■ 3月 東京キャンパス句会 仲春 持ち駒を掌に転がして草の餅 (5点) 並選 ● 縁側で将棋を指しているのであろうか?形勢は優勢で余裕?長閑な春の昼下がりである ──昼顔 ● 妙手が見つかりましたか。草の餅がゆるやかな時間を伝え、句に奥行きを持たせています。 ──ことは ● のんびりとへぼ将棋の景がまだ見られるのでしょうか?ジャカルタではまだ時間を持て余してる バイクタクシーがチェスをしてるのをよく見ます。 ──慢鱚 ● 手に転がして草の餅…街の将棋会館での対局の一コマ、次の一手を悩むのが伝わります。 ──満 ● 下手な考え休みに似たり、とでも言いたげに持ち駒を弄びながら、ついでに草餅の一口二口。 それも将棋に楽しみ。 ──祐 ひとこといいたい句 ● 予選に頂きます ──紀宣 成年を祝う鉄漿(おはぐろ)水温む ひとこといいたい句 ● 今どき鉄漿やっている新成人がいるのですか? ──慢鱚 遠慮など知らぬ女や月朧 ひとこといいたい句 ○ 祐 万葉の憶良眺めし朧月 慎みの紐に縛られ春の宵 ◆ 東京キャンパス句会 2月 当季=初春 マッチングサイトに群れる戯れ猫 ひとこといいたい句 ● 戯れ猫、猫の恋の傍題ですが、マッチングサイト、そのものに発情期の猫が戯れる。 少し引っ掛かりました。恐らく人を風刺したものとは思うのですが、 やはり人が使うもの、もう少し推敲してほしかった ──紀宣 一夜官女わたしお酌はいたしません (1点) 並選 ● マイナーな季語を上手に使われたと思います。 氏子の中から一夜だけ選ばれるということで、どんな事をさせられるのだろう という様子が口語でよく表されています。 ──慢鱚 ひとこといいたい句 ● 予選に頂きます。 ──一路 牡丹の芽頬赤らめる妻に似て (1点) 並選 ● かわいい奥様です。例える旦那様も素敵。いい関係で長年連れ添った ということのように思いました。 ──智 学童の鮒の巣立ちと手を放し 鉢の梅この枝切るか切るまいか (1点) 並選 ● 迷っている様子が微笑ましい。聞かれてもわからない、自慢げでおある。 ──智 ひとこといいたい句 ● 盆梅、としてもよかったのでは、とは思いました。 ──正則 【令和4年】 ■ 11月東京キャンパス句会 ◆当季雑詠(有季定型・自由律・無季俳句も可) ◆夏雲システム への投句はお一人5句まです。 小粒蜜柑うすき乳房に触れもみで 実紫源氏描いて名を遺す 千波湖てふ馴染みの塒白鳥来 黙読の唇動く初時雨 触れられることを拒みし龍の玉 ◆ 2021年度 10月 俳句大学 東京キャンパス通信句会 投句=当季雑詠(秋―仲秋、晩秋、三秋)5句。 残菊や推しの王子の青き恋 ひとこといいたい句 ● わたしも「推しの王子様」(ドラマ)を見ていたので目に止まった。 残菊と青きがそぐわないような気もする。 ──麻乃 紅葉山願叶輪をくぐり抜け 血圧をスマホに記録松手入れ (1点) 並選 ● 今の時勢を感じます。 血圧の管理をスマホに託し、さあそろそろ松の手入れをしましょうか。 ──秋子 秋の蜂ウーバーイーツと競い飛ぶ ひとこといいたい句 ● 今風でいいが、ウーバーイーツの都会感と蜂の田舎感のミスマッチが気になった。 ──智 解除待ち開催告げる菊花展 (1点) 並選 ● 今を予想しているようです。 ──智 ◆ 2021年度 9月 俳句大学 東京キャンパス通信句会 投句=当季雑詠(秋―初秋、仲秋、三秋)5句。 ジャケットを仮の褥に大花野 (1点) 並選 ● ダンディズムを感じる句ですが、仮のが気になりました。 ──一路 ひとこといいたい句 ● ジャケットは冬の季語では? ──昼顔 ● ありふれた景かもしれないが、素直な詩情がある。 ──高資 冷まじや自宅待機の重症化 (0点) ひとこといいたい句 ● なんとも痛ましい状況になってしまいました。 ──千秋 豊の秋地産あふれる道の駅 (2点) 特選 ● 道の駅とは、高速道路には必ずある休憩所ですね?今の時季ともなれば、その地方の特産品が 山盛りとなって販売されて居ります。田舎の道の駅を即想いました。 ──栄太郎 ひとこといいたい句 ● 道の駅めぐりは楽しいですね。 ──千秋 新涼が胸のふくらみ撫でてゆく (2点) 並選 ● 作者は女性でしょうね、秋の風を胸に実感した。 ──満 ○ ことは かな交じり文の得意な秋の蝶 (0点) ◆ 「俳句大学」第6号発行記念句会 第三の水惑星や真菰刈る (1点) 並選 生命が存在するかもしれない「水惑星」。その存在がいくつ確認されているかは 詳しくないけれど、広い宇宙の中には、きっとありそうな気がする。 宇宙へと思いを飛ばす視点から、地に足の着いた「真菰刈る」の季語への転換が素晴らしいです。 ──優理子 空蝉や廃炉始末の長い途 (2点) 並選 蝉が空蝉を残すように、われわれは、廃炉という難題を未来に残してしまった。 ──直 空蝉に廃炉処理を思うセンス、素晴らしいです。 ただ、長い途は長き途の方が良いと思いました。 ──一路 星河よりアンドロメダの便り乗せ 号を追ひたわわに実る青棗 背の児の指にふんわり姫茜 (1点) 特選 蓮子 ◆ 8月東京キャンパス句会 (晩夏ー初秋) 月下美人香に蘇る夜の痴戯 (1点) 並選 ● 月下美人の花は、夜遅くに白くて香り高い大輪の花を咲かせ、 その後数時間で萎んでしまいます。その月下美人を眺めいて、 夜の睦事を想う作者です。 ──栄太郎 純潔てふ言葉虚しく谷崎忌 (1点) 並選 ● 谷崎文学や谷崎の女性遍歴を推考しての句・・・ ──一路 担任の個別訪問夏深し (2点) 並選 ● なつかしい。こうしたふれあいが早く戻ることを願いたい。 ──高資 ○ 風精 海開き中止の浜に貝拾う (0点) 初めての恋人つなぎ大文字 (0点) ◆ 6号誌記念句会 五年経ちはや六号誌走馬灯 (1点) 並選 ● 俳句大学の季刊誌発行も早くも六号を迎えました。感無量のひと時です。 ──栄太郎 ひとこといいたい句 ● おめでとうございます。 ──慢鱚 夏休み芭蕉一茶に会ひにゆく (1点) 並選 ○ 亜仁子 真つ直ぐに句にのめり込む立葵 (0点) 学友のまた一人増へ雲の峰 (1点) 並選 ● 雲の峰、夏らしさ、青春を感じる句だと思いました。 ──正則 鬼ヤンマ俳の風へと迷ひなく (0点) ■ 6月 東京キャンパス句会 新妻の脇くすぐりて牡丹咲く (1点) 並選 ● なんとも仲睦まじく、また、艶っぽい句。新妻をくすぐったら、 羞じらいの笑みを漏らし、また、クスクス声もあげたのだろう が、中七でキレを入れた方がいいようにも思う。このままだと、 牡丹が咲いたようだという、季語が比喩に読めてしまう気がする。 キレを入れていたら、特選にいただいた。 ただ、こんな風に言われてみたかった(笑) ──昼顔 アロハシャツ乳房で伸ばすたたみ皺 (2点) 並選 ● ずいぶんぴったりなのですね。ゆったり着るのがアロハシャツなのですが。 楽しい俳句です。 ──揚子 ● 健康的なお色気、老いに元気を頂ける句です ──一路 ひとこといいたい句 ● 瀬戸優理子先生の 夏シャツの乳房で伸ばす畳み皺 素敵な句なので記憶のどこかに染み付いてしまったのでしょうね。 ただ、アロハシャツは、あまりぴったりしていないので、 乳房で伸ばすは、無理があるかも? ──昼顔 ● 夏シャツの乳房で伸ばす畳み皺 瀬戸優理子。俳句大学の講師でもある 、優理子さんのこの句があるので、いただけなかったです。 ──正則 菖蒲湯に浮かぶ熟女の赤い爪 心にも紅さし会ひにゆく新樹 (1点) 並選 ● 旨いですね、今後手本にします。 ──骨々 早乙女や惜しけく晒す白い脚 ■ 5月 東京キャンパス5月句会 蜘蛛の囲やトランポリンの離れ業 (2点) 特選 ● ドキッとする取り合わせ。うまく行っていると思う。 ──智 ひとこといいたい句 ● 蜘蛛の囲ととトランポリンとは付き過ぎでは? 予選に頂きます!!。 ──栄太郎 ○ 直 鯉幟みな風上へ口を開け (1点) 並選 ● 鯉幟が、風上に口を開けているというのが、詠み手の発見であり、 上手いところだと思いました。 ──昼顔 いつか乗る魔法の絨毯芝桜 こどもの日柱の傷は首の丈 巣立鳥竹下通りの青き性 ■ 4月 東京キャンパス4月句会 鳥雲へローマ法王イラク訪 小魚に弄ばれる磯遊び (2点) 並選 ● 磯釣りはよくしました。小魚しか懸かりませんが、跳ねて、なかなか針から抜けません、 そんな感じを思い出させてくれる句でした。 ──智 ○ 風精 花は咲くヴァイオリン弾く白い腕 (1点) 並選 ● 3・11、その後桜の花の咲く頃から歌われ始めた震災応援ソング「花は咲く」。 それと重ね合わさる措辞。復興途上の今であるが、花と若いヴァイオリニストの 白く美しい腕が、映像として印象的。 ──智 垂涎の美女の接待鷹鳩に ひとこといいたい句 ● 予選句に頂きます!!。 まだまだ官僚の密着接待は続きそうです。 ──栄太郎 幻月の睦言交はす花朧 ■ 東京キャンパス句会2月 ものの芽や今日まだ固き反抗期 (2点) 特選 ● 季語が反抗期とよく呼応していると思う。 ──智 御髪上千円床屋の吸引機 寒造り糀のつぶやき聴く漢 雪女ゆるく結びし髪を解く (1点) 並選 ● なんとも艶かしく妖しげな句。雰囲気がとてもあります。 ──昼顔 彼の国に二重マスクの流行るとや ■ 東京キャンパス 2021−1月 当季雑詠(新年一切・冬一切)5句。 姫始めキスに始まるルーチーン (2点) 特選 ● ユーモラスもある面白いお句ですね。 ──亜仁子 ひとこといいたい句 ● 我が家のルーティーンと違うと思いました(笑)。 ──慢鱚 目が誘ひ瞳応える姫始め (0点) ひとこといいたい句 ● 旧仮名、現代仮名の使い方が、一句の中に混在しているのは、避けた方が良いのでは?と思いました。 誘い⇒誘ひ。応える⇒応へる。姫始めの季語を使った、怪しい雰囲気の句が数句ありましたが、同じ作者なのか? ──正則 七草や児らに教へる数え歌 (3点) 並選 ● お年寄りの居るご家庭でしょうか? 孫に歌を教えている。ほのぼのとした景が見えます。 ──満 ● もう七草の数え歌を歌える人は少なくなっているでっしょうね。 という私自身この句を読んで口遊みましたが、残念ながら途中で判らなくなって情けない思い。 ──祐 ○ 昼顔 ひとこといいたい句 ○ 揚子 川の字の赤子眠らせ姫始め (1点) 並選 ○ 亜仁子 ひとこといいたい句 ○ 揚子 追憶のきみの素肌や蝋梅花 (2点) 並選 ● 艷やかな肌の持主、あってみたい。 ──智 ● もう会う事のない女性の肌の美しさ。追憶っていい響きですね。色っぽくて、とても好きです。 ──秋子 【令和3年】 ■ 東京キャンパス 12月 助手席にセーラー服の雪をんな (3点) 並選 ● ドキッとしました。 ──智 ● 雪女が若造に変装…面白い発想 ──満 ○ 風精 ひとこといいたい句 ● 予選 ──麻乃 雪吊りや俄に空の曇出し 雪女郎湯を勧めれば溶け果てり 独り居にチャイムを鳴らす雪女 雪女気合を込めて眉を描く (3点) 並選 ● 妻も真剣そのものです。 ──風精 ● 雪女への応援歌。諧謔がよい。 ──直 ○ ことは ◆ 東京キャンパス句会 11月 (夏雲システム) セーターの少女の胸の膨らみて (1点) 並選 ーー○ 亜仁子 貧乏神片身すぼりて神の旅 首里城の再建進む神無月 鳥誘ふ赤き実残る落葉時 名は体を現さぬ赤青木の実 ◆ 東京キャンパス句会 10月 (夏雲システム) ゆつくりと指に脱がせる桃の皮 (6点) 並選 ● ちょっと男性視点が気にはなるのですが、桃は手で剥くものと思っているので。 ──智 ● 桃の皮は薄い分、力を入れずに?くのが大切ですね。 「指に脱がせる」というお言葉に力加減の塩梅が感じられます。 ──雅典 ● 指に脱がせるの措辞が秀逸 ──満 ● 脱がせるという他動詞の使い方が効果的。しかもまるで指が自分とは 離れた意思をもって動くかのように表現されている。桃がまた色っぽい。 ──揚子 ○ 亜仁子 ○ 長谷川ひろし 銀杏散る金の翼のスラローム (3点) 特選 ● 季語と「金の翼のスラローム」という基底部の取り合わせがぴったりですね。 私も何年前、「銀杏散る黄色き鳥と化しながら」という俳句を詠ませて頂きました。 散る銀杏の葉は本当に金色の鳥の翼に似ている。 ──亜仁子 並選 ● 銀杏の散る様を素敵な表現と思いました。 ──慢鱚 乱菊や派閥均衡人事哉 ひとこといいたい句 (0点) ● 俳句は、時事性より普遍性に重きを置くように思います。 時事的な内容でも普遍性がある句だと、共感しやすいのですが。 ーー正則 吾亦紅村の境の道祖神 (0点) 碧き日の甘い追憶マスカット (0点) ◆ 俳句大学 2020年度 9月東京キャンパス句会 栗実る母なる毬にくるまれて (2点) 特選 ● 栗の毬を母と見立てる。これはなかなか独創的だと思いました。 ──正則 白桃や産毛光れるきみの頬 (1点) ● まだお化粧も施さない少女の頬には、産毛が光っています。 白桃の肌の産毛が少女の頬に重なっています。 ──栄太郎 大粒と甘さ自慢のぶどう園 (1点) ● 葡萄園のキャッチみたいだが、妙にひねらないのがいい。 ──草民 菊人形ファインダーから鎧武者 (1点) ● ファインダーから…が面白い!菊の見事な景に見入っている ──満 仰天の一尾千円初秋刀魚 (0点) ■ 俳句大学東京キャンパス夏期講習句会(8月) 当季雑詠3句+席題=2句(下記の席題を1つづつ) 秋子さんの席題=線香花火(せんこうはなび)、 ことはさんの席題=朝凪(あさなぎ)・朝凪ぐ(あさなぐ) 朝凪や沖を釣るかに竿を振り (5点) ● 沖を釣るという大胆な措辞が気持ちいいが、釣りをしないので、わからないが、 凪のときは釣り果は、あがるのかしら? ──昼顔 ● 朝凪の季語があっているかどうかはわかりませんが、 下の句の大きな表現にひかれました。 ──揚子 ● ルアーを遠くの投げあがた感じがよく出ている。 ──永田満徳 ● 朝凪の海に大きく弧を描く竿と、伸びてゆく糸の躍動感がいいですね。 ──祐 線香花火枝垂れ降るまで手を添へて (0点) 線香花火ポトリと落ちる火の雫 (0点) 誤速報迷惑顔の鯰達 (0点) 合歓の花きれいな文字の封を切る (4点) ● 美しい女性文字の手紙が届きました。妙齢の佳人からの手紙が 「合歓の花」との季語により、象徴されている。 ──栄太郎 ● 封を開けるのももったいないほど美文字。季語の合歓の花がいいですね。 ──千秋 ● 合歓の花の繊細な美しさに対照する封書のきれいな文字とは どんな字かいろいろ想像させられました。 ──長谷川ひろし ■ 東京キャンパス句会 7月(コロナのためネット夏草システム使用) 大らかに性を謳歌す鍋乙女 ● この句は無季ですか? 昼顔 「鍋乙女」は「筑摩祭」(夏)の傍題で、滋賀県米原市筑摩神社の祭礼。 鍋釜祭とも言い、娘たちが関係した漢の数だけ鍋をかぶって神前に参り、 その数を偽れば神罰を受けるとされた。 (また、八人の処女が鍋をかぶって 神前に舞い、もし男と通じていれば鍋が割れるとも言われた) 現在は八歳の少女が紙の鍋をかぶる形に変わっている。 鬼平が密偵(いぬ)と囲みし泥鰌鍋 夏料理かこち顔なる鍋奉行 梅雨晴間洗濯物の大はしゃぎ (1点) 並選 ● 擬人化された洗濯物、やっと洗ってもらい、所狭しと干された景が見えました。 ──正 ○ 亜仁子 ○ 霜魚 立葵ライトを浴びるのお立ち台 ■ 東京キャンパス句会 6月(コロナのためネット夏草システム使用) ダービーや客無き馬場に鞭の音 (4点) 普段は観客の声でかき消されてしまう鞭の音も、無観客の中だと聞こえてくるという様が印象的です。 ──雅典 ● 競馬といえども一年中の中では、格式も重く国歌まで歌われるほどです。 今年はコロナ禍の中で無観客の中で実施されました。それでもレースです。勝利の為には鞭の音も響きます。 ──栄太郎 ● 思わぬ疫病で思わぬレース、それを上手く切り取られましたね。 ──骨々 ● 世情を上手く表現されてる。 ──満 ● 馬場、鞭の音にダービーは付き過ぎ ──慢鱚 ○ 麻乃 第二波を押さえ込まむと菖蒲酒 笑点のリモート大喜利冷奴 (1点) 酒肴に冷奴。いいですね。笑点メンバーの下らない回答にぶぶっと冷奴を吹いてしまったりとか。 時事句は頂くのが難しいんですが、下五に冷奴を持ってきて落ちが決まりました。 ──十八 笑点と冷奴の取り合わせが妙にあってます。 ──草民 公園に児らの歓声柿若葉 アマリリスあなたへ逢ひにゆく道に (1点) 景が見えますね。花言葉やように内気な女性の勇気が見えますね ──霜魚 ■ 東京キャンパス句会 5月(コロナのためネット夏草システム使用) 残る鴨我慢ウィーク始まるよ 神主も手伝いに出る田植かな (6点) 特選 ● 村中総出で田植えをするのだ。神主も手伝いに来る村の大イベント。 じわじわとにじみでるユーモアがあり、特にひかれた。 ──暢 ● 農家の減少がつづく現代にあって実景であると共に、 そもそも田植が神事であった光景も彷彿とされる。 ──高資 並選 ● 神主さんも、いそいそとして、楽しそう。 ──真波 ○ 千秋 予選 ● 神主との取り合わせは面白いが、「田植」は夏の季語であり残念。 ──昼顔 ● 今年は特別の祈りを捧げます。 ──智 ○ 紀宣 蛙の子ジャンプして捕るフリスビー (雨蛙:夏) 糞真面目キスもお預け春デート (0点) 予選 ● 季語と上中の情景が重なって見えるのが惜しい。 別な季語の方が生きたように思います。 ──長谷川ひろし 禁密の隔靴掻痒山椒喰 ■ 東京キャンパス句会 4月(コロナのためネット夏草システム使用) 目刺焼く不要不急を言い訳に (2点) ● 家に籠りがちな今の状況を目刺焼という言葉で俳人らしく 斜に捉えているところに魅力を感じました。 ──長谷川ひろし ○ 美遥 予選 ● 今話題のフレーズ「不要不急」をうまく料理した句。 人によって「不要不急」の判断は異なるという諧謔がある。 少々、理が勝っているところが気になり、残念ながら選外に。 ──優理子 ● 何があっても庶民派小さな楽しみを見つけるものですね。 ──揚子 はふはふと島の名物焼栄螺 (0点) ● 島の名物焼栄螺という観光地のキャッチコピーみたいな措辞、 はふはふという使い古されたオノマトペ、それでも焼き栄螺の美味そうな匂いが 伝わってきて食欲と旅心を刺激する好きな一句です。ごちそうさま。 ──草民 獺魚を祭る棺桶の列 (1点) ● いま世界で起きていることが思い出された。大変な死者、そして棺桶の列。 ──智 蟻出づやオーバーシュートの大都会 花冷えや死体安置所公園に ■ 東京キャンパス句会 3月(コロナのためネット夏草システム使用) 鳥帰る眼下に避難指示の街 (3点) (特選)北の国を目指して故郷に帰る冬鳥たち。その鳥たちの帰る眼下には故郷を失い 避難を余儀なくされている多くの被災者がいる。帰る故郷、帰れない故郷、心を打つ句ですね。 (祐) 座布団を飛ばす客無き春の場所 (1点) (並選)無観客の大相撲の時事句ですね。 ──慢鱚 瀬戸内の島結ぶ路風光る (3点) (並選) 島を繋ぐ大橋の天気の良い景が見えます。 ──慢鱚 瀬戸内海で外周が0.1Km以上の島の数は727あるという。いったことがあるのは、 3〜4カ所。季語に瀬戸内らしさを感じました。 ──正則 (麻乃 入選) 海峡の潮の鍛えし桜鯛 (3点) (特選)「大嘗祭」で真鯛を献上したのは淡路島。食の宝庫としての歴史を 紡いできた淡路島。北は明石海峡、東は紀淡海峡(友ヶ島水道)、西は播磨灘、 そして南には鳴門海峡と、全国に名を馳せる好漁場の中に浮かんでいる島です。 鳴門海峡はプランクトンが多く、真鯛の食糧となる海老や蟹が非常に 豊富な恵まれた環境。それらを思う存分に食べてその旨みを蓄えるから おいしいのだという。句の措辞、潮が鍛えるというここに感動しました。 (正則) (並選)生きのよい桜鯛が跳ねている様子がみえます。 (慢鱚) (予選)立派な桜鯛なのでしょうね。 (昼顔) 写真誌にスクープされし内裏雛 (0点) ↑ 【令和2年】 ■ 東京キャンパス句会 5/04 メディアみな令和令和と耳にタコ 頬をよせ香気吸い込むみどりの日 サギ草や I'm Mike in America ほほ笑みを花束にして松葉菊 《懇親会・袋回し》 【春雷】 春雷や別れ話は突然に (4点) 春雷やしゃがみ込んでるハイヒール (3点) 春雷やカサブランカを寝化粧に (3点) 春雷やへそを押さへる蛙の子 (2点) 春雷や云ったセリフにほぞを噛む (2点) ■ 東京キャンパス句会 4/06 花の雨縄文土偶の眼の虚ろ (3点) 「待たせたね」振り向く肩に花吹雪 (2点) 悔恨の涙滴り木付子咲く (1点) 清明を捏ねて丸めて自白剤 ↑ 【令和元年】 【平成31年度】 【東京キャンパス句会】 (2019/2/02) 寝化粧を済ませそはそは猫の妻 (2点) 風光る湖畔のほとりジャズ流る (1点) 冴返る正倉院の避雷針 (1点) 待受の梅の蕾も膨らみて 荘厳な氷柱神殿奥日光 【席題袋回し】 春浅しドライカレーの隠し味 (3点) 【東京キャンパス句会】 (2019/1/05) ポーチにはシャネルの5番雪女 (1点) 老いの恋あやかりたきや春星忌 湯上がりの真肌ほてらす雪女郎 独楽名人安否気遣ふ肥後の地震 【堺谷真人氏 送別句会】 (10/17) 良き友の浪速へ上り秋寂し 紅葉して友懐かしむ浜離宮 (1点) 行く秋や待たるる浪速漫遊記 (2点) 【東京キャンパス句会】 (10/06) 婚活のやる気満々豊の秋 (1点) 浮気と呼ぶ苗字に嫁ぎ萩の宿 (1点) 鹿鳴草見頃ですよと誘はれて (1点) 邯鄲やかくす術なき恋心 【東京キャンパス句会】 (7/07) 星祭漢字ひとつの児の願ひ (6点) 北斎の波を水馬潜り抜け 無垢の身のさびしき性や夏椿 もどかしく肩から落とす藍浴衣 【東京キャンパス句会】 (6/02) 父の日や丸や四角のパパの顔 (2点) 新茶汲む手触り丸き楽茶碗 (2点) 眼福の丸きふくらみ金魚玉 (2点) なめくじら丸文字踊る様遊び 【東京キャンパス句会】 (5/05) 種の起源薫風に立つエヴァの像 (2点) 母の日やごーがわいたと皿を割る (2点) (ごーがわく:腹が立つーー播磨の方言)) 柏餅お国訛りの同窓会 (2点) 喚問や知らん紫蘭の花盛り 【東京キャンパス句会(4月)】 4/07 ラプラスの悪魔統べるや春の波 (1点) 虚子の棒生命貫き蝌蚪生る (0点) 補助輪の取れし少年春の鹿 (0点) 木は森に核ミサイルは土筆原 (0点) ↑ 【平成30年度】 【東京キャンパス句会(3月)】 3/10 目を合はす二人は無言花の雨 (1点) ポケットに飴玉ひとつ友雲雀 (0点) 鼾止めテープの口や目借り時 (0点) 【東京キャンパス句会(2月)】 2/03 春風の娘船唄蔵の街 (2点) 骨休めせよとばかりに名残雪 (0点) 鬼は外言わぬ安全保障哉 (0点) 【東京キャンパス句会(1月)】 1/06 (欠席・投句) 初凪や木造船来る佐渡の浜 (1点) 食べ飽きしお節料理や六日年 (0点) 初夢やムスリムとなり妻四人 (2点) 【東京キャンパス句会(11月)】 11/04 長き夜の掌の覚えたる円さかな (4点) ぐい飲みに命を洗う神の留守 (4点) 濃紅に女目覚めし七五三 (3点) 【東京キャンパス句会(10月)】 10/07 今回から会場が大宮市公民館へ替わった。 拙句は以下。 一山に一刷毛の紅山粧ふ (4点) 十代の蹉跌酸っぱい青蜜柑 (2点) パンドラの箱を開きて虫選 (1点) 最高は6点句が2名、個人合計は10点は2名だった。 【東京キャンパス句会(9月)】 白菊や空手少女の型稽古 (4点) 蜩の地謡に和す野外能 (2点) ごぼう抜き船に溢れる秋鰹 (0点) 【東京キャンパス句会(7月)】 記紀に読むダークサイトや火取虫 (4点) 遠来の友の嬉しき夏句会 (1点) キスよりも甘噛が好きサクランボ (0点) 【六月句会】 売声と風を担ぎし金魚売 (6点 特選X3) 味消えたガムを噛み続け芒種かな (1点) 十三も連敗ユダと蟻地獄 (0点) 【五月句会】 失敗は乗り越えるもの巣立鳥 (2点) ボルダリング活路を探り雲の峰 (2点) 釜音と新茶に五感研ぎ澄まし 【四月句会】 (欠席:風邪) ↑ 【平成29年度】 【三月句会】 (3/04) ピンヒール両手に持つて青き踏む (1点) バストよりヒップふりふり猫の恋 (0点) 雪解水火星のイシス運河にも (0点) 婚活は自分ファースト桃の花 (0点) 【二月句会】 (2017/02/04) 寒雀遊びという字がふくら着て (1点) 風光る硬き空気を貫きて (1点) 鳥交るコンビニ前に屯して (5点) ボサノバのステップ踏むや鶴の舞 (1点) 【一月句会】 (2017/01/07) 言霊の海へ漕ぎ出す一番銛 (3点) 風を斬る袱紗捌きや初手前 (3点) 会ふたびに丈伸びてゐる花小袖 (1点) 三年目脱皮もくろむ初句会 (1点) 今村 征一 良いお句が揃いましたね。お目でとうございます。句会の人数も多くなりましたね。 浅田 洋 ほんとうに初句会らしいいい句ですね。今年も楽しみにしています。 瀬能 ハルミ 北野さん! おめでとうございます 岩本 ひとみ ねー。もう三年目に入って…北野さんの句も貫禄ですね。 Biyou Utashiro お世話になりました 山野辺 茂 北野さん、特選に頂きました。物語を感じさせる男性的な句が良かったですね。 清水 憲一 北野さん 初句会らしい良い季語の句が揃いましたね。 囲碁で言えばもう初段級ではないですか。(^.^) 大関博美 句会お疲れ様でした。花小袖を頂きました。 季語で悩みました。「花」が小袖にかかっていたので、無季語と思いましたが頂きました。 永田 満徳 おめでとうございます。 【11月句会】 (11/05) 新酒よとLINEに君の誘ふ顔 (4点) 失恋にうちひしがれて日記買う 森深き木の実時雨はアルペジオ アルバムを開く吟行冬に入る 【十月句会】 (10/08) 訥々と論語呟き栗を剥く (3点) 長き夜きみへの想い π むげん (1点) 新走本音もろとも一呑に そびえ立つ千年杉や虫の国 【九月句会】(9/03) 鈴虫がアリバイ崩すサスペンス (4点) 鈴虫の移住計画四光年 (3点) 旅誘ふバスタ新宿花野まで (0点) 理を捨てて情に溺れる蟋蟀 (0点) 【七月句会】(7/02) 捻り花恋占いは信じない (2点) 青蛙どっと繰り出す初選挙 (2点) 炎熱や青い地球を真二つに 玉葱の外皮剥けば白眩し 【6月句会】 花あやめ初めて君に触れたとき (2点) ギロチンの命を薔薇の名に残し (2点) 冷トマトかぶりがぶりとディープキス (1点) 夏の地震地軸揺るがしうるう秒 (1点) 【2016-05】 群燕詩(ウタ)の言葉を探し飛翔 (1点) ビル街の先に初夏佇めり (1点) 新樹風睦言のやふに聞き流し (1点) 地平まで金の絨毯麦の秋 【2016-04】 微笑めど風は語らず竹の秋 【3点】 陋屋や四澤より満つ春の水 【1点】 ドローンを誘い雲雀の急降下 直木賞ページ開くや目借時 【平成28年度】 ↑ 【2016-03】 後朝の日だまりに笑む沈丁花 【4点】 灼恋の傷みに耐えよ紅椿 【2点】 迸るいのちの叫び春に逝く 【2016-02】 言ひかねて眼がものを言ふ春ショール (5点) 宿敵が吾を鍛える涅槃西風 (1点) 伝言をゲームのように桜草 D点句は嬉しかった。 【2016-01】 淑気満つ宙(ソラ)ゆく有人ステーション 【2点】 初詣イクメン宣言確かめに 【1点】 落葉焚く落選の句を潜ませて 【1点】 出句した3句とも採ってもらえたが、点数は少なかった。 選者の【信解】に訴える俳味、ポエムが十分ではないと反省しさらに精進したい。 【知解】(チゲ):言葉が分かること 【了解】(リョウゲ)/【情解】(ジョウゲ):意味を理解できること 【信解】(シンゲ):感性で捉えること。芸術・ポエムとして感動を受け取ること (↑ 1/10句会での五島先生の講義より) 【2015-11】 胸の児の足でおねだり冬帽子 (1点) パズル解く難語ちらほら敷炬燵 【2015-10】 ボール追ふ色なき風に嬲られて (3点) 名を問はれさては南京玉すだれ (2点) わけもなくあの日別れて曼珠沙華 (1点) 【2015-09】 鳳仙花サンバを踊るへそピアス (1点) 大道芸炎を喰らふ男郎花 櫛比せしひまはり畑や隠れ蓑 【2015-07】 赤心を捏ねて丸めて桑の実に (2点) 身を捩りもういやですと竹夫人 (1点) 咲きてなほ足るを知らずや蓮の花 (1点) 【2015-6】 梅雨晴間まだ醒めやらぬ俳句脳 (2点) 古妹の照る日曇る日合歓の花 小憎くも構え隙なき立葵 【2015-5】 クレマチスきっぱりと咲き無垢の白 桃色の墨田の花火梅雨の星 【2015-04】 春時雨指輪いじくりカフェの窓 (1点) 山吹よ君が云う be free とは (1点) 稚児の眸のいとど涼しき花まつり 【平成27年度】 ↑ 【2015-02】 本気だから初天神に絵馬掛ける (2点) 雪吊りや光子帆船シリウスへ (2点) 初不動仏匙投げ未分明 丈六の不動の社寒の明け 【2015-01】 空っ風りんごの頬っぺ鬼ごっこ (2点) 振り向くや不意にウインク暖炉脇 【2014-12】 同窓に燃える暖炉やセピア色 春となり助手席はまだ空いてます 【2014-11】 炉火恋し生涯恋愛社会くる (4点) 青い実の香りかそけき小豆島 名を告げぬ花にも個性光る秋 【2014-10】 栗爆ぜて焼け木杭に火のつく恋 秋涼し式部の色にときめいて 浮雲を先達にして秋遍路 【2014-08】 身を任せど心まではと夜の秋 (1点) ダリアにもメビウスの輪の恋模様 【平成26年度】 ↑ |