@games日記(復刻版)    2014 July        トップへ

01 金原まさ子(103歳) 句集『カルナヴァル』鑑賞 (4262回) 詩の遊び  佐藤文香 (4263回) 第1回 週刊俳句賞 候補40作品(1/2) (4264回)
04 第1回 週刊俳句賞 候補40作品(2007-08-05)より(2/2) (4265回) ソルトリーフ (4266回) 石榴 (4267回)
07 圏央道直結 (4268回) 『俳句咲く咲く』(6/22放送) (4269回) 『桃の花』 (4270回)
10 蕪村 老いらくの恋 (4271回) 『桃』 (4272回) 『夜の桃』 (4273回)
13 リア充 (4274回) 告白 (4275回) パソコンのクリアーインストール (4276回)
16 フリーソフトも進化 (4277回) ディスクの整備 (4278回) FireFox β版では (4279回)
19 トランポリン+綱渡り=スラックライン (4280回) 修景池の蓮 (4281回) サマーランドあじさい園 (4282回)
22 神戸市短歌大会 (4283回) 艶句探訪(NETで拾った句) (4284回) 艶句探訪(中原徳子) (4285回)
25 狂歌 (4286回) 情熱の歌人 柳原白蓮 (4287回) 詩的思考のめざめ (4288回)
28 俳句と盆栽 (4289回) ボリショイサーカス (4290回) パソコンの趨勢 (4291回)
31 ゴジラ映画 (4292回)


07/31 ゴジラ映画 (4292回)
NHK/BSでゴジラ映画の特集をやっている。 日本のゴジラ映画は20本以上作られたというから驚きだ。
このゴジラ映画はアメリカにも売られて上映されたのでアメリカ人も”ゴジラ”はよく知っているー アメリカ人の認識では、ゴジラは悪の権威の象徴らしい。
今年、なぜかアメリカ版ゴジラ映画が作られている。

ゴジラ映画が始まったきっかけは、ビキニ環礁での水爆実験。放射能の影響でゴジラが誕生したというストーリーになっているが、
アメリカでの公開では実験をしたのはフランスということになっているらしい。
アメリカ版新ゴジラがどんなストーリーか興味はある。

第4作「モスラ対ゴジラ」(昭和39年)を見たが、宝田明、星由里子、ザ・ピーナッツなどが出演、とても懐かしかった。

07/30 パソコンの趨勢 (4291回)

久しぶりにパソコン雑誌を買ってみた。
インテルなどCPU、マザーボード、SSDディスク、ハードディスク、メモリカードなどの最新情報が出ていた。
設計から製造まで垂直統合で頑張ってきたインテルも、PCの減少に対応するために戦略を見直しているという記事もあった。
PCだけに頼っていては出荷は減る一方。タブレットやスマホ、ウエアラブル機器へ進出する必要がある
。 半導体の微細化、22nmプロセスから14nmプロセスへの進化に遅れが出ているらしい。
微細プロセスへの投資が重荷になり、水平分担への移行は避けられないらしい。

先日、デスクトップPCの再整備を行い一段落と思っていたが、何故か不安定なことがある。
(時々、クラッシュする、原因は不明だ)
今のマシンは2009年に買ったので、5年になる。
新しく中級機をと眺めると、約6万円と出た。 どうすべきか、しばらく悩もう。

07/29 ボリショイサーカス (4290回)

新聞販売店から無料招待券を手に入れ、ボリショイサーカスを観に云った(千駄ヶ谷・東京体育館)。
サーカス定番の空中ブランコ演技、犬、猫、馬などの演技、ピエロの活躍、
お客さんも参加での楽しい演技など、2時間をたっぷりと楽しんだ。

サーカスと言えば、昔は日本にも木下サーカスや木暮サーカスなどがあったはずだが、 もう無くなってしまったようだ。
団員の数は20名余りと思われるが、一人何役もを引き受け頑張っていたようだ。
無料券は三階天井桟敷だったので、演技者の顔までは見ることができなかったのが残念だった。

07/28 俳句と盆栽 (4289回)

NHK昼ブラで、盆栽が見直され若い人にも人気が出ているとのこと。
ミニ盆栽がインテリアとして好評だという。

盆栽には、一盆一樹式と寄せ植え式があるそうだ。(写真)
これを見て、俳句の作り方を思い出した。
一盆一樹 ⇒ 一物仕立て
寄せ植え ⇒ 取り合わせ/二物衝撃
 というわけだ。

取り合わせの句では、二つの物がくっつき過ぎても、離れ過ぎても良くないとされる。
盆栽の寄植えでも、似たような判断基準があるのだろうか?

取合せの句で、虚子に《爛々と昼の星見え菌生え》がある。
深い井戸を覗いた時、昼であるにも底に溜まっていた水に星が映り途中の石積みの間に菌が生えていたのを句にしたそうだ。
俳人は目の前の小さな対象と宇宙を対比させるのが好きなようだが、さて、寄せ植え盆栽の宇宙とは??

07/27 詩的思考のめざめ (4288回)

この本のことは少し前に新聞の書評欄で知った。題名に興味を惹かれた。
 ただ、読みこなせられるか自信がなく、価格も2500円なのでちょっと躊躇して、ダメ元で図書館に購入依頼をしたら、運良く手に入った。

◆ はじめにーー詩の「香り」にだまされないために

 私たちは「詩的」という言葉が好きです。詩的な気分。詩的な装い。詩的な言い回し。
 芳香剤のようなもので、「詩的」とつけるだけでちょっといい感じがする。でも、私は「詩的」という言葉を耳にすると警戒してしまいます。
「詩的」という形容にはむやみに気安い心地良さが塗りこめられていて、言葉としての威力が失われているように思うのです。
 「詩的」という言葉に本来の意味を取り戻してもらいたいーこの本にはそんな願いをこめました。(後略)

 著者は素人、普通の人にも解るようにと例にふさわしい詩と丁寧な文章で解説を進めている。
だが、著者の真意を理解することはとても難しい。 一生懸命に読んでみたが、正直な話良く分かったとは言えない。
 ただ、詩(広く詩歌)を読む場合には、言葉を追って意味を掴もうとするのではなく、言葉の群れから何かを感じ取ることが大切なのだということは分かった。
 逆に若しも自分でも詩歌を作るなら、単純に思い/想いを言葉に連ねるだけではなく、その時の感情や衝動を表す言葉を丹念に探すことが秘訣のようだ。

http://ocha.g1.xrea.com/dokusho/dokusho_2014/748_sitekisiko.html

07/26 情熱の歌人 柳原白蓮 (4287回)

NHKの朝ドラ『花子とアン』の中に、【蓮子の駆け落ち】【主人に対する絶縁状の新聞公開】というセンセーショナルな場面があり、蓮子とはいかなる人物だったのかとネットで調べてみた。たくさんの記事が見つかった。
 大正10年に起きた駆け落ちー失踪事件は、全国の話題となる大事件だったようだ。
 歌人として歌の評価がどうなのかは分からないが、彼女の波乱に富んだ人生の苦しみ、始めて出会った宮崎龍介との運命的な恋を分かりやすい言葉で詠った歌に共感する。
(私と同じようにもっとよく知りたいという人は多いらしく、週刊誌も特集記事を書いている)

           

柳原 白蓮(1885〜1967) 本名 Y子(あきこ) 歌人

 名門華族の出身で大正天皇とは従妹の続柄である。大正三美人の一人に数えられた美貌の持ち主。
 15歳で結婚し16歳で出産するが5年で破婚する。筑豊の石炭王と再婚し贅沢三昧の生活ではあるが心満たされぬ生活でもあった。
 7才年下の東京帝大生と出会い、恋に落ち失踪そして結婚する。だが夫龍介が結核を病み生活は困窮しY子は筆一本で家族の生活を支えることとなる。その後は質素ながら平穏な生活を送る。

 白蓮の歌は明快で分かり易い。

 《吾は知る強き百千(ももち)の恋ゆゑに百千の敵は嬉しきものと》
  《君故に死も怖るまじかくいふは魔性の人か神の言葉か》
   《わが命惜まるるほどの幸を初めて知らむ相許すとき》

http://ocha.g1.xrea.com/dokusho/dokusho_2014/749_byakuren.html

07/25 狂歌 (4286回)

水上比呂美氏の歌
  《だまされるふりをするこそ楽しけれ スカーフ結びなほしたりして》
を読んでいて、上の五七五が蜀山人の狂歌と似ていると思った。

  《世の中に人の来るこそうるさけれ とはいうもののお前ではなし》  蜀山人
  《世の中に人の来るこそうれしけれ とはいうもののお前ではなし》  内田百聞
私も真似をして書き換えてみた。
  《世の中に人と会うこそうるさけれ とはいうもののお前ではなし》  和

蜀山人(大田南畝)は身分の低い幕臣(御徒歩職)として、70歳の高齢を過ぎても幕府への勤めに励んだ、 真面目で実直な役人だった。

 「世の中は酒と女が敵(かたき)なり どうか敵にめぐりあいたい」
  「世の中に絶えて女のなかりせばをとこの心のどけからまし」
   「昨日までひとが死ぬると思ひしがおれが死ぬとはこいつはたまらん」

狂歌というものは、言葉遊びとしては気が利いているが、文学としてみるべきものではない、
そこが俳諧と違うところだ、こうした見方をするものが多いが、なかにはこれを積極的に評価するものもいる。
永井荷風などはその最たるもので、「江戸芸術論」の中で、次のように書いている。

「そもそも俳諧狂歌の類は江戸泰平の中の時を得て漢学和学両文学渾然として融化租借せられたる結果現はれ来りしもの、
便ち我方古文明円熟の一極点をしめすものと見るべきなり。
然ればわが現代人のこれに対して何等の尊敬また何等の感動をも催さざるは社会一般の現状に徴して怪しむに足らざるなり。」

http://japanese.hix05.com/Literature/Nanpo/nanpo04.tenmei.html

07/24 艶句探訪(中原徳子) (4285回)

 『朱欒ざぼん』     中原徳子(1958年香川県)

 白鳥よ種も仕掛もある夢よ
 極月の鋏と化せる下半身
 かはされてばかりや冬のモスキート
 ポインセチアあかるい毒をたつぷりと

 朱欒ざぼん人形の肉ふくらみ来
 巨女冬夕焼を吸ひ尽す
 マフラーや世界はかくもやはらかく

『ココナツ吸ふ』

 極月や裸体のオブジェ吊るさるる
 腹腔に潮の満ち来る遅日かな

 末法や蝌蚪も精子も流されて
 花冷の人形陰なし乳房なし
 南下してをのことなりてココナツ吸ふ

中原徳子さんは1958(昭和33)年の香川 県生れ、脳性小児マヒで何度も死にかけて育ち、手足が意のままに動かず、発 語障害もあるのだった。
上智大学文学部福祉学科を 卒業、障害者特別採用枠で日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)に入り 英文資料の翻訳に従事する。
この略歴を読むと、下の(海外旅行の時の)句の意味がよく分かる。

     《OKとNOで通した夏の旅》

http://kbaba.asablo.jp/blog/2007/12/27/2531906

07/23 艶句探訪(NETで拾った句) (4284回)

◆ 艶句探訪(NETで拾った句)

 春の月愛に食事に口つかふ    中嶋憲武(1971埼玉)
 さへづりや窓一つ開くラブホテル 中嶋憲武
 太腿と尻の境目春惜しむ     近 恵(1964青森)

 やがてわが真中を通る雪解川   正木ゆう子(1952熊本)
 オートバイ内股で締め春満月   正木ゆう子
 踊れや肛門 現人神が舌かがよう 九堂夜想(1970青森)
 死にしAV女優の乳房波打つや  関悦史(1969土浦)

(写真はカバネル作『ヴィーナスの誕生』)

07/22 神戸市短歌大会 (4283回)

神戸市とNHK学園が開いた神戸市短歌大会(7/16)では、全国の愛好家から寄せられた3000首余りの中から、
優秀作の10首が表彰されました。大賞には3首が選ばれ、このうち富山県の高校1年生、松田梨子さんが詠んだ
妹がそれは恋だと断言しゆっくり回り始める風車

は、ある人に恋心を抱いていることを妹に言い当てられたときの気持ちを表現した作品です。
幼いころから短歌に親しんできたという松田さんは、
「妹と話をしていて、はっとしたときの気持ちを残そうと短歌にしました。
これからも学校生活で楽しいと思ったことなどを詠んでいきたい」と話していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140716/k10013063151000.html

なお、7/14日の朝日歌壇では、
ジーパンで 自転車をこぐ モーツァルト 見かけたソナタ 九番の中』   (富山市 松田 わこ)
リビングが なんて静かな 午後でしょう 本一スマホ二 お昼寝が一』   (富山市 松田 由紀子)
が選ばれていた。
ーーーーーーーーーーー
松田梨子さんも高一となり、そろそろ「恋」を意識する年頃。
豊かな才能を活かして若々しい恋の歌が作られていくことを期待している。
金沢の敷田八千代さんのように。(彼女の歌は最近見られなくなったのが残念)
妹のわこさんもきっと追いかけるだろう。

07/21 サマーランドあじさい園 (4282回)

1日、サマーランドあじさい園へ行ってみた。 アナベルの雪山が有名な場所だ。
園に入るとなだらかな山道を登りながら、両側に植えられた紫陽花を楽しむ設計になっている。

一番高い場所には、小山一面に植えられたアナベルを堪能することができた。

07/20 修景池の蓮 (4281回)

8年ぶり?に修景池の蓮を見に行った。
「蓮を見る会」の幟も立ち、ちょうど見頃のようだった。

大賀蓮の他にもいろいろな種類の蓮が咲いていた。
大きな池の中に小島が作られ、一種類ずつ植えられているのだが、小島までは距離があるため
望遠レンズを目いっぱい伸ばしてようやく撮れる程度。クローズアップ写真は無理だった。

池の中にも歩道を伸ばして、もう少し花に近づける工夫をしてくれると嬉しいのだが。

07/19 トランポリン+綱渡り=スラックライン (4280回)

6日、府中郷土の森公園・修景池に蓮の花を見に行った時、公園でロープ乗りを楽しんでいる人たちを見た。

          

【トランポリン+綱渡り=スラックライン】
2012年春にオンエアされた、細いロープの上を軽やかに飛んだり跳ねたりする男女が出演する携帯電話のCM。
まったく見たことのない動きが強烈に記憶に残っていたのですが、
ところが今夏、大型野外ロックフェスにて出し物として体験会が開催され、さらには世界ランキング1位に日本人女性が輝いたと聞き、そのスポーツ、スラックラインが少し身近に思えてきました。
最近ではフィットネスジムで取り入れているところが増えていますが、ひょっとして初心者でも意外とできちゃったりするんでしょうか?

携帯電話のCMで鮮やかな演技を披露していた福田恭巳さん。まだ21歳の彼女こそが、7月に発表された国際スラックライン連盟(WSFed)のランキング女子部門で堂々の世界1位に輝いた、日本におけるスラックライン界の第一人者です。

07/18 FireFox β版では (4279回)

再インストールして整備が終わったが、当面ブラウザには FireFox を使うことにした。
(IEはどこか信頼できないところがある)

昨日、新しいβ版へのアップデート通知が来たので早速インストールしてみた。
使い始めてみたら、右クリックのウインドは英語で表示された。
(一つ前に正式版はもちろん日本語になっていた)

この程度の英語で困ることはないが、何となく落ち着かない。
何でも新しいのがよいと飛びつくのは考えものだという教訓だ。

07/17 ディスクの整備 (4278回)

デスクトップPCの再インストール作業はほぼ完了した。 ディスクは、計4台となった。

C(300GB):O/S Windows7 64bit
G(400GB):日常のワークデータ
E(80GB):写真データのバックアップ(Gと同一ディスクー別パーティション)
F(1TB):データ倉庫
N(USB300GB):データバックアップ

これでしばらくは容量不足で悩むことはないだろう。

07/16 フリーソフトも進化 (4277回)

動画キャプチャーには以前から Amarec を使っていたので、窓の杜からインストールしようとしたが、 なんとコーデックが有料に変わっていた。
他にもないかと探したら、cCam (英国製?)が見つかったのでインストールしてみた。 試用したら十分に使えることが分かった。
動画編集には、Microsoftのムービーメーカーを再インストールした(Windows Essentials 2012)。
レジスタークリーン、なども。
筆まめ(体験版)、らくちんCDダイレクトプリントもインストール。
ブラウザにはFireFoxを使うことにした。

07/15 パソコンのクリアーインストール (4276回)

7/06 デスクトップPCが突然トラブルに見舞われた。
原因は、Internet Explorer が正常に動作しなくなってしまったこと。
(前々から一部の動作が不安定だったが、今回は完全にダメになってしまい立ち上げもできない状態)
(別のブラウザ”GoogleChrome"で代用することも考えたが、Chromeにも使いづらい点がある)

仕方がないので、別のハードディスクにWin7 O/S をクリアーインストールし直すことにした。
O/Sのインストール自体は30分ほどで出来たが、その後の整備が大変。
細々としたアプリをネットから拾い集めて再インストールが必要。
セキュリティ・ソフト、HTMLエディター、FTPソフト、オフィス・ソフト、プリンター・ソフト
TV(地デジ、BS)ソフト、バックアップ・ソフト、レジスター・クリーナー等々。

一日掛りでようやく9割ほどが回復した。
以前は、部品を集めてPCを自作することも何回か挑戦したので、このような作業が嫌いなわけではない。
しかし、好みのソフトを拾い集めて整備するのは、面倒な作業で、いささか疲れた。

07/14 告白 (4275回)

某デパートの七夕飾りで、若い人の願い事を見つけた。

「告白する 勇気を ください」

さて、若者の告白はどうなったのだろうか?
こんな俳句を思い出した。

  《告白の手よりぽとりとさくらんぼ》   稲畑廣太郎 (俳句咲く咲く 6/22放送)

  《海の家 夢占いは 「凶」とのみ》   櫂 未知子 (俳句王国が行く 6/29放送)

07/13 リア充 (4274回)

デパートの七夕の願い事を見ていて【リア充】という言葉を見つけた。

【リア充(リアじゅう)】とは、リアル(現実)の生活が充実している人物を指す2ちゃんねる発祥のインターネットスラングで、若者言葉でもある。
概念自体は2005年頃に2ちゃんねるの大学生活板で成立しリアル充実組と呼ばれていたが、2006年初頭に今のリア充の形として使われ始めた。その後2007年夏頃からブログやtwitterでも流行した。
2011年には女子中高生ケータイ流行語大賞の金賞に選ばれるまでに成長し、ギャル語として確固たる地位を獲得するに至った。
携帯電話を介したネットの利用者たちが流入するにつれ、彼らの恋愛や仕事の充実ぶりに対する妬みへと変化していった。

07/12 『夜の桃』 (4273回)

西東三鬼に次の句がある。
 《中年や遠くみのれる夜の桃》   三鬼

若くピチピチと魅惑的な女性(夜の桃)も、中年となってしまった自分には遠くから眺めるだけの存在になってしまった、という 哀嘆の句だろうか。
男女関係に対する社会規範は時代によって変化しているから一概には言えないのだが、
妻子ある64歳の身で祇園の芸者小糸に恋をした蕪村《桃尻の光りけふとき蛍哉》や、
52歳で28歳の菊を妻に迎え3児を成した一茶と比べると、悟りが早すぎる気がする。

『夜の桃』という題名の小説を見つけて読んでみた。
石田衣良著ー新潮文庫2008。著者は上に挙げた三鬼の句を意識して題名を選んだと推測される。

『これほどの快楽は、きっとどこか真っ暗な場所に通じているーーー。
 成功した仕事、洒落た生活、美しい妻と魅力的な愛人。全ては玩具にすぎなかった。
 安逸な日々を謳歌していた雅人が出会った少女のような女。いちずに自分を求めてくる彼女の、秘密を知った時、雅人はすでに底知れぬ恋に陥っていた。
 禁断の関係ゆえに深まる性愛を究極まで描き切った、瑞々しくも濃密な恋愛小説。 』
石田氏の他の作品と比べると思い切り過激な性愛描写のある作品だった。

http://sky.geocities.jp/kitano555_2010/dokusho_2014/743_yorunomomo.html

07/11 『桃』 (4272回)

「桃」は〈秋の季語〉である。
上野千鶴子氏の文にあるように、
『熟れて頽れていくもろい果実。人の肌のように産毛を光らせ、女の尻のまるみと裂け目とを持っている。 内部から充実しながら、果皮を破ることもなく、とじこめられて腐っていく。』
桃に託してエロスを詠んだ俳人は多い。

《身のうちに白桃を抱き会ひにゆく》  辻美奈子
《桃熟れてもうすぐ叫ぶ叫んでしまう》 鎌倉佐弓
《白桃にふた夜の皺のありにけり》   山尾玉藻

《人妻や白桃に刃をためらはぬ》    鍵和田柚子
《舌といふ肉 白桃の肉を捲き》    熊谷愛子
《どこまでが夢の白桃ころがりぬ》   時実新子

《水蜜桃(すいみつ)の汁吸うごとく愛されて前世も我は女と思う》   俵 万智

《苦桃に恋せじものと思ひける》    虚子
《熟桃の古風なる香をめづるなり》   飯田蛇笏
《白桃に入れし刃先の種を割る》    橋本多佳子
《桃の重みを案ずるごと桃の膚に乗す》 中村草田男

《白桃や心かたむく夜の方》      石田波郷
《聖書伏せて娘は白桃に爪立つる》   渡辺桂子
《白桃を喰ふほの紅きところより》   佐藤鬼房
《白桃に人刺すごとく刃を入れて》   鈴木真砂女

《指ふれしところ見えねど桃腐る》   津田清子
《まだ誰のものでもあらぬ箱の桃》   大木あまり
《腐(イタ)みつつ桃のかたちをしていたり》 池田澄子
《盗って喰ふとは桃の木の桃のこと》  鳥居真里子

《ゆっくりと引けばめくるる桃の皮》  岩田由美
《白桃に夜のおもさが加はりぬ》    奥名春江


07/10 蕪村 老いらくの恋 (4271回)

師匠・夜半亭67歳の最期を看取った蕪村は流離の旅に出る。36歳で京都に戻り、42歳でとも女と所帯を持つ。
蕪村は64歳の頃、妻子のいる身で、京都の祇園の美人芸者、小糸に夢中になってしまったそうです。
嫉妬する大阪・曽根崎の梅女もいて、友人の忠告で彼女と別れることにしたのだが、それを残念に思って、
《桃尻の光りけふとき蛍哉》
という句を詠んでいる。蛍が尻を光らせて去るのを寂しく思う、という意味で、小糸への思いを重ねたものだ。

昨日引用した 《雨の日や都に遠きもものやど》
の句もいつの頃、どんな背景で作られたのか興味が沸く。
俳人として名を挙げ、俳画などもたくさん描いて収入を得ていた蕪村にこんな人間臭い一面があったことは驚きだった。
この恋を書いた小説を見つけた。機会があれば読んでみたい。
『恋しぐれ』(葉室 麟著 文春文庫)

一茶も結婚は遅かった(一茶五十二歳、菊二十八歳)。菊は3児を産むがいずれも早世し、その後、菊も病気で寝込み、みるみる衰弱して亡くなった。
六二歳になった一茶は、二番目の妻・雪を娶った。だが一茶は足も不自由となり、酔うと寝小便を漏らすようになっていて、雪はふた月ばかりで去っていった。六十五歳になった一茶は二度の中気を患い、一人暮らしもままならなかった。
三番目の妻は子持ちの事情のある女・やをだったが、一茶の面倒をよく見てくれた。(『一茶』藤沢周平著 文春文庫より)

蕪村、一茶ともに江戸時代としては長命だったようだ。

号「桃青」の時代もあったが、女性との浮いた話の伝わっていない芭蕉との大きな違いだ。
彼は、俳諧の純粋性を求め、世間に背を向けて老荘思想のように天(自然)に倣う中で安らぎを得ようとした考えがあった。

07/09 『桃の花』 (4270回)

「桃の花」は〈春の季語〉である。
花として鑑賞するなら、実の成る桃の花よりも花桃の方が艶やかだ。
俳人が詠う桃の花には、何故かエロスの香りがつきまとう。
「桃畑」、「桃の宿」とくれば、逢引きの場所というニュアンスが匂う。

《桃の花死んでいることもう忘れ》   鳴戸奈菜
《桃咲いて女の一生遊べるごと》    大石悦子
《人体に前後ありけり桃の花》     あざ蓉子

《わが衣に伏見の桃の雫せよ》     芭蕉
《わづらへば餅をも喰わず桃の花》   芭蕉
《昼舟に乗るやふしみの桃の花》    桃隣
《戸の開てあれど留守なり桃の花》   千代女

《榾(ホタ)ひとり燃えて人なし桃の宿》 蓼太
《雨の日や都に遠きもものやど》    蕪村
《海女とても陸こそよけれ桃の花》   虚子
《白桃や莟うるめる枝の反り》     芥川龍之介

《鬼あそび捕まるならば桃畑で》    遠山陽子
《緋桃咲く恋風もそのあたり》     友岡子郷
《二階ひびきやすし桃咲く誕生日》   寺山修司
《大正の裸見せたり桃の花》      高山れおな

07/08 『俳句咲く咲く』(6/22放送) (4269回)

『俳句咲く咲く』(6/22放送)、テーマは「さくらんぼ」だった。

《さくらんぼ種は庭まで飛べにけり》 室井 滋
は次のように直すとよいと。
→《さくらんぼ種は庭まで飛びにけり》
→《さくらんぼ種は庭まで届きけり》

本日の参加者の作品五句と互評は次の通り。
《種と軸ぽつんと残るさくらんぼ》   [○x3](ももち)最優秀
《きらめきを箱詰めにしてさくらんぼ》 [○]
《告白の手よりぽとりとさくらんぼ》  [●x4](稲畑廣太郎)
《待ちぼうけ桜桃の種フッと飛ばす》
《さくらんぼ口に運びし指二本》

さくらんぼ=初恋(失恋)のイメージで作句された稲畑廣太郎氏に好感を持った。

07/07 圏央道直結 (4268回)

圏央道の高尾山インターと愛川インターとの間が6月28日に開通した。
三島方面へ出ることが多いので、圏央道ー東名高速と繋がったのはとても便利となる。

但し残念なことに先日新調したカーナビはこの区間が未登録だ。
先26日に伊豆にらやまCCからの帰り道に伊豆縦貫道を通って新東名三島へ出たが、
この縦貫道の一部もカーナビには登録されていなかった。開通して間もないようだった。

新しい道がどんどん作られ整備されるのは良いが、カーナビソフトが追いつかないのは残念だ。
いざという時はスマホに頼るのが良さそうだ。

07/06 石榴 (4267回)

     《俳人の 好む石榴に 妄想す》 和

「(実)石榴」は〈秋の季語〉だが、古来たくさんの俳人が詠んでいる。

 《石榴くふ女かしこうほどきけり》 太祇
 《若長は机のうへのざくろかな》  蕪村
 《石榴赤しふるさとびとの心はも》 虚子
 《石榴割る鍵屋が辻の古き碑に》  長谷川かな女
 《実石榴の涙の粒に似しを食む》  馬場移公子

石榴の花は6月に咲き、実が育ち始めるが、実の形は独特でエロチックだ。
近現代の俳人が「石榴」を詠む場合、愛、性愛、女性器のイメージが色濃い。

 《石榴是(コレ)煉獄の色逢引す》   竹岡一郎
 《やさしさの中に小悪魔ざくろ割れ》 加藤ひろ子
 《肉感に浸りひたるや熟れ石榴》   鈴木しず子
 《実石榴のかつと割れたる情痴かな》 鈴木しず子
 《裂けながら石榴の素肌ただようや》 鎌倉佐弓

 《プツプツと弾ける音を響かせて私の石榴舌でこそげる》 川上史津子

07/05 ソルトリーフ (4266回)

孫と女房の誕生会。立川にある「ごはんや農家の台所」野菜たっぷりの創作和食。
写真はトマト入りのキムチ鍋と生野菜。ソルトリーフは初めて食べた。

          

松村 京子】 お孫さんとご一緒の誕生会、めでたく楽しいことですね♪ お食事もとてもヘルシー(^O^)
北野 和良】 >松村さん。ソルトリーフと言うのはご存じでしたか?アイスプラントとも言うらしいですが、葉の裏側全体に1〜2mmの小さな細胞(粒々)があって、塩の味がします。海水ほどの濃度の液肥栽培が出来るんだそうです。
松村 京子】 成程!それでソルトリーフと呼称するのですか。知りませんでした。醤油もドレッシングも不要ということですね。
新居 尚道】 アイスプラントって面白い野菜ですよね。スーパーにはあまり置いてないのでGETするのが難しいですけど、八王子の滝山の道の駅にはあったみたいですよ。あまりにローカルな話しになちゃったかな。
北野 和良】 >新居さん。珍しくって高そうだからスーパーじゃむりですね。
玉手 のり子】 奥さまお孫さん、お誕生日おめでとうございます。野菜たっぷりが良いですね。アイスプラント、こちらでは結構前からちょっと高級志向のスーパーやデパ地下の野菜売り場に置かれています。食感が良いですね。
北野 和良】 >のり子さん。ありがとうございます。新聞に肉じゃがにトマトを入れると言うレシピを見ました。和食もどんどん進化しているようですね。

07/04 第1回 週刊俳句賞 候補40作品より(2/2) (4265回)

第1回 週刊俳句賞 候補40作品(2007-08-05)より(2/2)

《おしゃれしてブッポウソウと鳴く娘》 岡本飛び地
《冷やを注ぐ娘の名札さえ欲しい》  岡本飛び地
《慟哭の果て貪るは百合の花》    岡本飛び地

《ふたりきりで法螺貝の家に住む》  上野葉月
《葵咲く触れられぬほど熱さうに》  青島玄武
《裸身いま内より光出しさうな》   榊 倫代

《片恋のスプーン泰山木の花》    宮本佳世乃
《貸しボート指の長さを比べ合ふ》  宮本佳世乃

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2007/08/40.html

07/03 第1回 週刊俳句賞 候補40作品(1/2) (4264回)

第1回 週刊俳句賞 候補40作品(2007-08-05)より

《昼寝覚め左右で違う乳房かな》  小林鮎美
《香水の一滴恋の波紋かな》    平川みどり
《嫌ひな人におぶさってをり蛍》  山下つばさ

《パレードを終へし女体へ青時雨》  中村安伸
《あなたには似合はぬ花ね月見草》  米男
《香水にひたされてをり更衣室》   浜いぶき

《空蝉の背なより愛を取り出しぬ》  近 恵
《純愛やきゆうりは沈み茄子は浮き》 振り子
《合歓の花入浴剤は泡吹いて》    宮嶋梓帆

http://weekly-haiku.blogspot.jp/2007/08/40.html

07/02 詩の遊び  佐藤文香 (4263回)

◆ 詩の遊び  佐藤文香 (1985年 神戸市)
http://weekly-haiku.blogspot.jp/2011/10/2010_7090.html

《失恋や名のみの蝶に翅を貸し》
《傘に君招き入れたる詩情かな》

《水筒の氷の音やほたるの夜》
《遠花火詩の遊びしてきずつきあふ》

《君が背の白さを抱く冷房裡》
《さゝやきに宿の枕の羽根疼く》

《つぐなひの無花果は転がりソファに》
《愛されぬ人うたひつゝ梨をむく》

《指は指恋ふや始発に君を乗せ》
《約束をせぬしあはせとバニラの木》
《朝のアは愛のア逢ひにゆけば花》
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俳句の良し悪しは分からないが、若い人の作品だと実感する。

07/01 金原まさ子(103歳) 句集『カルナヴァル』鑑賞 (4262回)

◆ 金原まさ子(103歳) 句集『カルナヴァル』鑑賞

《ヒトはケモノと菫は菫同士契れ》
《我肉を食べ放題や神の留守》
《バージンオイルで螢はかるく炒めなさい》
《いちじく裂く指を瞶(み)られてはならぬ》
《深夜椿の声して二時間死に放題》

《ときどき叫びつくしんぼ摘む女》
《熊の掌のスウプ啜るに内股で》
《わが足のああ堪えがたき美味われは蛸(たこ)》
《山羊の匂いの白い毛布のような性》
《菜の花月夜ですよネコが死ぬ夜ですよ》

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ネットで拾った句。大正生まれ(1911年)の女性だが、時実新子(川柳)に匹敵するような詠いぶりだ。



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