俳句鑑賞文(復刻版)    2020 March       0 トップへ   






(3/31)


制限の無き大空や鳥帰る  霜魚

人間界は外出禁止、国境閉鎖で大揺れしているが、渡り鳥には境界はない。
佐藤文彦 北野 和良さん、特選にお選び頂き、的確な鑑賞ありがとうございます。
早く収束に向かって欲しいと祈るだけです。



(並選)


花あはれ愛でる人なく散り来たる  栄太郎

コロナ騒ぎで花見も自粛。桜は愛でる人もなく散っていく。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
東京の上野公園、目黒川の様子が毎日のように報道されています。
沢山の人が待ちに待った春と桜の開花です。
折角の光景も愛でる人が無くて哀しみです。



堅香子のバネ仕掛けなる花弁かな   夢見昼顔

カタクリの反り返る花びらをバネに見立てて見事。
岩永静代 和さん、おとりいただき、ありがとうございます!
とても嬉しいです。じーっと見ていたら、どうしても
あの花びらの反り返りが、気になって、気になって〜



春荒や突如崩るる「当たり前」   玉有良

コロナ騒ぎで、平常な日常が崩れてしまった。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます
志村けんさんのことを詠みましたが、それ以外にも通じるような書き方にしました。





(3/30)


うす紅の雨の滴や馬酔木咲く  栄太郎

馬酔木が咲き始め春も中旬へと。
桑本 栄太郎 北野さん、小口さん・・・大変有難う御座います!!。
薄紅の房咲きの馬酔木の花に雨が降って滴が垂れれば、素晴らしい風情となります。



(並選)


枝先の息づく気配花一輪    夢積

一輪の芽吹き、可愛らしいです。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



飛びに飛び魚道を登る小鮎かな  句林

小鮎が上流を目指す。上五に活力が溢れています。
大林 正 北野 和良さん ありがとうございます。



木の芽時大地蠢く音のして  美音

コロナ蔓延や異常気象、地球は大丈夫なのかと心配です。
向瀬美音 ありがとうございます!





(3/29)


花びらは春の雪へと降り変はり   草民

今日3/29満開の桜を驚かせるような首都圏の雪。
花びらが降り変わるとは言い得て妙ですね。
山野辺 茂 北野 和良さん、特選ありがとうございます



(並選)


西行の出家せしとや花の寺  栄太郎

西行が出家を決心したゆかりの寺。
桑本 栄太郎 大津留さん、山野辺さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
歩いて約1時間の所に「勝持寺、花の寺」があります。西行がこの寺で出家を
決意したと云われ、いまでも「西行桜」と言われる早咲きのしだれ桜が有名です。



切株の一つが哀れ花は葉   夢積

切り株から目を出すヒコバエであろうか。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



遍路道杖に拍子を刻みつつ  直仁

お遍路を歩く、杖でリズムを取りながら。
私はお遍路を歩いたのでとても共感できます。
Naoto Sadano 北野 和良さん。ありがとうございます。
私自身はお遍路の経験はないのですが、歳時記でこの季語を見つけた時に
「こんな時にこそ使いたい季語だ」と思い、動画サイトで
お遍路の旅を何度も繰り返して作ってみた句です。


遍路1・発心の道場




(3/28)


初日から在宅ワークの新社員   慢鱚

入社式もなくいきなり在宅テレワーク。異例ですね。
大工原 一彦 北野 和良さん。特選にお取り下さりありがとうございます。
大変な歴史上残る出来事を目撃してますね。



(並選)


小走の明日の音や種子袋   夢積

小走の明日の音という比喩が愉快です。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



人はみな褒めて育てよ花開く  栄太郎

山本五十六語録 「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず
ですね。
桑本 栄太郎 大津留さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
蝶よ花よと言う程でなくても「人は誰でも叱られるより、褒められたいもの」ですね?
日本人であれば、これほど待たれていた桜も咲き満てば誇らしい事でしょう!!。



菜種梅雨銘は泪と言ふ茶杓  浩正

茶杓、どんな銘品なのか気にかかります。
藤倉浩正 北野 和良さん。ありがとうございます。
利休忌から発想を飛ばしてみました。





(3/27)


花筏この世の邪気を流す如   寛昭

新型コロナのパンデミックに恐れ慄く全世界。花筏が流し去ってくれるなら。
古閑 寛昭 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。
そう願いたいですね。



(並選)


燕来て古巣に風の孕みをり   夢積

去年の燕がまた巣に帰って来てくれた。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



こきこきと竹林渡る春の風  栄太郎

京の有名な竹林の路が思われます。
桑本 栄太郎 杉山さん、野島さん、北野さん・・・近在は山城筍で有名な
竹林の多いい場所柄です。散策の時に竹林を抜ければ「からころ、こきこき」と、
バンブー楽器にような心地良い音が聞こえます。



つぎつぎと地図を跋扈す春の風邪  満徳

コロナウイルスの蔓延、恐ろしいです。
永田 満徳 多くの人に選んで頂きありがとうございます。
コロナウイルスの不気味な広がりを擬人化してみました。





(3/26)


都会には来てはならぬとしやぼんだま   正則

コロナのオーバーシュートを警戒して、休日の外出自粛要請。
野島 正則 北野 和良さん、特選、現代の不安なご時世と絡めての鑑賞
、ありがとうございます。励みになります。



(並選)


白檀の微かに聞こゆ春の闇  秋子

白檀の香りが漂ってくる雰囲気が。中七が素敵です。
Akiko Eguchi 和良さん、ありがとうございます
気持ちを汲みとって頂き、嬉しいです



芽柳の水路に沿いし蔵の街   夢積

江戸時代からの古い町並みと水路、幽玄です。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



乙訓は風の丘なり花大根  栄太郎

広々とした丘の風景が目に浮かびます。
桑本 栄太郎 岩永さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
うっすらと青い大根の花が咲き出しました。
この花が咲き出せば、晩春の様相ですね!!。





(3/25)


春の風邪かくも地球は小さくて  美音

電子顕微鏡でしか見えないウイルスが地球上に蔓延する、不思議ですね。
向瀬美音 ありがとうごぁいます!
私も世界の様子を見てって地球は狭いと思いました



(並選)


さくら咲く地に着くやうな枝垂れかな  栄太郎

見事な枝垂れ桜が目に浮かびます。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
直ぐ近所に枝垂れ桜が有り、いつも眺めています。



記念樹を仰ぐ親子に緑立つ   夢積

並んで記念樹を見上げる親子、まるで松の新芽のように。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



愛憎の襞は幾重に花衣  祐

花ごろもの襞には愛憎が織り込まれているようだ。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。





(3/24)


金色の眼ひしめく蝌蚪の紐   句林

「金色の眼ひしめく」が今まさに生まれようとする命を表現しています。
大林 正 北野 和良さん ありがとうございます。



(並選)


心まで脱ひではをらぬ春の闇  秋子

ちょっと不気味な、艶のある句ですね。
Akiko Eguchi和良さん、ありがとうございます
浮世絵を見ていたら、こんな妄想をしてしまいました
北野 和良 柳原 白蓮の歌
おとなしく身をまかせつる幾年は親を恨みし反逆者ぞ
を思い出しました。
Akiko Eguchi 和良さん、うわぁ、白蓮さんぽい‥心が抉られるような歌ですね。
ありがとうございます。もう一度白蓮の歌読み返したくなりました
北野 和良 白蓮の歌のページは⇒こちら
Akiko Eguchi 和良さん、ご親切にありがとうございます
じっくり読まさせていただきます。



少年に夢を抱かせて揚雲雀   夢積

少年に向かってさあここまで飛んでおいでと勇気づける。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



つんつんと垣根に赤く新芽立つ  栄太郎      0

垣根の新芽、つんつんが良いですね。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
紅かなめもちの新芽は花が咲いたように真っ赤ですね?
如何にも「新芽が立つ」との光景に相応しいようです。





(3/23)


将来は恐竜博士野に遊ぶ   夢見昼顔

恐竜が大好きな少年、大きくなれば恐竜博士。
岩永静代 和さん、特選をありがとうございます!とても嬉しいです
恐竜大好きで、絶対恐竜博士になる!といっていた息子は、途中で、
好きなものがまた見つかったようで方向転換してしまいましたが、、、(笑)



(並選)


春愁や紆余曲折の余生なり   夢積

余生を思う歳となり振り返ると紆余曲折の人生だった。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



さくら餅喧嘩の出口探し中   直美

些細なことで始まった諍い、仲直りのきっかけを探しつつ。中七が素晴らしい。
高井 直美 北野さん、おはようございます。ありがとうございます!
そう言って頂いて嬉しいです。どうぞ良い一日をお過ごしください



酔人の居らぬ今年や夕桜  滿

北野 和良 「宴席禁止」の上野公園。人々は静かに歩くだけ。
違反する人もいるが、パトロールの監視員が注意を。
杉山 満 北野 和良さん、大変有り難う御座います。
今年の花見は寂しくなりました。速い終息祈るばかりです。





(3/22)


ぜんまいに「はてなあった」と吾子の指  滿

ぜんまいを見て「はてな」と言った子供さんの観察に脱帽。
杉山 満 北野 和良さんいつもお世話なってます。
特選本当に有難うございます。励みになります。



(並選)


胴吹のそよと一輪あたたかし  たけし

「胴吹き」という言葉を教えてもらいました。
小林 たけし 北野 和良さん ありがとうございます



畔塗は機械化成らず塗る農夫   夢積

田起こしに時期だが畔塗はまだ機械化されていない。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



蚕豆の見得を切りたる花盛り  栄太郎

蚕豆の花盛り。中七に勢いを感じます。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
蚕豆の花は、見れば見るほど歌舞伎の見得を切る眼のようですね!





(3/21)


歩みゆく田毎の天や揚雲雀  栄太郎

田んぼの空に揚雲雀。中七に景の大きさが。
桑本 栄太郎 北野さん、小口さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日も田園を散策していましたが、何処へいっても
揚雲雀の鳴き声は聞こえ、田んぼごとに居るようでした。



(並選)


燕きて仏間覗いて春彼岸   夢積

燕がやってきて仏間を覗いていった。ご先祖さまの代理だろうか。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



再開の春分の日の句会かな  満徳

コロナを押して句会を開いた、勇気ある決断。
永田 満徳 選びです頂きありがとうございます。
常に用心をしながらの再開ですね。



春場所や無観客でも塩高く   慢鱚

客は居なくても力士は真剣、塩を高く放り投げる。
大工原 一彦 北野 和良さん。ありがとうございます。
テレビ観て驚きました。客へのパフォーマンスでやってるものと思ってました。





(3/20)


水底の藻のたゆたうて人麻呂忌  浩正

人麻呂は罪人として水死させられたとの説がある。
(「水底の歌」梅原猛著
藤倉浩正 北野 和良さん。特選ありがとうございます。
忌日の句は難しいですが挑戦してみました。



(並選)


したたかに酔うも虚しき治聾酒    夢積

春分に酒を飲むと耳の聞こえが良くなるという。(中国の伝説)
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



初スマホ悩む妻ゐる彼岸かな  滿

初めてスマホを使い始めた妻が操作になれず悩んでいる。
(私の妻も同様です)
杉山 満 北野 和良 さん有難う御座います。まだ、悩んでる



茎剪られ地に差すやうに春大根  栄太郎

春大根が大きく育ち地上にニョッキリと伸びだしている。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日の散策で、畑には茎をきられた大根が差されたように並んでいました。
薹が立てば大根に「ス」が開き、食べられるなくなるための
生活の知恵ですが、畑に差したような光景は何とも奇妙な光景でした。





(3/19)


たんぽぽや自分で決めた風に乗る   慢鱚

風に乗るたんぽぽの綿、中七が素晴らしい。
大工原 一彦 北野 和良さん。特選にお取り頂きありがとうございます。
素晴らしいというお言葉とても嬉しいです



(並選)


クローバーを探す振りして君の横  紀宣

初な気持ちが可愛らしい。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
嬉しいです。



春泥の轍のままに乾きけり  栄太郎

自然の彫刻のよう。
桑本 栄太郎 北野さん、・・・大変有難う御座います!!。
川べりの地道を好んで散策しています。工事車両が時々入る所為でしょうか?
大きな轍の跡が硬く干乾びて固まっています。川べりのもので地道の散策は、
翡翠の姿、堰水の音、萌え出る草の芽などとても和み良いものです。



再会の言葉交して鳥帰る   夢積

来年また会いましょうと。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。





(3/18)


ゆるゆると月の軌道へ花筏  真波

水面を流れる花筏がいつか月の軌道へという幻想。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
ご鑑賞も嬉しいです^ ^



(並選)


喜びと不安交互や卒業期   夢積

卒業の喜びと将来への期待と不安。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



乙女らの傷つきやすし白木蓮  栄太郎

白木蓮に乙女心を重ねる作者。
桑本 栄太郎 野島さん、北野さん、冬の寒い間は頑なに毛衣に
閉じこもり、じっと耐えて春を待っていました白木蓮です。
咲き始めれば真っ白な無垢の乙女のようでとても大好きです。
その下に立てば暫く見惚れてしまう程です。しかし、
花期がとても短くそこが愛しい程です。



てんからの釣り人遡上初わらび  泰與

川釣りで渓流を遡ると、岸辺には初わらびが。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。





(3/17)


春の風猫の足跡弾みをり   夢積

恋猫も春風に浮かれている。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


大仏の男ぶりなど春日傘   たけし

与謝野晶子が鎌倉大仏さまを歌った
鎌倉や 御仏なれど 釈迦牟尼は 美男におわす 夏木立かな
を下敷きにした句と読みました。(晶子の歌には、誤解があり、
釈迦牟尼=盧遮那仏は奈良の大仏、鎌倉大仏は阿弥陀如来だそうです)
小林 たけし 北野 和良さん ありがとうございます。
存じませんでした、まだまだ勉強が足りませんねー、 春日傘は実景です



つくしんぼう亀甲柄のあたまなり  茂

土筆の頭が亀甲柄という発見。
伊藤 茂 北野 和良さん、ありがとうございます。



校門の閉ざされ堅き桜の芽  栄太郎

休校となり生徒のいない校庭の桜の芽はまだ固い。
桑本 栄太郎 大工原さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
コロナ禍により小中高が臨時休校となり久しくなります。
直ぐ近くに小学校、中学校がありますが校門は堅く閉ざされたままであり、
記念写真を撮る時の校門桜の芽も固くてまだ開花しそうもありません。
早く学校が再開し、子供等の元気な姿を見たいものです。





(3/16)


青麦や一揆の槍の幾千本  直

伸び始めた青麦を一揆の槍と見立てたところがユニーク。
コロナ騒ぎで仕事を奪われた庶民は一揆に訴えたい気分だろうか。
大津留 直 北野 和良さん、ありがとうございます。大変嬉しく存じます。



(並選)


立てこもる児童の長き春休み   夢積

突然の休校で行き場を失った子どもたち。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



局長の虎徹の刃紋朧月  正則

近藤勇の愛刀・虎徹の朧月のような刃紋、勇の怨念を今に伝えている。
野島 正則 北野 和良さん、選句、鑑賞をいただきありがとうございます。



自転車の集結したる春休み  栄太郎

突然の休校、前倒しされた春休み。子どもたちは自転車で集まり友達と。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
急な臨時休校となり前倒しの春休みです。先日の日曜日には、
池の周りに在る公園の入口に大量の自転車が集結するように置かれ、
小学生たちがぶらんこや追いかけっこで大賑わいでした。





(3/15)


一滴がやがて瀬音へ雪解水   夢積

奥山の一滴が小さな瀬となりやがて大きな雪解水となる。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



(並選)


艷然と闇に紛れて紫木蓮   祐

闇に咲く紫木蓮、艷やかな雰囲気の女性を思わせますね。
牧内 登志雄 北野さん、静代さん、ありがとうございます。



一瞬の天へ溶け込む揚ひばり  栄太郎

あっという間に高空へ上る雲雀、中七に実感が籠もっています。
桑本 栄太郎 北野さん、大変有難う御座います!!。
揚ひばりの光景は少し目を離せば、一瞬の間に見えなくなりますね!!。



潮騒を籠めて畳むや春日傘  美音

潮騒を籠めて、が素晴らしい。開けばどんな音がするのでしょうか?
向瀬美音 ありがとうございます!





(3/14)


言霊をそつと吹き込みしゃぼん玉  真波

シャボン玉に言霊を閉じ込めるという発想が素敵です。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。



(並選)


咳き込みて咳き込みてなお春の風邪   夢積

コロナ蔓延にお気をつけて下さい。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



ものの芽や皆一斉に上を向き  美音

一斉に上を向き、まさにまさに。
向瀬美音 ありがとうございます!



山里のくずれ土塀や桃の花  栄太郎

花は咲く場所を選ばない。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
山すそにある集落の古民家の光景です。
土塀が少し剥げ崩れた屋敷に、桃の花が咲いて居ます。





(3/13)


楓の芽ほぐるる刹那光りける  泰與

楓の芽が開く瞬間に光るのを見たという感動の実写。
小口 泰 北野 和良様 特選にお選び頂き有難う御座います。
大変嬉しいです。



(並選)


園児らの坂登りくる長閑かな  満徳

園児らのお散歩タイムの風景。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
幼稚園児のお散歩はいじらしいですね。



補陀落に続く古道や春の風  夢積

この古道は補陀落に続くという伝説。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



突然につるみ昇りぬ春の蝶  栄太郎

命の営みに夢中の蝶の舞。
桑本 栄太郎 北野さん、杉山さん・・・大変有難う御座います!!。
先日の田園散策に於いて、眼の前を2頭の蝶が突然螺旋状に
つるみ舞い上がり春めいた心情になりました。





(3/12)


初音聴く伊勢街道の杉襖   夢積

静まり返った伊勢街道の杉襖に鶯の初音が響く。春らしい景。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


ぶなの木へ耳寄せ春の鼓動かな   泰與

ブナの木の幹から樹液の流れる音が聞こえる。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。



若鮎は草書の如く滑り来る  眠兎

若鮎のなめらかな泳ぎ、まるで草書のようだ。
河辺 伸一 北野さん。こんばんは。ありがとうございます。



追悼の祈りの群れに春の虹  栄太郎

人々の祈りに和するがとくに虹が立った。
桑本 栄太郎 北野さん、つちたにさん・・・大変有難う御座います!!。
東北陸前高田でしょうか?嵩上げされた丘より海に向って
追悼の祈りの人の群れの光景に、春の虹が立っていました。
その映像を見た瞬間、涙が溢れ出てしまいました。自然界は
かくも恐ろしく、又優しいものと改めて畏敬の念を抱きました。





(3/11)


伝へたき風の電話や鳥雲に  栄太郎

会えなくなった人に思いを伝えるための「風の電話」、季語が効いている。
桑本 栄太郎 野島さん、北野さん、岩永さん、小口さん・・・
大変有難う御座います!!。人は誰にでも早く「忘れたい」と想う
哀しみはあるものですね? そんな心の苦しい時には、「風の電話」の所に行き、
想いの丈を伝えたいものですね!!。ウルウル!!。



(並選)


咲き出せば一氣呵成や雪柳   祐

一気呵成が咲きざまを見事に表現。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
まさに雪崩を打つような咲きっぷりですね。



坪庭の白梅楚々と花明り   夢積

狭庭にほのぼのと咲く梅。季重なりが惜しい。
Mutumi Shinogi 北野さん季重なりご指摘ありがとうございます。



密談のごとく頭を寄せつくづくし  美遥

数本の土筆が頭を寄せ合って。密談が愉快な比喩。
Biyou Utashiro 北野 和良さん、ありがとうございます





(3/10)


雲雀鳴き俳句の虫が動き初む   夢積

心の中にはいつも俳句の虫が。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


椿落つぽつりと地蔵の掌に  眠兎

お地蔵さまの傍に立つ椿からポツリと手のひらに。
河辺 伸一 北野さん。こんばんは。ありがとうございます。



春の月スカイツリーに刺されけり   公彦

春の月を突き刺すスカイツリー、絵になりますね。
大津留 公彦 北野 和良さん ありがとうございます。励みになります。



風を切る送電線や春ならひ  栄太郎

強い東風に送電線がビュービューと悲鳴をあげているようだ。
桑本 栄太郎 山野辺さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
先日、近在の丘の田園散策では風が強く送電線が風を切って唸り声を上げていました。





(3/09)


ジ−ンズの似合う熟年風光る   夢積

いつまでもお若い気持ち、なによりです。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


木蓮の飛び翔ちさうな白さかな  栄太郎

木蓮の大きな花弁の見事な描写。
桑本 栄太郎 北野さん、小口さん・・・大変有難う御座います!!。
長い間綿毛に包まれていました木蓮の大きな花が、漸く開花しました。
真っ白で大きな花は、今にも飛び立ちそうです。



春場所を神事に返す無観客  双葉

観客の居ない春場所、それでも惹きつけるものがありますね。
新名勝之 皆さん、ありがとうございます。
無観客の本場所で静寂の中、神事であることを改めて思い出しました。
「返す」は指摘の通り悩みましたが、
動詞がないと春場所の説明で終わる気がしたので…
もっと良い言葉が思い付けば良かったのですが…



恐るべき速さで進む春の風邪   亜仁子

コロナウイルスのヨーロッパへの蔓延、心配です。
Aniko Papp 皆さん、選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。
そうですね。残念ながら、イタリアにも感染者が多くて、
ハンガリーも感染者がいます。皆さん、お互いにお気をつけて下さい。





(3/08)


卒業の蛍のひかり聴かぬまま   滿

コロナ対策のため、在校生もおらず歌も歌わない異常な卒業式。
杉山 満 北野 和良さん有難う御座います。本当お気の毒ですね?
一生に一度なのに可哀想過ぎる



(並選)


春めきて潮入川の魚影濃し    夢積

春の川も賑やかに。
Mutumi Shinogi  北野さんありがとうございます。



東風吹かば堆肥の匂ふ屋敷畑  栄太郎

堆肥の匂いにも春を感じますね。
桑本 栄太郎 、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
田舎の実家には農家でもあり、春ともなれば屋敷畑に出している
堆肥の山が良く匂っていました。子供等は「田舎の香水」
と言って特別な思いはありませんでした。



初蝶や水琴窟の淡き音   泰與

軽やかに飛ぶ初蝶、水琴窟の音に合わせるかのごとく。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。





(3/07)


原子炉の眠る街にも初桜   双葉

死にゆく原子炉と命の初桜との対比が感慨深い。
新名勝之 皆さん、ありがとうございます。
私も「Fukushima 50」を観て詠みました。
余談ですが、今日から名古屋市内のイオンシネマは臨時休館なので、
昨日のうちに観られて良かったです。



(並選)


春浅しやじろべいにも五十肩  眠兎

やじろべいにも五十肩という空想が愉快。
河辺 伸一 北野さん。こんばんは。ありがとうございます。



魚絶えし養鰻池や鴨の水脈   夢積

うなぎの養殖池に遊ぶ鴨。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



菜の花や祠におはす辻地蔵  栄太郎

穏やかなお地蔵様の顔が見えます。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日の散策では山すそ村の辻に、祠に入ったお地蔵さんを見掛けました。
菜の花が供えられ、線香も供えられていました。





(3/06)


啓蟄や自粛ムードの人間界   玉有良

コロナ怖しでイベントも外出も自粛。陽気に這い出す虫とは大違い。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます
虫になりたいと思う日が来るとは思いませんでした(笑)



(並選)


いつまでも夢のつづくよ朝寝人  栄太郎

春眠暁を憶えず。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
春と言っても朝方は未だ寒く、暖かい布団の中に居ればいつまでも
朝寝をしてしまい夢をよく見ています。



呼び合いて帰り支度の番鴨   夢積

カモもいよいよ渡りの準備に忙しい。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



身の丈を柱にぎざみ卒業す  無智

小学校のいたずら坊主たち。
福井 栄一郎 北野さん、並選に選んでいただき有難うございます。
嬉しいです。小学生の各種の成長は、見てたのもしいものですね。





(3/05)


ポコポコと春を育む水の音   夢積

つくばいの水だろうか? いかにも楽しそう。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


流れつつ遠き眼や流し雛  栄太郎

流し雛の風習も環境汚染にうるさい昨今は遠慮がちに。
桑本 栄太郎 北野さん、Akiko Eguchiさん・・・大変有難う御座います!!。
小生の田舎鳥取県東部の用瀬(もちがせ)の流し雛の習慣は、
「因州用瀬の流し雛」として余りにも有名です。雛祭が終われば、
サン俵に代りの雛を乗せ千代川に流します。その子の将来に負うであろう
災厄を祓い、健やかに成人する事を願っていると言われています。
そのお雛様の自身の於かれている心情を想いました。



どどどどと羽音強きやスワン引く  泰與

どどどどとの擬音に迫真力がある。
中七は〈強き羽音や〉の方がよくはないだろうか。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。



旧姓の自己紹介や春ショール  美音

しばらくぶりの同窓会、女性らしい観察。
向瀬美音 大工原さん、北野さんありがとうございます!





(3/04)


山を分け水に水追ふ春の利根   泰與

雪解水が山を下り大きな流れとなって利根川へ。雄大な景が浮かぶ。



(並選)


華麗なる黙に籠りし雛納め   夢積

華麗な顔を包まれ来年までの眠りにつく雛人形。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



春興の気分はいつも夢だらけ  栄太郎

春と聞くだけでウキウキとした気分になるものだ。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
この何かと世情かしましき今でも、明るく暖かい日射しとなれば
心が弾み、あれもこれもと欲ばる心情になります。



店先にうるい竝ぶや春めく日  祐

蕗の薹のようなうるい、ああ春を実感する。
牧内 登志雄 北野 さん、並選ありがとうございます、
蕗の薹、うるい、ホワイトアスパラも私にとっては春の味覚です 。





(3/03)


千年を黙す大樹や木の芽時   夢積

千年を越す大樹にも春が再びやってきた。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


さまざまな時を見て来し享保雛  千秋

江戸時代に作られた享保雛は、長い時の流れを見てきた。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます



雪代山女提灯釣の腕のさえ  泰與

釣りマニアの専門用語が楽しい句。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。



乗せてみる手にぬくもりや土雛   寛昭

土雛はきらびやかさはないが素朴な温もりがある。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。





(3/02)


風光る阿蘇の牧場に巨石群  満徳

歴史を感じさせる雄大な景。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
ここはシュメール語と思しき文字があったり、
磁石が狂ったりするところです、パワースポット的な場所です。



(並選)


下萌や足裏に感じ土の息   夢積

足裏にに春の息吹を感じる散策。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



鳥帰る霞ヶ浦を蹴り上げて   滿

下五がユニークですね。
杉山 満 北野 和良さん、有難う御座います。とても嬉しいです。



星くずのやうに群れたる犬ふぐり  栄太郎

麻乃先生の添削句を並選に頂きます。
桑本 栄太郎  杉山さん、北野さん、つちたにさん、MutumiShinogiさん、
小口さん、大林さん・・・大変有難う御座います!!。
犬ふぐりの可愛らしい群生はまるで星くずのようでした。





(3/01)


パンデミック野にアネモネの咲き乱れ  美音

一見綺麗な花野にもウイルスが潜んでいる恐怖。
向瀬美音 ありがとうございます!



(並選)


巨船も漁舟も包み春霞   夢積

小さな漁船と巨大なタンカー、それらを包み込む春霞
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



囀や家居のための本と菓子  千秋

不要な外出は控えるようにとのお達し。菓子鉢を手元に読書でも。
中野千秋 北野 和良さん、ありがとうございます
久々に東京へ行って物見遊山したいのですが、控えています。



メロディーの報らす濯ぎや春日さす  栄太郎

近頃の家電は進化してお喋りも。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日の当地は春の日差しの暖かい日となりました。
久しぶりに洗濯日和となり、洗濯ものの山でした。