![]() 前回の続きで、#22 平等寺--#23 薬王院 を歩くことにした。(11/30−12/01) (#20鶴林寺と#21太龍寺は山登りがきついのでパスした) JR牟岐線、新野駅まで行き、そこから#22 平等寺を目指して歩き始めた。 駅を出て、いかにも遍路道らしいひなびた道を西へ向い、 桑野川を越えると平等寺が山裾に見えてきた。 |
![]() 平等寺の門前には石造りの立派な寺標があった。 山門の仁王像も迫力がある。 山門をくぐると太子堂が見え、正面の石段(男坂、女坂)を登ると本堂に。 蹲(つくばい)の水の中に南天の枝・実が沈められていて風情があった。 空井戸には竹の蓋がされ、ギボシで押えられていた。 寺伝によれば、空海がこの地で厄除け祈願をすると5色の雲がわき金剛界大日如来の梵字が浮かんだ。 さらに薬師如来が現れたので、その場で錫杖で井戸を掘ると乳白色の水が湧いた。 その水で身を清め百日間の修行をした後薬師如来を刻み、堂を建てて本尊として安置したのに始まるという。 お参りを済ませてから、桑野川の岸辺で徳島駅で買った昼飯の鮓を食べた。 サバ、アジ、ぼうぜなどとても美味しかった。 ![]() ![]() |
![]() 平等寺から南へ山道の遍路道を歩く。 50分ほどして、月夜御水庵に着く。 新野町から南へ通じる県道山口鉦打線を約1km行くと月夜坂がある。 この月夜坂のふもとに、御水大師庵がある。 【月夜御水太師】 昔、弘法大師さまが四国修行のおり、ここに足をとめられ、手を洗おうとされたが、あたりに水がなかったので、山の岸をつついたところ清らかな水が湧き出た。それで身体を拭いたところ元気になられた。 その後各地から諸病の「大師加持水」として使うようになり、お水大師と伝えられるようになった。 弘法大師さまは裏山で三日月がかかっていたので野宿することになった。 やがて三日月は山の向うへ入り光がなくなった、そこで弘法大師さまは一心にお経を唱えたところ三日月さんは元に戻り一夜を過すことができた。そこで地名を月夜と名付けられたと伝えられた。 【月夜御水太師の大杉】 高さ約31m、幹の回り約6.2m、樹齢約1000年と伝承されている。県内でも数少ない大杉である。 すべての枝は一度下を向いてから上に伸びていることから、別名逆杉といわれている。 伝説によると、弘仁2年(811)弘法大師さまが当地で薬師如来・不動尊を刻み、その杉を後世に残すため、枝をさしたものだといわれている。( 昭和44年7月18日 天然記念物 市指定 ) 月夜御水大師の庵はとても古くあまり手入れもされていないようだった。 |
![]() 月夜御水太師を過ぎ山を下ると福井川に出る。 本来の遍路道はさらに山を越えて薬王院(日和佐)へ向うが、 省略して、東北へ向いJR阿波福井駅へ。(50分ほど) 途中の山の紅葉が鮮やかだった。 看板が立っていて、 「四国八十八ヶ所遍路道 ゴミの不法投棄をなくし、 世界文化遺産登録を 目指しましょう」 とあった。 JR阿波福井駅で汽車に乗り、日和佐の一つ手前、北河内駅で下車。 北河内川に沿って30分ほど歩くと日和佐の町、右手の山裾に薬王院、 左手の山の上には日和佐城が見えてきた。 門前・商店街の桜のデザインの街灯が可愛らしい。 日和佐城の周辺は桜の名所のようだ。 |
![]() #23 薬王院は、吉川英治の小説『鳴門秘帳』の舞台として有名であり、その石碑がある。 また司馬遼太郎の『空海の風景』にも記述があり、その一節を書いた石碑もある。 前回回った時にこの石碑を見て、家に帰ったあとで小説を読んだことを思い出した。 女厄坂、男厄坂を登り本堂で参拝する。 さらに山の上には、瑜祇塔がそびえているのが見えた。 観音菩薩の銅像、町天然記念物の大楠(二本)なども。 境内の紅葉が色づき見事だった。 下を見下ろすと日和佐の街並み、その向こうには日和佐城や日和佐港が見えた。 二つのお寺の参拝が終わったので、今夜は日和佐で泊まり、 明日は日和佐の街を探訪することにした。 ![]() ![]() |
![]() 日和佐の町は、「ウミガメの来る町」として有名だ。 以前NHK朝ドラ『ウエルかめ』の舞台にもなった。 海岸に「日和佐うみがめ博物館」があったので見学した。 ウミガメに関して色々な展示があり、養殖しているウミガメも水槽の中で泳いでいるのが見えた。 日和佐の町はそれほど広くはない(一巡り一時間程度?)が、昔の城下町としての雰囲気と 港町の風情を感じさせる町だった。 歩いていると大通りに「南阿波丼」と書いた幟が目に着いた。 TVニュースでもこの名前を見た記憶がある。 駅近くの道の駅に戻り、観光案内所で尋ねたら、 この週末(12/3-4)に行われるイベントの幟で、今日はまだ食べられないという。 あきらめて近くの食堂に入ると、和風バイキングが950円があった。 和風(家庭料理風)のおかずがたくさん並んでいてお代わり自由の食べ放題。 おでんやデザートもあり、地元の人も楽しんで食べていた。 ![]() ![]() 食事を終り、土産物を買い、JRで帰宅した。 |