俳句鑑賞文(復刻版)    2020 September       0 トップへ   






(9/30)


秋深し「いま、会いに」逝つてしまつた   慢鱚

女優・竹内結子さんへの追悼句。
季語は秋寂び、秋寒、傷秋なども考えられる。
大工原 一彦 北野 和良さん。特選にご選句ありがとうございます??
敢えて破調にしました。とても嬉しいです。いや、哀しいです。



(並線)


果実酒の琥珀に酔ふ秋の暮   夢積

琥珀色の果実酒、何だろうか? 中六が少し気になる。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



おもひ出づ過去の恥辱や石榴の実  栄太郎

過去にどんな恥辱があったのか? ザクロの実のおどろどおろが合う。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
未だ緑濃き、葉陰のざくろの実に緋色は過去の恥辱を想い出すような色ですね?



化野に添水の余韻星と和す  直

余韻星と和す、が素晴らしい。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しい限りです。





(9/29)


沖に湧く雲の片照り寝待月   夢積

寝待月で雲の片側だけが照らされて。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


傷秋や夜間飛行の読書灯   昼顔

なにか悲しいことがあっての空の帰路。なぜか読書にも身が入らない。
岩永静代 和さん、おとりいただき、ありがとうございます



犬を追ひ歩む地道や草じらみ  栄太郎

犬を追って草の中を歩くとズボンに草じらみが。秋だなあ。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
先日の川べりの地道散策の光景です。



酢を打つて白米ひかる秋祭  眠兎

光る新米、美味しそうだなあ。
河辺 伸一 北野さん。こんばんは、ありがとうございます。





(9/28)


熊本へ届かむ秋のこの賜杯  双葉

熊本出身の正代の初優勝おめでとう。
新名勝之 どうもありがとうございます。



(並選)


兄弟みな異にし性格秋七草   夢積

兄弟とはいえ性格はそれぞれ七草のように異なるものだ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



もみづるや南京櫨の緋の一葉  栄太郎

南京櫨の一葉だけが緋に色づいてきて秋の訪れを実感する。
桑本 栄太郎 北野さん、牧内さん、辻井さん・・・大変有難う御座います!!。
未だ殆ど緑濃き中に南京櫨の真紅の紅葉はどきりとするほどの緋色ですね!!。



ごはごはの手触り梨の個性とも  十河 智

ごわごわの梨の手触り、これも個性だ。
十河 トモ子 北野 和良さん、ありがとうございます。智





(9/27)


馬肥ゆる誕生の日のマグロ丼   満徳

今日は誕生日、ちょっと豪華にマグロ丼ぶりで祝おう。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
食べきれないほどのマグロ丼でした。



(並選)


潮騒に目覚の早き稲雀  夢積

秋めいて雀も朝早くから餌探しに忙しい。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



裏庭の色づき来たり添水鳴る  栄太郎

庭の紅葉も色づき始め鹿威しの音も冴え渡る。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
嘗て、訪れ散策しました天竜寺の裏庭を思い作句しました。



コンバイン音の気忙しき野分前  浩正

野分前に刈り終えようとコンバインも忙しい。





(9/26)


日暮来て急に寂しき虫の秋   夢積

日が暮れて虫の声が聞こえ始めると、寂しさが募る。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


ばつたんこ鳴るや山風鎮まりぬ  栄太郎

山風が静まると鹿威しの音だけが静寂を破る。
桑本 栄太郎 北野さん、小口さん・・・大変有難うござます!!。
鹿威しの音は、山蔭のような場所にあり音が良く通りますね!!。



秋雲をしとねにしたる阿蘇五岳  満徳

大きな景ですね。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
世界一のカルデラに横たわる阿蘇五岳は雄大ですね。



吊り橋を引っ張り合って紅葉山  仁志

谷川にかかる吊り橋の両側の山ははや紅葉が始めった。
藤本仁士 北野 和良さん、並選にとっていただきありがとうございました。
ご鑑賞の通りです。下を12音に入るよう確認しました。





(9/25)


声合わせ父へ投げたる稲穂かな   一路

十段の稲架の上にいる父親と下から稲束を投げる息子の息のあった作業。
辻井市郎 北野 和良さん、特選、ありがとうございます??
もう半世紀も前の景を思い出して詠んでみました
今はコンバインですから、あっという間に稲刈りと脱穀で
楽ですけど味気ないですね??



(波線)


鬼の子の母を恋ふとや揺れやまず  栄太郎

蓑虫が枝からぶら下がり母を恋ふかのように風に揺れている。
桑本 栄太郎 北野さん、小口さん・・・子蟷螂でも鬼の子でも、
産まれて小さい時より独りの孤独です。小生の母も4歳の小さな頃亡くなり、
その淋しさに想いを馳せて見ました。



月までも不況の雲に隠れけり   夢積

コロナ禍に苦しむ経済、月も憂いているようだ。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



山麓を歩き松虫鳴く小道  十河 智

山麓の小径を歩けば松虫の涼やかな鳴き声が。
十河 トモ子 北野 和良さん、ありがとうございます。智





(9/24)


浦人も家に籠り居て今日の月   夢積

浦に住む人達も今宵は家でお月見を。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


七段の堰水白し秋の風  栄太郎

七段の堰を流れる水は白く秋の風情に満ちている。
桑本 栄太郎 辻井さん、北野さん、・・・一昨日の夕方近在の
川べりを散策しました。緩やかな七段の堰水は真ん中を白く流れ、
秋の夕風も吹いていてとても良い風情でした。



地より湧く千手菩薩や曼珠沙華  直

曼珠沙華の細い花びらを菩薩の千手に見立て見事。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。
嬉しく存じます。



紫苑揺らす朝の風の爽やかさ   公彦

紫苑が風に揺れ秋を告げている。
大津留 公彦 北野 和良 ありがとうございます。





(9/23)


のつたりと千切れ雲ゆく秋日かな  栄太郎

ちぎれ雲が流れ、秋の訪れをしみじみと感じる。
のつたりと、が素晴らしい。
桑本 栄太郎 北野さん、辻井さん・・・大変有難う御座います!!。
良く晴れた青空に千切れ雲が浮かんでいます。よく眺めて居れば、
ほんとうにゆっくりと少しづつ流れています。、
まさにその光景は「のつたり」とのようです。



(並選)


名月や地球飛び出す旅の夢   夢積

名月を眺めていると、いつか地球を飛び出す旅が出来るだろうかと。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



無花果を割る腑分するやうに割る   草民

腑分するやうに、の措辞がお見事。
山野辺 茂 北野 和良さん、ありがとうございます。



秋の波六角堂に砕けけり   滿

岡倉天心の活動拠点だった五浦六角堂で天心を偲ぶ。
杉山 満 北野 和良さん、並選にお取り頂き有り難う御座います。
その通りです。東日本大震災で土台のみが見事に再現されました。





(9/22)


饒舌の後の沈黙小望月   夢積

小望月 が昇りあまりの見事さに皆沈黙する。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


秋茄子や幸せは今ここにある  亜仁子

よく実った秋茄子、煮ても焼いても美味しい。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。



さはやかや例のと言へば珈琲来る  満徳

行きつけの喫茶店、「例の」と言えば黙って珈琲が出てくる。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
行きつけの店っていいですね。阿吽の呼吸です。



溝川の音色よきかな秋の水  栄太郎

溝川のサラサラと流れる水音に秋を感じる。
桑本 栄太郎 北野さん、辻井さん・・・大変有難う御座います!!。
一昨日、彼岸花の開花状況を求めて近在の田んぼを散策しました。
溝川の流れは癒しのヒーリングにも良いと云われますように、
とても良い音の流れでした。





(9/21)


安楽死ありや無しやと望の月   夢積

死について考える歳となってきた。
重病で安楽死を選ぶような事態も起きるだろうか?
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


縁どれる田のそれぞれに曼珠沙華  泰與

田の畦にそって彼岸花が咲き競っている。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。



新米の炊き上がりまず仏壇に   仁志

新米のご飯はまず仏壇に。敬虔な詠者。



たれ知るや鬼貌となる芙蓉の実  栄太郎

艶やかで優しい芙蓉の実は、花からは想像もつかない硬い殻。
鬼貌の措辞がぴったりだ。
桑本 栄太郎 北野さん、岩永さん・・・大変有難う御座います!!。
植物の実の姿は花からは想像できない程変容するものが沢山ありますね?
カラス瓜、木蓮、オクラ、芙蓉などは典型的のようです。
あの皺だらけの鬼のような貌(かお)にはびっくりです。





(9/20)


汀女忌の独り昼餉や残りもの  栄太郎

「台所俳句」に新たな領域を開いた中村汀女の忌日。
汀女に習い残り物の昼餉を詠んでみた。
桑本 栄太郎 北野さん、Akiko Eguchiさん、・・・大変有難う御座います!!。
昨日9月20日は折しも中村汀女の忌日でしたね? 余りの気候の良さに家内は出先から
友人と出会い藤袴見物へ行くと連絡があり、昼餉は独りでの残り物の昼食でした。



(並選)


秋の蚊や血液型に好み無し   夢積

血液型性格判断などに興味はない。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



コスモスの露天風呂へとなだれ咲き  泰與

コスモスに囲まれた露天風呂、癒やされるなあ。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。



香り立つ湯気も馳走や栗ご飯   一路

香も馳走、仰るとおり。
辻井市郎 北野 和良さん、ありがとうございます?
食べ物の美味しくなる時期ですね





(9/19)


大栗を剥かば何たる虫の城  一路

大きなサイズの栗、期待して剥いたらなんと虫食いだった!
辻井市郎 北野 和良さん、特選に選句して頂きありがとうございます??
大栗をこれはと思い剥いたら、虫食いだらけってちょこちょこありますが、
やはりショックですね??
北野 和良 虫も大きくて立派な栗を狙うんでしょうか(笑)



(並選)


静寂の古き漁港や敬老日   夢積

敬老日の港は静寂に包まれている。私の心境のごとくに。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



連休のバイク発車や水木の実  栄太郎

連休でバイク旅行の人たちが行く。GoToトラベルだろうか。
桑本 栄太郎 北野さん、工藤さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日の土曜日朝、階下の駐車場よりバイクの発進するときの音が
聞こえて来ました。嗚呼!連休初日の遠出なのだ!と一瞬気付きました。



曼珠沙華晒すうなじに朱の走る  昼顔

曼珠沙華の花びら、まるで佳人の項のようだ。
岩永静代 和さん、おとりいただき、ありがとうございます??!
やはり、じっくり実際に観察してくると、イメージが浮かびます。
なかなか句にはできないですけどね??





(9/18)


葬送の秋思死角に涙拭く   夢積

葬儀に加わり、皆さんの目につかないところで涙を拭く。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


さみどりのベビー帽子や櫟の実  栄太郎

どんぐりの殻斗をベビー帽に見立てた面白い句。
桑本 栄太郎 辻井さん、北野さん・・・大変有難う御座います!!。
同じどんぐりの仲間でも櫟の実は大きな編帽子のベビー帽のようながくをかぶっています。



栗剥きは隠居仕事とお婆様  一路

三世代同居の懐かしい時代のルール。
辻井市郎 北野 和良さん、ありがとうございます?
半世紀も前になりますが、祖母が根気よく日なが一日栗の皮剥き
をしていた姿が今も偲ばれます



完熟のいちじく舌になだれけり   昼顔

いちじくの美味しさがなだれけりで強調された。
岩永静代 和さん、おとりいただき、ありがとうございます??!
子供の頃に食べたあの甘いいちじくでした??





(9/17)


新酒酌む試飲の蔵や牧水忌  栄太郎

酒蔵で新酒の試飲サービス。味わいながら牧水を偲ぶ。
桑本 栄太郎 北野さん、小口さん・・・大変有難う御座います!!。
新酒の出回る季節となりました。伊丹の蔵元では訪れたお客様に
試飲をさせるところがあると聞き、牧水忌に合わせて詠みました。



(並選)


移ろいは空に始まり秋の雲   夢積

秋の雲を眺めながら季節の移ろいを感じている。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます



鳥逃がしコロナを殺す放生会  亜仁子

不殺生を誓う放生会だが、コロナだけは許せない。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。
嬉しいですね。



鬼の子の自然法爾と搖れてをり  祐

親鸞の説く自然法爾の思想と鬼の子の取合せが面白い。
牧内 登志雄 辻井さん、北野さん、お目に留めていただきありがとうございます。
自然法爾の四文字、なかなかに難しいことですね。





(9/16)


風立ちて萩伸びやかに乱れけり   仁志

風に揺れる萩の花の写生。伸びやかにが良い。
藤本仁士 北野 和良さん、特選にとっていただき光栄です。
また写生についてのご鑑賞有り難うございます。



(並選)


闇深き土間の静寂やつづれさせ  栄太郎

土間の闇でコオロギが鳴いていてひとしお秋を感じる。
桑本 栄太郎 北野さん、辻井さん、岩永さん・・・大変有難う御座います!!。
深まり行く秋と共に田舎の子供の頃の土間のある、田の字型の家を想い出します。
夜更けともなれば、暗い土間に蟋蟀がに鳴き恐ろしいほどの静寂となりました。



衰へし五感に仕切り敬老日   夢積

ちかごろ特に五感の衰えを感じ始めた。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



蟷螂の両鎌あわせ祈りおり  眠兎

蟷螂の姿を祈りと見た発見。
河辺 伸一 北野さん。こんばんは。ありがとうございます。





(9/15)


爽やかや全米テニストリプルV   一路

大坂なおみ選手の大金星。
辻井市郎 北野 和良さん、特選、ありがとうございます??
なおみ選手に続き、国枝選手、上地選手が見事優勝しました?
とても清々しい、爽やかな気分にしてもらいました??



(並選)


敬老日口悪き子の酒一合   夢積

敬老日、酒一合で祝おう。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、
孫がワンカツプ置いて帰りました。



うつすらと雲と見紛がふ朝の月  栄太郎

朝の月はうっすらとして雲と見間違うほど、秋だなあ。



啄木鳥の叩く音して旅の宿  十河 智

静かな宿に啄木鳥の音が聴こえる。
十河 トモ子 北野 和良さん、ありがとうございます。智





(9/14)


松茸や体内時計進みがち    夢積

松茸を早く食べたいと体内時計も進んでいる。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


あけぼのの青磁の空や去ぬ燕  泰與

帰燕を見送るあけぼのの空は青磁の色だ。無事の旅を祈ろう。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。



幼子の手紙添へありぶだう届く  栄太郎

故郷から幼兒の手紙を添えた葡萄が届いた。さっそく頂こう。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
山口に居ります次男より葡萄が送られてきました。箱の中に
小学校2年生の孫の手紙も添えてあり、大変うれしく思いました。



みちのくの言の葉やさし菊膾  仁志

故郷の言葉はどれも優しく聴こえる。
藤本仁士 北野 和良さん、並選にとっていただきありがとうございます。
ご感想も感謝致します。





(9/13)


彼の国の高地険しき乃木忌かな  栄太郎

乃木大将の忌日に当たり、日露戦争の203高地の激戦に思いを馳せる。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日13日は、今ではあまり知られなくなりまし乃木大将の忌日でしたね?
映画で見た日露戦争の203高地の激戦は居何時までも忘れられません。



(並選)


吾亦紅思考回路の錆び付いて   夢積

近頃頭の回路も錆びついてきたようだ・・・・
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



水没の酒蔵よりの新酒かな  満徳

冠水被害にあった酒蔵が頑張って新酒を発売した。めでたいことだ。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
復興の意欲を感じさせるものですね。



藍の花今年踊れぬ阿波に咲く  浩正

コロナ禍で恒例の阿波踊りも中止、なんと悲しいことだ。
藤倉浩正 北野 和良 さん。選を頂きありがとうございます。
寂しい今年となりましたね。





(9/12)


糸瓜忌や粗悪な造語土に埋め   夢積

言葉使いに厳しかった子規の忌日に当たり、下手な造語は止めようと決心する。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


出して入れ入れて又干す秋の空  栄太郎

秋の空は晴れたり降ったりと変わりやすい。洗濯物干しにも苦労する。



不知火や太古の舟の見えてきし  満徳

有明海の不知火は、太古の舟の明かりのように見える。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
「不知火(しらぬい)」は、九州に伝わる怪火の一種で、現在は
大気光学現象の一つとされています。その幻想性を詠んでみました。



青蜜柑下に添へたる手紙かな  雅典

どんな手紙なのか、ドラマの始まる予感。
工藤 雅典 北野 和良様、並選にお取りいただきありがとうございます。
また、ご鑑賞もとても嬉しいです。





(9/11)


国政や独り強がりの百舌鳥猛る   夢積

この度の総裁選の活写。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


雲の秋人間臭き記紀の神  千秋

記紀は神々を赤裸々に語っていますね。
中野千秋 和良さんありがとうございます??
ギリシャ神話の神もそんな感じですねー。
それに対して聖書の神やアラーは絶対神。



万年筆のカルテ走りぬ静塔忌  栄太郎

京大俳句の重鎮・平畑静塔の忌日に医者でもあった故人を偲ぶ。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日11日は、精神科医でもあり京大俳句事件へも連座となりました
俳人平畑静塔の忌日でしたね? 昔の医者は万年筆にてカルテ書きを
行って居て、その光景を重ねて詠みました。



台風の目に壁雲の聳り立ち  亜仁子

宇宙ステーションから見た台風の目の活写。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。
嬉しいですね。





(9/10)


遠台風鰡跳びしきる船溜   夢積

台風の余波の残る港に鰡がたくさん跳ねている。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


下冷えや雨垂れととと樋伝ふ  栄太郎

雨が降り樋を伝う雨粒にも秋の気配が。おととが良い。
桑本 栄太郎 北野さん、杉山さん・・・大変有難う御座います!!。
昨日は朝方より秋の小雨が降り、肌寒い程でした。
窓の外の樋を伝う雨垂れが時折風に「杜トトと」と滴り落ち、
季節替わりの風情を感じました。



青空の二片こぼる螢草  一路

螢草の二枚の花びらを青空の二片に見立て秀逸。
辻井市郎 北野 和良さん、ありがとうございます? 励みに致します??



風紋は風の足跡いわし雲   眠兎

砂丘の風紋はまさに風の足跡だ。
河辺 伸一 北野さん。こんばんは。ありがとうございます。





(9/09)


結社誌と歩みし月日秋の虹  満徳

結社誌の終刊を迎え長い歴史を振り返る。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
こちらこそ宜しくお願い申し上げます。



(並選)


神守の伊勢路にお在す守武忌   夢積

伊勢神宮の神官だった荒木田守武の忌日。今も魂が伊勢を守っている。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



群青の空の茜や秋の宵  栄太郎

秋晴の夕刻、群青の空に夕焼けが美しい。
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
台風10号の余波はかなり強く夕方近くになって漸く晴れ上がり、
茜色の空に群青色も残っていて



落人の里に咲きたる濃竜胆  泰與

濃竜胆が咲き誇る落人の里。静かな山里の景色。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。





(9/08)


台風裡木橋を越えて走る水   夢積

台風の雨で増水した河川、水は木橋を超えて流れている。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


グラス越え升に滴る新走り   昼顔

枡に置かれたグラスに新走りをなみなみと注ぐ。
溢れた酒が枡に貯まる。酒飲みにはたまらないお店のサービス。
岩永静代 和さん、おとりいただき、ありがとうございます??!
そうなんです!そうなんです!



三つ撚りの糸の契りや天高し   玉有良
お友達の結婚を祝う気持ちに溢れた句。
小出有紀 北野さん、ありがとうございます?



濯ぎもの台風一過の天に干す  栄太郎

台風が行き過ぎ晴れ間が。溜まった洗濯物を干すチャンス!
桑本 栄太郎 北野さん・・・大変有難う御座います!!。
何時までもぐずぐずしていた空も台風一過の秋晴れとなり、洗濯ものの山です。
濯ぎものを竿に干すたびに、あおぞらが眼に沁みるようです。





(9/07)


警官の手旗信号野分け後   紀宣

台風で停電し、大通りの信号も点かなくなり、
お巡りさんが急遽手旗で交通整理。
東日本大震災のときもこんな事がありました。
つちたに jt 純一 北野さん、特選に選んで頂きありがとうございます。
また素晴らしい鑑賞ありがとうございます。とても嬉しいです



(並選)


台風に傘を引きずり児の帰る   夢積

台風で傘を壊され引きずり帰る子どもたち。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



颱風や災難を待つワイドショー   慢鱚

台風の通過と被害を刻々と伝えるワイドショー。
大きな災難を待ち構えているようでもある。
大工原 一彦 北野 和良さん。ご選句ありがとうございます。
地震と違い台風はコースの予想ができるので
ワイドショーは待ち構えているようでなんか複雑です



ゑのころの風に抗ふこと知らず  栄太郎

エノコロ草は風まかせ、決して抗いはしない。
桑本 栄太郎 、北野さん、・・・大変有難う御座います!!。
ゑのころ草は少しの風でも靡きながら懸命に生きています。
そのけなげな様子を眺めて居れば、勇気を与えられそうです。





(9/06)


おとましや台風眼のぱつちりと  栄太郎

巨大な勢力の台風がやってきた。眼がぱっちりとしているのがおとましい。
桑本 栄太郎 北野さん、杉山さん・・・大変有難う御座います!!。
今回の台風10号はあれだけの規模なのに、大きな目がパッチリ開いていてとても不気味です。



(並選)


生き生きと高きに登る酒を下げ    夢積

酒を下げどこへ登るのだろう?
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます、重陽に御在所岳でも。



湯上がりの嬰のふぐりや衣被   昼顔

衣被が絶妙に面白い。
岩永静代 和さん、おとりいただき、ありがとうございます??!
季語を褒めていただけて、メチャメチャ嬉しいです??



踝を乙女が伸ばし採る葡萄   直

葡萄を採ろうと背伸びして。
大津留 直 北野 和良 さん、ありがとうございます。嬉しく存じます。





(9/05)


劍山にぐさりと太き秋を插す   祐

何の花を活けておられるのか、下五が素晴らしい。
牧内 登志雄 北野さん、大工原さん、特選をありがとうございます。
励みにいたします。



(並選)


三猿の手は口にあり秋の陣   夢積

物言えば唇寒し。
Mutumi Shinogi 北野さんありがとうございます。



台風や太平洋の産む鬼子   一路

まったくそのとおり。
辻井市郎 北野 和良さん、ありがとうございます?
猛暑の後に次々と台風、心配ですね??
海水温が高いようなので11月までは発生が続くんでしょうね



気が付け今朝は鳴かずや秋の蝉  栄太郎

蝉の鳴き声が途絶え秋を実感する。
桑本 栄太郎 北野さん、藤倉さん・・・大変有難う御座います!!。
朝方はかなり涼しくなったなあ〜と思っていましたが、
蝉の鳴き声が聞こえなくなっていました。





(9/04)


初月や父母の温もり老いて知る   夢積

月を見ていると父母の恩愛が改めて身にしみる。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


月隠れ穢れた下界興味なき   淳

今宵の月は汚れた下界を見捨てるかのごとく雲に隠れていった。
京谷淳 北野 和良さん、鑑賞付きでありがとうございます。



涅槃より響いて来たる虫時雨  千秋

今宵の虫時雨はまるで涅槃から響いてくるようだ。
中野千秋 和良さん、ありがとうございます。



唐黍や入歯労はりかぶりつく  栄太郎

唐黍にかぶりつく、もう若くはないのだから歯を痛めないよう気をつけて。
桑本 栄太郎 北野さん、工藤さん・・大変有難う御座います!!。
唐黍は両手でつかみかぶりつく事が一番良いのですが、
入歯を労わりながらではどうも?





(9/03)


ただならぬ空の重さや秋豪雨   夢積

台風の接近を告げるかのように豪雨、中七に緊迫感がある。
Mutumi Shinogi 北野さん特選ありがとうございます。



(並選)


新生姜の妻の漬けたる甘酢漬け  栄太郎

新生姜の甘酢漬け、美味しそうです。
桑本 栄太郎 北野さん、工藤さん・・・大変有難う御座います!!。
家内が新生姜を使い「甘酢漬け」を作りました。所謂お寿司さんで
出て来る」「ガリ」ですが、食べてみてその美味しさに驚きました。



月光の糸に頤釣られたり   玉有良

不思議な句だ。月光の力で頤が上がった?
小出有紀 北野さん、辻井さん、ありがとうございます?
台風の接近で危ぶまれましたが、二時間ほどは姿を見せてくれました。
「見上げる」を他の表現で詠みたかったので、選んでいただき嬉しいです??



秋扇まとまりさうでまとまらず  満徳

まとめようとしてまとまらず、秋扇でやたらと煽いでみる。
永田 満徳 選んで頂きありがとうございます。
まったく思案は思案を呼びますね。





(9/02)


西陣の糸に錦の秋を織る  風精

西陣の帯に織られた秋の錦、見事です。
藤野富士雄 北野 和良様、特選に選んで頂き有り難う御座います



(並選)


庭木みな鳩吹く風の葉擦れかな  栄太郎

風に揺れる庭木の葉擦れはまるで鳩笛のようだ。
桑本 栄太郎 北野さん、辻井さん・・・大変有難う御座います!!。
台風が近づいているせいでしょうか? 一昨日9月1日は朝より秋風がそよそよと吹き、
心地よい朝でした。



見せかけの総裁選挙虫の声  一路

勝ち馬に雪崩を打って。
辻井市郎 北野 和良さん、ありがとうございます?
政治を俳句にすることの是非については、賛否のあるところでしょうが、
あえて挑戦したいと思います



地球儀をぐるりと回し鳥渡る  美音

渡り鳥は何千キロも飛んでいく。地球儀を回すが面白い。





(9/01)


ふるさとの”新甘泉”や梨の着く・・・栄太郎

果実農家も新品種の開発に懸命ですね。
桑本 栄太郎 北野さん、岩永さん、・・・大変有難う御座います!!。
二十世紀梨で有名な田舎鳥取では、今世紀になって甘みの強い「新甘泉」
とのブランドを開発して居り、早速送ってくれました。美味しいですよ!!。
お店で見れば是非買って見て下さい!!。



(並選)


「エルドラド」灯りを落とす夜半の秋   昼顔

豊島園閉園を惜しむ記念の句。
岩永静代 和さん、おとりいただき、ありがとうございます??!
東京にいた20年余り。今はすでにないかと思いますが、観覧車は
向ヶ丘遊園。メリーゴーランドは、豊島園が私の想い出です…



めはじきやまま事遊び出来ぬ日日  泰與

小さな子どもたちもコロナ禍で十分に遊べない。
小口 泰與 北野 和良様 有難う御座います。大変嬉しいです。



ライオンの糞の臭ひや鹿防ぐ  亜仁子

畑を荒らす野生の鹿を近づけない秘策。
Aniko Papp 選んでいただき、ご鑑賞、ありがとうございます。嬉しいですね。