お茶の時間 (2012 June )       トップへ







☆ 観音の ほほゑみおはす 牡丹寺        (石井 中川 年代)















☆ 天空の 道めぐり来し 月天子 大日輪の 指輪を賜う        (さいたま市 宮崎 恵子)










  ☆ 心経の 声朗々と 花の寺        (阿南 上田 千代)










☆ 高原の 冷気ホールを 満たしゆき ホルンの合奏 天に響けり        (西条 村上 俊之)
















☆ もう誰も 叱ってくれぬ 葱坊主        (高松 中橋 忠彦)















☆ 金環日食の さなかの径を 毛波打ち 毛虫が渡る 梅雨近き朝        (伊勢市 金森 徳男)










  ☆ たしか今 とんでゆきしは 初つばめ       (吉野川 真鍋 碧)










☆ すごい虹 出てるよしかも 二重だよ 勉強してる 場合じゃないよ        (富山市 松田 わこ)
















☆ 補堕落へ 続く朝凪 合唱す        (宿毛 大西 つとむ)















☆ 高原の ちがや闌(タケ)つつ ほととぎす 肥後と豊後を かけもちに啼く        (大分市 岩永 知子)










  ☆ 吾のごと お世辞も言へぬ 蛙かな        (長岡市 内山 秀隆)










☆ 今日のこと ママにどこまで 話そうか うがいしながら まだ迷ってる        (富山市 松田 梨子)



















☆ 青竹の 打ち合ふ響き 春疾風        (徳島 真木 和茂)


















☆ 百合の香の ふと気がつけば 甘く濃し 空気の重く 湿りたるらし        (東京都 太田 有喜子)










  ☆ 晴れわたる 母の法要 桐の花        (三好 山下 明俊)










☆ 大空を 真っ赤に染めて 太陽が 金門橋の かなたに沈む        (琴平 未来 善行)
















☆ 薔薇の香へ 酔うて女は 蝶になる        (松山 柳原 緑)















☆ ついてくる ようなら誘う 公園の 裸婦像いつも ぽつんとひとり        (館林市 阿部 芳夫)










  ☆ 偶然の 重なる出逢ひ 蝶の昼       (松山 清水 慧美)










☆ 車窓にて 綾取りなせる 親子乗せ 一輌電車は 山峡に入る        (舞鶴市 吉富 憲治)

















☆ 夕べには 又咲き増えて 著莪の花        (柳川市 木下 万沙羅)















☆ 黄昏るる 樹下にふうわり しゃくなげの 廻り睡らせ ほの明りたり        (南国 長田 由美)










  ☆ かたくりは 向き合おうとは しない花       (昭島市 奥山 公子)










☆ 頑として 己くずさず 立つ欅 ざらつく幹を 双手に撫ずる         (東みよし 喜多 昭子)



















☆ 近頃の ブラもパンツも 見せるもの        (阿南 西田 修身)


















☆ エクレアに 抹茶パウダー 振り掛けた そんな色だね 空き地の春は        (逗子市 荒木 陽一郎)










  ☆ 仏とも 石とも見えて 陽炎へり       (北九州市 宮上 博文)









☆ 寒続く 朝の庭に 柔らかき 牡丹芽吹くを 見たる嬉しさ        (西条 徳増 そめ)