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【2017年】
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☆ 睡蓮やこの頃夫の声甘し （さぬき市 鈴木 幸江）☆ 黒い服ばかり着ていたあの頃は中島みゆき口ずさんでた （稲沢市 松岡 さよ子）
☆ 花氷封じ込めたき過去ばかり （福岡市 松尾 康乃）
☆ 停電に灯す越後の絵蝋燭人魚のながすやうな蝋涙 （日立市 加藤 宙）
☆ 香水の華やぎにゐて美術館 （白石市 鈴木 鮎子）☆ 夏のよる琴座の下で耳すませ忘れてしまった君の声聞く （横浜市 杉本 恭子）
☆ 折り鶴の千羽の黙や原爆忌 （広島市 谷脇 篤）
☆ 我が畑のオクラ生長した時は野菜売り場は無茶苦茶安い （福岡市 南川 光司）
☆ 子とともに大きくなりし冷蔵庫 （さいたま市 斎藤 正美）☆ 週末はミュール履く日が増えてきて夏まで待てない裸足の季節 （名古屋市 中村 桃子）
☆ 夕涼みこのごろはやる将棋かな （東京都 野上 卓）
☆ 汚れたる神田川にも水草に掴まり揺れるオハグロトンボ （東京都 宮田 義昭）
☆ 存へて煮たり焼いたりなすびかな （岐阜市 阿部 恭久）☆ 居ないとは言いきれないね宇宙人まだ「確認出来てない」だけ （横浜市 道蔦 静枝）
☆ 雷神に鯱喰はれ犬山城 （尼崎市 橋本 絹子）
☆ 夏至祭のワイングラスの脚ほそくひとりもよろしと言ってみますか （宝塚市 櫂 裕子）
☆ 仰ぎ見る水族館の海月かな （玉野市 加門 美昭）☆ 暑い日に暑くない振りして歩く南極にいるペンギンのように （綾瀬市 小室 安弘）
☆ 大粒へ目が手がブルーベリー摘む （つくば市 大倉 真知子）
☆ 先輩には先輩の悩み私には私の悩みレモンの季節 （富山市 松田 わこ）
☆ 難民を乗せきれぬ船天の川 （川崎市 多田 敬）☆ マンハッタン計画「原子爆弾」の新語を生んで「ヒバクシャ」を生んだ （西条市 丹 佳子）
☆ 朝顔の今年の顔をして咲きぬ （川越市 松本 良子）
☆ ねえちゃんが初めてもらったバイト代私の貝のイヤリングになる （富山市 松田 わこ）
☆ 泳ぎ終へ水の匂へる少女かな （神戸市 藤井 啓子）☆ 生きている確かな証し桃色の赤ちゃんパンダはぴくりと動く （東京都 八巻 陽子）
☆ ヒアリ来る地球はますます炎えてくる （横須賀市 友松 茂）
☆ 濁り水膨れて流る大川に若鮎たちの生き抜く力 （岐阜市 後藤 進）
☆ 防人の浜に昼顔咲きにけり （小城市 福地 子道）☆ 調べない責任取らない謝らないどこかの国の三猿のはなし （長崎県 千葉 俊彦）
