お茶の時間 (2017 June )
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My俳句手帖(復刻版)
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【2002年】 12
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☆ 麦秋や村を呑み込むゴッホの黄 (佐賀県基山町 古庄 たみ子)
☆ ねじ花のらせんをゆけば薄紅の遠い哀しみにたどり着くかも (中津川市 佐藤 とし子)
☆ 桐の花離るるほどに色の濃く (徳島県松茂市 奥村 里)
☆ あの行進膝にはよくないだろうなあ北朝鮮の軍事パレード (大和郡山市 四方 護)
☆ 生活に色つけやうと金魚買ふ (川崎市 池田 功)
☆ 哲学の道に飛び交う中国語ここは洛陽はたまた長安 (可児市 田上 勇嗣)
☆ 掌の中を蛍の宿にして渡す (綾部市 阪根 瞳水)
☆ ハガキ代六十二円になりますと詫びるが如く局員は言う (川崎市 池田 功)
☆ 俳諧の円座も危うし共謀罪 (横浜市 穴沢 秋彦)
☆ こでまりの花咲く寺のやさしさよ良寛禅師の眠る墓訪ふ (越前市 内藤 文子)
☆ 太陽の好きな山なり山法師 (岩倉市 村瀬 みさを)
☆ 観覧車ふたりめぐりて人生のやうねと妻が降りぎはに言ふ (西条市 村上 敏之)
☆ 見つめられ少し疲れてをりし薔薇 (神戸市 池田 雅かず)
☆ われの荷を背負いて日当二千円ポーター「ブルナ」とヒマラヤ歩く (秩父市 畠山 時子)
☆ ウクライナ美しかりし麦の秋 (川崎市 堅山 道助)
☆ 百一歳椅子につかまり背を伸ばし腕立て伏せのまねごとをする (福岡市 村石 篷子)
☆ 二つ三つ落ちて実梅の盛りかな (枚方市 石橋 玲子)
☆ おうしざはおとこのうしなんだってわたしはおとめざがよかったな (奈良市 山ぞえ 葵)
☆ 爆弾のやうに筍売られけり (霧島市 久野 茂樹)
☆ サバンナを知らずに檻で生を終える獣たちも寿命伸びゆく (横浜市 竹中 庸之助)
☆ ピースてふ薔薇よ戦雲払へかし (大阪市 田島 もり)
☆ 道具にもましてや凶器にもならぬ哀しい爪よマニキュア塗ろう (横浜市 毛涯 明子)
☆ 縦書きの国に生まれて心太 (多摩市 谷澤 紀男)
☆ 辺野古をば琵琶湖にたとえ翁長知事「国のためなら埋め立てるか」と (町田市 富山 俊朗)
☆ 眩しさも刈りとられゆく麦の秋 (高松市 白根 純子)
☆ 球拾いも麦茶作りも楽しくてハンドボール部マネージャーの日々 (富山市 松田 わこ)
☆ 一弁を飛ばされ牡丹崩れけり (平戸市 辻 美彌子)
☆ 学校の山羊は桜の枝を食み花びらを食みメエメエと鳴く (熊谷市 内野 修)
☆ 防人の碑裏の森に囀れり (古賀市 白石 国子)
☆ 対向の列車を待ちしふるさとの駅のホームの鈴蘭の花 (逗子市 織立 敏博)