詩と写真のコラボレーション (2009 Feburary)
☆ 起居にも 一日の長 雛飾る (茅ヶ崎市 川村 敏夫)
☆ ふり積もる 雪の重みに耐えいるは 過疎集落の 人住まぬ家 (群馬県 真庭 義夫)
☆ 引き返すこと 考へてゐる 雪野 (塩尻市 古厩 林生)
☆ 夜明けなど 来なくてもいい 薄明の 美しさのまま 世界よ凍れ (岩手県 田浦 将)
☆ 紅梅に まみえしごとき 一会あり (泉大津市 多田羅 初美)
☆ ロボットの 売り上げ不振を 職退きし われは聞きてをり 雑談として (福岡市 大西 隼人)
☆ 節分の 笑顔に付けし 鬼の面 (大阪市 西尾 澄子)
☆ 擦れちがい 同級生と 気づくとき 冬のひざしの ふわとやさしき (尾道市 山崎 尚美)
☆ どんど焼き 果ててごみごみ 星の夜 (福岡市 加藤 秀則)
☆ この人が 私を守って 二十五年 愛の言葉は いまだ聞かずも (越谷市 黒田 裕花)
☆ 万蕾の 未来を秘めて 梅ふふむ (倉敷市 大槻 秋女)
☆ 妖怪の 列車待つ夜 ぼたん雪 0番ホームに ぽあぽあと降る (広島市 大堂 洋子)
☆ 豆撒けば たちまち拾ふ 妻の鬼 (厚木市 田中 啓介)
☆ 野生復帰 めざす厳しさ 長き嘴 雪田に突っ込み 餌を探す朱鷺 (新潟市 丸山 一)
☆ スーパーに 春の七草 摘みて来し (東大和市 川畑 蓉子)
☆ ゆうらりと 横揺れのまま 駅に着く 荒川線の 一両電車 (東京都 久保田 仁)
☆ お洒落とは 涼しげに 装うことよ (長野市 小池 星児)
☆ 帰り際 一言かわした 次の日の 今日はあなたが 近く感じる (赤穂市 内波 可菜)
☆ 寒の月 ほんの小さな 肺活量 (広島市 石川 まゆみ)
☆ 悲しみは 乗り越える ものではなくて ゆっくり忘れて いくものである (甲府市 網倉 てる美)
☆ 白鳥の湖へ フルート 吹きにけり (白井市 酒井 康正)
☆ 鍋だけは 1人で するもんじゃないなと 父が小さく笑う 寒い日 (和泉市 星田 美紀)
☆ 凧(イカノボリ) 山従えて 天にあり (下関市 内田 恒生)
☆ 愛情を 込めて呼ばれる 「おまえ」なら 呼び方なんかに こだわりません (大津市 纓坂 佳子)
☆ 薄氷が 薄氷に触れ 流れゆく (飯塚市 千代田 景石)
☆ 水仙の 今盛りなる 故郷の 値踏みされをり 代々の畑 (大牟田市 鹿子生 憲二)
☆ 冬めくも 人出変らぬ 銀座かな (東京都 布能 民雄)
☆ 美しい 絵葉書求め 便り書く 読む友がいる 旅の幸せ (半田市 石橋 美津子)