子)
















☆ 雷を秘めて咲き初むふきのとうほんとうの気持ち伝えにゆく日       (神奈川県 九螺  ささら)










  ☆ 野遊びのやうな授業となりにけり        (神戸市 藤井 啓子)










☆ アメリカに嫁ぎし娘に嬰が生れ曾祖母からの雛人形海をわたれり       (東京都 大島 早苗)
















☆ くれなゐにあをに牡丹の芽ごしらへ       (熊本県菊陽町 井芹 眞一郎)
















☆ テレビには余寒の続く天気図とソメイヨシノの開花予想図       (広島市 坂田 敏暉)










  ☆ あちこちに地球の憤怒鳥帰る       (さいたま市 田中 彼方)










☆ ある日ふとわれ呼び止めし大欅切株朽ちて冬すみれ咲く       (蓮田市 斎藤 哲哉)
















☆ 流氷来眠れる兵の文のごとく       (秋田市 松井 憲一)
















☆ 三割の味方七割の敵だよとガラスのような目の君が言う       (富山市 松田 梨子)










  ☆ 隣り合う受験子の絵馬恋の絵馬       (箕面市 藤堂 俊英)










☆ 縄文の土器にゴキブリの卵あり嫌はれ者との永久の付き合ひ       (秦野市 森谷 四郎)
















☆ 異国語の渦中にひとり雪まつり       (札幌市 生出 紅南)
















☆ 以前からチョコの代わりにリポビタン娘に貰うバレンタインデー      (三原市 岡田 独甫)










  ☆ 蝋梅に狼の影過りけり       (川崎市 沼田 廣美)










☆ サクサクとアイゼンの音心地よし山道凍る二月の筑波山       (鎌ヶ谷市 羽島 健一郎)
















☆ 苞(ツト)中で日ざし欲るらん寒牡丹       (長岡市 内藤 孝)
















☆ 初めてのアメ横威勢のいい声が飛んでくる右から左から       (富山市 松田 わこ)










  ☆ 日向ぼこ日本は海に寝転んで       (長野県川上村 丸山 志保)










☆ 浦凪の襟裳岬の岩礁に太りし銭形海豹の群れ       (北海道 斉藤 洋子)
















☆ 節分の豆は光となりて飛ぶ       (多摩市 橋本 宏子)
















☆ 辞任後に見るポスターよ「経済で結果を出す」といいし甘利氏       (町田市 冨山 俊朗)










  ☆ 脱皮するごと成人の娘の脱げる       (北海道鹿追町 高橋 とも子)










☆ 陽光にちから出できし千曲川カイツブリかな一羽浮かべり       (長野市 関 龍夫)