埋め字(復刻版)    2016 December        トップへ   



   12月後半 【埋字で一句】

【投句】 15日(木)0:00ーー
投句の【お題】
@いくたびも○○○○○○○○○○○○
A○○○○○ただひたすらに○○○○○
B○○○○○○○○○○○○ありどころ

※お題を上五、下五、中七に持ってきても、句跨りでもいいとする。
※ただし、有季定型。当季。
※○を埋めて、一句にする。




(12/16)

短日やただひたすらに球を打つ  和1      雪催ただひたすらにキー叩く  和2
冬の空ただひたすらに流星を  和3      いくたびも筆を重ねる冬景色  和4
いくたびも歳末セールに目を通し  和5      いくたびも千両箱の夢を見て  和6
いくたびも羽子板市の品選び  和7      春を待つポインセチアのありどころ  和8
いくたびも杯を重ねて年忘れ  和9      いくたびも稿練り直す年賀状  和10

ひたすらに健勝願ひ賀状書く  和11      いくたびも筆を停めては賀状書く  和12
いくたびもプラン書き換え冬の旅  和13      旅のバスただひたすらに冬の湯へ  和14
いくたびも指折り数ふクリスマス  和15      いくたびも山茶花の蕊眺めをり  和16
師と弟子のただひたすらに枯野ゆく  和17      季語探しただひたすらに詠の冬  和18
冬安居わが魂のありどころ  和19      ラジオからただひたすらに冬の歌  和20

いくたびも禁煙誓ひ年の暮  和21      いくたびも家計検算年の暮  和22
いくたびも北方の島春を待つ  和23      マスクしてただひたすらに治るまで  和24
いくたびも歳時記を繰り冬の季語  和25      目を凝らすただひたすらに冬相場  和26
髪覆いただひたすらに掃納  和27      手を合わせただひたすらに除夜の鐘  和28
いくたびも悴む指に息をかけ  和29      いくたびも狙い糺すや射場始  和30

(12/17)

いくたびも腕時計見る雪女  和31      いくたびも押し競饅頭押し出され  和32
蓮根掘るただひたすらに泥の中  和33      鉢叩きただひたすらに踊る僧  和34
初時雨ただひたすらに駅に待つ  和35      いくたびも献金をする社会鍋  和36
流行風邪ただひたすらに内籠り  和37      山の国熊穴に入るありどころ  和38
いくたびもお代わりをする冬至粥  和39      豊作やただひたすらに大根干す  和40

冬凪やただひたすらに浮き見つめ  和41      いくたびも餌付け替える冬の釣  和42
水垢離しただひたすらに神迎  和43      いくたびも誘い合わせて鮟鱇鍋  和44
悪戯ならただひたすらに神の留守  和45      顔見世やただひたすらに花道へ  和46
いくたびも工夫を凝らす雪囲  和47      いくたびも空を見上げて雪下ろし  和48
いくたびも坊っちゃんと遭う漱石忌  和49      いくたびも熊手欲しいと子がねだり  和50

寒鴉餌待つ枝のありどころ  和51      冬ざるる平和条約ありどころ  和52
寒鰤や競り市の値のありどころ  和53      初雪やただひたすらに傘に積む  和54
クリスマス仏徒神徒のありどころ  和55      里神楽ただひたすらに鈴を振り  和56
いくたびも初時雨には泣かされて  和57      冬銀河私の星のありどころ  和58
いくたびも踏みて遊びし霜柱  和59      いくたびも諦めてきし冬の山  和60

いくたびも三日坊主の日記買ふ  和61      山茶花やただひたすらに陽に向かひ  和62
寒椿ただひたすらに待つ阿弥陀  和63      いくたびも指を数えし年の餅  和64
ずわい蟹ただひたすらに身をせせり  和65      いくたびも炬燵麻雀夜明けまで  和66
いくたびも隼人瓜植え大豊作  和67      いくたびも霜夜に目覚め浄土かと  和68
いくたびも寝酒の宛にチーズ巻き  和69      茶の花やただひたすらに床に活け  和70

(12/18)

いくたびも化野にに見ゆ狐火を  和71      くだら野をただひたすらに歩みけり  和72
息白し飛びしボールのありどころ  和73      いくたびも構想を練る青写真  和74
温石をただひたすらに握りしめ  和75      いくたびもお礼を述べる火事見舞い  和76
空腹やただひたすらにきりたんぽ  和77      スケートや転びつく手のありどころ  和78
焼き鳥屋ただひたすらに串回し  和79      いくたびも買ひ替へてゐる冬帽子  和80

いくたびも見し鮟鱇の吊るし切り  和81      目張りせむただひたすらに倦怠期  和82
大師講ただひたすらに真言を  和83      一茶忌や俳の心のありどころ  和84
藁仕事ただひたすらに槌の音  和85      空っ風ただひたすらに衿を詰め  和86
いくたびも立ち昇りたる冬の霧  和87      二色混ぜただひたすらに毛糸編む  和88
いくたびも雪靴の紐締め直し  和89      凍鶴やただひたすらに二羽の舞ひ  和90

いくたびも悔いを噛み締め根深汁  和91      いくたびも般若心経寒参  和92
カラオケでただひたすらに雪椿  和93      冬北斗日本武のありどころ  和94
真魚鰹ただひたすらに群れを追ひ  和95      青木の実ただひたすらに赤く照り  和96
むささびやただひたすらに宙を飛び  和97      いくたびもヘマを隠して頬被  和98
盆栽やただひたすらに松手入れ  和99      産毛の芽ただひたすらに春を待つ  和100


冬いちごただひたすらに紅さやか  和101      いくたびも故郷想う年の暮  和102
神田川ただひたすらに紅葉散る  和103      初場所へただひたすらに四股を踏む  和104
生姜掘る連想力のありどころ  和105      いくたびも枝を払ひて楮蒸す  和106
いくたびも断酒を誓ひ春を待つ  和107      沢庵漬ただひたすらにポリポリと  和108
釜茹でをただひたすらにずわい蟹  和109      運試しただひたすらに酉の市  和110

寒昴ただひたすらに星を統べ  和111      いくたびも魂を震わす虎落笛  和」112
冬座敷主人と客のありどころ  和113      冬の空七つの星のありどころ  和114
サッカーのただひたすらに球を蹴る  和115

(12/19)

寒椿凛と誇りのありどころ  和116      いくたびも念を入れたる煤払い  和117
年用意ただひたすらに妻の下知  和118      出稼ぎやただひたすらに郷を恋ふ  和119
闇汁や入れた卵のありどころ  和120

朝市やただひたすらに寒の鰤  和121      いくたびも矯めつ眇めつずわい蟹  和122
いくたびもシャッターを押す冬景色  和123      羽子板市女都知事のありどころ  和124
いくたびも姿妖しきカトレアを  和125      いくたびもミルクをまぶし冬苺  和126
いくたびも宝石ならばと龍の玉  和127      万両やただひたすらに葉の陰に  和128
顔見世やただひたすらに目千両  和129      冬芽立つただひたすらに風に耐へ  和130

いくたびも火事と見紛ふ冬茜  和131      風呂吹や秘伝は味噌のありどころ  和132
いくたびも熱燗喉に味合わせ  和133      消防車ただひたすらに待ち続け  和134
いくたびも狸汁だと騙されぬ  和135      いくたびも炭を注ぎ足す火鉢かな  和136
火吹き竹ただひたすらに息を吹き  和137      村のためただひたすらに池普請  和138
試合前ただひたすらに薬喰  和139      炉開きやただひたすらに主客真似  和140

(12/20)

いくたびもスイングバイす冬銀河  和141      慰霊祭ただひたすらに鶴を折り  和142
冬休みデートする日のありどころ  和143      新種増えポインセチアのありどころ  和144
いくたびも北窓塞ぐ小舞竹  和145      大雪やただひたすらに報漁る  和146
いくたびもご快癒を天皇誕生日  和147      冬至梅ただひたすらに蕾増え  和148
経唱ふただひたすらに報恩講  和149      茶の花のただ一輪のありどころ  和150

いくたびも一筆入魂年賀状  和151      冬銀河ただひたすらに詩の宙を  和152
冬木立ただひたすらに紅の芽を  和153      冬北斗ただひたすらに流離ひぬ  和154
浮寝鳥ただひたすらに友探し  和155      寒苦鳥ただひたすらに巣を作る  和156
寒苦鳥ただひたすらに精進す  和157      鷦鷯ただひたすらに尾を上げる  和158
枯忍侘しいさまのありどころ  和159      枯芝や落ちたボールのありどころ  和160

冬の鹿ただひたすらに泣きなさい  和161      ほうぼうやただひたすらに鳴くといふ  和162
都鳥ただひたすらに母を恋ひ  和163      鯛焼や入れたバッグのあろどころ  和164
鯛味噌の買ったはずだのありどころ  和165      手足荒るただひたすらにスキンケア  和166
竹馬やただひたすらに足運び  和167      いくたびもお湯を足しつつ葛湯かな  和168
柴漬けや戸棚の隅のありどころ  和169      いくたびも被り直すや雪帽子  和170

冬鴎ただひたすらに見送らむ  和171      スケボーやただひたすらに駆け降りて  和172
いくたびもジャンプ台から冬空へ  和173      熊祭ただひたすらにカムイ伝  和174
ペーチカやただひたすらにバラライカ  和175      落葉踏むただひたすらに哲学の道  和176
いくたびも枯葦と吾を見比べぬ  和177      いくたびも冬木の桜吉野山  和178
いくたびも採っては捨てる冬の草  和179      いくたびもイルカのジャンプ大洗  和180

天狼や大三角のありどころ  和181      オリオンやただひたすらにキャンディーズ  和182
夜咄やただひたすらに腿つねり  和183      寝酒とやただひたすらに養命酒  和184
鰭酒やただひたすらに吹き冷ます  和185      寒菊や媚びぬ心のありどころ  和186
いくたびも飛翔反転冬鴎  和187      いくたびも輪を描きをる浮寝鳥  和188
いくたびも丸齧りせし冬林檎  和189      いくたびも舌の痺れし冬山椒  和190

初神楽巫女振る鈴のありどころ  和191      着ぶくれてただひたすらにガムを噛む  和192
冬扇や窓際族のありどころ  和193      大根をただひたすらに恥じてをり  和194
スケーターただひたすらに四回転  和195      スキー滑るただひたすらにボーゲンで  和196
いくたびもターン重ねるスキーヤー  和197      ジャケットの胸のバッジのありどころ  和198
蕎麦掻をただひたすらに信州路  和199      冬の蚤ただひたすらにハイジャンプ  和200   (暫し休憩)


(12/21)

宙を航くただひたすらにオリオンへ  和201      いくたびも補給船ゆく冬銀河  和202
いくたびも蕎麦掻食ひに信濃路へ  和203      冬至粥大納言豆のありどころ  和204
駅伝やただひたすらに息白し  和205      煤払いただひたすらに捨てる神  和206
いくたびもカタログを読むずわい蟹  和207      いくたびも口喧嘩して生姜味噌  和208
いくたびも家出のふりでアノラック  和209      いくたびもノコギリヤシの薬喰  和210

煤払いただひたすらに玻璃磨き  和211      いくたびも仲直りして煤払い  和212
いくたびも手元確かめ牡蠣を剥く  和213      いくたびも土鍋買ひ替え三平汁  和214
いくたびも声聞き惚れる鷦鷯  和215      いくたびも高さ確かめ注連飾り  和216
足よろけただひたすらに薬喰  和217      深大寺ただひたすらに福達磨  和218
藁叩きただひたすらに注連飾り  和219      いくたびも片目で終わる福達磨  和220

炉開きや正客の座のありどころ  和221      いくたびも灰を均して囲炉裏開く  和222
いくたびも歌詞繰り返す冬椿  和223      いくたびも顔思い出し年賀書く  和224
いくたびも遍路の旅の伊予蜜柑  和225      いくたびも蜜柑は伊予と有田競り  和226
いくたびも年末賞与の夢を見る  和227      飾売ただひたすらに声高く  和228
いくたびも古き日記を読み返し  和229      紙鳶ただひたすらに風に乗り  和230

いくたびも冬に集まり囲碁談義  和231      いくたびも門松の立つ丸の内  和232
いくたびも終大師の写経かな  和233      終大師ただひたすらに念仏を  和234
王子の狐火の噂いくたびも  和235      いくたびも終金毘羅魚師集ふ  和236
いくたびもうるめ鰯の焼け具合  和237      水仙やただひたすらに崖の上  和238
早梅のただひたすらに浜離宮  和239      葉牡丹や杣の小庭のありどころ  和240

探梅やただひたすらに佳き人と  和241      砕氷船ただひたすらに犬も乗せ  和242
寒見舞地元自慢のありどころ  和243      鬼餅やただひたすらに健やかに  和244
豆撒きや追われる鬼のありどころ  和245      寒晒ただひたすらに乾くまで  和246
寒木瓜や一重と八重のありどころ  和247      大晦日ただひたすらに歌合戦  和248
寒雀ただひたすらに膨らみぬ  和249      年越しの蕎麦と饂飩のありどころ  和250

波の花ただひたすらに風を呼び  和251      新雪や一筆書きのありどころ  和252
いくたびも転んでは起き雪遊び  和253      いくたびも丈を直して晴着縫ふ  和254
松迎ただひたすらに佳き枝を  和255      喜寿迎へただひたすらに年惜しむ  和256
冬日和ただひたすらに筋を読む  和257      日足伸ぶただひたすらに畑仕事  和258
いくたびも夫唱婦随の晦日そば  和259      いくたびも熱燗徳利拓郎と  和260

いくたびも黄粉まぶして年の餅  和261      熊祭ただひたすらに霊送る  和262
小晦日や寄る辺なき身のありどころ  和263      いくたびも機窓より見し冬の星  和264
いくたびも木の間越しなる冬の星  和265      冬の星ただひたすらに瞬きぬ  和266
いくたびも触れしダイアモンドダスト  和267      見つめられただひたすらに冬三日月  和268
突き進むただひたすらに霧氷林  和269      雪時雨肩に置く手のありどころ  和270

年惜しむ愛の証のありどころ  和271      山路きてただひたすらに寒の晴  和272
能登の海ただひたすらに波の花  和273      寒月やただひたすらに老いの身は  和274
風花やただひたすらに北帰行  和275      寒垢離やただひたすらに身を清め  和276
追儺の会鬼と福とのありどころ  和277      いくたびもしばれる夜の浅き夢  和278
寒鮒のただひたすらに緩き泳  和279      冬萌やただひたすらに陽に向かひ  和280

名簿繰りただひたすらに賀状書く  和281      いくたびも寒木瓜描く絵手紙に  和282
行く年やとりこし苦労のありどころ  和283      節米やただひたすらに地元産  和284
いくたびも家計見直す年の暮  和285      煤逃やただひたすらに本屋街  和286
年籠ただひたすらに祝詞聞き  和287      年惜しむ異郷なる身のありどころ  和288
義仲忌巴御前のありどころ  和289      鬼走ただひたすらに厄払ひ  和290

塩辛やただひたすらに寒烏賊釣る  和291      新海苔やただひたすらに磯辺焼  和292
白鳥やバレリーナただひたすらに  和293      寒蜆ただひたすらに担ぎ売り  和294
年の市幼児預けのありどころ  和295      いくたびも茗荷祭の御神託  和296
樹氷林ただひたすらにモンスター  和297      実朝忌ただひたすらに万葉歌  和298
いくたびも堅さ確かむ餅筵  和299      年の暮ただひたすらに安穏を  和300

いくたびも平凡たれと春を待つ  和301

(12/22)

三百句ただひたすらに春隣  和302
竿に目籠ただひたすらに事納  和303      いくたびも邪気払はむと事納  和304
いくたびも万事窮すの北颪  和305      いくたびも身籠っていた雪兎  和306
いくたびもかんじき履きて荷は背負子  和307      いくたびも鉄砲持って狐狩り  和308
色丹の海の氷下魚のありどころ  和309      筑波嶺の枯山吹のありどころ  和310

能登の海鰤の気配のありどころ  和311      羚羊のただひたすらに駆け下り  和312
いくたびも水族館の鮫の群れ  和313      ふうと吹きただひたすらに鍋焼きを  和314
冬籠ただひたすらに読書せり  和315      バレかけてただひたすらに頬被  和316
いくたびもほうぼうの鳴く浮袋  和317      いくたびも昼行灯とからかわれ  和318
いくたびも出稼ぎに行く夜行便  和319      いくたびも酒の肴の湯豆腐を  和320

冬安居ただひたすらに句を捻り  和321      水鳥のただひたすらに水をかき  和322
いくたびも冬の灯の下待ちぼうけ  和323      いくたびも桜鍋かと思わされ  和324
いくたびも今川焼きを手土産に  和325      いくたびも毛皮のコート買はされぬ  和326
いくたびもディープキスする吸入器  和327      いくたびもネパールへ行き絨毯を  和328
いくたびも行儀悪しと股火鉢  和329      いくたびも猪刈りのお供して  和330

(12/23)

いくたびも夫婦喧嘩は晦日まで  和331      いくたびも往復しつつサンタクローズ  和332
維摩会やただひたすらに声明す  和333      茶碗蒸し寒筍のありどころ  和334
いくたびも知るや年貢の納め時  和335      顔見世や看板役者のありどころ  和336
一葉忌五千円札のありどころ  和337      天皇誕生日お言葉いくたびも  和338
年納めただひたすらに寂光院  和339      風除けやただひたすらに松を植え  和340

いくたびも胸撫で下ろす終相場  和341      いくたびも重箱磨き年用意  和342
いくたびも埃叩いて畳替え  和343      幸願ひただひたすらに注連飾る  和344
いくたびも年末賞与で穴を埋め  和345      いくたびも思い出手繰る古暦  和346
ご近所にただひたすらに餅配り  和347      妻の供ただひたすらに年の市  和348
いくたびも終天神願を掛け  和349      いくたびも指折り数ふ除夜の鐘  和350

除夜の鐘奈良東大寺いくたびも  和351      いくたびも大神宮の札配り  和352
数の子やただひたすらに塩抜きを  和353      いくたびも年越詣お不動へ  和354
斎宮の絵馬稲束のありどころ  和355      いくたびも終わり安堵の煤湯かな  和356
除夜の鐘吉祥院のありどころ  和357      いくたびも歳暮売出籤あたり  和358
いくたびも煤籠りするパチンコ屋  和359      いくたびも御用納めに昼酒を  和360

ビタミンとただひたすらに風邪薬  和361      寒弾やただひたすらに長唄を  和362
砕氷船ペンギンたちのありどころ  和363      師走からただひたすらに図書館へ  和364
鬼走り赤青鬼のありどころ  和365      日記買ふ住所メモのありどころ  和366
寒垢離やただひたすらに滝を受け  和367      被災者へただひたすらに寒見舞  和368
いくたびも寒紅並ぶ小間物屋  和369      いくたびも避寒と称し沖縄へ  和370

いくたびも筋斗雲乗り冬銀河  和371      八咫烏大和の国のありどころ  和372
山眠る草薙の剣のありどころ  和373      いくたびも振り返り白鳥や去る  和374
接ぎ木してただひたすらに春を待つ  和375      いくたびも机の奥へ古日記  和376
いくたびも獣のための寒施行  和377      氏子舞ふただひたすらに黒川能  和378
瓶に汲むただひたすらに寒の水  和379      妻迎へただひたすらに年惜しむ  和380

(12/24) 冬日和ただひたすらに三千院  和381      いくたびもこれが最後と歳暮贈る  和382
見習ひのただひたすらに神楽舞ふ  和383      どっぷりとただひたすらに柚子湯かな  和384
いくたびも心ゆくまで蕪蒸  和385      べったら市大黒さまのありどころ  和386
いくたびも大雪見舞ふ北の街  和387      一陽の嘉節貧者のありどころ  和388
低気圧ただひたすらに墓囲ふ  和389      鍛冶祭村正銘のありどころ  和390

伝来の下元の節のありどころ  和391      口切りのただひたすらに茶嗜む  和392
陋屋やただひたすらに目張りする  和393      いくたびも霜月鰈を濃い味に  和394
鞴祭ただひたすらに鉄を打ち  和395      八坂宮銀杏落葉のありどころ  和396
冬凪や連絡船のありどころ  和397      頼まれてただひたすらに雪下ろし  和398
初雪やただひたすらにタイヤ替へ  和399      いくたびも活け直しをり琵琶の花  和400  (休憩)

冬の浜ただひたすらに竿を投げ  和401      いくたびも冷たき返事ただ涙  和402
くだら野やただひたすらに寺目指し  和403      短日や今宵の宿のありどころ  和404
枯園やただひたすらに池の景  和405      甘鯛のただひたすらにお茶漬けを  和406
椀物はただひたすらに滑子汁  和407      目に用ふ南天の実のありどころ  和408
猫家出なら湯たんぽのありどころ  和409      枝々にただひたすらに冬芽かな  和410

ぶらり旅ただひたすらに冬北斗  和411      いくたびも佐渡の海なる鰤起  和412
いくたびもねんねこの児の笑ひ顔  和413      いくたびも水洟すする朝の街  和414
いくたびも吾の分身冬の蝶  和415      手術後のただひたすらに薬喰  和416
剥製となる狼のありどころ  和417      納豆や水戸名物のありどころ  和418
家宝なる蒔絵火桶のありどころ  和419      いくたびも見し老獪な通し鮎  和420

天皇誕生日ご退位のありどころ  和421      冬ざるる戦争論のありどころ  和422
空っ風ただひたすらに火を煽る  和423      冬温し微睡む胸のありどころ  和424
雪催手頃なカフェのありどころ  和425      冷たしとただひたすらに恨みけり  和426
頬被りただひたすらに泥鰌掘る  和427      鯉五匹ただひたすらに池普請  和428
添寝して被した夜具のありどころ  和429      お茶漬けに載す柴漬けのありどころ  和430

榎茸水炊き鍋のありどころ  和431      枯柳小野東風のありどころ  和432
隼や鋭い眼のありどころ  和433      冬眠やただひたすらに穴の中  和434
いくたびも哀れ死にゆく冬の蠅  和435      いくたびも毛皮のマッフのプレゼント  和436
いくたびもジャケットの柄選びけり  和437      いくたびも二重回しに憧れて  和438
いくたびも夜咄茶事に招かれぬ  和439      いくたびも夜咄茶事のお付き合い  和440

いくたびも万両あればと宝くじ  和441      侘助の咲き競う道いくたびも  和442
茶の席にただひたすらに侘助を  和443      狸をるただひたすらに人騙し  和444
聖護院ただひたすらに千枚漬け  和445      江戸の町気儘頭巾のありどころ  和446
いくたびも御高祖頭巾で忍び逢い  和447      御高祖頭巾ただひたすらに逢いたさに  和448
マスクの目ただひたすらに愛してる  和449      息白しただひたすらにゴールへと  和450

冬林檎ただひたすらに熱きキス  和451      室咲きの日当たりの良きありどころ  和452
義朝忌鎌倉幕府のありどころ  和453      二羽の鶴ただひたすらに求愛す  和454
だぼ鱚やただひたすらに蒲鉾に  和455      いくたびも乾鮭作り保存食  和456
夜神楽の剣の舞のありどころ  和457      いくたびも鮟鱇鍋と土地の酒  和458
いくたびも縄跳びでする三回転  和459      いくたびも屏風の陰にかくれんぼ  和460

日を継いでただひたすらに雪かきを  和461      短日やただひたすらにビラ配り  和462
冬の雨ただひたすらに雨宿り  和463      雪起こしただひたすらに通過待ち  和464
いくたびも鶴の求愛ダンスかな  和465      機関車へただひたすらに石炭を  和466
いくたびもダメな奴だと冬扇  和467      いくたびも襖に描く水墨画  和468
いくたびも襖の陰に忍び者  和469      いくたびも妻の得意の治部煮かな  和470

襖師の危な絵を描くいくたびも  和471      雪が降るただひたすらに海と山  和472
いくたびもヒロイン変わる冬の劇  和473      いくたびもおじさんバンド冬の曲  和474
いくたびも山荘にいて雪籠  和475      いくたびもオーシャンビューの宿の雪  和476
いくたびも小節効かせて雪の唄  和477      いくたびも小唄流しに冬の雨  和478
いくたびも四畳半から冬の月  和479      いくたびも穴熊まねてワンルーム  和480

いくたびもソルボンヌから冬の星  和481      石炭をただひたすらに発電所  和482
女御たちただひたすらに冬の御所  和483      いくたびも光源氏の恋の冬  和484
女高生ただひたすらに春を待つ  和485      いくたびも羚羊を追い岩山へ  和486
いくたびも枯れ木に咲かす翁をり  和487      ノートルダムただひたすらに祈る冬  和488
街絵描きただひたすらに冬のパリ  和489      いくたびもピサの斜塔と冬の月  和490

いくたびも秘伝の水で雪の肌  和491      いくたびも冬の雷吠ゆ故郷へ  和492
いくたびも靴下重ね足温め  和493      午前様ただひたすらに耳袋  和494
クリスマスただひたすらに賛美歌を  和495      欅枯るただひたすらに手を空へ  和496
いくたびも六本木にも枯木立  和497      冬薔薇ただひたすらに胸に差し  和498
ルイ王のただひたすらに絞首台  和499      ヨット航ただひたすらに冬の海  和500

(12/25)

うつ田姫天岩戸のありどころ  和501      いくたびも雪の結晶見詰めたる  和502
冬の泉オフィリア姫のありどころ  和503      いくたびも屏風に描く枯山水  和504
来し方はただひたすらに枯芒  和505      蕪洗ふただひたすらにぬか漬けに  和506
霜枯れのただひたすらに哀れ誘ふ  和507      龍の玉植物図鑑のありどころ  和508
枯芙蓉かつて美貌のありどころ  和509      いくたびも葉に光沢の寒忍  和510

主を崇めただひたすらに聖夜かな  和511      仏徒なるもただひたすらに聖夜祝ふ  和512
冬の雷スサノオ神のありどころ  和513      冬の画廊ただひたすらに長き首  和514
冬宮崎高天原のありどころ  和515      年の瀬やモジリアーニのありどころ  和516
いくたびも年末ジャンボ当て外れ  和517      凍鶴のただひたすらに片足で  和518
夜神楽やただひたすらに闇に舞ふ  和519      食べ貯めてただひたすらに冬眠す  和520

駅伝やただひたすらに冬の京  和521      京の冬ただひたすらに襷継ぎ  和522
冬籠オセロゲームのありどころ  和523      冬籠ただひたすらに推理物  和524
冬の京ただひたすらに前を追ひ  和525      冬の京ただひたすらに先導車  和526
いくたびも順位の変はる冬駅伝  和527      冬の京茨城勢のありどころ  和528
冬駅伝ただひたすらにTV見つ  和529      冬の空浮気な雲のありどころ  和530

(12/28)

いくたびもギロチンに消ゆ寒椿  和531      いくたびも恋に破れて日記買ふ  和532
いくたびも風に吹かれて冬の旅  和533      いくたびも傘に隠れて冬のキス  和534
いくたびも嵐の中に冬の雷  和535      いくたびもあの人のため鯛焼きを  和536
大粒のただひたすらに冬苺  和537      くだら野やただひたすらに越えてゆけ  和538
いくたびも景色巡りて冬の海  和539      旅人よただひたすらに冬夕焼  和540

いくたびも破れし恋の日記果つ  和541      始発駅ただひたすらに冬の星  和542
筋斗雲ただひたすらにオリオンへ  和543      冬銀河ブラックホールのありどころ  和544
冬苺ショートケーキのありどころ  和545      いくたびも終着駅や冬の空  和546
冬の虹二人の愛のありどころ  和547      いくたびもケンカ別れの冬の雨  和548
いくたびもリーチをかけて冬日和  和549      冬麻雀ツモリの牌のありどころ  和550

いくたびも翡翠と見紛ふ龍の玉  和551      いくたびも手に転がしぬ龍の玉  和552
いくたびも炭売の声聴き逃し  和553      いくたびも寝酒が過ぎて二日酔ひ  和554
いくたびも坊っちゃんの湯や漱石忌  和555      いくたびも錆びた心を冬の海  和556
地団駄踏みただひたすらに足温め  和557      セーターやただひたすらにVネック  和558
捕鯨船ただひたすらに南極へ  和559      マスクの娘ただひたすらに目で語る  和560

いくたびも呼び止めし炭売の声  和561      いくたびも舌鼓打つ通し鮎  和562
鯛焼やただひたすらに尻尾まで  和563      冬の蜂ただひたすらに花求め  和564
パイを焼くただひたすらに冬林檎  和565      酢海鼠やただひたすらに顔しかめ  和566
いくたびも屋台の熱燗お代わりを  和567      いくたびもアイスホッケー優勝旗  和568
いくたびも甘さ愉しむさつま汁  和569      いくたびも狩の話を聞かされぬ  和570

数え日のTV特番ありどころ  和571      年の暮十大ニュースのありどころ  和572
年の瀬や歌謡大賞のありどころ  和573      年の暮お笑い番組のありどころ  和574
いくたびもニュース特番年の暮  和575      いくたびも交通事故に凍りつく  和576
穴熊やただひたすらに眠りをり  和577      セーターやただひたすらに虹色に  和578
いくたびも孫に着せたるちゃんちゃんこ  和579      いくたびもセロリを混ぜてスムージー  和580

年の暮ただひたすらにガラス拭く  和581      いくたびも宇宙飛行士冬の星  和582
いくたびも又三郎は北の風  和583      いくたびも侘助の咲く細道に  和584
いくたびもケーキにのせる冬苺  和585      いくたびも真っ先に食ぶ冬苺  和586
いくたびも渡り見送る冬の雁  和587      いくたびもくしゃみの理由は湯冷めなり  和588
お新香やただひたすらに蕪漬け  和589      焚火してただひたすらに火の粉除け  和590

いくたびも駄句を反省年の暮  和591      いくたびも歳時記を繰る冬吟行  和592
冬句会ただひたすらに歳時記を  和593      いくたびもタクシーにのり北颪  和594
冬景色ただひたすらにポプラかな  和595      風邪気味やただひたすらに薬喰  和596
いくたびもイルカと少年見てをりぬ  和597      いくたびもイルカの芸に驚きぬ  和598
焼き芋屋ただひたすらに車引き  和599      冬埋め字ただひたすらに六百句  和600

   (完了)









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