お茶の時間 (2016 November )
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My俳句手帖(復刻版)
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【2002年】 12
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☆ 鰭酒やすでにひとりの別世界 (神戸市 高橋 寛)
☆ まえのはがさんぼんぬけたよわらったらかぼちゃのおばけのくちになったよ (山ぞえ 葵)
☆ われもまた縄文人や牡蠣を食ふ (静岡市 篠原 三郎)
☆ ほなまたな言うてた奴の訃報来るほなどうしたらええんや俺は (大阪市 石田 貴澄)
☆ 霧の中より現るる次の霧 (横浜市 小川 龍雄)
☆ 涼しげなガラス細工は灼熱の工房で作る。苦こそ美を生む (東京都 上田 結香)
☆ 新米に籠もる故郷の温かみかな (長崎市 佐々木光博)
☆ 舞をどるユニホーム着け声援す赤赤赤の広島球場 (呉市 宇津 和子)
☆ 焼栗の匂ひ流るゝパリの街 (福岡県鞍手市 松野 賢珠)
☆ 「ほら見て!」と言う相手亡きさみしさよ秋明菊が咲き始めたのに (京田辺市 藤田 佳与)
☆ 田仕舞の煙のなかに人のをり (嬉野市 秋山 和江)
☆ かろやかにステップふんでかけぬける過去形はいやだ平尾誠二よ (神戸市 寺尾 隆志)
☆ 木犀に詩人凡人立ち止まる (長崎市 田中 正和)
☆ コンクールきれいな羽を持つ小鳥さえずっている気分で歌う (富山市 松田 わこ)
☆ 秋惜しみ女性登山家惜しみけり (長野市 懸 展子)
☆ くせっ毛でピンピンはねる左側あだ名は「ウラン」チャームポイント (芦屋市 室 文子)
☆ 天の川母の嘆きは銃持つ子 (我孫子市 岡村 英)
☆ 先生の机の上の湿度計たまに見ながら進路の話 (富山市 松田 わこ)
☆ 鰯雲爆買に船来てをりぬ (飯塚市 釋 蜩硯)
☆ どす黒く火山灰ふり積る藷の葉に遥かな阿蘇の噴火みえくる (大分市 岩永 知子)
☆ 大いなる万葉歌碑や小鳥くる (宇都宮市 酒井 晃)
☆ 退院し二ヶ月ぶりに見上げおり百二十段の自坊の石段 (三原市 岡田 独甫)
☆ 熟成す命の重み葡萄かな (東京都 松山 セツ子)
☆ 山よりもおおきな傘があるのなら阿蘇の町にさしかけるのに (熊本市 徳丸 征子)
☆ 秋深む六曲一双松林図 (由利本荘市 松山 蕗州)
☆ 二島まず変換されてあと二島はこれからといふ者ら出はじむ (川越市 小野 長辰)
☆ 火山なり実のあかあかとななかまど (熊谷市 内野 修)
☆ 猿知恵のごとき凍土遮水壁猿も苦笑の結果となりぬ (東京都 野上 卓)
☆ 『100万回生きたねこ』読む良夜かな (熊本市 加藤 うゐ)
☆ 瓶の中ミニチュア帆船浮いているマルコポーロの野望のように (神奈川県 九螺 ささら)