お茶の時間 (2017 January )
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My俳句手帖(復刻版)
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【2002年】 12
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☆ 屋根に猿庭を瓜坊かけまはるお伽噺のやうなわが村 (岩国市 木村 佳子)
☆ 息白く朝の静寂を駆けて駅 (神戸市 玉手 のり子)
☆ ゴッホからみれば歪んでいたのだろう青に塗りたる「ゴーギャンの椅子」 (幸手市 森 暁香)
☆ 一羽来て二羽来て三羽初雀 (今治市 横田 青天子)
☆ 日本海の入日に染まる羽越線貨物列車のながき音する (仙台市 沼沢 修)
☆ 山眠る音楽堂の肖像画 (静岡市 松村 史基)
☆ 冬至なるスカイツリーの長き影隅田の川を北西に越ゆ (横浜市 竹中 庸之助)
☆ 花となり蕾となりてスケーター (松原市 西田 鏡子)
☆ 誰もゐぬ田舎へもどり井戸ポンプの上からごぼりと呼び水してみる (生駒市 辻岡 瑛雄)
☆ 白鳥のよく鳴く村となりにけり (久慈市 和城 弘志)
☆ 耳かきのあのほあほあのところって梵天だって知った元日 (神奈川県 九螺 ささら)
☆ 大仏の肩に冬日のとどまれり (相模原市 荒井 篤)
☆ おとうとのかおよりおおきいブロッコリーあさのはたけのにおいがしたよ (奈良市 山ぞえ 葵)
☆ 太陽と天皇無休誕生日 (大船渡市 桃 心 地)
☆ 墜落を不時着と呼び美しき言葉の国の終はりのはじめ (島田市 水辺 あお)
☆ 機の下の日本列島夜長かな (奈良市 堀ノ内 和夫)
☆ つつましき婦人の欠伸映りをり土俵桟敷は油断のならず (岩手県 山内 義廣)
☆ 山茶花の垣根の向う朝の声 (大阪市 行者 婉)
☆ 朝食にりんご夕食後にみかんセンター試験まで二ヶ月を切る (富山市 松田 梨子)
☆ 多言語の雑踏の中歳の市 (立川市 笹間 茂)
☆ 冬の朝川から湯気の立つ中で鴨たちは食む浅瀬の草を (東久留米市 関沢 由紀子)
☆ 書初や巨きな筆でルンバ踏み (つくばみらい市 和)
☆ バナナ・柿・みかんに昨日の芋そえてほとんどゴリラのわれの朝食 (東京都 松本 知子)
☆ 朴落葉ひときは深き音を踏む (神戸市 玉手 のり子)
☆ 草食のオオハクチョウが首伸ばし潜りて獲りし鮒を呑み込む (埼玉県 島村 久夫)
☆ 久女にもノラにもなれず葱を抜く (茅ヶ崎市 清水 呑舟)
☆ 整然たるデモに驚く感情の起伏はげしき民族なれば (大阪府 金 忠亀)
☆ 枯蟷螂能面のごと笑ひけり (東京都 我妻 勝美)
☆ 日暮どきのドライブたのし北狐、鹿、狸に出会うわが峡の村 (北海道 斉藤 洋子)
☆ ラグビーのトライのための大地かな (塩尻市 古厩 林生)
☆ 何歳になっても男は自転車を選んでいるとき少年の顔 (東京都 上田 結香)