@games日記(復刻版)    2014 April        トップへ

01 昭和前期の女性俳人(その2) (4171回) 昭和前期の女性俳人(その3) (4172回) 昭和前期の女性俳人(4) (4173回)
04 昭和後期の女性俳人(1) (4174回) 昭和後期の女性俳人(2) (4175回) 昭和後期の女性俳人(3) (4176回)
07 昭和後期の女性俳人(4) (4177回) 昭和後期の女性俳人(5) (4178回) 昭和後期の女性俳人(6) (4179回)
10 昭和後期の女性俳人(7) (4180回) 花まつり 独吟10句 (4181回) 平成の女性俳人(その1) (4182回)
13 平成の女性俳人(その2) (4183回) 平成の女性俳人(その3) (4184回) 平成の女性俳人(その4) (4185回)
16 平成の女性俳人(その5) (4186回) 平成の女性俳人(その6) (4187回) 平成の女性俳人(その7) (4188回)
19 平成の女性俳人(その8) (4189回) 平成の女性俳人(その9) (4190回) 平成の女性俳人(その10) (4191回)
22 平成の女性俳人(その11) (4192回) 平成の女性俳人(その12) (4193回) 神代植物公園 (4194回)
25 NEC・OB写真展 (4195回) 高乗寺胡弓コンサート (4196回) 昭和記念公園 (4197回)
28 小池会ゴルフ (4198回) 相模原公園 (4199回) 立飛ホールディングス (4200回)


04/30 立飛ホールディングス (4200回)

立飛ホールディングス(旧立川飛行機)が古い軽飛行機を復元し一般公開するというのを見に行った。(4/20)
立川駅から歩いて約15分ほど。
日曜・最終日とあって思った以上にたくさんのお客さんが来ていた。

展示されていたのは、R-53とR-HM の2機。
どちらも戦後に製作された単翼の機種だったが、量産には到らなかった。
操縦席は二人乗り。エンジンは自動車のエンジンほど。

関係者の方は、エンジンも修理して実際に飛ばせてみたいと話していた。

04/29 相模原公園 (4199回)

相模原公園へ行ってみた。(4/17)来るまで片道約1時間。
しばらくぶりだったので、公園の歩き方を忘れていた。
ルピナスが見られるかと思ったが、無くて残念。
花桃、花蘇芳、西洋シャクナゲ、ネモフィラ、八重桜、パンジーの花壇などなど。

近くにある美大の女子学生がたくさん写生をしていた。授業の一環だろうか?

04/28 小池会ゴルフ (4198回)

第54回小池会ゴルフコンペ(4/15)。 コースはいつもの大厚木桜コース。
今回は幹事の一人を任されたので、蓮川氏、伊崎氏と一緒に幹事役。
プレイは金井さん、小林一さんと一緒に。
キャディさんがグリーンを詳しく教えてくれたので3パットもなく101(28パッと)と上出来だった。

小池さんはパーティに参加され、長年のご指導のお礼に記念品を差し上げ、小池会は今回限りと決まった。
秋からは、「旧情処OB会」として継続する事になった。

「球を追い ショット重ねて 山笑う」   「もてなしの 桜の蕎麦に 舌鼓」

「チューリップ ショット片目に 風に揺れ」    「望外の スコア纏まり 山笑う」

04/27 昭和記念公園 (4197回)

チューリップを目当てに昭和記念公園へ行った。(4/12)
桜は終わりかけていたが、チューリップは満開で、見物客も押せ押せ状態。 外国人もたくさん来ていた。

水鳥の池周辺にいつものように見事にデザインされた色とりどりのチューリップ。

《桜散り 人目チューリップに 移り》     《百の色 千の彩り チューリップ》  

   《ミニスカの CAが飛ぶ 春の空》     《ボディコンの ヒップふりふり チューリップ》

04/26 高乗寺胡弓コンサート (4196回)

初沢町の高乗寺(曹洞宗)で胡弓コンサートがあったので聴きに行った。(4/08)
花まつり(灌仏会)の催しで甘茶の接待もあった。
(二胡ではなく胡弓だった。)奏者は石田春人氏(愛知県を拠点)。

《接待の 甘茶いただく 花まつり》
《花まつり 甘茶で喉を 潤して 始まりを待つ 二胡コンサート》

《サクラサクラ 胡弓の調べ 花まつり》   《花まつり 胡弓奏でる 風の盆》

《観客も 声だし歌う 隅田川》    《荒城の月 しのび泣く 胡弓弦》

《胡弓の音 観音さまも 微笑みて》    《江戸の頃 雛に飾りし 胡弓あり》

《涙そうそう 予期せぬ調べに 客は沸く》    《弾く弓が 笛にもなりて どよめきぬ》

《胡弓音に 美空ひばりの 現れて》    《胡弓唄う ”津軽むすめは 泣いたとさ”》

04/25 NEC・OB写真展 (4195回)

昔の同僚が行っている写真展「写窓」を見に行った。(4/02)
(清水氏、高坂氏、井達氏、 )

《友のいて 自信ぶつかる 写真展》

テーマは、「影」 と 「自由題」。

《摩訶不思議 聞き出し驚く 舞台裏》

不定形の水玉に映る不思議な形。どうやってこんな映像が撮影できたのかを詳しく教えてもらいびっくりした。

「影」というテーマに対して、各人が苦労・工夫された様子が目に浮かぶようだった。
一緒に仕事をしていた時には、皆さんにこんな才能があるとは全く気づかなかった。

04/24 神代植物公園 (4194回)

近くでも桜が咲き始めたので、神代植物公園へ行ってみた。(4/01)
ここにもソメイヨシノを始め、かなりの種類の桜があり、好天とあってたくさんの人がお花見に来ていた。
「神代曙」という固有種はピンクかかった大木。

横浜緋桜というのは、深い紅。

西洋シャクナゲや木瓜、クリスマスローズ、二輪草なども目を楽しませてくれた。

04/23 平成の女性俳人(その12) (4193回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その12)

◆ 櫂 未知子(1960生)北海道
 《ぎりぎりの裸でゐるときも貴族》    《雪まみれにもなる笑ってくれるなら》
   《佐渡ヶ島ほどに布団を離しけり》    《いきいきと死んでゐるなり水中花》

 《春は曙そろそろ帰ってくれないか》   《自らへ贈るくれなゐ強き薔薇》
   《シャワー浴ぶくちびる汚れたる昼は》    《殺すほど愛したこともなく夕立》

 《わたくしは夏のさかりのトタン屋根》   《草の実はどこにも行けぬ味がする》
   《ジッパー上げて春愁ひとまづ完》    《香水を分水嶺にしたたらす》

 《泣きはらしたような柿があるのよと》   《ストーブを蹴飛ばさぬよう愛し合う》
   《わたくしは昼顔こんなにもひらく》

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「裸」「くちびる汚れ」「殺すほど」「ジッパー」「分水嶺」「したたらす」「蹴飛ばす」「愛し合う」「ひらく」

04/22 平成の女性俳人(その11) (4192回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その11)

◆ 石田郷子(1958生)東京

 《芽吹きたるものにふれゆくからだごと》   《冬ばらの胸にこたへし香なりけり》


◆ 山西雅子(1960生)大阪府

 《蓮を見て唇あけるさびしさよ》   《はなびらにつかまってゆく水馬》
   《芋虫にして乳房めく足も見す》    《雨の日の花たべてをるかたつむり》

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「からだごと」「唇」「花びら」「乳房」

04/21 平成の女性俳人(その10) (4191回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その10)

◆ 鎌倉佐弓(1953生)高知県

 《桃熟れてもうすぐ叫ぶ叫んでしまう》   《闇に闇ほうほうと咲き身ごもりぬ》
   《この母の骨色の乳ほとばしれ》    《いま落花浴びたし頬の燃ゆるまで》

 《こめかみは水のさびしさくちづけよ》   《風だけでは足りないふたり婚約す》
   《オリオンを掴みそこねた腕が好き》    《春風にめかくしされて入籍す》

 《裂けながら石榴の素肌ただようや》   《のけぞって菜の花の黄のさわぐまま》
   《氷柱つらら歓びでがんじがらめ》    《女身とは光をはじく岬かな》

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この作者はとても情熱的に感じる。俳句ではここまでしか表現できないと言うもどかしさを。

「桃熟れ」「骨色の乳」「くちづけ」「婚約」「入籍」「氷柱」「女身」

04/20 平成の女性俳人(その9) (4190回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その9)

◆ 正木ゆう子(1952生)熊本

 《わが髪を水と思へり滝の前》   《むらさきの寄ってたかって花蘇芳》
   《もっときれいなはずの私と春の鴨》    《あたたかや背と腹とある松の幹》


◆ 片山由美子(1952生)千葉県

 《白鳥の胸の弾力おもひをり》   《寝乱るるほどの髪なき籠枕》

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正木ゆう子氏は読売俳壇選者として活躍されている。

「髪」「花蘇芳」「松の幹」「白鳥」

04/19 平成の女性俳人(その8) (4189回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その8)

◆ 西村和子(1948生)横浜市

 《月見草胸の高さにひらきけり》   《春宵の母にも妻にもあらぬ刻》


◆ 鳥居真里子(1948生)東京

 《鉄棒に折りたる花の夜のからだ    《盗って喰ふとは桃の木の桃のこと》
   《まるきものに乳房心根露の玉》    《階段に拾ふくちびる福笑》

 《春はあけぼのなんとなく妻である》   《海鼠食べつつ花びらとなりし舌》
   《雪うさぎ雪の乳房を欲しがりぬ》

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西村氏:妻となり母となっても、ある時は一人の女に帰りたいと。

「鉄棒に折り」「桃」「乳房」「くちびる」「花びら」「舌」

04/18 平成の女性俳人(その7) (4188回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その7)

◆ 辻 桃子(1945生)横浜市

 《ふとももに置く蛇皮線に夜の長し》
  《もっと大きな波を待ちをる端午かな》
   《炬燵して狭きところのうれしくて》
    《風邪のひと恋の病も篤かりし》

◆ あざ 蓉子(1947生)熊本

 《首すじにほっと蛍のうまれけり》
  《虫籠のなかより出たる男女かな》
   《愛人を水鳥にして帰るかな》
    《あなたとは桜のおくの人体図》

 《人体に前後ありけり桃の花》
  《標本室で春の女となってゐる》
   《全身に桜のまわる真昼かな》
    《みずうみや襖の奥の奥の奥》

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「恋の病」「蛍」「愛人」「人体」

04/17 平成の女性俳人(その6) (4187回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その6)

◆ 鳴戸奈菜(1943生)京城

 《青大将この日男と女かな》
  《いつも今頃からだの匂う花みずき》
   《天の河ひとりの時はふたりなり》
    《雨の夜のからだ全部が花である》
 《肉体やとりとめもなく青葉して》

◆ 寺井谷子(1944生)福岡

 《抱かれて指繊くなる雪明り》
  《傘さしてさくらづたいに夜を遊ぶ》
   《百合の香に近く未明を愛されし》
    《遊べとや灯しの色の桃を食べ》

◆ 山尾玉藻(1944生)大阪

 《鴨鍋のさめて男のつまらなさ》
  《花びらがわたくしの手におちました》
   《白桃にふた夜の皺のありにけり》
    《仰山の乳房入りゆく春の山》

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「からだの匂う」「肉体」「百合の香」「桃」「乳房」「ふた夜の皺」

04/16 平成の女性俳人(その5) (4186回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その5)

◆ 森田智子(1938生)大阪

 《夜桜に 若く悩みて 一歩一歩》
   《夜遊びの 果てを自在に 油虫》
 《前のめりなるマネキンの春の昼》

◆ 黒田杏子(1938生)東京

 《小春日やりんりんと鳴る耳環欲し》
  《身の奥の鈴鳴りいづるさくらかな》

◆ 大木あまり(1941生)東京

 《まだ誰のものでもあらぬ箱の桃》
  《地獄絵に風の牡丹を加ふべし》
   《若葉冷え罪を問はれてゐたるかに》
    《寒月下あにいもうとのやうに寝て》

 《ふたりして岬の凪きくことも》
  《友に恋われに税くる蕗の雨》
   《風船かづら禁欲のいろ極めけり》
    《人形のだれにも抱かれ草の花》
 《かりそめの踊いつしかひたむきに》

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「鈴」「桃」「牡丹」「「罪」「禁欲」

04/15 平成の女性俳人(その4) (4185回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その4)

◆ 檜 紀代(1937生)東京

 《恋多きこころの端切れや春袋》
  《煩悩の紅をほんのり白牡丹》
   《息づきに濃くまた淡く薄衣》

◆ 豊口陽子(1938生)東京

 《まいまいのやがて少女の蒼乳房》
  《おぼろ夜や共に死ぬひと五指で足る》

◆ 大石悦子(1938生)舞鶴市

 《てふてふや遊びをせむとて吾が生まぬ》
  《十七となりぬ芽に出て黄水仙》
   《今日よりは汝が専ら妻韮の花》
    《夢のつづきの夫こそありぬ春あけぼの》

 《桃咲いて女の一生遊べるごと》
   《むつかしきことまゐらする懸想文》

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「煩悩の紅」「白牡丹」「蒼乳房」「「桃」

04/14 平成の女性俳人(その3) (4184回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その3)

◆ 池田澄子(1936生)鎌倉

 《朝涼のゴムの乳房を五分煮る》
  《想像のつく夜桜を見に来たわ》
   《じゃんけんで負けて蛍に生まれたの》
    《ふたまわり下の男と枇杷の種》

 《いつしか人に生まれていたわ アナタも?》
  《初恋のあとの永生き春満月》
   《人類の旬の土偶のおっぱいよ》

◆ 岩淵喜代子(1936生)東京

 《囁きの悲鳴に似たり八重桜》
  《逢ひたくて蛍袋に灯をともす》
   《合歓の花朝の帆柱拭かれをり》
    《やはらかき身をぶつけあひ鳥交じる》
     《悪妻に椿の花の掃かれをり》

ーーーーーーーーーーーーー
池田澄子氏の句は、現代語で詠われていて好感が持てる。 「ふたまわり下の男」はどういう意味合いか?

岩淵喜代子氏の旧かな遣いの必然性が分からない。

「乳房」「おっぱい」「蛍」「合歓の花」「帆柱」「悪妻」

04/13 平成の女性俳人(その2) (4183回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その2)

◆ 中嶋秀子(1936生)東京

 《乳房わたすも命渡さず鵙高音》
  《不意に合ふ泉の脈とわが脈と》
   《火の色に恥甦る霧の中》
    《牡丹ゆれて夫と異なる闇あゆむ》

 《乳ふくます遥かに金の芒原》
  《乳房みな涙のかたち葛の花》
   《裏白の渇きに触れし夜の指》
    《冬がすみ天意の砂丘女体めく》
     《器量よき柚子胸もとに長湯せり》

  《まだそこにゐたかと亀に鳴かれけり》*

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中嶋氏の句にはそれほど大胆な言葉は使われていないが、自立した女性の独自の視点・情念を感じる。
「亀鳴く」の句だけはいただけない。

「乳房」「泉」「牡丹」「「夜の指」「女体」

04/12 平成の女性俳人(その1) (4182回)

『女性俳句の世界ー6』ーー華やかな群像ーー【平成女性俳人】(青木誠一郎編  角川文芸出版2008)を読んだ。 (その1)

◆ 宇多喜代子(1935生)山口県

 《ぬれ髪を振りては肉を叩く春》
  《魂も乳房も秋は腕の中》
   《稲刈りの女のむかし尻高々》    
    《姦通よ夏木のそよぐ夕まぐれ》

 《尾のあるものに交じりて睡し花の下》 
  《蛍狩りあなたが行くからついて行く》
   《すすき原胸乳でわけて深く入り》
    《ふしだらな女と呼ばれた衣被》

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 宇田氏は戦前の生まれだが、10歳で終戦を迎え、「もう戦後ではない」と言われた時代に成人している。
民主主義で自由を獲得した世代の一人として、表現にも、
「肉」「乳房」「尻」「姦通」「胸乳」「ふしだら」など大胆な言葉が使われ始めている。

今は80歳になられているが、現役の俳人としてNHK、読売俳壇などでも活躍されている。

04/11 花まつり 独吟10句 (4181回)

◆ 花まつり 独吟10句
地元初沢町にある曹洞宗・高乗寺で花まつりコンサートがあったので聴きに行った。(二胡ではなく胡弓だった。)
奏者は石田春人氏(愛知県を拠点に全国で活動)。

《サクラサクラ 胡弓の調べ 花まつり》
 《花まつり 胡弓奏でる 風の盆》

《観客も 声だし歌う 隅田川》
 《荒城の月 しのび泣く 胡弓弦》

《胡弓の音 観音さまも 微笑みて》
 《江戸の頃 雛に飾りし 胡弓あり》

《涙そうそう 予期せぬ調べに 客は沸く》
 《弾く弓が 笛にもなりて どよめきぬ》

《胡弓音に 美空ひばりの 現れて》
 《胡弓唄う ”津軽むすめは 泣いたとさ”》

04/10 昭和後期の女性俳人(7) (4180回)

『鑑賞 女性俳句の世界(5)』いのちの賛歌(その7) 青木誠一郎編 角川文芸出版 2008

◆ 岸本マチ子(1934生)群馬県
 《罪深き 肉あぶるなり いまは雨季》    《つっぱって 女をとおす 曼寿沙華》
 《紙ヒコーキ 飛ばして一人 妻の反乱》   《抱かれたき 夜はふかぶかと 羽ひろげ》

 《生傷の 履歴を書いて わが乳房》     《桜鯛 透きとおるもの 抱きにゆく》
 《男来て 海の匂いの シャツを脱ぐ》


◆ 伊藤敬子(1935生)愛知県
 《星座多彩 わが十代の 果てんとす》    《ノラ遠し 久女も遠し 木免(ヅク)の森》

04/09 昭和後期の女性俳人(6) (4179回)

『鑑賞 女性俳句の世界(5)』いのちの賛歌(その6) 青木誠一郎編 角川文芸出版 2008

◆ 遠山陽子(1932生)東京
 《マッチの火 雪に投げたる 恋慕かな》     《呼ぶ声を 空は返さず 花ぐもり》
 《狐の提灯 咲く道をゆき 協議離婚》


◆ 柚木紀子(1933生)東京
 《あふむくや はるおおぞらの うつぶせに》     《春月や いつとき子宮 借りたると》
 《いくへにも 水密桃び くる薄暮》


 山本洋子(1934生)東京
 《花のあと 桃の散るなり 蔵の前》     《人待ちて 春の欅の もたれをり》
 《雪女郎 川越すときに 裾みだれ》

04/08 昭和後期の女性俳人(5) (4178回)

『鑑賞 女性俳句の世界(5)』いのちの賛歌(その5) 青木誠一郎編 角川文芸出版 2008

◆ 鍵和田柚子(1932生)神奈川
 《桐の花すれちがふ衿乳匂ふ》      《アネモネや神々の世もなまぐさし》
 《しだれ桜乳房萎えゆく思ひあり》     《人妻や白桃に刃をためらはぬ》
 《春泉かそけき肌飢ゑは恋に似て》


◆ 渡邊恭子(1933生)東京
 《天の川 真夜黒潮と ゆれかはず》     《白孔雀 涅槃の翅を ひらきけり》
 《紅鱒の 斑をこぼさずに 焼かれけり》     《夢のはじめも 夢のをはりも 花吹雪》

 《餅焦がす 捨て切れぬ駄句 うろうろし》

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昔、「髪」は女性の情念の象徴として詠われたが、与謝野晶子が「乳房」を詠いこみ、昭和前期には「白桃」「涅槃」などが使われるようになったようだ。

04/07 昭和後期の女性俳人(4) (4177回)

『鑑賞 女性俳句の世界(5)』いのちの賛歌(その4) 青木誠一郎編 角川文芸出版 2008

◆ 田邉香代子(1931生)東京都
 《どこからゆるむ瀑の乱交凍結し》     《降りしきる雪みていれば息激す》
 《あめんぼの流されまじとして交る》     《辛夷の痛い白さ他人の夫掠め》

 《滝の前われも声上げ崩れたし》      《乳房の鈴鳴らすわたしの雪おんな》
 《硝子切る音を乳房がさきに聴く》      《愛され方足らずあしうら熱砂で灼き》

 《虹いろの鋼でしなう抱かれた腰》     《かぞえきれぬゆびがふれたいいそぎんちゃく》
 《指が裂ける股が裂けるとアマリリス》    《舌って何この不定形暖かさ》

 《九輪草不倫苦輪と咲きのぼる》      《ねこじゃらしわたし編み上げられたいな》
 《吾亦紅触れ合いたくて風待てり》

04/06 昭和後期の女性俳人(3) (4176回)

『鑑賞 女性俳句の世界(5)』いのちの賛歌(その3) 青木誠一郎編 角川文芸出版 2008

◆ 稲畑汀子(1931生)横浜市
 《咲き出でて耀ひそめし花の闇》     《落ち椿とはとつぜんに華やげる》
 《今日何も彼も なにもかも 春らしく》


◆ 小檜山繁子(1931生)樺太ー福島県
 《肉感は天に捧げて朴の花》     《ジーパンの張りつく腿や蝉時雨》
 《身にしむやスカートに透く脚二本》


【汀子論】(長谷川櫂)
 稲畑汀子の俳句には明らかな特徴がある。それは句のほとんどが一物仕立ての句であるということ。
 たとえていうなら、一物仕立ての句は一句全体が写実という大地の上にある。その大地をどこまでも歩いてゆける。
 ところが、取り合わせの句ではこうはいかない。歩いているうちに、突然、断崖絶壁の上に出る。これが句中の切れ。
そこから向こうの断崖に渡るには深い谷をふわりと跳び越えなくてはならない。そのとき、作者は写実の大地を離れる。
 子規や虚子だけではなく、近代俳句全体に一物仕立ての句が多いのは、俳句の近代が写実の時代であり、一物仕立てこそ写実の形式だったからだ。  汀子はこの近代俳句の写実派の流れを受け継ぐ。

04/05 昭和後期の女性俳人(2) (4175回)

『鑑賞 女性俳句の世界(5)』いのちの賛歌(その2) 青木誠一郎編 角川文芸出版 2008

昭和後期に活躍した女性俳人27名の紹介・作品が載っている。 中で気にいった恋/情念の句を選んでみた。

◆ 星野 椿(1930生)東京都
 《洗髪束ねしままで煙草吸ふ》      《青々と菊の蕾のふくらみ来》


◆ 金久美智子(1930生)東京都
 《しばらくは柚子湯に佇ちし女身かな》      《うすものやわがゆく方の薄明かり》
   《色鳥や病みては妻も擁かれず》

04/04 昭和後期の女性俳人(1) (4174回)

『鑑賞 女性俳句の世界(5)』いのちの賛歌(その1) 青木誠一郎編 角川文芸出版 2008

昭和後期に活躍した女性俳人27名の紹介・作品が載っている。 中で気にいった恋/情念の句を選んでみた。

◆ 千原 叡子(1930生)兵庫県
 《草刈女乳房出す手を草に拭き》     《ほほづきの 鳴る母の口児に不思議》
   《苺つぶす青春に悔なしとせず》    《再会は偲び合うこと夏霞》
  《朝光に千鳥は白き胸見せて》


◆ 蓬田紀枝子(1930生)宮城県
 《寝返れば香水瓶のまのあたり》

04/03 昭和前期の女性俳人(4) (4173回)

昭和前期に活躍した女性俳人27名の紹介・作品が載っている。
中で気にいった恋/情念の句を選んでみた。

◆ 伊丹公子(1925)
 《聖果のてっぺん 舐めて 青春みじかすぎる》

◆ 中山純子(1927)
 《蝶捕らむと 走れば先に 乳房ゆれ》

04/02 昭和前期の女性俳人(3) (4172回)

昭和前期に活躍した女性俳人27名の紹介・作品が載っている。
中で気にいった恋/情念の句を選んでみた。

◆ 熊谷愛子(1923)
 《十二月八日 かがみて恥骨あり》
  《十二月八日 泥をずぶずぶ 脱けざる脚》
   《舌といふ肉 白桃の肉を捲き》

◆ 古賀まり子(1924)
 《花ぐもり 菌出でしこと 秘めて逢う》
  《朧ふかし 明日切る乳房 抱きねむる》

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  《花ぐもり 籤当たりしこと 秘めて逢う》

04/01 昭和前期の女性俳人(その2) (4171回)

『鑑賞 女性俳句の世界(4)』(その2) 青木誠一郎 角川文芸出版2008
昭和前期に活躍した女性俳人27名の紹介・作品が載っている。
その中で気にいった恋/情念の句を選んでみた。

◆ 河野多希女(1922生)
 《黒髪の奢り 落花のなかの渇き》       S34処女歌集『琴恋』
  《春雷の絶間 琴の音 打ちかへす》
   《象ある睡蓮 かたち無き奈落》

 《鶯に 覚めて真白き 肌着替ふ》
  《鮎の宿 そのまま夜を 深うせり》
   《奪ひあふものに 愛あり 蝉骸》

 《勾配こそ 裸婦の幻想 風花して》
  《初東雲 乳房重心として 佇てり》
   《恋は遠景 愛は含羞 雁渡る》

 《肉体を 持つは哀しみ 春の虹》

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  《楚々と咲く 菊咲きイチゲ 小さな春》
    《待ちわびて 開くレンギョウ 雨に濡れ》
      《俯いて 羞じらう クリスマスローズ》



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