詩と写真のコラボレーション (2007 July)
☆ きょう君の B面ちらと 見たような やや罪深き コンタクト外す      (京都市 敷田 八千代)
 
 ☆ できたての 紺ぶつつける 大朝顔     (名古屋市 日原 正彦)
 ☆ できたての 紺ぶつつける 大朝顔     (名古屋市 日原 正彦)
☆ 安んじて 帰るふるさと 持たざれば 東京タワー 夜ごと見て立つ     (東京都 今宮 幸子)
 
 
☆ いつからか 栖み込んでいる 青蛙      (今治市 日野 正寛)
☆ バカだなあ、 と笑われてもいい 君がいて私は 強くも優しくもなれる     (東京都 山筋 直子)
 
 ☆ 長き茎 むらさきの花 夏来たる      (新座市 中村 子)
 ☆ 長き茎 むらさきの花 夏来たる      (新座市 中村 子)
☆ 睡蓮の花の綻び 池の蝌蚪 おりおり浮かぶ 拈華微笑(ネンゲミショウ)       (市原市 秦野 静夫)
 
 
☆ くちなしの 一重くちなし 美しき     (茂原市 鈴木 ひさお)
☆ 傾きて 崖の紫陽花 揺らしゆく 登山電車の 武骨なるかな       (神奈川県 芝田 美恵子)
 
 ☆ 沙羅の花 こぼれて 永き訣れかな     (小金井市 上条 多恵)
 ☆ 沙羅の花 こぼれて 永き訣れかな     (小金井市 上条 多恵)
☆ 亀の子の 歌を詠み継ぐ 単身の人は 未だ住むらし この市に      (可児市 前川 泰信)
 
 
☆ 昼顔のほかは 昼寝の家ばかり     (岡山市 大本 武千代)
☆ 「動物を飼ったことはありますか」 の問いに 「牛は入りますか」 と問う 牛飼いの子は      (稚内市 藤林 正則)
 
 ☆ 山百合の 咲くこの先に 一戸あり     (埼玉県 宮城 和歌夫)
 ☆ 山百合の 咲くこの先に 一戸あり     (埼玉県 宮城 和歌夫)
☆ 下校する少年ら 声弾ませて ミント香れる はつなつの風      (夕張市 美原 凍子)
 
 
☆ その中の 純白も又 七変化       (島原市 三好 立夏)
☆ ストレスを ためぬ生き方 赤ちゃんは 泣きたいと理由で泣ける      (高槻市 有田 里絵)
 
 ☆ 車庫入れが うまくなる頃 傷だらけ      (八幡町 藤 直美)
 ☆ 車庫入れが うまくなる頃 傷だらけ      (八幡町 藤 直美)
☆ 炎天に トマト畑の草取りは 一升びんの水 飲み干しぬ     (沼津市 岩城 秀雄)
 
 
☆ 給油所に 隣る植田の 蛙かな      (宮崎市 立元 周子)
☆ 取る人なきグミ 今年また人の世の外に たわわに実を熟らせたり       (稲城市 西尾 節子)
 
 ☆ 初鰹 食ぶる 明日は月曜日      (徳島市 鈴木 たみ)
 ☆ 初鰹 食ぶる 明日は月曜日      (徳島市 鈴木 たみ)
☆ どくだみの こぞりて咲ける 今日未明 年金法案強行採決      (藤沢市 坪井 睦彦)
 
 
☆ 枇杷くへば 実より大きな 種出ずる      (国立市 太田 ひろのぶ)
☆ まわるまわる 色うす青き かざぐるま 水子地蔵尊の 胸にいだかれ     (宮崎市 本田 皓子)
 
 ☆ かくれんぼ 鳥が鬼です さくらんぼ      (日田市 武内 政行)
 ☆ かくれんぼ 鳥が鬼です さくらんぼ      (日田市 武内 政行)
☆ こうやって 枝豆なんか食べながら みんな大人に なっていくんだ     (京都市 敷田 八千代)
 
 
☆ 実梅採り しだいに心 青みけり     (小平市 三浦 正明)
☆ 一筋の恋に 駆け登る螺旋 信じよう ねじ花よ その先の貴方を  (美伊奈栖)
 
 ☆ 幾許の 勇気をもて剪る 牡丹かな      (横浜市 渡辺 萩風)
 ☆ 幾許の 勇気をもて剪る 牡丹かな      (横浜市 渡辺 萩風)
☆ 朝露に  咲きすさびたる 鴨頭草(つきくさ)の  日暮るるなへに  消(け)ぬべく思ほゆ   (万葉集)  
 
        (鴨頭草=露草)