詩と写真のコラボレーション (2007 February)
☆ 水もまた 動かざるもの 冬の鯉 (松山市 吉武 宗史)
☆ 待つものは ならぬでんわと こぬひとと みゆきのしたの はるのくさのめ (夕張市 美原 凍子)
☆ 寒林の 域を出でざる 梅林 (柏市 田丸 千種)
☆ 幼子をほめれば 自分でてをたたく 自分をほめて 大きくなあれ (アメリカ 久下 朋子)
☆ 遠山に 日の当たりたる 枯野かな (高浜 虚子)
☆ カワセミを飽きるまで見し 湧水が戻りて 小海老の棲める川べり (熊本市 徳丸 征子)
☆ 峠より 見おろす 諏訪の初鏡 (塩尻市 古厩 林生)
☆ 暖冬の 雪なき庭に 松を吊る縄の緩みを 締め直しやる (新潟市 荻島 俊雄)
☆ 紅梅の蕾 朝の光抱く (西宮市 竹田 賢治)
☆ 母と居て 娘となりぬ 山の湯に ともに老いたる足をゆらして (香川県 山地 千晶)
☆ 冬の橋 行き交ふ人よ ひとりずつ (松阪市 奥 俊)
☆ いちばんに 知らせたいのは あなたです うれしい時も かなしい時も (東京都 山筋 直子)
☆ 紅梅に添ふ 白梅の凛として (久留米市 小川 順子)
☆ 腕の中 眠ろうとする おさなごの まつげかぞえて 子守歌とす (高槻市 有田 里絵)
☆ このところ 一匹で来る 目白かな (茂原市 鈴木 ひさお)
☆ 天気図は たてじま模様 列島はますます細く いよいよ寒し (静岡市 篠原 三郎)
☆ 寒紅や 海に粉雪 つきささる (さぬき市 野崎 憲子)
☆ 自転車の 前に後ろに 子らを乗せ Eメール打つ 母の軽業 (刈谷市 山本 泰弘)
☆ 水仙や 淡路は 日向多き島 (神戸市 玉手 のり子)
☆ 冬の谷 行けば滝あり 一条の光の束となりて 落ちおり (熊谷市 内野 修)
☆ 寒紅をひく 癒ゆるため 逢はむため (東村山市 松内 佳子)
☆ 角吹きて踊る ヂプシーの絵を見れば 流浪といふも 怡しきに似つ (宮 柊二)
☆ 冬鴎 刃の如く 迫りけり (久慈市 和城 弘志)
☆ 能登を行く 家持思い 加賀を行く 芭蕉を思う このまちに雪 (石川県 砂山 てつお)
☆ 美しき 水の地球の 初御空 (千葉市 椿 良松)
☆ パソコンで 電子の海に組み込んだ ホームページは 僕だけの船 (現代学生百人一首 高3 山崎 佳士)
☆ 雪吊を仰ぐ 直立不動かな (松原市 磯野 しをり)
☆ 人間って皆 個性を主張して なんだか似てる 色えんぴつに (現代学生百人一首 中3 村尾 幸帆)