俳句鑑賞文(復刻版)    2018 December       0 トップへ   






(12/31)

清濁を併せ呑む御代去年今年   孝之

オリンピックの快挙、各地での自然災害といろいろな出来事のあった
平成最後の年でした。良い新年をお迎え下さい。
原孝之 北野さん、特選と鑑賞有難うございます。
清濁と言えば、山一證券の粉飾の濁もありました。清は何か?
と問われると天皇陛下の慰霊の旅でしょうか?良いお年をお迎え下さい!



(並選)

思ひ出を裁ち切るやうに大掃除   玉有良

部屋だけでなく心の大掃除も大切ですね。良い新年をお迎え下さい。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



年惜しむその間もなくて鐘の音   祐

紅白の余韻も冷めやらぬ内に遠くに除夜の鐘を聞きながら良い新年をお迎え下さい。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
来年もほどほどに頑張ります。



大歳の小雨振り切りランニング  栄太郎

小雨の中のランニング。お元気ですね。良い年をお迎え下さい。
桑本 栄太郎 北野さん・・・明けまして御目出とう御座います!。
大歳にバスで理髪の為駅前まで出かけました。途中の車中より、
年用意も終えた主婦でしょうか? 小雨の中をランニングを行って居る
光景を見掛けました。本格的なランニングスタイルでした。





(12/30)

晦日蕎麦置いてありますラーメン屋  紀宣

ちゃっかりと抜け目のないラーメン屋ですね。
つちたに jt 純一 北野さん、特選に選んで頂きありがとう御座います。
とても嬉しいです。



(並選)

行年や滅亡近き星にゐて  直

異常気象や火山の爆発、大地震。地球は壊れなくとも人類は破滅する?
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。同感です。



目鼻立ち妻ともまがふ雪をんな  征一

すれ違った美女、よく見ると妻に似ている。お惚気の一句。
今村征一 北野さん牧内さん御選句有難う御座います。



数へ日と云へど俳句の気になりて  栄太郎

四六時中俳句が頭を離れない。たまには息抜きを。





(12/29)

熱の口母が林檎のすりおろし   夢見昼顔

風邪に伏せている詠者のためにりんごを擦り下ろされるお母さま。
母親って有り難いですね。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。
私が子供の頃の思い出です。今でこそ、お腹を壊したら、
手軽に買えるものがありますが、子供のころは、母が必ず
林檎のすりおろしを作ってくれました。熱で、味もあまりわからない口にも、
すりおろした林檎の甘酸っぱさと、程よい冷たさは、
心細い子供心には、何よりのものでした。
母が亡くなって、8年、今でも、林檎のすりおろしは母の思い出です。



(並選)

直感に任せてみよう新暦  美音

あれこれの理屈、打算よりも直感。正解です。



詠める幸仕事納のなき生計  征一

上五詠める幸と言い切られる作者が羨ましい。
今村征一 北野さん御選句と感想有難う御座います。



頬被り取りて安堵の煤湯かな  栄太郎

煤払いを終わって湯に浸かる、
一仕事が済んだという安堵感で気持ち良いですね。
桑本 栄太郎 原さん、北野さん、小林さん・・・大変有難う御座います!!。
小生はそのモードになる為、恰好から入る方です。マスクを掛け、頭に頭巾のように
頬被りの上煤払いでした。普段は行わない所も大がかりに行い、埃が舞いました。





(12/28)

眠る山さざめく星に抱かれて   真波

季語の眠る山を擬人化した珍しい句。視界いっぱいに拡がる大きな景ですね。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
山眠る、山笑う、山滴る、山粧う、大好きな季語です。
擬人化の季語をまた擬人化してしまいました



(並選)

大雪の魔法にかかる裏日本   孝之

年末の北日本、裏日本の雪が心配ですね。誰が魔法を?
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
雪の魔法使いは誰になるのでしょうね?日本には、雪女伝説はありますが、
魔法使いは誰なのか? 上空に見に行くしかありませんね!(笑)



Yo Yo Ma聴きて今更賀状書き   幸

YoYoMaを聴きながら賀状書き。お一人お一人にメッセージを?
Sachiko Yokoi Hayashi 北野 和良 様最近は賀状の数を
うんと減らしてチェロを聴きながら一枚一枚ぬたぬたと……



走り去る男と女息白し   無智


なんだかドラマがありそうですね。
福井 栄一郎 北野さん、選んで頂き有り難うございます。嬉しいです。





(12/27)

煤ごもりさせず窓拭け庭を掃け  征一

奥様が司令官、ご主人は一兵卒なんですね。
今村征一 北野さん御選句と鑑賞有難う御座います。



(並選)

火事と爆発その原因に唖然とし  十河智

消臭剤のスプレー缶のガス抜き事故のことですね。
全く聞いてびっくりでした。
十河 トモ子 北野 和良 さん、ありがとうございます。智



冬の月真珠を抱く二枚貝   千秋

アコヤ貝が海底で月を見上げている。何を祈っているのでしょう。



底冷やミシミシ部屋の軋みをり  栄太郎

詠者の住まわれる京都は盆地で底冷えも一段ときつい。
低層の木造家屋は、底冷えにきしみ極寒を実感させるのだろう。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
住まいの部屋は呼吸すると言われています。
時折、暖房の為でしょう? 室内の家具が軋みますね。





(12/26)

微動だにせぬ鷹匠の腕の張り   正則

鷹匠の腕に焦点を当てた野島さんらしい見事な写生句。
野島 正則 北野 和良 さん、特選をいただきありがとうございます。
実景は、来年確認してきます(^^)



(並選)

ざくざくと子と踏み荒らす霜柱  無智

潮柱を踏み荒らして遊ぶ親子。仲がいいんですね。
福井 栄一郎 北野さん、選んで頂き有り難うございます。嬉しいです。



山茶花の花弁に隠す小さな嘘   夢見昼顔

どんな小さな嘘か気になります。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。内緒、内緒。



トイレなる神様清め年用意   公彦

竈と同じくトイレにも神様がいる。まずそこを清めて真剣に年用意。





(12/25)

灯芯のじじじと消ゆや蕪村の忌  栄太郎      0

陰暦12月25日は与謝蕪村の忌日。
上五中七は「消えていく命の火」を暗喩している。
蕪村晩年の句に《逃尻の光り気疎き蛍かな》がある。
この句の「蛍」を「小糸への思い」とするか、
「消えていく命の火」と読むかは、今となっては解らない。
恋しぐれ(葉室麟・文春文庫)
桑本 栄太郎 北野さん、長井さん、川崎さん・・・大変有難う御座います。
与謝蕪村は大阪摂津の毛馬村に生まれ、当時大阪北部にかけて
菜種油の産地でもありました。「菜の花や月は東に日は西に」の句は
あまりにも有名になんりましたが、与謝蕪村と菜の花の菜種油は
切っても切れない関係のように思います。灯明の明かりが、
今にも「じじじ」と消え入るような蕪村忌となぞらえました。



(並選)

異教徒とふ自覚のなくてクリスマス  直

日本ではキリスト教徒でない人もクリスマスを祝い楽しむ。
今日だけの俄教徒やクリスマス
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。
嬉しく存じます。



リオの海ビキニで祝うクリスマス   俊文

北半球のクリスマスは雪に代表される(ホワイト・クリスマス)が、
南半球では夏の盛りでグリーン・クリスマス
河野 俊文 北野 和良 さん、ありがとうございます。
まさしく南半球では、真夏ですね。



立ち上がる琥珀の泡やクリスマス  美音

シャンパンで乾杯、メリークリスマス!





(12/24)

降る星を綺羅と纏ひし聖樹かな  祐

最近はLEDを灯すXmasツリー。上五中七の措辞が優雅です。
牧内 登志雄 北野さん、特選をいただきありがとうございます。
子供の頃の手作り感満載のクリスマスツリーが懐かしいですね。
今日は母の命日でもあり、昼は墓参り、夜はチキンの予定が、
知人からいただいた生牡蠣を堪能いたしました。



(並選)

白菜の透けるまで待つ土鍋かな   寛昭

よく煮えた白菜、鍋の主役です。
古閑 寛昭 北野さん、ありがとうございます。



再会は昼の蕎麦屋の温め酒   夢見昼顔

お友達と昼の蕎麦屋で再会の乾杯。話も弾むでしょう。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。
話も弾み、お酒も進み、楽しい時間でした



新宅の窓よりクリスマスツリー    孝之

遅くなりましたが、並選に頂きます。新しい家を立てた若い親子。
ツリーを飾り楽しいクリスマス。
子どもさんのはしゃぐ声が聞こえてくるようです。
原孝之 北野さん、こんにちは。ご選句と鑑賞有難うございます。
新築の家の大きな窓際に大きなクリスマスツリーが見えます。
マイホームからスタートするクリスマスと新年!幸せをお祈りしたいですね!





(12/23)

香道の残り香ふふむ冬座敷   寛昭

平安の頃より香道という優雅な嗜みがあるらしい。
それを継承している詠者のなんと羨ましいことか。
古閑 寛昭 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。光栄です。



(並選)

少女等の歌劇演ずや降誕祭  栄太郎

クリスマスイヴに教会で行われる生誕歌劇。
少女たちの真剣な歌声が聞こえてくるようだ。



筆文字を楽しみながら賀状書く  亜仁子

日本文化の毛筆も書く人は少なくなった。
せめて年賀状だけは毛筆でという律儀な人。
Aniko Papp 選んでいただき、素晴らしいご鑑賞、ありがとうございます。
とても嬉しいですね。本当にそうですね。私は書道が下手ですが、
日本語で手で書くことが大好きですから、日本人の文通友達に賀状を書いています。



平成を勤め上げたる柚子湯かな   孝之

まさにご自分の勤めを振り返って実感の一句ですね。
原孝之 北野さん、こんにちは。ご選句と鑑賞有難うございます。
あと四ヶ月ほど勤めたら、平成の時代をすべて勤め上げたことになります。





(12/22)

シヤンプーの匂ひ殘して雪をんな  祐

逢瀬は大成功。私のところへも来て欲しいなぁ・・・・
牧内 登志雄 北野さん、特選ありがとうございます。
北野さんのところにも明日あたりに来そうですね。



(並選)

平成をしばし瞑想する柚子湯   孝之

柚子湯に浸かり平成をしみじみと振り返る。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
今、実際に柚子湯に浸かってきました。この香りは平成の最後の香りです。



凍星を絡めとりたる大樹かな   正則

大樹の上に輝く冬の星。中七が秀逸です。
何の木、何の星、と想像が膨らみました。
野島 正則 北野 和良 さん、選をいただきありがとうございます。
いろいろな星、木を想像してください。(^^)



冬ざるる王座陥落竜王戦   玉有良

羽生さん、とうとう無冠に。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます。
信じられないですね(*゜Q゜*)





(12/21)

平成の御代噛みしめる年忘   孝之

今年は平成最後の年となる。一年を振り返り新しい年に希望を託す忘年会も、
今年は一段と感慨深いものがある。
原孝之 北野さん、こんばんは。特選と鑑賞有難うございます。
昨日、平成最後の学科の忘年会でした。昨日は、忘年会にかまけて
投句出来ませんでした。忘年会中に俳句作りは無理でした!(笑)



(並選) 雪片に触れればほろと星になり   夢見昼顔

物理的にはあり得ないことだが、星になるというロマンチックな想像が楽しい。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。
雪の結晶をイメージしました



凍空や切り取り線の如き雁   真波

作者の詠む切り取り線の比喩には疑問もあるが、
鴨の群の姿が目に浮かぶ佳句である。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
点線の方がよかったかも?



暮れてより気付きし一事日短  征一

日暮れになってふとやらねばならぬ事があったと気づく。
明日できることは明日に回そう。
今村征一 北野さん御選句と鑑賞有難う御座います。





(12/20)

海鼠とて黙の矜持や磯の波  栄太郎

海鼠に託してご自分の心境を述べられたと読みました。
桑本 栄太郎 美音さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
見た目はグロテスクな海鼠でも、海鼠の身になって見れば
「言い分」があるのでは?と思いました。その措辞が「矜持」です。



(並選)

指させばそこに集まる冬銀河  房子

夜空を見上げてあれがオリオン、あれがカシオペアと
星座を探すのは楽しいですね。
熊谷房子 北野 和良 さんオリオン座は直ぐ分かるので
毎晩星を眺めています(笑)寒いです



裸木を透かして垣間見る未来   千秋

垣間見た未来はあかるいですか? 
季語を「枯木立」としても良さそうですね。
中野千秋 和良さん、ありがとうこざいます。
枯木立の方が自然ですね。ありがとうございます



白壁を覆ふ枯蔦我のごと  美音

絡みつく枯蔦(HAIKU)から逃れたい気持ちが溢れているようです。
下五「切り開き」はどうですか?
向瀬美音 北野さんありがとうございます!絡みつく古蔦は私なのです



冬至くる野に放たれるゴーンかな  俊文




(12/19)

君嫌ふ葱山盛りの麺を食む   夢見昼顔

食べ物の嗜好は人それぞれ。親戚に葱大嫌い男がいます。
当てつけるように葱を山盛りに!なんだかユーモラスです。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。時々意地悪になります(笑)



(並選)

菩薩とて寒紅引いて欲しからう  俊文

菩薩さまも俗心ありて口紅をご希望?
河野 俊文 北野 和良 さん、ありがとうございます。
奈良の法華寺の十一面観音菩薩は、うっすらと紅を引いていました。
室町時代の仏像です。昔も今も同じだな、と感じました。



遠ざかるほど薄墨に冬の山   孝之

墨絵の世界ですね。
原孝之 北野さん、おはようございます。
ご選句と鑑賞有難うございます。昨日、福岡市は快晴でした。
山々が山水画のように見えていました。近い山は黒く、
遠い山々はだんだん薄墨になっていく景色でした。



かりこりといぶりがつこや燗の酒  祐

秋田名物のいぶりがっこ。飲ん兵衛にはたまりませんね。
擬音が情景を蘇らせます。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
日本酒ではそのままいただきますが、ワインの時は
クリームチーズを塗るといい感じになりますね。





(12/18)

水仙花会釈交わしてゆたり咲く   夢見昼顔

日だまりに水仙の花の群れがそよ風に揺れている。
まるで女子会を開いているように。ゆたり、がいいですね。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。
星野立子の 〈水仙の花持ち心すなほなる
という句が大好きで、今の季節、毎日、水仙を眺めています
水仙て、あんなに措措としてるのに、強くて、海辺の強風にも負けないんですよね!
それでいてそんな強さを微塵も感じさせない、そんな花だと思います。
ゆたりには、そんな想いを託しました。



(並選)

せせらぎの音に傾ぐや実南天  栄太郎

真っ赤な南天の実が枝で揺れている。せせらぎの音に耳を傾けるように。
桑本 栄太郎 北野さん、原さん・・・大変有難う御座います!!。
京都市内高瀬川界隈の光景です。せせらぎに南天の赤い実がしなだれるようにあり、
川の向こうの喫茶店からお客さんと当方の両方より眺めていました。



後醍醐の千年桜注連作り  俊克

千年桜に供える新しい注連縄、心をこめて作っている。
大久保 俊克 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しいです。(*'▽')



決心のつかぬ我にも年の暮  美音

HAIKU管理継続にまだ悩んでいますね? 無理なさいませんように。
向瀬美音 今度の4号の反響で決めます。





(12/17)

西郷どんを迎へに冬の星の使者   孝之

大河ドラマ西郷どん最終回で、戦死した西郷隆盛は
赤い星(火星)になったと人々が噂したとあった。
西郷どんの魂は星の使者に迎えられ火星になったのだ。
原孝之 北野さん、こんばんは。特選と鑑賞有難うございます。
西郷隆盛は、別府晋介に介錯を頼み、切腹死していますが、
昨日のドラマは銃弾にて倒れるようになっていましたね。
大河ドラマは往々にして脚色しますね。西郷星になったという話は
知りませんでした。何句、西郷どんで詠んだことか?
来年は金栗四三ですね!熊本県玉名市の生まれですね。



(並選)

正義漢ぶる男をりおでん酒  紀宣

おでん酒を飲みながら義憤にくれる男。よくありますね。
つちたに jt 純一 北野さん、並選に選んで頂きありがとうございます。
また素晴らしい鑑賞ありがとうございます。
北野さんのおっしゃるようによくある光景です



冬麗や入り江離るる鳶の笛   真波

下五がいいですね。鳶の舞っている姿が見えました。



粗に咲いてそれが満開冬ざくら  征一

確かに冬桜はそんな風に咲きますね。
今村征一 北野さん御選句と感想有難う御座います。





(12/16)

風呂吹や尾鰭のつきし艶話   満徳

艶話に尾鰭がついて大げさに。そんな噂で酒が一段と進みますね。
永田 満徳 共感して頂きありがとうございます。



(並選)

裸木のごと古暦一枚に  美音

私は日めくりを使っていて、一枚一枚剥がしていくのが快感です。
向瀬美音 快感^^  北野さん、ありがとうございます!



電線に音符のやうに寒雀   正則
寒雀の一群が電線に一列に。壮観です。
野島 正則 北野さん、選をいただき嬉しいです。
ありがとうございます。



手袋を織り終へる頃来る別れ  直

近頃の若者はドライなのか諦めが早いのか。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。
嬉しく存じます。それほどに醒めている感じなのかな。





(12/15)

女子会にコートカシミアさりげなく   夢見昼顔

今度の女子会にと気張って買ったカシミアのコート。さりげなく着ていこう。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。女はいつまでも見栄っ張り



(並選)

街の角ひとつ曲がれば空つ風  祐

温いと思っていたのにビルの角を曲がると空っ風。
思わずコートの襟を立てた。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。
北の乾いた風が冷たい日でした。



山の端の水色空や片しぐれ  栄太郎

時雨が降ってきたが、遠くの山の端には青空が。京都特有の天候だ。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
自分のすぐ上の頭上は時雨が降っていても、彼方の山の端は
水色の空を覗かせていました。特有の片しぐれですね?



さまざまな形の雲と日向ぼこ 孝之

遅くなりましたが、並選に頂きます。雲を眺めて日向ぼこ、
複雑系の理論は雲の観察からスタートしたようです。
複雑系とは何か
原孝之 北野さん、こんにちは。ご選句と鑑賞有難うございます。
昨日、福岡市はポカポカの日向ぼこ日和でした。
いろんな形の雲が空にあり楽しめました。北野さんのように
複雑系の理論の思索を深めていたわけではありません。
単純系の感動に浸ってました!(笑)





(12/14)

義士の日や辺野古の海の濁りけり  俊文

政府は沖縄県民の意向を踏みにじり辺野古の埋め立て工事に踏み切った。
今日は奇しくも赤穂浪士討ち入りの日だ。
河野 俊文 北野 和良 さん、嬉しい特選ありがとうございます。
まさしく辺野古への土砂の投入の日が討ち入りの日です。
沖縄へは何度か訪問していますが、基地問題は地元の人にとって切実ですね。



(並線)

供へれば晴るる赤穂や寒椿   玉有良

吉良の首を落とし藩主の墓前に供えた。
故郷赤穂の藩民の気持ちはやっと晴れたことだろう。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます



吊つてより降らねばならぬやうに雪   征一

雪吊りを張り終えたら待っていたように雪が降り始めた。
今村征一 北野さん御選句と鑑賞有難う御座います。



路地裏に消えゆく二人夕時雨   満徳

時雨に濡れながら二人は何処へ行くのか、ストーリー性がある。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
ここは読み手にお任せしましょう。





(12/13)

底冷の「災」と決まりし漢字かな  栄太郎

2018年、今年の漢字。来年は明るい文字になりますように。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
昨年は連続酷暑日、大阪北部地震、北海道胆振地震、広島愛媛の豪雨水害など、
又明らかに人災と思える事故など「世も末か?」と思う程でした。
来年は明るい文字になりますよう祈るばかりです。



(並選)

葉牡丹や星の雫を受け止めむ   夢見昼顔

星の雫に惹かれました。
岩永静代 北野 和良 さま、涙としようかと思ったのですが、
それよりもキラキラと光る星のようだったので。
ありがとうございます。



青空の底をくすぐる冬芽かな   真波

青空の底、着眼点に脱帽です。
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
急降下する鳥をみていて、おもいつきました。



反り返り空を見据える冬木の芽  孝之

和毛に包まれた猫柳の芽を思い浮かべました。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
この冬木の芽は桜です。キャンパスの桜は殆ど枯木になってきましたが、
冬木の芽は既にしっかりと空を向いています。
落ちた葉の個所からも次第に芽が出てきています。
早く散った葉の個所からはもうたくさんの芽が出ております。





(12/12)

わたくしのどこかにも居る雪女郎   真波

雪女郎という季語は美しいが怖い女というイメージを持っている。
そんな雪女郎が私の心の片隅にも潜んでいるという自覚。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
半分くらい占めてるかも? です



(並選)

風神の不思議な仕業鎌鼬  亜仁子

鎌鼬と風神を結びつけたところがユニークだ。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。
嬉しいですね。



山茶花が散る大胆に奔放に   千秋

山茶花が豪快に散るのを見て、自分もそうありたいと願ったのだろうか。
中野千秋 北野 和良さん。ありがとうこざいます
山茶花は惜しみなく散りますね^_^



風囲順番待ちの保育園   果連

政府が笛吹けどなかなか実現しない待機ゼロ問題。季語の斡旋が秀逸。
川崎 果連 北野さん、ありがとうございます。光栄です。^_^ 果連





(12/11)

だけかんば天衣無縫の冬支度  たけし

高い丈の落葉樹だけかんば。中七が面白いです。
小林 たけし 北野 和良 さん ありがとうございます。
北海道ニセコへ行ってきました



(並選)

杉玉の新酒知らせし酒の郷   幸

青い杉玉が掛かると新酒の合図。酒好きが待っていた瞬間。
Sachiko Yokoi Hayashi 北野様 お選びくださいましてありがとうございます
杉玉も書物でしか知らない関東平野育ち!
全てが珍しく杉玉を写メった昔……
新酒の気配さえ愛おしくなりました!



梢より冬木となりぬ庭の木々  栄太郎

梢から順々に葉が落ちていく細やかな観察が活きている。
桑本 栄太郎 北野さん、野島さん、永田先生・・・大変有難う御座います!!。
高層団地の住まいの我が家から見る庭木がとても高く、
上の部分がすでに殆ど冬木状態となりました。



初霜をわざわざ歩くスニーカー  双葉

新しいスニーカーが濡れてもへっちゃら。子供は何でも遊びにしてしまう。
新名勝之 ありがとうございます。
「わざわざ」の是非が不明ですが、良い情景は詠めたかなと思います。





(12/10)

堕落せし我が身を憂ふ漱石忌  美音

漱石の偉大な文芸活動と比べ、
仏語翻訳ロボットと化した我が身を嘆いているのだろうか?
向瀬美音 kuku,北野さん、ありがとうございます!私もエクセルデビューです



(並選)

着ぶくれてはみ出す肩や二人傘  祐

相合い傘の肩を濡らす冷たい雨(雪)。着ぶくれていれば尚更に。
牧内 登志雄 北野さん、並選ありがとうございます。



極月や挨拶廻りにカレンダー   正則

現役時代、年末に顧客回りをしたことを思い出します。
野島 正則 北野さん、選をいただき嬉しいです。
年中行事とはいえ、重たいです。



炬燵据へ円周上にものを置く   夢見昼顔

すべての物を手の届く範囲に置いて。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。ずぼらです(爆笑)





(12/09)

日の雫星の雫と銀杏散る   真波

日の雫星の雫、の措辞が幻想的で素晴らしい。
石井 真奈美 北野さん、特選にお選びいただきありがとうございます。
こちらは今ちょうど、銀杏が盛んに落葉しています。美しいです。



(並選)

声ひとつ増えて温もる冬座敷   夢見昼顔

人間は一人100ワットを発熱するという。
お仲間が増え話が弾むとポカポカとなる。
岩永静代 北野 和良 さま、ありがとうございます。
ホントに嬉しいです



初雪やあらゆるものの角とれて   千秋

雪が積もると四角い石も丸くなる。愉快な観察ですね。
中野千秋 北野 和良 さん。ありがとうこざいます



枯萩の刈るをためらふ空模様   孝之
北野 和良 原孝之 さん、遅くなりましたが並選に頂きます。
庭仕事も大変ですね
原孝之 北野さん、こんにちは。ご選句と鑑賞有難うございます。
庭は荒れ放題です。枯萩を刈るのは半日仕事です。
刈ったあとに細かくしてビニールのコミ袋に入れます。
少し長い枝では、袋に穴が空きます。昨日は寒くて枯萩刈りは躊躇いました。





(12/08)

うつし世の海の荒ぶや開戦日  栄太郎

太平洋戦争の開戦日、70有余年経った今、海はまた荒れて
多くの国に自国主義の波が襲いかかっている。
(今日は開戦日の句を採らせて頂いた)
桑本 栄太郎 大津留さん、北野さん、原さん永田先生、AkieEguchiさん・・
大変有難う御座います!!。折しも昨日は太平洋戦争の開戦日でしたが、
中国はもとより我が国の現在もあの大戦を忘れて戦争へと突っ走るのでは?
と思わされる不気味な潮流です。戦争体験者が少なくなりつつある現在、
平和のありがたみを噛みしめ、しっかり守って行かなければなりません。
平和は与えられるものではなく、人類が意識して育てて行くものですね?



(並選)

イマジンの静かに聞こゆ開戰日  祐

イマジンを聞きながら自国第1主義のはびこりだした世界情勢を憂いている。
(今日は開戦日の句を採らせて頂いた)
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
今朝のラジオ(メディア)では今日が開戦日だと触れていませんね。
日本にとって最後であったはずの開戦日、忘れてはいけない日だと思います。



わだつみの声きく浜べ開戦日   孝之

海神の声を聞きながら虚しく散っていった英霊に思いを馳せている。
(今日は開戦日の句を採らせて頂いた)
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
真珠湾攻撃の日、父は33才、母は29才でした。その2年後に、
35才の父に赤紙が来ました。真珠湾攻撃から77年にもなりますね。



安穏の十二月八日曇り空   真波

開戦日、一見安穏に見えるが空は曇り世界情勢の見通しは明るくない。
(今日は開戦日の句を採らせて頂いた)
石井 真奈美 北野さん、ご選句ありがとうございます。
不穏なこの頃、いつの時代も隣国には悩みさせられますね。





(12/07)

飛石の一つひとつに年惜しむ   満徳

石投げの石が水面を跳んでいく。一跳び一跳びごとに
あんな事があった、こんな事もあったと今年の出来事が思い出される。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
新年が近付いてくる気分を詠みました。



(並選)

寄鍋の南と北の奉行席  無智
江戸時代には南北の奉行所が一月交代で事件を分担していた。
寄せ鍋を囲んだら、なんと二人が鍋奉行を名乗り出た。さぁ、どうしよう。
福井 栄一郎 北野さん、岩永さん、選んで頂き有り難うございます。嬉しいです。



さまざまな想い霧氷の滑走路   美音

霧氷の中を飛行機は離陸する。テレサ・テンの「空港」を思い出す。
向瀬美音 北野 和良ありがとうございます





(12/06)

又けふも田舎土産や大根炊く  栄太郎

田舎の土産にもらったたくさんの大根。今日も又炊くが一向に飽きないのが不思議。
桑本 栄太郎 北野さん、今村さん・・・大変有難う御座います!!。
過日家内が田舎への車で行き、田舎土産に沢山野菜を貰って来ました。
大根も沢山あり、手を替え顔を替えて大根料理です。
冬は大根が美味しくなるとは言え、連日のようではね??。



(並選)

凩に我の帽子は鳥となり  風精

ピューッと吹く木枯しに帽子を飛ばされた。鳥となり、が面白い。
藤野富士雄 北野 和良 様、ありがとうございます。
帽子に翼が生えたかと思うくらいに飛びました



大自然生み出すアート氷柱かな  亜仁子

氷柱、まさに大自然のアートだ。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。
嬉しいですね。



枯木星舞ひ降り白き実を宿す   孝之

木の間越しの星の光が生み出したような白い実、何の実だろうか。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
ナンキンハゼの実です。





(12/05)

隕石の真砂食らひし海鼠かな   直美

科学的に考察すれば何の根拠もないと読むしかないが、
あの得体の知れない姿の海鼠と隕石の真砂を取り合わせた
奇妙奇天烈な発想に脱帽です。
高井 直美 北野 和良 さん、おはようございます。
特選とご選評を頂きありがとうございます!とても嬉しいです。
どうぞ良い一日を



(並選)

毛糸編む決して触れてはならぬ人   美音

切ない片恋、それでも編まないではおられない・・・
向瀬美音 ありがとうございます!編まないではいられない



デンマーク男もすなる毛糸編み  沙羅

デンマークの習俗は知らないので真偽は不明。
紀貫之の土佐日記を思い出しました。
長井美佐子 北野 和良 さま、ありがとうございます。
特に靴下は男性も編みます。



老いてなほネバーギブアップ枯野人   孝之

三浦雄一郎氏の冒険のことだろう。
(枯野人という季語を初めて知り勉強になりました)
ただ、老いと枯野人とはイメージが近いので、上五に推敲の余地があるかとも。
原孝之 北野さん、こんばんは。ご選句と鑑賞有難うございます。
私の友人の生化学者のモットーが「ネバー ギブアップ」です。
私も友人に負けぬようにやってきたつもりですが、、。
北野さんの仰るように付き過ぎ句ですね!





(12/04)

忽ちに木の葉に化ける風小僧   孝之

風小僧が木の葉に化けるという発想、とても共感できます。
原孝之北野さん、こんばんは。特選と鑑賞有難うございます。
本日、福岡市は最高気温26℃の12月観測史上最高記録を作りました。
82年ぶりの記録更新でした。ただ、風は強く、木の葉が石畳を
凄いスピードで走っていました。風小僧は昔の懐かしいドラマですよね!
山城新伍は北野さんの少し上になりますかね?



(並選)

海ゆかばつい口すさむ年忘れ   夢積

海ゆかば水漬く屍、懐かしい歌を合唱する同窓会。



剪定の急かずとも良し散る紅葉  栄太郎

散る紅葉を無視して選定をする人間の都合の傲慢さ。



片時雨だらりの帯をひるがへし  玉有良

突然の時雨にあわててだらりの帯を翻して小走りの
舞妓さんの姿が目に浮かびます。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます





(12/03)

落葉踏み朝の日課の三千歩   夢積

日常生活を淡々と詠まれている達意の人のようだ。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)

朝靄の垣根に灯る冬薔薇  風精

中七垣根に灯る、が素敵です。
(風精さん初めまして。ネット句会へのご参加有難うございます。
この互選欄へ書かれる場合は、他の方に習って
句と俳名を一行に書くようお願いします。)
藤野富士雄 北野 和良 様、御指摘ありがとうございます。
以後気をつけます。



手を挙げて走りゆく子や寒稽古  無智

寒稽古、柔道か剣道かそれとも。元気な子どもたちの声がきこえてきます。
福井 栄一郎 北野 和良 さん、選んで頂き有り難うございます。嬉しいです。



初デート箸つけられぬ菊白子  静代
菊白子を平気で食べると飲ん兵衛と思われはしないかと?
岩永静代 北野 和良 さま、はい!(笑)それにちょっと見た目が・・・
今じゃ、我先に食べますけど(爆笑)





(12/02)

梟の知恵借りに行くプチ起業  沙羅

(主婦の始めた?)プチ起業、中身は分からないが、
梟の知恵を借りるという設定が愉快だ。
長井美佐子 北野 和良 さま。ありがとうございます!
60歳を過ぎて、ネットショップを初めました。嬉し恥ずかしの毎日です



(並選)

大根の最後のひとつおでん鍋  祐

鍋に最後に残っと大根、たっぷりと汁を吸って美味しそう。
牧内 登志雄 北野さん、ありがとうございます。
好物を最初に食べるか最後に食べるか。私は両方。
最初にはんぺん、ちくわぶは欠かせません。最後に大根。酒が旨いです。



電飾の青に吸ひ込まるる聖夜  美音

Xmasイルミネーション。青に吸い込まるるが雰囲気たっぷり。
向瀬美音 ありがとうございます!!あそこです六本木の蔦屋のとこ



天守より見下ろす堀に鴨の群   正則

故里の姫路城を思い出しました。
野島 正則 北野 和良 さん、選をいただき嬉しいです。
お城のお堀、共感いただき、ありがとうございます。





(12/01)

河豚提灯吊つて昭和を商へる   征一

河豚提灯と言うから屋台か小さな居酒屋だろうか。
年老いた亭主が頑固に商いを続けている景色が見えます。
今村征一 北野さん特選と的確な鑑賞まことに有難う御座います。



(並選)

MRIジジイジジイと冬の虫   夢積

検査でMRIに入ったら、ジイジイと虫のような機械の音。結果が良と出ますように。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、手術で治るそうです。



火と燃ゆる満天星つつじや冬もみじ  栄太郎

満天星つつじが真っ赤に燃えるように紅葉した。共感します。
桑本 栄太郎 北野さん・・・満天星躑躅が燃えるような緋色が、
哀しくなるほどの色ですね!!。



安曇野の夕日いざなふ木守柿   草民

広々とした安曇野の景色。中七がとてもいい感じです。
山野辺 茂 北野さん、ありがとうございます。












            0 本家ホームページへ