俳句鑑賞文(復刻版)    2016 September        トップへ   

                                 ⇒  一日一句鑑賞文(16-05)  (16-06)  (16-07)  (16-08)




秋物のワゴンセールを掘り起こし

(毎朝、一日一句互選欄を覗いて共感できる句を探す。
早く行って誰も手を付けていなければ選り取り見取りだが、
時間が遅れると良さそうな句には先人がいて売約済みとなっている。
同じ句を選ぶという事も可能だが、大概は別の句を探す。
多くの人の句を選んであげたいという気持ちもあるからだ。
また、つい先日買ったのと同じメーカーを続けて買うというのは避けたいという心理も働く。
「句は十七音で独立する」という観点からすると、
メーカーを調べて判断するというのはいささか邪道ではあるのだが。






(9/30)

秋の蝶たかるさんしん弾く人へ   孝之

さんしんは沖縄で弾かれる三味線のこと。この句を読んだ瞬間、以前2003年に行った沖縄観光を思い出した。
琉球城蝶々園には、オオゴマダラ蝶にびっくり。赤い色が好きだそうで、
花 はもちろん、赤い色の野球帽に群がっていました。
女房は赤い野球帽を被り群がった蝶と記念撮影をしてご満足。
詠者も似たような体験をされたのであろう、但しさんしんを弾く人に。
深読みをすれば、蝶になって三線を弾く美人さんに止まりたかったのかも知れない。
(琉球城蝶々園は火災が原因で現在はなくなったとニュースで見た覚えがある。
再建されのだろうか?)
⇒ 沖縄日記

原孝之 北野さん、こんにちは。編入学試験の監督してまして、お礼が遅くなりました。
有難うございます。嬉しいです。山野辺さんが沖縄の宮古島に行かれて
写真の蝶の名前を聞かれたのが、掲句を詠むきっかけとなりました。
琉球城蝶々園のことは知りませんでした。私の沖縄での蝶採集のポイントの1つは首里公園です。



こぼれ萩潤いを待つ少女かな   美音

秋の花の季語「萩」にはたくさんの傍題があり、その一つがこぼれ萩だ。
この言葉から浮かぶイメージは、咲き乱れる萩の花の
中心から外れた場所でひっそりと咲いている花であろうか。
中七潤いを待つという言葉からは、大人になる前の思春期の少女を連想する。
もう少し時が経てばこの少女も
内からの光りで輝くような女性に変身するのであろうか。

向瀬美音 北野さん、素晴らしいご鑑賞有難うございます。私が少女じゃ変ですか?
北野 和良 美音さんは永遠の少女ですよ!





(9/29)

名月を観ぬ間に終へる葉月かな  俊文

今年は天候不順に台風も多く、楽しみにしていた名月もついに見られなかった。
古来名月の歌・句は多いが、古の時代には現代のような天候不順は無かったのだろうか?
来年は名月を愛でることが出来るだろうし、この句を思い出して苦笑いすることだろう。

河野 俊文 北野さん、互選に選んでいただきありがとうございます。
また、素晴らしい鑑賞も嬉しく思います。
まさに今年の九月は長雨で空を見上げてもすっきりしない日々が続きましたね。
十月は、晴天に恵まれることを祈っております。





(9/28)

赤い羽根左の胸に灯す愛  のどか

赤い羽根募金が始まった。駅前などで小中学生が募金運動をしていることも多い。
可愛い声で「共同募金、お願いします」と声をかけられると思わずポケットを探る。
赤い羽根を胸につけるのはちょっと気恥ずかしいが誇らしくもある。
赤い羽根を灯す愛と詠んだところが素晴らしい。

大関博美 北野さん ありがとう?(o’∀`)♪ございます。
子どもの頃から、馴染みの深い愛の羽根ですね。
ささやかに愛に実りがありますように、



風となり四方駆け巡れ木犀忌  無鬼

お父上が亡くなられた。庭に木犀が咲いていて芳しい香りに満ちている。
父の霊は風に乗って駆け巡り、遥かな浄土を目指しているようだ。
(句の形の上では無季であるが、この句を嚆矢として木犀忌が季語に認められるだろう)

小林 広一郎 力ずくで季語にしてしまおうかと。
通夜の挨拶に添えて、木犀の香りとともに父を思い出してもらおうかと思っています。
小林 広一郎 説明が無いとわからない駄句ですが、お気持ちをありがたく頂戴いたします。





(9/27)

鰯雲くしゃみ一つで散っていき   室木 助樹

秋空一杯に鰯雲が広がっている。泳者が見ている空の中心から四方へ散らばって行くようだ。
宇宙はビッグバンによって初まり、巨大な時空間に広がり続けているのだという。
この鰯雲もさっきの私のくしゃみで散り始めたようだ・・・・そんな訳はないが楽しい空想だ。

室木 助樹 ありがとうございますw



無我夢中鰯の煮付け炭にして  十河智

市場で見つけた捕れたての鰯、どんな料理にしようかと迷ったが煮付けに決めて取り掛かった。
中火にしてコトコト煮込むだけ。ふと気が反れて考え事をしてしまった。句の措辞の推敲であろうか?
焦げ臭い匂いで気がつくと、汁が煮詰まって中の鰯は焦げ付いて・・・・
あぁ、主婦として許されざる大失敗・・・でも誰にも言わずにおこう・・・

十河 トモ子 その通りです。但し、夫にはばれていますが。
採っていただき、ありがとうございます。十河智





(9/26)

刃を立てて南瓜一個の力尽く  俊克

畑で収穫した南瓜を調理しようと包丁の刃を当てるが、よく実っていて固い。
包丁の両端を両手で抑えながらエィっと力を込めるとさしもの南瓜も抵抗を諦めた。
刃がすいっと入り真っ二つ。中は黄色く色づいて美味しそうだ。
さて、どうやって料理しようか。下五力尽くの措辞が面白い。

大久保 俊克 ありがとうございます(*'▽')嬉しいです。



綱引きの綱に止まりし赤とんぼ  祐

秋の運動会の主役は綱引きだ。子どもたちは紅白に別れて綱を引き合う。
互いに負けまいと力いっぱい綱を引き、周りの応援も熱気を帯びる。
人間たちの興奮を知らぬげに赤トンボが飛んできてふわりと綱に停まった。
校庭の運動会の情景が目に浮かび、子どもたちの歓声が聞こえてくるようだ。

牧内 登志雄 北野さん、今村さん、互選に選んでいただきありがとうございます。
運動会でみんなが楽しめて盛り上がるのが綱引きですね。
今年も近くの小学校で子供たちの元気な「オーエス」が聞けました。





   9月第4週【席題で一句】(秋彼岸、秋分の日)

落暉今息呑むほどに秋彼岸  美音

北野 和良 頂きます。夕日が輝きながら沈んでいく景が見えました。


秋分や陽射しの弱く日の沈み  亜仁子

北野 和良 頂きます。つい先程までギラついていた太陽が彼岸とともに
穏やかな日差しに変わる、実感のこもった句です。



秋分の水の惑星なま欠伸・・・清一

北野 和良 頂きます。なま欠伸に共感します。


野の色を摘んで束ねて秋彼岸  征一

北野 和良 頂きます。上五野の色が素晴らしいです。


秋分日一人手前の茶のかほり  俊一

北野 和良 頂きます。お茶をなさるんですね。


秋分や立てて見てをりゆで卵  栄太郎

北野 和良 頂きます。春分の日の生卵は聞いたことがありますが、ゆで卵はルール違反でしょう?


秋分やいとを拒否する針の穴   ぶせふ

北野 和良 頂きます。針の穴の擬人化は初めて見ました。


小林 広一郎 @ 秋分や釣書にひとつ趣味を足す  無鬼

北野 和良 頂きます。釣書というのは今も生きているんでしょうか?


ゆったりと秋分の日の新幹線  十河智

北野 和良 頂きます。新幹線でお出かけでしたか。


増田 泰造 秋分や兄より妹の長電話  太三

北野 和良 頂きます。遠く離れて棲んでおられる方との久々のお電話でしょうか。


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(9/25)

蓮の実やロドス島まで跳んでみよ   草民

蓮の実はポンと音を立てて飛び出すのだろうか。
ドロス島はギリシャ領エーゲ海の島でギリシャ神話にも登場する。
詠者は蓮の実の飛ぶのを見て、ロドス島まで跳んでみよと思った。
それは詠者自身が古代ギリシャ神話の世界へ跳んでいきたいという願望なのだろう。

山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます。



珈琲をそそぐ器や障子入る   ぶせふ

季語「障子入る」は、夏の間外していた障子などを冬向きに整えること、である。
空調が整い、或いはマンションなどの建物ではもはや廃れてしまった生活習慣だ。
秋の気配が漂い始め詠者は珈琲を沸かし、お気に入りのカップに注ぐ、きっと和風の焼き物に違いない。
爽やかな珈琲の香りも感じられ、珈琲好きの私がこの句を採らずしてどうしようか。

足立 光隆北野さん、お選びいただき光栄の至りです。
実はこの焼き物自作なんですよ?正月の陶芸教室でろくろを回しました。
当地は陶器の産地でもあります。こっちのことを本当はもっと読みたいのをこらえました。笑






(9/24)

曼珠沙華一途といふはうとましき  美音

あの人の愛は真っ赤に燃えるように咲く曼珠沙華、情熱の印、夕顔に向ける光源氏の愛のようだ。
だがその一途さは同時に束縛を伴っている。
そんな時の夕顔は手を叩くと応える山彦にすら疎ましさを感じていた。
あなたの愛は嬉しいの、でも私の自由は奪わないで・・・・

向瀬美音 北野さん、素晴らしい鑑賞ありがとうございます!さすが北野さんです!



股眼鏡子宝めぐむ秋眺め   勉実落

『股のぞき』(股かがみ、股眼鏡などとも)がイグ・ノーベル賞を受け話題になっている。
受賞した東山教授は股のぞきによる錯視の効果を実験で確かめた。
幼児が行う股のぞきは、次の子供が生まれる前兆であるという
伝承は青森県、秋田県、新潟県などの各地に伝えられており、
作者はこの伝承を踏まえてこの楽しい一句を詠んだと思われる。

佐野勉 北野さん、ありがとうございます。 某テレビ局でも大変詳しい報道をしていましたね。
女子アナが実際にやって見せていましたが、セクハラのように感じたのはまじめすぎる自分かな。





(9/23)

乙訓の里の早瀬や芋水車  栄太郎

※乙訓・・旧山城国乙国郡(現京都市西の郊外洛西一帯)

乙訓の里の小川の辺りに水車小屋で、水車が重たげに回っている。
小屋の中では水車に連動する籠の中では里芋の皮剥きが行われるのだ。
昔懐かしい農村風景が今も残る乙訓、水車のゴトゴトと回る音も聞こえるようだ。

桑本 栄太郎 北野さん・・・「一句互選」にお選び頂き、丁寧なる鑑賞をいただき大変有難うございます!!。
実際には小川に掛かる芋水車は、六角形の幅が60〜70センチ程の小さな水車です。
板を外してその中に里芋を入れ小川の急流に入れて回しますと、 半日程でつるりと綺麗な洗い里芋となります。
洛西の山里は丘にあり、小川の早瀬を利用したものです。
今村 征一 一句選に頂きます。
桑本 栄太郎 今村さん…「一日一句互選」にお選び頂き、大変有難うございます!!。
京都洛西は京西山の嶺が近くにあり少し丘の上にあります。
散策にて山里を歩きますと小川の急流が流れ、時折芋水車も見かけます。
散策の道すがら、小川の流れの音が心地よく聞こえます。



うたかたの夢殿二十三夜かな   孝之

法隆寺夢殿の上に二十三夜(真夜中)の月がかかっている。
それはまるで水面に浮かぶ泡のように儚い姿である。
一幅の絵を見るような光景が浮かんで来る。

原孝之 北野さん、こんばんは。互選とご鑑賞有難うございます。
夢殿はもちろん法隆寺の夢殿を意識しましたが、人々にとっての夢の御殿という意味もあります。
人間はバラ色の夢を夢想しますが、うたかたに終わることが常という意味合いも加えてみました。
互選下さり感謝感激です。





(9/22)

文化祭違ふ貌見る仮面劇・・・清一

学校で文化祭が開かれる季節となった。 舞台では仮面劇が行われているようだ。
仮面を付けているので本人の顔は見えないのだが、声で誰が演じているのかは分かる。
役柄ということもあろうが、彼女の演技は日頃のイメージとは全く違って見える。
配役に没入している彼女を観るのは実に愉しく、別の一面を見つけた喜びがこみ上げてくる。

清水 憲一 北野さんありがとうございます。生徒の顔は色々な場面で変わります。
文化祭・体育祭・クラブ活動・生徒会etc授業の顔だけが顔ではないのですが、
そこを捉えるのも教師の役割、文化祭の演劇などは一人一人の個性を探る意味で格好の機会です。
素晴らしいご鑑賞ありがとうございました。



星の地図かくれて迷う雨月かな  のどか

現代はGPSなど高度な電子機器のお陰で、
昔のように星を見て航路を決めるという時代ではなくなった。
だが、大航海時代などでは天文儀を使い目的地への航路を決めるのが重要だった。
今夜は雨月で頼りになる星を観測することが出来ない。
船長は勘を頼りにするしかなく、恨めしく雲を眺めたのだろう。

大関博美 北野さん 一句選と素晴らしい鑑賞ありがとうございます。o(^o^)o





(9/21)

葉より花先に咲く秋彼岸かな  亜仁子

秋の彼岸になるとまるで時計で計っていたかのように彼岸花が咲く。
真っ赤な花と長い雄しべはとても印象的。花が咲き終わると葉っぱが出てくる。
葉は花を思い、花は葉を思う、 お互いを見ることの出来ない花と葉がお互いを想い合うだけ。
韓国ではそんな恋人同士に重ねて【相思華】と呼ぶ。
亜仁子さんにもそんな相思の人がいるのだろうか。

Aniko Papp 私の俳句を選んでいただき、素晴らしいご鑑賞、ありがとうございました。とても嬉しいです。



尾を振りて散歩喜ぶ野分後   玉有良

台風が来て雨風の中では愛犬の散歩もままならない。
台風が過ぎてようやく晴れ間も見えてきた。お待ち遠様とばかりに愛犬を散歩に連れ出す。
愛犬は元気いっぱいで、紐を引きずるように駆け出してゆく。
作者も愛犬につられて散歩を楽しんでいるようだ。何気ない日常を詠んだ愉しい句だ。

小出有紀 ありがとうございますv(^o^)
仕事前に鴨川の河原でのんびりしていたら見かけた光景です。
やはり、外にでかけるとりんじょうかんがある句が詠めます
北野 和良 昨日の鴨川を詠んだ句も実感がこもっていましたね。





(9/20)

更待の月爪あとを照らしけり   孝之

野分が去り、二十日の月が出た。月光に照らされた地上には、大雨・大風の爪痕が残されている。
自然の気象を恨むわけにはいかないが、無常を感じざるを得ない。
いち早い復旧を願う作者の気持ちが伝わってくる。

原孝之 北野さん、こんばんは。互選と素敵な鑑賞有難うございます。嬉しいです。



濁流の去りし爪あと冷まじき  美音

台風の大雨で河が氾濫、決壊し田畑や住宅地まで水没するTVニュースに胸を痛める昨今。
水が引いた後に後始末に追われる人々を見ると真に同情を禁じ得ない。
季語・冷まじきは最適の斡旋であろう。

向瀬美音 北野さん、素晴らしい鑑賞ありがとうございます!嬉しいです!





(9/19)

宇宙から心に浮かぶ律の風  亜仁子

律(リチ)は琴の音色、律の風は秋風を言う。
作者はまるで琴の音色のような爽やかな風に聴き入っており、
それが宇宙の果てからやって来たかのように感じている。
句のリズムもよく透明感に溢れた秀句である。

Aniko Papp 私の俳句を選んでいただき、素晴らしいご鑑賞
、ありがとうございました。とても嬉しいです。



手の如き蕊で祈るや曼珠沙華  直美

曼珠沙華の長く曲線を描くような雄しべ、横から見るとまるで手を合わせているようだ。
花は、そして作者は何を祈るのだろう。
世の安寧、世界の平和、或いは家族の幸せだろうか・・・・・

高井直美 北野 和良 さま、選んで頂き、素晴らしいご鑑賞をありがとうございます(*^^*)。
家族の幸せを祈るばかりですが、そのためにも平和な世の中であって欲しいです。





(9/18)

風に舞ひ風に闘ひ鷹渡る   祐

高い空を舞いながら渡りをする大鷹の姿が目に浮かびます。
畳み掛けるような中七がいいですね。

牧内 登志雄 互選にお選びいただきありがとうございます。
南に渡る鷹は風と闘いながら1万キロ以上の旅をしますね。



平蔵の庭の密談ちちろ鳴く   正則

鬼平犯科帳は大好きでずっと見ています。
密偵が鬼平の屋敷にやって来て報告をしている横でちちろが鳴いている、
意識がいきなり江戸時代に引き戻されるような句ですね。

野島 正則 北野さん、ありがとうごじます。



   【埋め字で一句)】

外国に似合わぬほどに虫集く  亜仁子

北野 和良 頂きます。御地でも、日本と同じような虫が鳴くのでしょうか?
Aniko Papp 皆さん、選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございました。とても嬉しいです。



今度こそ閑寂枯淡をまねぶ秋    勉実落1

北野 和良 頂きます。境地を極めるのは大変ですね。
佐野勉 ありがとうございます。閑寂枯淡は芭蕉翁の奥義ですね。



恋などは似合わぬほどに秋扇  房子

北野 和良 頂きます。
熊谷房子 美音さん、憲一さん、北野さん有り難うございます(*^^*)「少し難しい席題でした」



大相撲明日勝てばいいだけのこと・・・清一B

北野 和良 頂きます。この秋場所は混戦で面白いですね。


今度こそ九秒台に天高し・・・清一C

北野 和良 頂きます。


秋の夢貴方がほしいだけのこと   孝子B

北野 和良 頂きます。ストレートな愛の告白ですね。


コスモスや似合はぬほどに色乱れ  美音ー4

北野 和良 頂きます。咲き乱れるコスモス畑が見えます


新走り一緒に呑んだだけのこと 美音ー8

頂きます。新酒、待ち遠しいですね。


@今度こそやけぼっくいになるか秋   勉実落4(佐野勉 )

北野 和良 頂きます。焼けぼっくい、悩ましいですね。
佐野勉 ありがとうございます。「なるか」という予想が本当になると怖いですね。



酌み交はし名月を待つだけのこと   征一

北野 和良 頂きます。とても共感できます。


今度こそ望遠付けて月撮らん   孝之

北野 和良 頂きます。望遠レンズ、高いんですよね。
原孝之 皆様、有難うございます。FBがこの盛況で重くなっています。



柄になく似合はぬほどに燃える秋   孝之

北野 和良 頂きます。原さん、私と似てるかも。
原孝之 皆様、有難うございます



霧の中君の名呼んだだけのこと   孝之

北野 和良 頂きます。裕次郎の世界でしょうか?
原孝之 皆様、有難うございます。



寝ぬ妻に似合はぬほどに寝待月  太三

北野 和良 頂きます。奥様とお二人で?


老ひるとは失念増えるだけのこと   幸

北野 和良 頂きます。よ〜く分かります。
Sachiko Yokoi Hayashi ふふふっ もしかして痴呆症?とか悩んでいましたがお仲間沢山!!
孫っち’sからの「敬老の日おめでとうございます!」と言わないさり気ない・・で復活〜っ!



今度こそ夢を果さん詩の秋  征一

北野 和良 頂きます。下五が素晴らしいです。


摩周湖に似合はぬほどに秋晴るる  征一

北野 和良 頂きます。大きな景ですね


今度こそ姫身籠らん流れ星  美音15

北野 和良 頂きます。欲張りですね〜


ひたすらに詠むだけのことホ句の秋   征一

北野 和良 頂きます。ホの大黒柱ですね。


秋落暉ただ見つめゐるだけのこと  美音16

北野 和良 頂きます。


爽やかに好きだよと言ふだけのこと・・・清一J

北野 和良 頂きます。シンプル イズ ベスト!


爽やかに好きやと返すだけのこと  美音ー21

北野 和良 頂きます。方言は情があります
桑本 栄太郎 のり弁からしゃけ弁やろか?儂、こんなん好っきゃねん!!。



今度こそ君に一献新走・・・清一L

北野 和良 頂きます。佐々木酒造ですか?
清水 憲一 北野さん桑本さんありがとうございます。



名月やそこまで歩くだけのこと  栄太郎

北野 和良 頂きます。
桑本 栄太郎 今村さん、清水さん、原さん、美音さん、北野さん・・・大変有難うございます!!。



今度こそ綱とりなるや大相撲  栄太郎

北野 和良 頂きます。稀勢の里を応援しています。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難うございます!!。
地元出身ですからね?芋パワーで頑張って欲しいものですね!!。



爆ぜ栗や似合はぬほどに核実験  栄太郎

北野 和良 頂きます。風刺が効いています。
桑本 栄太郎 清水産、北野さん・・・大変有難うございます!!。
国民は飢えているというのにです。



菊枕似合わぬほどに石頭  正則

北野 和良 頂きます。石頭、思わず笑っちゃいました。


今度こそ母を超えたし栗おこわ   直美

北野 和良 頂きます。やはり秘伝があるのでしょうか?
高井 直美 北野 和良 さま、ありがとうございます!
微妙な塩加減でしょうか、敵いません(*^^*)



秋の喋似合はぬほどに乱れ飛ぶ   孝子F

北野 和良 頂きます。恋人同志で乱れ飛ぶ蝶・・・・


夜半の秋あなたに任すだけのこと  美音10

北野 和良 頂きます。季語の斡旋が効いていますね。


B無月なら空を見上げるだけのこと   孝之

北野 和良 頂きます。淡々としているようでその実、月を待ち望んでいる。


今度こそ弾けてみせる鳳仙花  美音ー23

北野 和良 頂きます。思い切り弾けて下さい。


どぶろくで地金吹き出ただけのこと・・・清一M

北野 和良 頂きます。地金が面白いです。


今度こそ肌寒の宵巫女が舞ふ     勉実落19

北野 和良 頂きます。宵の祭ですね。


梨売りは似合わぬほどに美人つま   勉実落29

北野 和良 頂きます。美人ならつい買ってしまいますね


今度こそ奥の細道旅の秋  美音ー26

北野 和良 頂きます。吟行の旅、いいですね。


露の世に露の恋しただけのこと  美音30

北野 和良 頂きます。霧の恋、いいですね。


江戸前の小鰭一口だけのこと  俊克

北野 和良 頂きます。日本酒が合いますね


青蜜柑甘い酸っぱいだけのこと  十河智

北野 和良 頂きます。酸っぱさがいいんですよね。
十河 トモ子 わかっていただき、嬉しいです。智



白桃の密かに熟れしだけのこと・・・清一S

北野 和良 頂きます。女学生のことでしょうか。


今度こそバンジージャンプ秋深し     ぶせふ

北野 和良 頂きます。竜神峡で見たことがあります


今度こそ1人旅立つ遍路かな  穗坂 俊一

北野 和良 頂きます。ぜひ歩いて下さい。


向瀬美音 今度こそバッハ全曲秋深む  美音ー54

北野 和良 頂きます。クラシックシリーズ快調ですね。
向瀬美音 もう、題材がなくなってきました
向瀬美音 北野さんも、熊本、遍路、釣り、官能シリージで!





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(9/17)

満月の雲隠れして四合瓶  祐

満月を愛でようと準備をしたのに、あいにく薄い雲が流れて見えたと思うとまた隠れてしまう。
少し待てばもう一度見えるだろうと盃を重ねているうちにとうとう四合瓶も底をついてしまった。
花より団子と人は言うが、私は満月よりも純米吟醸だ・・・・・

牧内 登志雄 北野さん、今日の習志野市はまさにその通りです。酒だけが進みます。



十六夜やコンビニ前の螢族・・・清一

今日は十六夜、ちょっとでも風流を解するならこの月を愛でなくてどうする。
しかるに近頃の若者ときたら、コンビニ前にたむろしてタバコを吸い雑談をしているだけ・・・
だが昔の自分を振り返ってみると、あの頃の大人は私達を見て「近頃の若者は・・・」と嘆いていたのだろうか?

清水 憲一 北野さんありがとうございます。鑑賞も分かり易く良いですね。





(9/16)

名月やはにかむ如く隠れたり   幸

中秋の名月を愉しく眺めていたら、無情の雲が月を隠してしまった。
美しい娘がはにかんで御簾の後ろに隠れるように・・・・
(月光に美しい女性をイメージする人は多いだろう。
だが、古事記神話では月読尊は天照大神(女)の荒々しい弟神である。
古代の人が月をどう見ていたのか、興味深い。)

Sachiko Yokoi Hayashi 北野様 一句互選にお選び戴きありがとうございます。
月は冷たく非情に見えますがはにかんで居るように感じたので。



熊本の名月契る地の神と   孝之

中秋の名月が熊本の地を明るく照らしている。それはまるで月の女神と地の神とが契り合っているようだ。
月光から月と地球の関わりを想像するスケールの大きな句だ。
(月の穏やかな光は女性のイメージと重なる。かぐや姫の故郷でもある。
だが、古事記神話では月読尊は天照大神(女)の弟神である。
月が男神なら地の神は身分のある女性でなければならぬ、などと野暮なことは言うまい)

原孝之 北野さん、おはようございます。互選と素敵な鑑賞有難うございます。
月が女神か?男神か?たいへん勉強になりました。私は女神賛成派です。(笑)
北野 和良 ギリシャ神話などでも、太陽=男、月=女のイメージですよね。東南アジアではどうなんでしょうね。





(9/15)

引力や黄金の月重く浮き  美音

今宵は中秋の名月ですね。地球の引力に囚われた月は、地球に対して
いつも同じ面を見せ、裏側は決して見ることが出来ない。
そんな物理現象とは別に黄金色に輝く月を見ているとまるで宙に浮いたように思える。
下五重く浮きが実感として冴えた表現だと思いました。
向瀬美音 北野さん、素晴らしいご鑑賞ありがとうございます!



白鷺の肩をすくめし秋の水   ぶせふ

水面に憩う白鷺の姿、中七で肩をすくめと描いたところにとても共感しました。
先日熊本水前寺の池で見た白鷺もまさにそのような姿でした。
足立 光隆 北野さん ありがとうございます!嬉しいです(*''*)





(9/14)

句作りは一生学び青蜜柑   玉有良

何事においてもこれが終わりということはない。
作者は俳句に情熱を燃やし懸命に学んでいる。今はまだ青蜜柑のような段階だが目指す頂きは遠い。
一生学び続けるのだと決意をして今日も句作に励んでいる。その決心が潔い。
小出有紀 ありがとうございますv(^o^)
頂は通いですが、蜜柑が必ず熟して甘くなるように、私も熟した句を詠めるように日々頑張ります



青蜜柑皮むく爪が愉しめり   直美

秋の訪れとともにはや青蜜柑が店頭に出始めた。
青蜜柑の硬い皮に爪を立てると爽やかな香りが立ち上り胸いっぱいに広がる。
初物を食べると寿命が75日伸びるという俗説があるが、幸せを感じる一瞬だ。
爪が愉しむという視点がとても面白く共感できる。
高井 直美 北野 和良 さま、選んで頂き、ありがとうございます。
選評いただいたとおりの心境で詠みました(*^^*)。
初物を食べると寿命が75日伸びる!初耳です、いっぱい食べます(*^^*)





(9/13)

水澄める熊本の地に安らぎを   孝之

水前寺成趣園の池(江津湖につながる)は、地下水がこんこんと湧き出し、季語の水澄めるがぴったりだ。
今日も熊本では地震が起きたとのニュース。地元の方々の不安を思うと本当に心が痛む。
一日も早く地震が収束し安らぎの日々が来ることを祈りたい。
原孝之 北野さん、おはようございます。互選と素晴らしいご鑑賞有難うごさいます。
熊本に一日も早い安らぎが来ることを祈りたいものです。



秋遍路新たな一日始まりぬ  俊文

残暑も収まり、清々しい空気の中で遍路を歩くのに最適の季節となった。
「遍路に発心を聞くな」という言葉がある通り、遍路をする人の動機は様々だ。
だが札所を巡り歩くことは、周りの自然に目を向け、自分の心を覗く絶好の機会となる。
遍路道で出会うお接待にも地元の人々の暖かい気持ちがこもっており、他人の優しさを実感する。
朝早く遍路宿を出て歩き始めると、新しい一日が始まるとお大師に感謝の気持ちが湧き出てくる。
(歩き遍路を二周した私には、文句無しに共感する句である)
河野 俊文 北野さん、素晴らしい鑑賞をいただき、ありがとうございます。
徳島の自宅の前が遍路道で、毎日、お遍路さんを見かけます。
昨日が終わり、今日が始まる。きっとそのような気持ちで歩いているんだなあ、と感じました。





(9/12)

秋萩の旅の思い出好文亭  俊克

『好文亭』という名前は,中国の故事
「文を好めば則ち梅開き,学を廃すれば則ち梅開かず」により,
梅の異名を「好文木」(こうぶんぼく)といったことから,命名されたという。
水戸藩の第9代藩主・徳川斉昭公により,偕楽園内に
詩歌の会や茶会など(町民も参加可)を催すために建てられた。
眼下に千波湖を望む名園で作者は萩の季節に訪れ、懐かしく思い出している。



底紅や少女初潮を迎へたる  美音

底紅(木槿)は鮮烈な紅色で若々しさとエロスを感じさせる花、
作者は大人になり始めた少女をそこに見た。
中七の直接的な表現は作者の持ち味である。
私はこの句を見た瞬間、西東三鬼の 《おそるべき君等の乳房夏来る》 を思い出した。
また私も 《底紅のあなたへ逢いにゆく道に》 と詠んだことがある。
美音さん、これでトリプルになりましたね。重ねておめでとうございます。
原孝之 美音さん、こんにちは。トリプルおめでとうございます。もう、5回目くらいになりませんかね?
向瀬美音 北野さん、素晴らしいご鑑賞ありがとうございます!
向瀬美音 原さんは本当に記録が好きですね!統計好きと記録すき?
原孝之 北野さんはエクセルで、私は記憶でやってますが、その記憶に翳りありです。





(9/11)

今は昔稲穂の波間いなご追う    勉実落(佐野 勉)

北野 和良 一日一句互選に頂きます。佐野さん、初めまして。
黄色く実った田んぼに入ってイナゴを追いかける、子供の頃を思い出す懐かしい風景です。
佐野勉 子供時代、大きなポリ袋を持ち、妹を従えて、
裏の田んぼへいなごを獲りに行きました。びっくりするほど、たくさん獲れました。



秋の空天女になりて舞ひてをり   わえ

北野 和良 一日一句互選に頂きます。和恵さんはいつも舞っておられますね。
熊本でお会いできなくて残念でしたが、福山にお住いだったんですね。
のり子さんとの楽しそうなお写真、拝見しました。
片山和恵 北野さん、ありがとうございます。熊本でお会い出来なくて残念でした。
また関東にも出向くかと思いますのでどうぞ宜しくお願いいたします。





   【席題で一句】 (虫)

核爆弾揺れる大地や虫すだく・・・清一

北野 和良 頂きます。核実験の地震波に驚き騒ぐ虫の声が聞こえます。暴挙を止めたいものです。
清水 憲一 北野さん ありがとうございます。
中国が本気になって北朝鮮の核開発を止めない限り残念ながら止まりませんね。
中国も対米国への戦略上本気にはならないからね。



籠の虫鳴きて家族の集ひたる  ひさを

北野 和良 頂きます。鈴虫なのか松虫なのか、
可愛らしい鳴き声にご家族が聞き惚れている様子が目に浮かびます。
Hisao Mogi ありがとうございます。子どもの頃の懐かしい思い出です。



森からの風に乗る虫時雨かな  亜仁子

北野 和良 頂きます。風に乗って聞こえてくる虫の音に耳を傾ける作者の姿が目に浮かびます。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございました。とても嬉しいです。



心做し場違ひの観昼の虫  十河智

北野 和良 頂きます。虫が鳴くのは夕方から夜と思い込んでいるのに、
何故か昼間から元気になく虫に気づき、あれっと思った。これも発見だろう。
十河 トモ子 ありがとうございます。その通りです。智



独りごつ吾に応ふる虫の夜  栄太郎

北野 和良 頂きます。作者は何事か独り言を言っていて、それに応えるかのごとく虫が鳴く。
虫に人間の言葉が分かるのだろうか、それとも作者の心の声を聞いたのだろうか?
桑本 栄太郎 北野さん、清水さん・・・席題選にお選び頂き、
それぞれの方に丁寧なる鑑賞のコメントも頂戴しまして大変有難うございます。
朝晩が涼しくなれば過ごしやすい反面、秋風と共に物思いにも耽る事も多く、
独り言を漏らしている自分に気が付きます。人間とはかくも厄介な心情を持つ生き物のようですね!。



耳鳴りの分からずなりぬ虫の声   古賀一正

原孝之 頂きます。古賀さん、ご参加有難うございます。お世話になりました。
北野 和良 頂きます。(原さんが代理で投稿されたんですね)。
耳鳴りが虫の声で消えたというのが面白いです。



パンの耳お前は虫の音を聞くか   正則

北野 和良 頂きます。確かにパンの耳という言い方があるが、
その耳に虫の音を聴かせるという発想は尋常ではない。脱帽します。
野島 正則 北野さん、ありがとうございます。



熊本に京都にもまた虫すだく  ぶせふ

原孝之 頂きます。俳句の虫すだくですね!挨拶句有難うございます。
北野 和良 頂きます。なるほど熊本や京都には頭の黒い俳句虫がわんさわんさといるのですね。



上りつめ吐息と間の虫の声   美音

北野 和良 頂きます。どこか謎めいた句ですね。問題を突きつけられたが答えが分からない・・・・




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(9/10)

秋の灯やドラマの中の蔵之介・・・清一

佐々木蔵之介は作者の教え子で洛南高校出身。
彼の実家は京都で唯一の酒蔵で、その蔵の酒を頂いて飲んだことがある。
俳優としても実力があり、以前出演していた刑事ドラマは面白く、続編を待ち望んでいる。
季語秋の灯との取り合わせもこの句では成功していると思った。

清水 憲一 北野さん ありがとうございます。
北野さんが仰った通り佐々木酒造株式会社(ささきしゅぞう)は、
日本酒を製造販売する、京都・洛中に現存する唯一の蔵元。
俳優・佐々木蔵之介の実家である。1893年(明治26年)佐々木次郎吉が創業。である。
北野さんがお飲みになった銘柄は存じませんが、聚楽第【純米大吟醸・純米吟醸】、
古都【大吟醸・本醸造】、西陣【特別純米】、平安四神【大吟醸・吟醸】、まるたけえびす【本醸造】、
聚楽菊【純米】中では取り分け私が気に入っているのは家内の生家のある地名を取った”西陣”です。
北野 和良 清水さん、お早うございます。私が飲んだのは古都だったかと思います。





(9/09)

秋めくや唐物茶具に山水図   郁芬

以前、横浜中華街で蓋付きの湯のみを買ったことがある。
中国の人たちは急須を使わず、湯のみに茶葉と熱湯を入れ、
程よく抽出されたところで、お茶を飲み、嗜む。
作者の唐物茶具もそのようなものであろう。
茶具には山水画が描かれていて、それを眺めているといつしか自分が山水画の中に引き込まれ、
また秋の景色の只中にいるように感じるのだろう。

Yufen Hong 北野樣,ご選句とご鑑賞心から感謝しております。まさに蓋付きの湯のみです\(^o^)/



真に置く大輪のもの今日の菊  十河智

菊の季節が訪れ、いろいろな所で菊花展が始まる。
菊の花にもいろいろな育て方、仕立て方があるが、
径が20cm以上もある大輪の花は見事であり、また育てた方のご苦労が偲ばれる。
菊好きの作者が大輪の花を惚れぼれと眺めている様子が浮かんでくる句だ。





(9/08)

鹿啼くや夢とうつつのその奧に・・・清一

この句、上五を読んだとたんに百人一首の歌を思い浮かべた。
奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声きく時ぞ 秋は悲しき  猿丸太夫(5番) 『古今集』秋上》
猿丸太夫と柿本人麻呂とは同一人物だという説がある。真偽の程は分からないが
いずれにしろ奥山になく鹿の声、伴侶を求めて鳴いているのか如何にも物悲しい秋を感じさせる歌だ。
句の作者は鹿の声を聞いたのか、はたまた夢うつつの幻を見たのか、心の沈潜を覗いているようだ。

清水 憲一 北野さん 誠に素晴らしいご鑑賞文ありがとうございます。
まさに仰る通り鹿の啼く京都北山の里に住み鹿の啼き声を聞きつつ
うとうとしていると夢か現か分からぬ場所にいる自分の姿を見出します。
鹿の啼く時期になると毎年かような体験をしそれを詠んだものです。
句作の励みになりました改めて御礼申し上げます。





(9/07)

律の風三味線ピアノ演奏会  俊克

律(りち)は呂(りょ)とともに琴などの調子。秋らしい趣きのこと。「律の風」は秋らしい感じの風。
秋らしい風に乗って三味線とピアノの音色が聞こえてくる。場所は野外なのであろうか。
清々しい印象を受ける句だと思った。

大久保 俊克 ありがとうございます。嬉しいです。





(9/06)

少女いま輝き放ち竹の春  美音

竹は秋になると元気を取り戻し緑鮮やかな色合を取り戻す、これを竹の春(季語)という。
作者が見ている少女(或いは作者自身)も新涼になって竹のように光り輝いている。
若々しく元気のもらえる句だ。

向瀬美音 北野さん、素晴らしいご鑑賞ありがとうございます!





(9/05)

台風をあやしつけたる日本海   孝之

今年の台風は例年と違うコースを辿ったり、大雨を降らせたりと大暴れをしている。
私はそんな暴れん坊も富士山を脅かすことは出来ないだろうと詠んでみたのだが、
この作者はもっと大きな日本海を擬人化し、中七で暴れん坊をあやしつけさせようと詠まれた。
じつにあっぱれだと感服し採らせて頂いた。

原孝之 北野さん、おはようございます。互選とご鑑賞有難うございます。
嬉しいです。取り合いっこになりましたが、光栄です。





   【席題で一句】(爽やか)


引退と言はず次まで爽やかに  孝之

北野 和良 頂きます。吉田選手、東京でまた活躍して欲しいですね。


爽やかにゆうづつ凛と輝けり・・・清一A

北野 和良 頂きます。爽やかにと凛とが響きあっていいですね。


爽やかに挨拶残し通学子   はるを

北野 和良 頂きます。小学生が元気に挨拶してくれると嬉しいですね。


さやけしや窓開けて風入るる朝  亜仁子

北野 和良 頂きます。朝窓を開けて涼気を入れる、さあ今日も頑張るぞと意欲が湧いてきます。
Aniko Papp 北野さん、選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございました。
とても嬉しいです。さて、ハンガリーは、そんなに暑さがある一方、そんなに寒さは昼間にはありません。
夜はマイナス20度になっても、昼間は零度以上になります。地球温暖化のせいですね。



洗い髪風に任せる爽やかさ   幸

北野 和良 頂きます。風に靡く黒髪が目に浮かびます


爽やかな山鳥からのメッセージ   高田 博一

北野 和良 頂きます。今年は木の実も豊作、取りにおいでよ〜


水の如く風の如くに生き爽か   桂 凛火

北野 和良 頂きます。そんな風に生きたいですね。


爽やかに幼稚園児の参観日  十河智

北野 和良 頂きます。お孫さん、時々ちらっと後ろを振り向いてニコっと笑われるんでしょうね。


爽やかにお国訛りを覚えけり  美音

北野 和良 頂きます。その地方の方言には独特の温かみがありますね。


爽やかや日々句を詠んで職持たず   征一

北野 和良 頂きます。枯淡の心境を感じます。見習いたいものです。


爽やかや言うだけいって呵々大笑   ぶせふ

北野 和良 頂きます。呵々大笑が愉快ですね。そんな風に笑われると反論も出来ないですね。


爽やかに朝の挨拶笑顔付   野島 正則

北野 和良 頂きます。モーニングセットに笑顔付、マスターとの会話も弾みますね。


夜長かな息をのむほど句の多さ   満徳

北野 和良 頂きます。生徒たちの健闘を見守る先生の暖かい眼差しが見えるようです。
永田 満徳 ありがとうございます。皆様のご理解とご協力のお陰です。
どうぞよろしくお願い申し上げてます。





(9/04)

白帝の指先ひとつ風を繰る   玉有良

白帝とは秋を司る古代中国の神、とある。五行説によれば、秋の色は白。
白帝が指を繰ると爽やかな秋の風が地上を満たすという壮大な空想が愉快だ。
中七が白帝の偉大さ、巨大さを知らしめ、
筋斗雲に乗った孫悟空が世界の果ての柱に署名をしたつもりが、
実はお釈迦様の掌と指だったという話を思い出させる。

小出有紀 ありがとうございますv(^o^)
推敲に推敲を重ねてこの形になりました?嬉しいです





(9/04)

    【埋め字で一句)】

さながらに宇宙の花か秋桜  亜仁子

北野 和良 頂きます。宇宙の花に見立てたところに感心しました。


吾輩の猫さながらに秋の声  正則

北野 和良 頂きます。世間を斜に眺める漱石の視線と秋の声が響き合っています。


漱石の句もさながらに棺の菊   直美

北野 和良 頂きます。お別れの時の情景が浮かびました。
高井 直美 北野 和良 さま、ありがとうございます。
歳時記で、漱石の「ある程の菊投げ入れよ棺の中」を読み、
昨年、舅を亡くしたことの思い出しました。



長城に息をのむほどある良夜・・・清一B

北野 和良 頂きます。私も八達嶺へ行きましたが昼間で
観光客の多さに驚くのみで夜の月までは思いが至りませんでした(反省)



空青く息をのむほど天高し  栄太郎

北野 和良 頂きます。秋の澄んだ空の気持ちよさが分かります。
桑本 栄太郎 Aniko Pappさん、野島さん、北野さん・・・大変有難うございます!!。
真っ青な雲一つない空は秋を実感しますね!!



颱風禍試練の涙落ちにけり  穗坂 俊一

北野 和良 頂きます。台風の後の農家の方々の嘆きの報道に同情しています。


秋桜息をのむほど色乱る  美音

北野 和良 頂きます。広いコスモス畑が目に浮かびます。下五がいいですね。


さながらに昭和を探すあかとんぼ  夢酔

北野 和良 頂きます。風に彷徨う赤蜻蛉にふと昭和を思い出す、愉快な句です。


風神の息をのむほど台風禍  俊克

北野 和良 頂きます。今年の台風は本当に荒々しいですね。


名月は夜明けを待ちて落ちにけり   孝之

北野 和良 頂きます。月見れば〜 とか夜もすがら〜 の歌が浮かぶ王朝の風情を感じます。
原孝之 北野さん、こんにちは。互選有難うございます。今年の月のデータは調べました。



浴衣の君たちまち恋に落ちにけり   玉有良(小出有紀)

北野 和良 頂きます。ある日恋は突然に・・・・
小出有紀 ありがとうございますv(^o^)



さながらに道行の如秋の蝶   幸

北野 和良 頂きます。先日山本周五郎のめおと蝶というドラマがありました。まさに道行ですね
Sachiko Yokoi Hayashi わぁぃ!ありがとうございます。歌舞伎好きが役に立ったかな?



黒髪に息をのむほど月明かり     ぶせふ

北野 和良 頂きます。黒髪のきみは誰のこと?
足立 光隆 北野さん ありがとうございます。家内でないのは確かです。(笑)



宿の池満月一つ落ちにけり  太三

北野 和良 頂きます。名月をとってくれろと泣く子かな、の世界ですね。


露の玉丸き乳房に落ちにけり  美音

北野 和良 頂きます。美音ワールドの大胆さ、爆発ですね。


野分晴蒼天無垢をさながらに  十河智

北野 和良 頂きます。中七の漢詩風の措辞が新鮮です。




(9/03)

コーヒーをホットにしたり秋うらら  栄太郎

中七「ホットにしたり」、で夏の間はアイスコーヒーを飲んでいたが、涼しくなりホットに変えたと読める。
昨日の句会で「豆を変える」という句がありコーヒー談義が盛り上がった。
私は自分で豆を挽き一年中ホット派であるが、夏はアイスという方を否定はしない。
どうぞ久々のホットコーヒーを存分にお味わい下さい。





(9/02)

錦木の一枝のみの初紅葉   ぶせふ

北野 和良 頂きます。全部の葉が真紅に染まるニシキギも、最初は一葉から始まる。
期待に満ちたお気持ちが伝わります。
足立 光隆 美音さん、北野さん。ありがとうございます。見たまんまですが…励みになりますw



蟷螂や目のらんらんと異端の児  のどか

北野 和良 頂きます。異端の児と喝破したところが凄いと思いました。
大関博美 北野さん有り難うございます。
私、変なこちゃんだったような記憶が、そんな児も居ますよね。ヽ(*´∀`)ノ♪



散る雨に気骨溢るる百日紅   孝之

北野 和良 頂きます。雨に負けずに花穂をすっくりと立てている様子が、見えるようです。
原孝之 北野さん、互選とご鑑賞有難うございます。嬉しいです。





(9/01)

休暇明け海の匂ひの転校生   草民

北野 和良 頂きます。転校生はどこから来たのか、どんな人か興味津々ですね。
山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます。



硯洗ふ志なほ高く持ち  美音

北野 和良 頂きます。硯洗うが季語と教えてもらいました。
向瀬美音 北野さん、ありがとうございます!



食ひ飽きて恋など要らぬ涼新た   直美

北野 和良 頂きます。意地を張っているようで愉快な句です。
高井 直美 北野 和良 さま、ありがとうございます(*^^*)!
意地っ張りを見抜かれましたかぁ?笑。嬉しいです、励みになります



封じ手の予想をはずし扇置く  俊文

北野 和良 頂きます。将棋がお好きなんですか?
 上手くやってニンマリしている様子が目に浮かびます。
河野 俊文 北野さん、ありがとうございます。
将棋は下手の横好きですが、学生時代から続けています。楽しいですよ。