お茶の時間 (2012 February)
☆ 大仏を 「動かない?」と 確かめつ おずおず近づく 幼な子鎌倉 (東京都 上田 結香)
☆ 蝋梅や 氷砂糖を 摘むかな (埼玉県白岡町 高井 元一)
☆ あめゆじゅが 降ってる げいび渓下り 鴨っこ寒そに 泳いでいった (横浜市 高橋 理沙子)
☆ 両眼に スカイツリーや 初御空 (北島 松浦 勝江)
☆ 白銀の 斜面めがけて 高梨選手の 小さき身体が 宙にとび出す (東京都 上田 国博)
☆ どうやって ニラと水仙 間違える (徳島 竹内 正人)
☆ する、しない 結論出せず 年かわる 健康保険証裏面の 臓器提供 (高槻市 奥本 健一)
☆ 恋猫の ごとく死ぬまで 春機あり (長岡市 内山 秀隆)
☆ つやつやの 黒豆見ながら あこがれる オペラホールの グランドピアノ (富山市 松田 わこ)
☆ なまこ塀 暮れて椿の 実のこぼれ (徳島 尾谷 順子)
☆ 冬晴れの 空いっせいに 十九本 出初め放水 平穏祈る (高松 広瀬 さちこ)
☆ 蝋梅の 雨にその色 溶けぬかと (京都市 林)
☆ 「猪くんの しんにゅうきんし」の 立て札を ついに立てたり 七坪の畑 (大洲 小澤 マスミ)
☆ つららがね きょうだいみたい ならんでる (高岡第一小4 森沢 奈々)
☆ わが庭の 赤い実いっぱい たべてったけど 赤い鳥 どこにも見えず (高松 佐々木 みちよ)
☆ 東北の 雪国として 雪の降る (新庄市 三浦 大三)
☆ ひこばえの 銀杏三本 すんと伸び 冬枯れの中に 一メートル程 (高知 野村 丞子)
☆ 返り花 咲くべくいのち 燃やしをり (松戸市 大井 東一路)
☆ 尾道の 街ぼんやりと 歩み行く 林ふみ子に なりてゆかむか (徳島 日向 海砂)
☆ 朱一色 絶景なせり 寒夕焼 (芦屋市 田中 節夫)
☆ 一りん車 はねをひろげて バランスだ ゆう気をだして ペダルをふむよ (京都市 小松 奏)
☆ 頂に 風車のまはる 山眠る (小松島 藤森 いぶき)
☆ のびやかな 羽音仰げば 新雪を そのまま翼に したやうな鷺 (仙台市 武藤 敏子)
☆ 寒の鯉 一息水を 押しにけり (羽村市 寺尾 善三)
☆ 嬉しくて 家事の合間に 鏡見る 君にもらいし ピアスが揺れる (坂戸市 高篠 千鶴)
☆ 万両に なれと千両 買ひにけり (川崎市 池田 功)
☆ 乗組員の 言葉それぞれ 異なりて サバ漁つづく 八戸港は (八戸市 山村 陽一)
☆ 羽子舞ひて 乙女の裾も 舞ひにけり (国分寺市 田辺 龍郎)
☆ モロビトノコゾリテ クルシミテイマス フクシマニフル ユキハハイイロ (福島市 美原 凍子)