お茶の時間 (2011 November)
☆ 故里の ものみな美味し 甘藷また (高槻市 会田 仁子)
☆ 眞青なる 茎にやわらか すすきの穂 風さわやかに 猛暑を忘る (高知 山崎 マリ)
☆ 息長く 揺れつつ回る 夫婦独楽 (丸亀 新居 芳山)
☆ お喋りが 楽しかったと 菊の香の 匂う座敷に いとまを告げる (吉野川 市村 久子)
☆ 古民家へ 不便楽しむ 秋の旅 (琴平 未来 善行)
☆ 爛漫の バラ園にて 見つけたり 「プリンセスアイコ」 薄紅さして (阿南 仁井 信子)
☆ 週刊誌 買わず 広告欄で読む (つるぎ 前田 宮子)
☆ 飛行機の 雲が引かれて ゆくみ空 盂蘭盆逝きし 彼方ふるさと (四万十市 岡本 千里)
☆ 緋鯉らも ゐて直下型 初紅葉 (加古川市 西岡 旅)
☆ 美術館 巡りの旅に 疲れたる 手足伸ばしぬ 道後のお湯に (四国中央 宗景 マリ子)
☆ 玉入れの 玉のぶつかる 天高し (姫路市 橋本 正幸)
☆ コスモスの 赤白ピンクの 花揺れる 音なき風に 乗るアキアカネ (土庄 岡上 勝通)
☆ 朝ドラで 大正・昭和を 学習し (高松 木村 明昭)
☆ 山上の 駅で客待つ ケーブルカー 休業したこと 知らないように (高松 西原 弘)
☆ モラエスの 愛の深さや 長屋住む (吉野川 真鍋 翠)
☆ 鶏頭は 槍の形に 穂をかかぐ 残生あらわに 夕陽にさらし (高松 玉井 清弘)
☆ 秋夕焼 雲のゴンドラ 浮かべては (柳川市 木下 万沙羅)
☆ 十三夜の 月上がり来て 法然寺の 五重塔の 水煙照らす (高松 煙草谷 十三郎)
☆ 十三夜 十字架高く ありにけり (平塚市 日下 光代)
☆ 生きざまを 長く見られたり 壁にいる モジリアニの「少女」は 少女なるまま (御所市 内田 正俊)
☆ みちのくの 海に曼荼羅 鰯雲 (堺市 奥村 英忠)
☆ 夕焼けは グラスにとける 「スタバ」にて 少女は静かに 本を閉じたり (高松 山本 悦子)
☆ 太刀魚の 全身思ふ 切身かな (東大和市 田畑 春酔)
☆ がくどうで けんだまけんてい どっきどき おおざらこざらで 七きゅうごうかく (京都市 こまつ かな)
☆ 川笑う 沈下橋から 沈下橋 (高知 小笠原 望)
☆ ときょう走 2位のわたしと 1位の弟 でもまあいいか しょう品同じ (笠間市 高野 花緒)
☆ 村中の 柿の色づき はじめけり (入間市 大矢 勲)
☆ 辛うじて 「はせを」とだけは 読めるなり 草に沈むがごとき 碑 (坂戸市 山崎 波浪)
☆ 真裸の アダムとイブや 輝ける (東京都 嶋田 恵一)
☆ はじめての こうしきせんで シュートした おい風味方に 決めたぞゴール (笠間市 高野 真気)