俳句大学東京句会(復刻版)    2014-08 〜        トップへ                





■ 3月 東京キャンパス句会   仲春


持ち駒を掌に転がして草の餅   (5点)

並選
● 縁側で将棋を指しているのであろうか?形勢は優勢で余裕?長閑な春の昼下がりである ──昼顔
● 妙手が見つかりましたか。草の餅がゆるやかな時間を伝え、句に奥行きを持たせています。 ──ことは
● のんびりとへぼ将棋の景がまだ見られるのでしょうか?ジャカルタではまだ時間を持て余してる
バイクタクシーがチェスをしてるのをよく見ます。 ──慢鱚
● 手に転がして草の餅…街の将棋会館での対局の一コマ、次の一手を悩むのが伝わります。 ──満
●  下手な考え休みに似たり、とでも言いたげに持ち駒を弄びながら、ついでに草餅の一口二口。
それも将棋に楽しみ。 ──祐
ひとこといいたい句
● 予選に頂きます ──紀宣



成年を祝う鉄漿(おはぐろ)水温む

ひとこといいたい句
● 今どき鉄漿やっている新成人がいるのですか? ──慢鱚



遠慮など知らぬ女や月朧

ひとこといいたい句  ○ 祐


万葉の憶良眺めし朧月


慎みの紐に縛られ春の宵




◆ 東京キャンパス句会  2月  当季=初春

マッチングサイトに群れる戯れ猫

ひとこといいたい句
● 戯れ猫、猫の恋の傍題ですが、マッチングサイト、そのものに発情期の猫が戯れる。
少し引っ掛かりました。恐らく人を風刺したものとは思うのですが、
やはり人が使うもの、もう少し推敲してほしかった ──紀宣



一夜官女わたしお酌はいたしません   (1点)

並選
● マイナーな季語を上手に使われたと思います。
氏子の中から一夜だけ選ばれるということで、どんな事をさせられるのだろう
という様子が口語でよく表されています。 ──慢鱚
ひとこといいたい句
● 予選に頂きます。 ──一路



牡丹の芽頬赤らめる妻に似て   (1点)

並選
● かわいい奥様です。例える旦那様も素敵。いい関係で長年連れ添った
ということのように思いました。 ──智



学童の鮒の巣立ちと手を放し


鉢の梅この枝切るか切るまいか   (1点)

並選
● 迷っている様子が微笑ましい。聞かれてもわからない、自慢げでおある。 ──智
ひとこといいたい句
● 盆梅、としてもよかったのでは、とは思いました。 ──正則





 【令和4年】


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■ 11月東京キャンパス句会

◆当季雑詠(有季定型・自由律・無季俳句も可)
◆夏雲システム への投句はお一人5句まです。



小粒蜜柑うすき乳房に触れもみで


実紫源氏描いて名を遺す


千波湖てふ馴染みの塒白鳥来


黙読の唇動く初時雨


触れられることを拒みし龍の玉




◆ 2021年度 10月 俳句大学 東京キャンパス通信句会

投句=当季雑詠(秋―仲秋、晩秋、三秋)5句。


残菊や推しの王子の青き恋

ひとこといいたい句
● わたしも「推しの王子様」(ドラマ)を見ていたので目に止まった。
残菊と青きがそぐわないような気もする。 ──麻乃



紅葉山願叶輪をくぐり抜け


血圧をスマホに記録松手入れ   (1点)

並選
● 今の時勢を感じます。
血圧の管理をスマホに託し、さあそろそろ松の手入れをしましょうか。 ──秋子



秋の蜂ウーバーイーツと競い飛ぶ

ひとこといいたい句
● 今風でいいが、ウーバーイーツの都会感と蜂の田舎感のミスマッチが気になった。 ──智



解除待ち開催告げる菊花展   (1点)

並選
● 今を予想しているようです。 ──智





◆ 2021年度 9月 俳句大学 東京キャンパス通信句会

投句=当季雑詠(秋―初秋、仲秋、三秋)5句。


ジャケットを仮の褥に大花野   (1点)

並選
● ダンディズムを感じる句ですが、仮のが気になりました。 ──一路
ひとこといいたい句
● ジャケットは冬の季語では? ──昼顔
● ありふれた景かもしれないが、素直な詩情がある。 ──高資



冷まじや自宅待機の重症化   (0点)

ひとこといいたい句
● なんとも痛ましい状況になってしまいました。 ──千秋



豊の秋地産あふれる道の駅   (2点)

特選
● 道の駅とは、高速道路には必ずある休憩所ですね?今の時季ともなれば、その地方の特産品が
山盛りとなって販売されて居ります。田舎の道の駅を即想いました。 ──栄太郎
ひとこといいたい句
● 道の駅めぐりは楽しいですね。 ──千秋



新涼が胸のふくらみ撫でてゆく   (2点)

並選
● 作者は女性でしょうね、秋の風を胸に実感した。 ──満
○ ことは



かな交じり文の得意な秋の蝶   (0点)




◆ 「俳句大学」第6号発行記念句会


第三の水惑星や真菰刈る  (1点)

並選
生命が存在するかもしれない「水惑星」。その存在がいくつ確認されているかは
詳しくないけれど、広い宇宙の中には、きっとありそうな気がする。
宇宙へと思いを飛ばす視点から、地に足の着いた「真菰刈る」の季語への転換が素晴らしいです。 ──優理子



空蝉や廃炉始末の長い途  (2点)

並選
蝉が空蝉を残すように、われわれは、廃炉という難題を未来に残してしまった。 ──直
空蝉に廃炉処理を思うセンス、素晴らしいです。
ただ、長い途は長き途の方が良いと思いました。 ──一路



星河よりアンドロメダの便り乗せ


号を追ひたわわに実る青棗


背の児の指にふんわり姫茜   (1点)

特選    蓮子




◆ 8月東京キャンパス句会  (晩夏ー初秋)

月下美人香に蘇る夜の痴戯   (1点)

並選
● 月下美人の花は、夜遅くに白くて香り高い大輪の花を咲かせ、
その後数時間で萎んでしまいます。その月下美人を眺めいて、
夜の睦事を想う作者です。 ──栄太郎



純潔てふ言葉虚しく谷崎忌   (1点)

並選
● 谷崎文学や谷崎の女性遍歴を推考しての句・・・ ──一路



担任の個別訪問夏深し   (2点)

並選
● なつかしい。こうしたふれあいが早く戻ることを願いたい。 ──高資
○ 風精



海開き中止の浜に貝拾う   (0点)


初めての恋人つなぎ大文字   (0点)




◆ 6号誌記念句会


五年経ちはや六号誌走馬灯   (1点)

並選
● 俳句大学の季刊誌発行も早くも六号を迎えました。感無量のひと時です。 ──栄太郎
ひとこといいたい句
● おめでとうございます。 ──慢鱚



夏休み芭蕉一茶に会ひにゆく   (1点)

並選   ○ 亜仁子


真つ直ぐに句にのめり込む立葵   (0点)


学友のまた一人増へ雲の峰   (1点)

並選
● 雲の峰、夏らしさ、青春を感じる句だと思いました。 ──正則



鬼ヤンマ俳の風へと迷ひなく   (0点)




■ 6月 東京キャンパス句会

新妻の脇くすぐりて牡丹咲く   (1点)

並選
● なんとも仲睦まじく、また、艶っぽい句。新妻をくすぐったら、
羞じらいの笑みを漏らし、また、クスクス声もあげたのだろう
が、中七でキレを入れた方がいいようにも思う。このままだと、
牡丹が咲いたようだという、季語が比喩に読めてしまう気がする。
キレを入れていたら、特選にいただいた。
ただ、こんな風に言われてみたかった(笑) ──昼顔



アロハシャツ乳房で伸ばすたたみ皺   (2点)

並選
● ずいぶんぴったりなのですね。ゆったり着るのがアロハシャツなのですが。
楽しい俳句です。 ──揚子
● 健康的なお色気、老いに元気を頂ける句です ──一路
ひとこといいたい句
● 瀬戸優理子先生の 夏シャツの乳房で伸ばす畳み皺
素敵な句なので記憶のどこかに染み付いてしまったのでしょうね。
ただ、アロハシャツは、あまりぴったりしていないので、
乳房で伸ばすは、無理があるかも? ──昼顔
● 夏シャツの乳房で伸ばす畳み皺 瀬戸優理子。俳句大学の講師でもある
、優理子さんのこの句があるので、いただけなかったです。 ──正則



菖蒲湯に浮かぶ熟女の赤い爪


心にも紅さし会ひにゆく新樹   (1点)

並選
● 旨いですね、今後手本にします。 ──骨々



早乙女や惜しけく晒す白い脚




■ 5月 東京キャンパス5月句会

蜘蛛の囲やトランポリンの離れ業   (2点)

特選
● ドキッとする取り合わせ。うまく行っていると思う。 ──智
ひとこといいたい句
● 蜘蛛の囲ととトランポリンとは付き過ぎでは?
予選に頂きます!!。 ──栄太郎
○ 直



鯉幟みな風上へ口を開け    (1点)

並選
● 鯉幟が、風上に口を開けているというのが、詠み手の発見であり、
上手いところだと思いました。 ──昼顔



いつか乗る魔法の絨毯芝桜


こどもの日柱の傷は首の丈


巣立鳥竹下通りの青き性




■ 4月 東京キャンパス4月句会

鳥雲へローマ法王イラク訪


小魚に弄ばれる磯遊び   (2点)

並選
● 磯釣りはよくしました。小魚しか懸かりませんが、跳ねて、なかなか針から抜けません、
そんな感じを思い出させてくれる句でした。 ──智
○ 風精



花は咲くヴァイオリン弾く白い腕   (1点)

並選
● 3・11、その後桜の花の咲く頃から歌われ始めた震災応援ソング「花は咲く」。
それと重ね合わさる措辞。復興途上の今であるが、花と若いヴァイオリニストの
白く美しい腕が、映像として印象的。 ──智



垂涎の美女の接待鷹鳩に

ひとこといいたい句
● 予選句に頂きます!!。
まだまだ官僚の密着接待は続きそうです。 ──栄太郎



幻月の睦言交はす花朧




■ 東京キャンパス句会2月


ものの芽や今日まだ固き反抗期   (2点)

特選
● 季語が反抗期とよく呼応していると思う。 ──智



御髪上千円床屋の吸引機


寒造り糀のつぶやき聴く漢


雪女ゆるく結びし髪を解く   (1点)

並選
● なんとも艶かしく妖しげな句。雰囲気がとてもあります。 ──昼顔



彼の国に二重マスクの流行るとや




■ 東京キャンパス 2021−1月

当季雑詠(新年一切・冬一切)5句。


姫始めキスに始まるルーチーン   (2点)

特選
● ユーモラスもある面白いお句ですね。 ──亜仁子
ひとこといいたい句
● 我が家のルーティーンと違うと思いました(笑)。 ──慢鱚



目が誘ひ瞳応える姫始め   (0点)

ひとこといいたい句
● 旧仮名、現代仮名の使い方が、一句の中に混在しているのは、避けた方が良いのでは?と思いました。
誘い⇒誘ひ。応える⇒応へる。姫始めの季語を使った、怪しい雰囲気の句が数句ありましたが、同じ作者なのか? ──正則



七草や児らに教へる数え歌   (3点)

並選
● お年寄りの居るご家庭でしょうか?
孫に歌を教えている。ほのぼのとした景が見えます。 ──満
● もう七草の数え歌を歌える人は少なくなっているでっしょうね。
という私自身この句を読んで口遊みましたが、残念ながら途中で判らなくなって情けない思い。 ──祐
○ 昼顔
ひとこといいたい句
○ 揚子



川の字の赤子眠らせ姫始め   (1点)

並選
○ 亜仁子
ひとこといいたい句
○ 揚子



追憶のきみの素肌や蝋梅花   (2点)

並選
● 艷やかな肌の持主、あってみたい。 ──智
● もう会う事のない女性の肌の美しさ。追憶っていい響きですね。色っぽくて、とても好きです。 ──秋子





 【令和3年】


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■ 東京キャンパス 12月

助手席にセーラー服の雪をんな   (3点)

並選
● ドキッとしました。 ──智
● 雪女が若造に変装…面白い発想 ──満
○ 風精
ひとこといいたい句
● 予選 ──麻乃



雪吊りや俄に空の曇出し


雪女郎湯を勧めれば溶け果てり


独り居にチャイムを鳴らす雪女


雪女気合を込めて眉を描く   (3点)

並選
● 妻も真剣そのものです。 ──風精
● 雪女への応援歌。諧謔がよい。 ──直
○ ことは





◆ 東京キャンパス句会  11月 (夏雲システム)

セーターの少女の胸の膨らみて    (1点)

並選 ーー○ 亜仁子


貧乏神片身すぼりて神の旅


首里城の再建進む神無月


鳥誘ふ赤き実残る落葉時


名は体を現さぬ赤青木の実




◆ 東京キャンパス句会  10月 (夏雲システム)

ゆつくりと指に脱がせる桃の皮   (6点)

並選
● ちょっと男性視点が気にはなるのですが、桃は手で剥くものと思っているので。 ──智
● 桃の皮は薄い分、力を入れずに?くのが大切ですね。
「指に脱がせる」というお言葉に力加減の塩梅が感じられます。 ──雅典
● 指に脱がせるの措辞が秀逸 ──満
● 脱がせるという他動詞の使い方が効果的。しかもまるで指が自分とは
離れた意思をもって動くかのように表現されている。桃がまた色っぽい。 ──揚子
○ 亜仁子
○ 長谷川ひろし



銀杏散る金の翼のスラローム   (3点)

特選
● 季語と「金の翼のスラローム」という基底部の取り合わせがぴったりですね。
私も何年前、「銀杏散る黄色き鳥と化しながら」という俳句を詠ませて頂きました。
散る銀杏の葉は本当に金色の鳥の翼に似ている。 ──亜仁子
並選
● 銀杏の散る様を素敵な表現と思いました。 ──慢鱚



乱菊や派閥均衡人事哉

ひとこといいたい句   (0点)
● 俳句は、時事性より普遍性に重きを置くように思います。
時事的な内容でも普遍性がある句だと、共感しやすいのですが。 ーー正則



吾亦紅村の境の道祖神   (0点)


碧き日の甘い追憶マスカット   (0点)




◆ 俳句大学 2020年度 9月東京キャンパス句会

栗実る母なる毬にくるまれて   (2点)

特選 ● 栗の毬を母と見立てる。これはなかなか独創的だと思いました。 ──正則


白桃や産毛光れるきみの頬   (1点)

● まだお化粧も施さない少女の頬には、産毛が光っています。
白桃の肌の産毛が少女の頬に重なっています。 ──栄太郎



大粒と甘さ自慢のぶどう園   (1点)

● 葡萄園のキャッチみたいだが、妙にひねらないのがいい。 ──草民


菊人形ファインダーから鎧武者   (1点)

● ファインダーから…が面白い!菊の見事な景に見入っている ──満


仰天の一尾千円初秋刀魚   (0点)




■ 俳句大学東京キャンパス夏期講習句会(8月)

当季雑詠3句+席題=2句(下記の席題を1つづつ)
秋子さんの席題=線香花火(せんこうはなび)、
ことはさんの席題=朝凪(あさなぎ)・朝凪ぐ(あさなぐ)



朝凪や沖を釣るかに竿を振り   (5点)

● 沖を釣るという大胆な措辞が気持ちいいが、釣りをしないので、わからないが、
凪のときは釣り果は、あがるのかしら? ──昼顔
● 朝凪の季語があっているかどうかはわかりませんが、
下の句の大きな表現にひかれました。 ──揚子
● ルアーを遠くの投げあがた感じがよく出ている。 ──永田満徳
● 朝凪の海に大きく弧を描く竿と、伸びてゆく糸の躍動感がいいですね。 ──祐



線香花火枝垂れ降るまで手を添へて   (0点)


線香花火ポトリと落ちる火の雫   (0点)


誤速報迷惑顔の鯰達   (0点)


合歓の花きれいな文字の封を切る   (4点)

● 美しい女性文字の手紙が届きました。妙齢の佳人からの手紙が
「合歓の花」との季語により、象徴されている。 ──栄太郎
● 封を開けるのももったいないほど美文字。季語の合歓の花がいいですね。 ──千秋
● 合歓の花の繊細な美しさに対照する封書のきれいな文字とは
どんな字かいろいろ想像させられました。 ──長谷川ひろし





■ 東京キャンパス句会   7月(コロナのためネット夏草システム使用)


大らかに性を謳歌す鍋乙女

● この句は無季ですか?   昼顔
「鍋乙女」は「筑摩祭」(夏)の傍題で、滋賀県米原市筑摩神社の祭礼。
鍋釜祭とも言い、娘たちが関係した漢の数だけ鍋をかぶって神前に参り、
その数を偽れば神罰を受けるとされた。  (また、八人の処女が鍋をかぶって
神前に舞い、もし男と通じていれば鍋が割れるとも言われた)
現在は八歳の少女が紙の鍋をかぶる形に変わっている。



鬼平が密偵(いぬ)と囲みし泥鰌鍋


夏料理かこち顔なる鍋奉行


梅雨晴間洗濯物の大はしゃぎ     (1点)

並選 ● 擬人化された洗濯物、やっと洗ってもらい、所狭しと干された景が見えました。 ──正
○ 亜仁子 ○ 霜魚



立葵ライトを浴びるのお立ち台




■ 東京キャンパス句会   6月(コロナのためネット夏草システム使用)


ダービーや客無き馬場に鞭の音    (4点)

普段は観客の声でかき消されてしまう鞭の音も、無観客の中だと聞こえてくるという様が印象的です。 ──雅典
● 競馬といえども一年中の中では、格式も重く国歌まで歌われるほどです。
今年はコロナ禍の中で無観客の中で実施されました。それでもレースです。勝利の為には鞭の音も響きます。 ──栄太郎
● 思わぬ疫病で思わぬレース、それを上手く切り取られましたね。 ──骨々
● 世情を上手く表現されてる。 ──満
● 馬場、鞭の音にダービーは付き過ぎ ──慢鱚
○ 麻乃



第二波を押さえ込まむと菖蒲酒


笑点のリモート大喜利冷奴    (1点)

酒肴に冷奴。いいですね。笑点メンバーの下らない回答にぶぶっと冷奴を吹いてしまったりとか。
時事句は頂くのが難しいんですが、下五に冷奴を持ってきて落ちが決まりました。 ──十八
笑点と冷奴の取り合わせが妙にあってます。 ──草民



公園に児らの歓声柿若葉


アマリリスあなたへ逢ひにゆく道に    (1点)
景が見えますね。花言葉やように内気な女性の勇気が見えますね ──霜魚




■ 東京キャンパス句会   5月(コロナのためネット夏草システム使用)


残る鴨我慢ウィーク始まるよ


神主も手伝いに出る田植かな    (6点)

特選
● 村中総出で田植えをするのだ。神主も手伝いに来る村の大イベント。
じわじわとにじみでるユーモアがあり、特にひかれた。 ──暢
● 農家の減少がつづく現代にあって実景であると共に、
そもそも田植が神事であった光景も彷彿とされる。 ──高資
並選
● 神主さんも、いそいそとして、楽しそう。 ──真波
○ 千秋
予選
● 神主との取り合わせは面白いが、「田植」は夏の季語であり残念。 ──昼顔
● 今年は特別の祈りを捧げます。 ──智
○ 紀宣



蛙の子ジャンプして捕るフリスビー     (雨蛙:夏)


糞真面目キスもお預け春デート    (0点)

予選
● 季語と上中の情景が重なって見えるのが惜しい。
別な季語の方が生きたように思います。 ──長谷川ひろし



禁密の隔靴掻痒山椒喰




■ 東京キャンパス句会   4月(コロナのためネット夏草システム使用)


目刺焼く不要不急を言い訳に    (2点)

● 家に籠りがちな今の状況を目刺焼という言葉で俳人らしく
斜に捉えているところに魅力を感じました。 ──長谷川ひろし
○ 美遥  予選
● 今話題のフレーズ「不要不急」をうまく料理した句。
人によって「不要不急」の判断は異なるという諧謔がある。
少々、理が勝っているところが気になり、残念ながら選外に。 ──優理子
● 何があっても庶民派小さな楽しみを見つけるものですね。 ──揚子



はふはふと島の名物焼栄螺    (0点)

● 島の名物焼栄螺という観光地のキャッチコピーみたいな措辞、
はふはふという使い古されたオノマトペ、それでも焼き栄螺の美味そうな匂いが
伝わってきて食欲と旅心を刺激する好きな一句です。ごちそうさま。 ──草民



獺魚を祭る棺桶の列    (1点)

● いま世界で起きていることが思い出された。大変な死者、そして棺桶の列。 ──智


蟻出づやオーバーシュートの大都会


花冷えや死体安置所公園に




■ 東京キャンパス句会   3月(コロナのためネット夏草システム使用)


鳥帰る眼下に避難指示の街   (3点)

(特選)北の国を目指して故郷に帰る冬鳥たち。その鳥たちの帰る眼下には故郷を失い
避難を余儀なくされている多くの被災者がいる。帰る故郷、帰れない故郷、心を打つ句ですね。 (祐)



座布団を飛ばす客無き春の場所   (1点)

(並選)無観客の大相撲の時事句ですね。 ──慢鱚


瀬戸内の島結ぶ路風光る   (3点)

(並選) 島を繋ぐ大橋の天気の良い景が見えます。 ──慢鱚
 瀬戸内海で外周が0.1Km以上の島の数は727あるという。いったことがあるのは、
3〜4カ所。季語に瀬戸内らしさを感じました。 ──正則
(麻乃 入選)



海峡の潮の鍛えし桜鯛   (3点)

(特選)「大嘗祭」で真鯛を献上したのは淡路島。食の宝庫としての歴史を
紡いできた淡路島。北は明石海峡、東は紀淡海峡(友ヶ島水道)、西は播磨灘、
そして南には鳴門海峡と、全国に名を馳せる好漁場の中に浮かんでいる島です。
鳴門海峡はプランクトンが多く、真鯛の食糧となる海老や蟹が非常に
豊富な恵まれた環境。それらを思う存分に食べてその旨みを蓄えるから
おいしいのだという。句の措辞、潮が鍛えるというここに感動しました。 (正則)
(並選)生きのよい桜鯛が跳ねている様子がみえます。 (慢鱚)
(予選)立派な桜鯛なのでしょうね。 (昼顔)



写真誌にスクープされし内裏雛   (0点)




↑ 【令和2年】


0




■ 東京キャンパス句会   5/04


メディアみな令和令和と耳にタコ


頬をよせ香気吸い込むみどりの日


サギ草や I'm Mike in America


ほほ笑みを花束にして松葉菊




《懇親会・袋回し》 【春雷】

春雷や別れ話は突然に   (4点)

春雷やしゃがみ込んでるハイヒール   (3点)

春雷やカサブランカを寝化粧に   (3点)

春雷やへそを押さへる蛙の子   (2点)

春雷や云ったセリフにほぞを噛む   (2点)






■ 東京キャンパス句会   4/06


花の雨縄文土偶の眼の虚ろ    (3点)


「待たせたね」振り向く肩に花吹雪   (2点)


悔恨の涙滴り木付子咲く    (1点)


清明を捏ねて丸めて自白剤




↑ 【令和元年】  【平成31年度】


0




【東京キャンパス句会】  (2019/2/02)


寝化粧を済ませそはそは猫の妻  (2点)


風光る湖畔のほとりジャズ流る  (1点)


冴返る正倉院の避雷針  (1点)


待受の梅の蕾も膨らみて


荘厳な氷柱神殿奥日光


【席題袋回し】

春浅しドライカレーの隠し味  (3点)




【東京キャンパス句会】  (2019/1/05)


ポーチにはシャネルの5番雪女   (1点)


老いの恋あやかりたきや春星忌


湯上がりの真肌ほてらす雪女郎


独楽名人安否気遣ふ肥後の地震




【堺谷真人氏  送別句会】  (10/17)


良き友の浪速へ上り秋寂し


紅葉して友懐かしむ浜離宮     (1点)


行く秋や待たるる浪速漫遊記     (2点)




【東京キャンパス句会】  (10/06)


婚活のやる気満々豊の秋     (1点)


浮気と呼ぶ苗字に嫁ぎ萩の宿     (1点)


鹿鳴草見頃ですよと誘はれて     (1点)


邯鄲やかくす術なき恋心




【東京キャンパス句会】  (7/07)


星祭漢字ひとつの児の願ひ     (6点)


北斎の波を水馬潜り抜け


無垢の身のさびしき性や夏椿


もどかしく肩から落とす藍浴衣




【東京キャンパス句会】  (6/02)


父の日や丸や四角のパパの顔   (2点)


新茶汲む手触り丸き楽茶碗   (2点)


眼福の丸きふくらみ金魚玉   (2点)


なめくじら丸文字踊る様遊び




【東京キャンパス句会】  (5/05)

種の起源薫風に立つエヴァの像   (2点)


母の日やごーがわいたと皿を割る    (2点)
(ごーがわく:腹が立つーー播磨の方言))


柏餅お国訛りの同窓会   (2点)


喚問や知らん紫蘭の花盛り




【東京キャンパス句会(4月)】 4/07

 ラプラスの悪魔統べるや春の波    (1点)


   虚子の棒生命貫き蝌蚪生る    (0点)


    補助輪の取れし少年春の鹿    (0点)


     木は森に核ミサイルは土筆原    (0点)





↑ 【平成30年度】

0



【東京キャンパス句会(3月)】 3/10

目を合はす二人は無言花の雨    (1点)


   ポケットに飴玉ひとつ友雲雀    (0点)


    鼾止めテープの口や目借り時    (0点)





【東京キャンパス句会(2月)】 2/03


 春風の娘船唄蔵の街    (2点)


   骨休めせよとばかりに名残雪   (0点)


    鬼は外言わぬ安全保障哉   (0点)







【東京キャンパス句会(1月)】 1/06   (欠席・投句)


初凪や木造船来る佐渡の浜     (1点)


食べ飽きしお節料理や六日年     (0点)


初夢やムスリムとなり妻四人     (2点)




【東京キャンパス句会(11月)】 11/04


長き夜の掌の覚えたる円さかな   (4点)


ぐい飲みに命を洗う神の留守   (4点)


濃紅に女目覚めし七五三   (3点)




【東京キャンパス句会(10月)】 10/07

今回から会場が大宮市公民館へ替わった。 拙句は以下。


 一山に一刷毛の紅山粧ふ  (4点)


 十代の蹉跌酸っぱい青蜜柑 (2点)


 パンドラの箱を開きて虫選 (1点)


最高は6点句が2名、個人合計は10点は2名だった。

0




【東京キャンパス句会(9月)】


白菊や空手少女の型稽古    (4点)


蜩の地謡に和す野外能     (2点)


ごぼう抜き船に溢れる秋鰹   (0点)




【東京キャンパス句会(7月)】


記紀に読むダークサイトや火取虫    (4点)


遠来の友の嬉しき夏句会       (1点)


キスよりも甘噛が好きサクランボ    (0点)




【六月句会】


売声と風を担ぎし金魚売  (6点 特選X3)


味消えたガムを噛み続け芒種かな  (1点)


十三も連敗ユダと蟻地獄  (0点)




【五月句会】


失敗は乗り越えるもの巣立鳥  (2点)


ボルダリング活路を探り雲の峰  (2点)


釜音と新茶に五感研ぎ澄まし




【四月句会】 (欠席:風邪)


↑ 【平成29年度】

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【三月句会】 (3/04)

ピンヒール両手に持つて青き踏む   (1点)


バストよりヒップふりふり猫の恋  (0点)


雪解水火星のイシス運河にも   (0点)


婚活は自分ファースト桃の花   (0点)


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【二月句会】 (2017/02/04)

寒雀遊びという字がふくら着て  (1点)


風光る硬き空気を貫きて     (1点)


鳥交るコンビニ前に屯して   (5点)


ボサノバのステップ踏むや鶴の舞  (1点)


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【一月句会】 (2017/01/07)

言霊の海へ漕ぎ出す一番銛   (3点)


風を斬る袱紗捌きや初手前   (3点)


会ふたびに丈伸びてゐる花小袖  (1点)


三年目脱皮もくろむ初句会  (1点)


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今村 征一 良いお句が揃いましたね。お目でとうございます。句会の人数も多くなりましたね。
浅田 洋 ほんとうに初句会らしいいい句ですね。今年も楽しみにしています。
瀬能 ハルミ 北野さん! おめでとうございます
岩本 ひとみ ねー。もう三年目に入って…北野さんの句も貫禄ですね。
Biyou Utashiro お世話になりました
山野辺 茂 北野さん、特選に頂きました。物語を感じさせる男性的な句が良かったですね。
清水 憲一 北野さん 初句会らしい良い季語の句が揃いましたね。
囲碁で言えばもう初段級ではないですか。(^.^)
大関博美 句会お疲れ様でした。花小袖を頂きました。
季語で悩みました。「花」が小袖にかかっていたので、無季語と思いましたが頂きました。
永田 満徳 おめでとうございます。





【11月句会】 (11/05)

新酒よとLINEに君の誘ふ顔    (4点)


失恋にうちひしがれて日記買う


森深き木の実時雨はアルペジオ


アルバムを開く吟行冬に入る


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【十月句会】 (10/08)

訥々と論語呟き栗を剥く  (3点)


長き夜きみへの想い π むげん  (1点)


新走本音もろとも一呑に


そびえ立つ千年杉や虫の国




【九月句会】(9/03)

鈴虫がアリバイ崩すサスペンス   (4点)

鈴虫の移住計画四光年       (3点)

旅誘ふバスタ新宿花野まで     (0点)

理を捨てて情に溺れる蟋蟀     (0点)

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【七月句会】(7/02)

捻り花恋占いは信じない    (2点)

青蛙どっと繰り出す初選挙   (2点)

炎熱や青い地球を真二つに

玉葱の外皮剥けば白眩し

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【6月句会】

花あやめ初めて君に触れたとき   (2点)

ギロチンの命を薔薇の名に残し   (2点)

冷トマトかぶりがぶりとディープキス  (1点)

夏の地震地軸揺るがしうるう秒   (1点)

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【2016-05】

群燕詩(ウタ)の言葉を探し飛翔   (1点)

ビル街の先に初夏佇めり    (1点)

新樹風睦言のやふに聞き流し    (1点)

地平まで金の絨毯麦の秋

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【2016-04】

微笑めど風は語らず竹の秋   【3点】

陋屋や四澤より満つ春の水   【1点】

ドローンを誘い雲雀の急降下   

直木賞ページ開くや目借時   


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【平成28年度】 ↑

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【2016-03】

後朝の日だまりに笑む沈丁花  【4点】

灼恋の傷みに耐えよ紅椿    【2点】

迸るいのちの叫び春に逝く   

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【2016-02】

言ひかねて眼がものを言ふ春ショール  (5点)

宿敵が吾を鍛える涅槃西風  (1点)

伝言をゲームのように桜草  

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D点句は嬉しかった。




【2016-01】

淑気満つ宙(ソラ)ゆく有人ステーション  【2点】

初詣イクメン宣言確かめに        【1点】

落葉焚く落選の句を潜ませて       【1点】

出句した3句とも採ってもらえたが、点数は少なかった。
選者の【信解】に訴える俳味、ポエムが十分ではないと反省しさらに精進したい。

【知解】(チゲ):言葉が分かること
【了解】(リョウゲ)/【情解】(ジョウゲ):意味を理解できること
【信解】(シンゲ):感性で捉えること。芸術・ポエムとして感動を受け取ること
(↑ 1/10句会での五島先生の講義より)




【2015-11】

胸の児の足でおねだり冬帽子    (1点)

パズル解く難語ちらほら敷炬燵




【2015-10】

ボール追ふ色なき風に嬲られて    (3点)

名を問はれさては南京玉すだれ    (2点)

わけもなくあの日別れて曼珠沙華    (1点)




【2015-09】

鳳仙花サンバを踊るへそピアス    (1点)

大道芸炎を喰らふ男郎花     櫛比せしひまはり畑や隠れ蓑




【2015-07】

赤心を捏ねて丸めて桑の実に    (2点)

身を捩りもういやですと竹夫人    (1点)

咲きてなほ足るを知らずや蓮の花    (1点)




【2015-6】

梅雨晴間まだ醒めやらぬ俳句脳    (2点)

古妹の照る日曇る日合歓の花     小憎くも構え隙なき立葵




【2015-5】

クレマチスきっぱりと咲き無垢の白     桃色の墨田の花火梅雨の星




【2015-04】

春時雨指輪いじくりカフェの窓     (1点)

山吹よ君が云う be free とは     (1点)

稚児の眸のいとど涼しき花まつり




【平成27年度】 ↑

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【2015-02】

本気だから初天神に絵馬掛ける   (2点)

雪吊りや光子帆船シリウスへ    (2点)

初不動仏匙投げ未分明      丈六の不動の社寒の明け




【2015-01】

空っ風りんごの頬っぺ鬼ごっこ   (2点)

振り向くや不意にウインク暖炉脇




【2014-12】

同窓に燃える暖炉やセピア色     春となり助手席はまだ空いてます




【2014-11】

炉火恋し生涯恋愛社会くる     (4点)

青い実の香りかそけき小豆島     名を告げぬ花にも個性光る秋




【2014-10】

栗爆ぜて焼け木杭に火のつく恋    秋涼し式部の色にときめいて    浮雲を先達にして秋遍路




【2014-08】

身を任せど心まではと夜の秋   (1点)

ダリアにもメビウスの輪の恋模様




【平成26年度】 ↑



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