王子散歩                     2007/05/11

JR東北線・王子駅、JR山手線・駒込駅、この辺りは江戸中期に開けた街のようだ。
八代将軍吉宗が江戸の庶民が花見をして遊べるようにと飛鳥山に桜を植え、
花見の時期には桜の木の下での食事、酒、音曲を許したのがきっかけとなったのだろうか?
今も飛鳥山公園は桜の名所だ。
明治に入ると、政府の要人たちの別荘地ともなっている。

王子駅のすぐ傍には音無川公園があり、少し歩くと名主の滝公園がある。
都会の真ん中に、うっそうと木が茂り滝の流れる公園があるのは、貴重な財産だ。

  
(名主の滝公園)

少し歩いたところに 王子稲荷神社 がある。
この神社は、お稲荷さんの関東の元締めのようなものだといい、二月の初午の日は大変な賑わいだという。

  
(王子稲荷神社)

昔から起伏の多い場所だったようで、随所に坂がある。

  
(三平坂)       (王子稲荷の坂)

蕎麦屋(越後屋)もなかなか雰囲気もあり美味しい蕎麦を食べさせてくれる。
王子神社も古い歴史を持つ神社だ。 「元亨二年(1322年)に熊野より当社を勧請。 これより王子の地名が生まれる。」とある。
この神社の境内には「関神社」と「毛塚」があった。
「髪の祖神」 関神社由緒略記
これやこの 行くも帰るも わかれては    知るも知らぬも 逢坂の関
の和歌で有名な蝉丸公は延喜帝の第四皇子。
髪の毛が逆毛であるゆえ嘆き悲しむ姉君のために、「かもじ・かつら」を考案し、
「神の祖神」として滋賀県大津の逢坂山の「関蝉丸神社」に祀られ、
江戸時代に「かもじ業者」たちが中心となり、この王子神社境内に奉斎した。

毛塚」の由来
釈尊が多くの弟子を引き連れて祇園精舎に入られたとき、貧女が自らの髪の毛を切り、油に変えて献じた光が、
大突風にも消えることなく煌々と輝き、世に貧女の真心の一灯として 髪の毛の尊さと共に、毛髪最古の歴史なりと言い伝えられる。

毛髪を取り扱う我々業者は、毛髪報恩と供養のために、毛塚の塔を建立し永く報恩の一助とする。
東京人毛商工組合・東京床山協会・東京かつら協会・関西かつら協会(昭和36年)』

  

飛鳥山公園の側の大通りには、都電荒川線 が走っている。

  

渋沢栄一の史料館もあり、西村声望氏の平和の女神像が建っていた。

  

道を南へ取ると、旧古河庭園 や駒込駅、駅の更に南には 六義園(柳沢吉保の屋敷跡) がある。