お茶の時間 (2015 January )       トップへ              My俳句手帖(復刻版)

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☆ 鴎外さんちょっと脳ミソお借りしたい三月中に返しますので       (高3 生垣 萌々子)










  ☆ 目の愁ひあらはにしたるマスクかな        (岡山市 岩崎 ひろゆき)










☆ 書き初めの会心の作きめたのは諦めかけたラスト一枚       (中2 近藤 瑛理香)
















☆ 殺気ある軒氷柱なり討ちにけり        (津山市 妹尾 武志)
















☆ ひと文字で元気出そうな四股名あり 勢、魁そして輝        (太田原市 佐藤 孝義)










  ☆ 傷心の少女の視線寒雀       (鎌ケ谷市 梅渓 由美子)










☆ 張る乳房拭けば湯気立つ冬の朝 搾乳するぞと気合をいれぬ       (佐世保市 近藤 福代)
















☆ 子ら育つかまくらと云ふ雪の繭       (高岡市 新井 久男)
















☆ 新しいブーツが雪をよろこんで 子犬のようにパフパフ駆ける       (富山市 まつだ わこ)










  ☆ てらてらと少女の恋や青木の実       (横須賀市 久留宮 怜)










☆ 正月のやうな一斤の食パン 立方体の閉ぢられた白       (神奈川県 九螺 ささら)
















☆ 山鳴りの激しき夜の暖炉守る       (小樽市 伊藤 玉枝)
















☆ 二時間目地学の終わりに冬が来た 雨がみぞれにみぞれが雪に       (富山市 松田 梨子)










  ☆ 防人の歌碑の彼方の枯野かな       (上野原市 天野 昭正)










☆ 正倉院展示の硝子器 千年余の空気の粒あまたなる       (豊明市 山田 久子)
















☆ 餅つきの声がかたちとなりゆけり       (新潟市 岩田 桂)
















☆ 国宝の太刀は触れなば斬らんとの威圧はなくてただ静かなり       (高崎市 八嶋 智津子)










  ☆ 投票の行きも帰りも懐手       (川崎市 多田 敬)










☆ 青い髪やピンクの髪を認めてる アニメの中のゆるい校則       (登別市 松本 秀)
















☆ 対岸に大きな淡路瀬戸小春       (神戸市 玉手 のり子)
















☆ ファウストよ驚くなかれドーナツは悪魔の食べもの 二個目の誘惑       (熊本市 星 ひかり)










  ☆ 手袋を失せはせぬかとそればかり       (横浜市 松永 朔風)










☆ はやぶさ2、秒速三十キロの旅に出る 生命の起源たぐりよせんと       (横浜市 松村 千津子)
















☆ 切符買ふごと八十路への日記買ふ       (合志市 坂田 美代子)
















☆ あきれちゃう日々複雑化したはずが ぎょうざくらいで元気になって       (富山市 松田 梨子)










  ☆ 冬の雲見上ぐる吾が流れおり       (高槻市 山岡 猛)










☆ 馥郁と初冬の空に咲く枇杷の 小鳥がこぼす白き花びら       (枚方市 鍵山 奈美江)
















☆ 収穫の白菜たちの尻を拭く       (大分県日出町 松鷹 久子)
















☆ 東京に向かい尾を上げライオンの吼えいる姿 鳥取県は       (鳥取市 山本 憲二郎)










  ☆ 焼藷を買つて来るぞと行きしまま       (札幌市 江田 三峰)










☆ 莢迷(ガマズミ)の朱く熟れこし山里は 裏銀小灰蝶(シジミ)も姿を消しぬ       (東京都 上田 国博)