お茶の時間 (2016 December )
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My俳句手帖(復刻版)
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☆ 五番街トランプタワーの静まりて囲いの外より写メが賑わう (アメリカ 悦子ダンバー)
☆ 白壁に違ふ白さの大根干す (大月市 中村 照子)
☆ 電飾を勝手に巻かれし冬木らの哀しき貌が我が内に棲む (石川県 瀧上 裕幸)
☆ 水仙を十等身に切り揃ゆ (日田市 原田 夏子)
☆ 大学は都会もいいなでも私雪景色が好き巣立ちの準備 (富山市 松田 梨子)
☆ 連山も白菜も白田舎道 (松阪市 奥 俊)
☆ フォルダーの中のフォルダー開くゆくマトリョーシカを並べるように (奈良市 山添 聖子)
☆ 熱燗の一口ごとに冷めゆける (東かがわ市 桑島 正樹)
☆ 晩秋のわが家を幾度もノックする啄木鳥のいてほうきふるわれ (アメリカ 西岡 徳江)
☆ 初冬や返したくなき免許証 (神戸市 高橋 純子)
☆ ざざぶりの白神山地のブナの木に樹間水とう流れを見たり (川崎市 大平 真理子)
☆ 庭隅に難破船めく朴落葉 (さいたま市 大石 大)
☆ 献灯を軒に吊るして川越しのみこし太鼓の音を聞きをり (豊後大野市 三代 英輔)
☆ 梟のもの知り顔に夜は更けぬ (神戸市 涌羅 由美)
☆ 外国人の群るる函館朝市に干物売り子の英語ロシア語 (前橋市 荻原 葉月)
☆ 大白鳥来て天守閣映えにけり (洲本市 高田 韮路)
☆ ふるさとの海鳴りの音懐かしむ友より能登の塩賜れば (碧南市 島谷 春枝)
☆ 短日や釣師迷はず竿しまふ (霧島市 秋野 三歩)
☆ 真っ白なマフラーでくるむ霜月の朝は空っぽ静かに始まる (芦屋市 室 文子)
☆ 裏畑の葱へ三歩の勝手口 (神戸市 玉手 のり子)
☆ 外出は眉だけ描いてマスクして女半分捨てて爽やか (延岡市 片伯部 りつ子)
☆ 烏瓜駆けつけてまでばぜ戦 (佐賀県有田町 森川 清志)
☆ キリンから突然変異したというセイタカアワダチ草は繁殖す (神奈川県 九螺 ささら)
☆ このいまのひかりにまみれ黄落す (蒲郡市 牧原 裕三)
☆ 十日夜遥かに望む雁渡し関東平野稲架連なれり (朝霞市 青垣 進)
☆ 冬涛を掬ふ石見のひしゃく星 (浜田市 田中 静龍)
☆ 近道の路地へ迷へば聞こえくる京西陣の機織りの音 (瑞穂市 渡部 芳郎)
☆ 昨日今日明日へといろはもみじかな (福山市 広川 良子)
☆ 初めての選挙で知ったこと一つ投票用紙はえんぴつで書く (富山市 松田 梨子)
☆ 枝々に老爺笑むごと柿の里 (小平市 村田 忠志)
☆ 図書室は金の光に包まれてキノコ図鑑を探す放課後 (仙台市 赤松 みなみ)